ジェンダーからみるカンボジア

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LGBTボランティアの活躍

2013年01月17日 | カンボジアのジェンダー規範

 

 

LGBT(Lesbian, Gay Bisexual and Transgender)の人たちのエンパワメントを進めている、Rockというボランティアグループの代表にインタビューすることに。

今年引き受けている大きな仕事である「女性に対する暴力撲滅のための国家計画」作成にあたって、LGBTへの配慮を十分に盛り込もうと働きかけているわたし。フンセン首相が12月に「GAYの人たちを差別するのをやめよう」って発言したことを受けて、女性省もLGBTに対する厳しい態度がかなり軟化していて、わたしの仕事がやりやすい環境が整りつつあるのだ。フンセン首相にたまには感謝するのである。

ROCKは、以前大学の同僚でレズの先生がイニシアチヴをとってセミナーを開催してくれたことがあって、直接話を聞いたことがあったのだけれど、一対一でお話を聞くと、いろんな差別やStigmaの問題が身近に感じられて、とても勉強になるのである。

↓ブルーパンプキンでアイスクリームを食べる子ども、1月なのにとっても暑い

LGBT支援とはいっても、ROCKはレズビアンに特にネットワーク網を張り巡らしていて、教えてもらう事例のほとんどはレズへの差別。一番の問題は、社会的差別よりも、「母親からの差別・暴力」だそう。子どもにとって、母親は一身近な存在なのに、その母親が先頭にたって子どもを「まとも」にするためにいろんなことをやるそうな。

↓女の子たちも、アイスクリームを楽しむ

LGBTの権利擁護のための弁護士確保の問題もあって、国連人権センターでも対応できないそうな。昨年レズビアンのカップルの女性の親が、娘の恋人(もちろん女性)に対して、裁判を起こした事件では(娘がだまされて誘拐されて云々・・・・)、弁護士がどう弁護していいのかわからずに右往左往したそう。

2-3月と国家計画をまとめていく段階で、LGBTの人たちの意見や懸念が反映されるようにするのがわたしの使命。ROCKはサポートしてくれるって言質をとれたので、心強いのである。