朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

小惑星探査機 はやぶさ

2010-06-16 | もろもろの事
日本の工業技術の優秀さと宇宙科学観測運用の水準の高さを改めて実証した「はやぶさ」の成功には大きな拍手を贈りたい。



 W杯での日本の勝利にかき消されて、ほぼ1日だけの報道でしたが、2003年5月(7年前)に日本のロケットで打ち上げられて以来、幾度もの故障や行方不明にもめげず、ミッションを達成して地球に帰還しました。

 ロケットの打ち上げがまず成功し(最近でも韓国の人工衛星(ロシア技術)が打ち上げ失敗しています)、その後、地球の引力を利用して振り子のように加速する軌道操作技術に成功。

 イオンロケットなるきわめて特殊で効率の良いエンジン(NEC製)を4基搭載するも、その3つが故障。最後の1つも部分故障したのですが、他の故障したエンジンの部品を結合して再生。こんな操作をずべて地球上から遠隔操作で実施したのです。

 地球への帰還開始の際も、機器故障のため予定の軌道では飛行できなくなり、地球との位置関係が良好となる年月を待つため、設計寿命を大幅に超える3年間余分に放浪したのでした。

 宇宙空間を光の速度で飛ぶ電波ですが、地球とは太陽を挟んで公転軌道の反対側に行ってしまうと、相手に届くまで数分間もの時間差が生じます。

 地球大気圏突入にしても、よくあんなに正確に豪州の砂漠に落下させられるものですね。以前なにかで読んだのですが、宇宙から見ると大気がとても濃いので、池の水面みたいなものだそうです。池や川の水に斜めから石を投げると、水面で石がジャンプして数回跳躍を続けます。実際、ロケット落下物もそんな状態にもなるでしょうし、突入の位置と速度の測定と計算を間違えると、落下地点の誤差がすぐ大きくなると想像されます。

 全く、驚異的です。すばらしい。

コメント
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