「カンボジア」ってひとくくりにするのは無理だと常日頃思ってるんだけれど、カンボジアの女性は、よく働く。働く女性といっても、またしても一枚岩ではなくって、都会でOLやってる人もいれば、田舎で農業やってる人もいる。農村では雇用機会があまりないから出稼ぎに出る女性も多い・・・・・うちもお手伝いさん二人とも出稼ぎだし、出稼ぎっていうのは身近なことなのだ。とはいってもお手伝いさんたちはSORIYAマーケットにも行ったことがないというので、子どもたちを連れて見学に行ってもらうのである。
↓モンドルキリカフェで朝食、コーヒーがおいしい
農村地域の女性がなぜ都会に出稼ぎにでるかの簡単な調査、Understanding pre-departure conditions and coping stratgies of women migrating from rural to urban areas、CARE Internationalが事業実施の一環で外部コンサルタントに委託調査したもの。
60人の女性(縫製工場で働く女性とビール販売をする女性)がグループインタビューを受け、14人の女性が個別インタビュー受けて、出稼ぎに関するいろんな質問項目に回答。結果では、多くの女性が自分の意思で出稼ぎを決定している。村では、出稼ぎに行けば収入が得られるっていう情報があって、身近な人がすでに出稼ぎにでている場合がほとんど。家族から出稼ぎに行けって強要されたのは少なくて、多くの女性は自分の意思で出稼ぎに行くことを決めてる。
↓あっさり味のクイティエウ、子どもは一皿食べてもまだ足らない・・・・
娘は親の元にいるべきっていう伝統的な考えを持つ家族の反対を押し切って出稼ぎに出てる人もいるくらいで、これはKhmer Women on the moveっていう本でも、似たような現象が紹介されてる。
↓フレッシュなオレンジジュースも大好物、一杯くくって飲んじゃう
↓女性にもてもての下の子、どんな大人になるやら・・・・・それにしてもお手伝いさんたちは天使
調査で整理されている結果によると、出稼ぎに出ている女性たちは、ほんとにたくさんの問題をかかえてて(それは東京に住む出稼ぎ女性も同じだろうとおもう・・・・・)よくがんばってるなと思う。家族と会えなくてさみしいとか、縫製工場での待遇が悪いとか、収入がぜんぜん足らないとか・・・・・
縫製工場の女性は、仕事に関連する問題があっても、「黙ってる」女性がほとんど。ビール販売の女性は、「セクハラにあったら相談する」程度で、それ以外はやはり黙ってるそう。面白い発見は、「NGOの人は時々くるけれど、あの人たちに助けを求めるのはちょっと注意したほうがいい」って考えている点。行政へ何か支援を求めるかという点については、皆無。
↓おかゆ、とてもあっさり味で下の子にちょうどいい
縫製工場で働いていたりビール販売とかをしている女性は、一応「契約」を結んで働いているので、インフォーマルセクターの女性よりはセーフティーネットがあるんじゃないかと思ったりするんだけれど、実際はそうでもない。契約内容がめちゃくちゃだったり、さらには
家庭内労働者のネットワークをつくって、彼女たちが課題や問題を共有したり、励みになる場を設けたいってがんばってる団体の理事をしてるんだけど、そういえばどうなってるんだろう。うちのお手伝いさんたちの雇用条件は悪くはないと思うので他の人たちの劣悪な状況を聞いてくれれば比較できていいんだけれど、でも下の子のお手伝いさんなんて24時間勤務で、とても大変な仕事だと思う。
出稼ぎに行ってるのはわたしも同じなので、出稼ぎに出ている人たちが、たとえばすぐに病院に行けるとか、休みがとれるとか、育児にこまらなくていいとか、そういう環境整備が必要だなあ。30万とも40万ともいわれる若い女性が都市部で出稼ぎしてるので、とってもとっても切実な問題なのだ。