One Stop Service Center (OSSC)は、暴力の被害にあった女性が飛び込めば、そこですべてのサービスが受けられるシステム。例えばレイプの被害にあった女性は、まずレイプにあった証拠を残すためのチェックと、妊娠しないように緊急ピルを処方してもらうことが最低限必要。これはお医者さんがする仕事。それに加えて、精神的な被害にあっているのでカウンセリングを受けたり、警察の事情聴取とか、弁護士の手配とか、家に戻れない場合はシェルターへの案内とか、被害者に対してはいろんなサービスが必要なのだ。イギリスの調査では、レイプの被害者に対応するには7万ポンドかかる(1000万円くらい?)っていう試算があるくらいで、暴力の被害者を減らすことは、まさに国家経済に貢献することなのだ。
カンボジアでは、OSSCを設置する議論がさかんになってて、近い将来に設置することは間違いない・・・んだけれど、病院にするのか、新しい建物をたてるのか、あるいは女性局とか既存の建物に設置するのか、まだ決定してない。私が今回タイのOSSCを訪問するということで、女性省からも、しっかり見てきて報告するように依頼されてて、必死に見学するのである。
タイでは、1999年に、政府の通達でOne Stop Service Center がすべての国立病院に設置することが決定されたそう。でも実際には、すべてではなくって、まだ限られた国立病院のみで実施されてる。
↓今回は、タクシン病院のOSSCを訪問
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OSSCでは、すべての暴力の被害者へのサービス提供をしているのだけれど、実際のところは60-70%のケースはDVの被害者だそう。
↓国立病院なんだけれど、とても清潔で理路整然としたかんじ
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タイ市内では、9病院の病院があって、わたしたちはタクシン病院を訪問させてもらったんだけれど、なんと、この病院の院長は女性で超美人。
↓OSSCの直接担当となってるお医者さんも美人の女性
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産婦人科の局長が男性なのはちょっとびっくりだったんだけれど、ずらーっと並んだOSSC担当先生はすべて女性。
↓母が必死に聞いて質問するので、ベトナムからの参加者が子守してくれる
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「レイプ被害者で、緊急ケアに間に合わずに飛び込んできたお客さんに対して、中絶を希望した場合には中絶を無料で提供するのか」と聞いたら、なんとも大騒ぎになった先生たち。なんか悪いこと聞いた?と思ったら、「中絶はこの病院では実施しないので、希望者にはほかの病院に連れていく」との回答。なんでも、タイでは中絶が違法なので、レイプの被害者でも中絶しちゃだめなのだそう。なんたるこっちゃ!?
年間400-500人の女性が希望しない妊娠の問題でこの病院を訪れるそう。「そういう女性にどう対応してるんですか?」と裏で聞くと、「子どもを産むように説得する」のだそう。さらに、愕然・・・・なんたるこっちゃ・・・・早く法律かえないと!!
↓OSSCを訪問、1階の利口付近にある
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↓立派な看板は、センターの内側にかかってる
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↓ピンクと白いで華やかな雰囲気のOSSC
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↓お医者さんがメディカルチェックをする部屋
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↓女性の待合室
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↓こちらも女性の待合室
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設備としては、抜群のOSSC。たぶん、サービスも、一流のお医者さんがたくさんいるから、それなりのサービスが受けられるのだろうと察する。どの程度被害者に対してエンパワーメントの観点から接しているかどうかは、かなり個々人の努力とか心がけによって変わってくると思うのだけれど。
ただ、とても疑問なのは、「こんな大きな病院、さらに入口に軍服をきた男性が数名警備のために立ってる病院に、被害者の女性がやってこれるのか?」というアクセスビリティの問題。
それにしても、今回このOSSCを病院できて、ほんとうに勉強になった。さて、カンボジアでどうやっていくのかなあ。今後の議論に貢献せねば。