ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

しぐれ町物語

2012年03月31日 | カンボジアの外で感じたこと

 

「本所しぐれ町物語」は、藤沢周平さんの書いたお話で、江戸の下町の生活模様が、いろんな家庭の事情を通じて描き出されてる。

なかなかいい味をだしてる年配の男性たちがいきいきと自由奔放に生活している様子と比較して、女性たちは男性のせいで苦しんでる人が圧倒的におおかったりして(少女でさえ酒飲みの父親に苦しめられてる)、なんとも面白い下町の様子。

 

「切なく辛いことがあっても、じっと辛抱してしのいでいくうちに、何とか恰好がついてくるものだ。世の中がちょっぴり見えたと思うのも、そんなときだ。途中で投げ出してしまえば、見えるものだって見えはしない。」

↓今回、NIKEで勧められて買ったマラソン用シューズ

人生について語ってる人のセリフが、毎朝走ってる自分への言葉のように響いてきたのであった。

 

 


死刑制度のある日本って・・・・・!?

2012年03月30日 | カンボジアの外で感じたこと

 

新聞とかの報道によると、日本では、1年8か月ぶりに死刑執行が実施されたそう。

つい先日、大学院の講義でとりあげた問題なのだけれど(グッドガバンスの講義の一環)、当然ながらわたしは死刑制度は反対派。なんといっても人権活動家でもあるわたし、死刑制度のような野蛮かつ人権侵害そのものの制度は容認できない。冤罪の問題を考えるだけでなくって、人の生きる権利を国が奪っていいのかどうか、っていう点を考えると、どんなに残酷な事件でも、犯罪者を死刑にするのは人権擁護の観点からは容認できないのだ。 まあ、そうは言ってても、自分のこどもが惨殺されたりしたら、加害者を死刑にしてやる!!って刀もって追いかけてるかもしれないけど・・・・・・

↓須磨の浜からの朝日

2年前くらいに実施された世論調査では、8割以上の日本人が死刑制度に賛成しているそうで、いやはや、人権分野で仕事している人間としては、衝撃的な世論調査結果。日本人って、どういう人権に対する思想をもってるんだ???法務省とか学校教育では、どんな人権教育をやってるんだろう?半数くらいの日本人が賛成しているって結果がでたとしてもショックなのに、大多数が賛成してるのか・・・・・信じられない・・・・・・

↓こっちは一の谷、淡路島

なんたるこっちゃ、法務大臣はいったいどんな人だろうって思ってネットでチェックすると、法務大臣が誰だかわかったことはどうでもよくって、それよりも、19人いる閣僚のうち女性が1名しかいないってことに愕然・・・・・・

いやはや、消費税の議論で夜中までえんえんと議論しているらしい政治家にもあきれ果てるけれど、日本はなんとも混迷しているなあ。夜中まで議論して、早朝からまた会議やって、政治家はいったいなにを決めてるんだろう・・・・・・・死刑制度廃止なんて、議論にもなってない様子なんだけれど、おそろしい社会だなあ。

子どもと一緒に日常生活を送っているのは、一党独裁・言論の自由のない社会。そういう生活もどうかと思うときも多々あるけれど、政府の中にいて仕事していると、いろいろ問題はあるとしても決定メカニズムが、決定が実行されるっていう利点もあって、なんとも複雑な気持ちになるのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


カンボジアの唐辛子

2012年03月29日 | カンボジアの外で感じたこと

 

 

今回も、カンボジアから唐辛子1キロ、にんにく1キロ持って帰ってきたわたし。前回は、唐辛子を袋に入れたままにしていたら、ちょっと腐らせてしまったので、今回は帰国するなり天日干しすることに。

仕事をいろいろと持って帰ってきたので、部屋にこもって仕事していると、子どもがてくてくてく・・・・ってやってきて、使ってない温風ヒーターで遊びはじめ・・・・

いろんなことができるようになったなあと感激していると・・・・

あれれ、なんで唐辛子手にもってるの?

おかしい・・・と思って、おじいちゃんとおばあちゃんの部屋をのぞきにいくと・・・・

なんと、ベランダでほしていた唐辛子、小雨がふったので部屋にいれてたらしいのだけれど、子どもがめちゃくちゃにあらしていたのであった。

「きゃあ~」って思わず叫んでしまったら、泣き出した子ども、おもしろくて写真撮影。

子どもは、反省もせず、ひたすらからしで遊ぶのである。 

食べたりかんだりしてるんだけれど、からくないのかな・・・・・さすが、唐辛子大好きな母の子どもだけあって、大丈夫なのかしらん。

 

 

 

 


須磨の朝

2012年03月28日 | カンボジアの外で感じたこと

 

戻ってきた日本でも、朝のジョギングを日課にして、ジェームス山から須磨まで走ることに☆

いつも子どもと歩いてる明石大橋方面に向かって朝走ると、帰路太陽光を浴びないといけないから、東の須磨へと向かうことに。海岸沿いとはいっても国道と鉄道しか走ってない、海と山との間の狭い区間を走るので、いまいちつまんないんだけれど。

朝5時過ぎにはなんとなく明るくなってて、でも寒い!!!やっぱりここは日本・・・・8度なのである。

↓鉄道マニアがよく写真をとってるスポット、須磨海岸が目の前

子どもは寝ててもらって、母だけ早朝トレーニング。

朝運動すると、一日気分爽快。ただ、ジョギングウェアーとか冬用なんてないので、母親がジムでとっかえひっかえ着てるおしゃれなウェアーを借りるのである。サイズがいっしょだと、こういう時に便利だなあ~

カンボジアと違って、公園でエアロビしている集団もいないし、ぞろぞろおしゃべりしながら歩いてる集団も朝から賭け事してる人たちもいない静かな日本。でも、思いっきり信号無視してるバイクはいて、ははは、カンボジアだけではないんだよなあ、と苦笑いしてしまったのである。

 

 

 

 


日本への移動

2012年03月27日 | カンボジアの外で感じたこと

 

プノンペンの空港に夕方6時ごろつくと、すさまじい混み具合で、「水祭り?」みたいな賑わい。

↓歩くのも大変な空港

どうやら、夜中の便で韓国へ出稼ぎに行く人たちが大量にいるらしくて、家族が見送りに来てたりしているのだ。

ラヨットもきてくれたので、PIZZA CAMPANYでアイスクリームとピザを食べてから出国することに。

↓ビールとアイスクリームで乾杯

1ヶ月ラヨットとこどもが離れ離れになっちゃうのは、さみしいなあ・・・・・・

マウ相手に出稼ぎ労働の実態のこととかについておしゃべりしながらビール飲んでたらあっという間に時間が過ぎて、タイへと移動。それにしても、タイ航空って、食事がますますひどくなってて、とても食べられるものが出ない・・・・・ワインも頼んでても到着直前まで出てこないし。サービス改善してほしいなあ。やっぱりサンドイッチとか自分で買って乗り込まないとだめだなあ。

↓タイで飲みながら日本行フライトを待つわたしたち

なんだか、子どもは、いっちょまえの大人みたい。ポップコーンも母の柿の種もがぶがぶ食べるのである。

ベビーカーなしで移動してても困らなくって、子どもが成長してるなあと感じるのであった。

 

 

 

 


今日から1ヶ月日本です☆

2012年03月26日 | カンボジアの生活

 

あっという間に2か月は過ぎてしまい、また日本へ!!

子どもは、ラヨットと二人で、どこにでもお出かけしてたので、一人になるのはさみしいかなあ・・・・・

↓大学のお菓子売り場で

日本はまだ寒いそうなので、かぜひかないようにしなきゃ。今回は、大きな仕事を持って帰るのだけれど、論文を書くような仕事だから、けっこう楽しみ。

新年を過ごせないのはちょっと残念な気もするけれど、ま、子どもがもうちょっと大きくなったら、新年のお祝い事とかも参加して、ばっちりカンボジア人になってもらうように育てたいなあ。

 

 

 

 


ロワイヤルでの会議

2012年03月26日 | カンボジアの生活

 

自分が会議を主催するなら、インターコンチネンタルを選ぶわたし。担当の人が超イケメンっていうのも理由なんだけれど、サービスもいいし、食事もおいしいし、快適に会議ができるのだ。

でも、今回は、ロワイヤルで会議をすることに。

↓クリスタルルーム、20人くらいの会議にはちょうどいいかんじ 

 

今回の会合は、女性省の内部の打ち合わせなのだけれど、担当者がいきなり地方出張に行ってしまったので、わたしが司会進行をするはめに。出席者の半数が外国人なので英語で司会したのだけれど、クメール語のほうがすらすら話せるなあ・・・・と思ってしまったのである。英語って、日本語と同じで、いろいろと言い回しとか表現とか工夫しないと教養のなさがすぐにばれるので、学生相手の場合とは違って、なんだかネイティブの人たちに囲まれて英語のテスト受けてるようなかんじなのだ・・・・・。

昨年の仕事のひとつは、女性省が主催するTWGGの下部組織として、「女性に対する暴力に関するワーキンググループ」を立ち上げたこと。引き受けたときは、簡単な仕事だろうと思ったのだけれど、いやはやこれが、魑魅魍魎の世界に足を踏み入れてしまったようで、ともかく調整ばっかりで時間をとられて、なんとも大変なプロセスだったのだ。

今回は、そのワーキンググループの準備会合。わたしの今年末までの大きな仕事のひとつは、このグループへの技術支援。新しい組織を立ち上げるっていうのは、とっても大変な作業だったのだけれど、そのグループをどう運営していくかは、さらにもっと大変ななぎ道のりになりそう・・・・・

 

 

 

 


カンボジアでの離婚の手続き

2012年03月25日 | 女性の自立

 

 

「知り合いが離婚したいのですけれど」と、コメントでお問い合わせをいただいたので。簡単に回答します。

わたしがこれまでかかわった離婚関係問題の経験と、弁護士さんとか関係者に問い合わせた結果をまとめると、法律結婚している場合における離婚は、裁判所に行かないと不可能。その場合、片方が離婚に反対している場合でも、「離婚を望まない配偶者より多額のおカネ」を支払えば可能。残念ながら、周辺のもめ事を見てると、人身取引だろうがレイプだろうが、弁護士をたてたとしても、裁判所に事件を持ち込んでいたとしても、おカネで解決してしまうケースのほうが多いのだ。ちなみに、お金を支払う相手は、たいていの場合弁護士がちゃんと把握してる。

↓かんぱーいの練習をする子どもたち

 

昨年12月までの親族家族法では、離婚には裁判所で3回の調停が必要である(さらにその場に弁護士は立ち会えない)ってことになっていたけれど、実際におカネでカタをつけて調停を全部ぶっとばして子どもの親権まで勝ち取った知り合いもいる。彼女は事実婚だったのだけれど、家をどうするかでもめたのだ(彼女は家も勝ち取ったけれど、そのあとの子どもへの養育費は無理だった)。

ただ、昨年12月から施行になってる民法では、離婚の調停は、協議離婚は裁判所に持ち込めるけれど、それ以外は(片方が離婚したくない場合)、とりあえずコミューン・サンカットに申し出て調停を経て、その後裁判所に持ち込まないといけない手続きになってる。裁判所では、「一方が強く離婚を希望していても、調停を試みる」こととされていて、結婚という絆がとっても重要視されているのがわかる法律になってる。

 ↓離婚となると、親権をどうするかは深刻な問題・・・・・

久しぶりに弁護士さんにいろいろ話をきいたのだけれど、法律上の手続きと、実際の手続きがあまりにも違うので、なんともややこしいし、女性にとってとても不利になってるのが現状。「民法は新しいし、裁判官のほとんどは内容を知らないから、適当にやってる」そうなのだ・・・・なんたるこっちゃ。ちなみに弁護士たちも、「適当に調停やってるよねえ・・・・」とのことで、調停の回数とか気にしてないらしい。

なんでもおカネで解決してしまうのがカンボジア社会。つい最近も、SEZでの発砲事件をおカネで解決しようとしたのは、とある政府高官とかいう政治家の名前入りの新聞記事まで出る始末・・・・・・政府高官が刑事事件をもみけそうとするんだものなあ、なんたる事態だ。

弁護士団体の人たちが身近だから、しょっちゅう悲惨な事件の顛末を聞いてるけれど、カンボジアで法律にのっとって裁判されるなんて、まだまだ先のこと。とりあえずは、何があっても大丈夫なように、女性たちをエンパワーして経済的に自立してもらって、いざという時のために備えをしてもしてもらうしかないのだよなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


通ってる公園

2012年03月24日 | カンボジアの母子保健

 

 

子どもたちがカフェ難民と化している生活をやめて、町中にある公園に子どもを置いて仕事にでてCAFEにも寄るようになったわたし。

役所に行くときはワットプノンの公園、講義のときは大学の外国語センターの前にある公園に、マウと子ども二人を預けるのである。

↓わたしは入ったことのない公園、電車?とかあって楽しいらしい

遊んだあとは、ブルーパンプキンか公園のすぐ南にあるノムバンチョップのお店で休憩。 

↓ノムバンチョップ

↓ラヨットは、焼きそばを注文

↓ロッチャー、ちょっといまいちかな

日本だと、公園でほかのお母さんとか子どもとかの関係でちょっとなんだか配慮しないといけないから大変なのだけれど、カンボジアだとマウにおまかせできるから、なんとも気楽。

ただ、連日のようにけがをしてる子どもたち。ま、元気なのはいいか。

 

 

 

 


司法におけるジェンダー・バイアスに関するセミナー

2012年03月23日 | 女性の自立

 

 

 Legal Support for Children and Women (LSCW)が、司法分野におけるジェンダー配慮(特にジェンダー・バイアス)について小規模調査をして、結果のお披露目会があったので、顔出し。わたしはこの団体の理事をすでに10年くらいしてきているのである。

調査によると、インタビューした人のほぼ全員が、ジェンダーとは「男女平等のこと」だと理解しているとの結果。まあ、そうなのだよな、わたしの生徒もそうだから。日本と違って、ジェンダーっていうのが世界をかえてくれるマジカルワードのように理解されているのがカンボジア社会。

↓こどもたちもプールサイドで参加

ジェンダー配慮、って側面に着眼して、調査をしているのだけれど、裁判でレイプ事件などが扱われる場合、裁判官から不適切な質問が出て、被害者が二次被害にあっている報告も。まあ、当然予想されることで、カンボジアだけの問題ではないんだよな。同時に、被害者(女性)が性的被害などにあっても法的手段をとりたくないという点も、インタビューを通じで紹介されていて、はずかしいと思ってしまったり、司法に対する信頼がないから、などなど、まあ、これまでも何度も指摘されている理由が改めて紹介。

↓セミナーは外が見えない部屋だったのだけれど、一歩外に出ると見事な眺め

まあ、なかなか悪くない調査なのに、残念ながら提言がいまいち。「もっと研修を実施する」、「ジェンダー配慮の訴訟手続きガイドライン作成」、「(弁護士からの強い要望として)トラウマを追っている被害者への対応ガイドライン作成あるいはカウンセラー配置」の3点のみ。というのも、参加型で提言をつくってなくって、調査チームが提言をしているだけだからなのだけれど・・・・・・

 

司法におけるジェンダーバイアスは、大きすぎるテーマなので、簡単な調査では取り扱えないのではないかなあ・・・・・と、結果を聞きながら、もっとがんばってもらわないと、って思ったのである。

セミナーを退席して、子どもを探しに行くと、いない・・・・・・・

↓また洗われてた!! 

 

セミナーに顔出しに来ただけだったので、プールにははいれなかったのが残念だけれど、ラヨットもこどもも楽しんでくれたみたい? 

レイプ裁判とかでは、裁判官が信じらない発言をすることが多発しているので、たいていのことは驚かないんだけれど、今回聞いてむかっとした事件がまたひとつ(でもセミナーではとりあげられず、オフレコで弁護士から聞いた話)。事件は、15歳の少女がレイプされた裁判。公判で、裁判官が、被害者の少女に対して、「どうやってレイプされたか示してみなさい」と指示したらしい・・・・・・・ありえない・・・・・・・いやはや、カンボジアの司法、課題が多すぎるのである。