かつて京都の台所と言われた錦市場ですが、都心部に住む住民の人口は減少し付近の小学校も閉鎖された状況にあります。料亭の食材仕入れも、恐らく、不景気で社用族の激減、低価格化、合理化が進んで、錦の老舗店との取引は減っているのではないかと推察します。
漬物や菓子店ならば、観光客に買ってもらって、持ち帰りや土産品としての商売にシフトすることが可能です。
八百屋、鮮魚店の生き残りは? 青果物や魚介は、簡単には持ち帰れません。「京野菜」はそれなりのブランドが浸透して来たので宅配で配達という方法もあるでしょう。
そこで編み出された商売が、その場で調理してお客さんに食べてもらう。お腹の中に入れて持ち帰る方法。
この魚屋では、牡蠣、ホタテとさざえに的を絞って、単純な調理方法で、つまり単にガス火で焼く、これを通路に面した店の正面で実行しています。焦げた香りが漂ってくるので、人気の店になっています。ビール、コップ酒も出すので、客単価も高くなって、魚屋時代より利益は大きいのではないでしょうか。
別に、牡蠣の名産地でもない京都ですが、歩きくだびれて喉が乾いた観光客には、ビールと焼き貝はぴったり。
八百屋でも飲食兼営が増えています。
昔どおりの錦市場は、たしかに懐かしいし、文化的にも保存してほしいですが、店主家族の生活を維持した動態保存とが必要です。
これからも、みやげ物、漬物と、喫茶、アイス、飲食店が増えるでしょうね。