ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

2014年も終わり

2014年12月31日 | 日本滞在

 

 

 

2014年、とってもとっても充実した一年だった。

今年は、PCを3台も変えたので、写真の整理をしなきゃと思いつつ・・・・・現在は本来今頃アシスタントが使っているはずだった白いASUSのおもちゃみたいなのを使用中。カンボジアに戻って早くMACを使いたい~

毎年いろんな楽しいことがあるけれど、今年はこれまでに比べてかなり余裕をもって生活を楽しめたような気がする。

↓学生たちと食事したりスタディーツアーもたくさん企画☆

↓このクラスの子たちは今でもいろいろ手伝ってくれてる

↓学生たちに祝ってもらった誕生日もうれしい驚き☆

↓大人の旅となった、9月のパリも楽しかった~

ポルトガルは一人旅だったので、まったく写真がないのがちょっと残念かな。でも、約3週間の一人旅、飲みまくってたけれど、たのしかった~

↓10月のデリーも勉強になりました☆

9月以降は、仕事に加えて、LGBTの調査も開始して、10-11月は調査に没頭したのもうれしい経験だったかな。自分が立ち上げて実施する事業がこんなに楽しいなんて(まあいろいろストレスも多いけれど・・・・)、やっぱりモチベーションがあると生活も前向きになるなと思うのである。

↓学生たちとのココン、子どもたちも楽しみました

↓子どもたちも成長~

子ども二人をかかえて、仕事をしながら、旅行もたくさんしたし、怒涛のごとく過ぎた一年。

できなかったことで残念なことは、11月23日の神戸マラソンにでられなかったことと、結成40周年になるTHE ALFEEのコンサートにいけなかったことかなあ。2015年は、どちらも可能かな?健康第一で過ごしてたら、なんでも可能のような気がするなあ・・・・

 

 

 


強制結婚とレイプ

2014年12月30日 | LGBT-KR調査 2014

 

 

カンボジアの5都市でとったLBGTへのインタビュー、集計しなおすと、合計51名。

性暴力の経験があるかの集計を確認していて迷ったのは、(1)クメールルージュの兵士(たいていは肩書き付の権力者)を恋人にしていたり一緒に住んでいたゲイは暴力の被害者か、(2)強制結婚での性交渉をレイプとしていいか、について。いやはや、これからまだまだあると思う・・・・

非常にむつかしい分析と判断だけれど、クメールルージュのような独裁・紛争下で、圧倒的な権力を持っている圧制者の「恋人」になる、という選択は、完全に自由な選択だったかというと、やはりそれは無理だったのではないかと思う。「First Loveだった・・・」って話してくれたゲイの男性の恥ずかしそうな顔は忘れられないし、彼が性犯罪の被害者だったかというと、判断はいろいろあると思う。

↓村のインタビューで見た、一般的な台所の風景

 

強制結婚は、インタビューした大勢が経験していて、覚えている限りたった一人がクメールルージュに見つからないように動いているふりをしただけで、性交渉をしないまま結婚生活を続けた・・・・その人以外は、全員性交渉をしている。この点は、そこまで聞くのはもちろん失礼だとは思ったのだけれど、まあ失礼なことばかり聞いたし、そのうちのひとつの質問として、強制結婚をした人には全員必ず確認したのだ。性交渉をしましたか、って。やはり、ゲイやlesbianが、異性と性交渉をせざるをえない異性婚を強制されて性交渉をしなければならないっていうプレッシャーをかけられたのは、人道に反する罪だなあ・・・・・

 

 

 

 

 

 


You shouldn't have to hide to be safe

2014年12月29日 | 日本滞在

 

 

"You shouldn't have to hide to be safe"は、オーストラリア南ウェールズ州における、LGBTなどに対するヘイトクライムの状況について調査をした、2003年の報告書。

 

http://www.glhv.org.au/node/109

↓遊び場大好きの子どもたち

 

The levels of violence against lesbian and gay communities have changed little over the last 10 years, with this recent report finding that 56% of lesbians and gay men experienced homophobic abuse or violence in the last 12 months

数年前、Patener for Prevention がカンボジアに来てプレゼンをやったとき、まさに同じ発言。その忘れられない発言は、「この10年間、国連やドナーが巨額の支援をして女性に対する暴力撲滅活動を支援してきたけれど、暴力は減っていない、なにかが間違っていた」ー思うんだけれど、こういう発言をするのは国連内部の人間からっていう点で評価できるけれど、じゃあ、それまで10年間巨額の支援をしてきたドナーたちにおカネを出した人たちに対するaccoutabilityは?って気になるのである。

オーストラリアで、半数以上のLGBTが過去一年間に何らかの暴力を経験しているっていうのは、悲しい現実。言葉での暴力、ハラスメント、脅迫など、いろんな形で暴力がLGBTの人権侵害している。多くのゲイやlesbianが、虐待にあう可能性を否定できずに生きているっていうのも悲しい事実。そういう状況で生活していると、今日何を着ようかとか、職業や居住地域に関する決定にまで、影響を及ぼすことになる(報告書では、Effects of homopbic abuse として分析結果がまとめてある)。ちなみにカンボジアとの比較でおもしろいのは、(あくまでわたしの印象だけれど)、ゲイよりもlesbianのほうが、周囲の状況に影響を受けて自分の生活態度に配慮せざるを得ないと考えている点(報告書51ページ)。セクシャリティを隠さないといけないって考えているのは、ゲイもlesbianも同じで31-32%、バイの人は約半数。

LGBTってマージナライズすること自体問題があるかもしれないけれど、そうやって疎外化されることを通じて主流化されていくことにつながるといいな。

 

 

 

 

 

 


I'll be right there

2014年12月28日 | 日本滞在

 

 

予想以上に、奥が深くて、ちょっと複雑だった、I'll be right there。

 

 

韓国で全斗煥独裁時代に、20-30代を過ごした人たちの経験をもとに描いた作品だそう。本の最後にAuthor's Note があって、ほんとはそういうのは好きじゃないんだけれど、この本に限っては、そういうちょこっとしたミニ解説があってくれて、部外者としては、もう一度読みたいなって思わされて、よかったかも。

登場人物がちょっと多くて、いろんな人の回想がはいっててちょっとわかりにくい・・・・ところが難点かな。でも、子育てしなくて一人旅のときにでも読んでたら、きっともっともっとすーっとストレートに物語が入ってきたと思う。

最近読んだ本の中では、ほんとにめずらしく、再度読みたい本。韓国の作家、おそるべし。

 

 

 

 

 

 


寒い日本の冬

2014年12月28日 | 日本滞在

日本は寒い・・・・・

↓めげずに外で遊ぶ子どもたち

↓今回の滞在でかなりヒットだった、一口お寿司

↓子どもたちは食欲旺盛、どこでもがぶがぶ食べる

↓下の子は、自分で食べ物を囲い込む習性が・・・・・

二人っておもしろい。遊んだりけんかしたり、兄弟で育っていくのは、とても楽しそう。

 

 

 


アメリカでのLGBTへの暴力:Hate Violence 

2014年12月27日 | LGBT-KR調査 2014

 

 

国連の仕事のひとつが片付いたので(あとひとつはまだまだ続く・・・・)、自分の調査、クメールルージュ時代のLGBTに対する性暴力の調査報告書のまとめにかかりはじめたわたし。2月には報告書の発表なので、報告書を早く仕上げて、翻訳にまわしつつ出版もしなきゃいけないので、ほんとうは全力で書かないといけない・・・・んだけれど、まだインタビューの翻訳があがってこないので、それをいいことに、国連の仕事ばかりしていたのである。

参考になるような既存研究をざくっと持って帰ってきたんだけれど、ちらっと見た中では、かなり類似した調査で、内容もよさそうな調査書が

↓アメリカで2012年に実施された、LGBTなどに対するヘイトクライムに関する調査

 Hate Violence, Agaist LGBTQ, and HIV affected communities, in US 20112http://yubanet.com/usa/National-Report-on-Hate-Violence-Against-LGBTQ-and-HIV-Affected-Communities-Released-Today.php#.VJ4S6NAoA

 

面白いのは、LGBTQという性的マイノリティだけでなくって、たとえば、黒人のLGBTQであれば、LGBTよりも身体的な暴力にあう可能性がある。ゲイに対する暴力は、ほかの被害者と比較して医療的な対応が必要である、トランスの人たちはほかの性的マイノリティと比較して言葉による脅迫などにあう可能性がある・・・・などなど、Intersecting factorsを分析していて、さすが統計を使いこなせる専門家はすごいと思うのである。

↓子どもたちも、統計を使えるようになるかな? 

 

MOST IMPACTED COMMUNITIES:  

 

Transgender people were:  3.32 times as likely to experience police violence as compared to cisgender survivors and victims and 2.46 times as likely to experience physical violence by the police compared to cisgender survivors and victims. 

Transgender people of color were:  2.59 times as likely to experience police violence compared to white cisgender survivors and victims, and 2.37 times as likely to experience discrimination compared to white cisgender survivors and victims.


Transgender women were:  2.90 times as likely to experience police violence as compared to survivors and victims who were not transgender women and 2.71 times as likely to experience physical violence by the police as compared to survivors and victims who were not transgender women, and 2.14 times as likely to experience discrimination as compared to survivors and victims who were not transgender women.


Gay men were:   3.04 times as likely to report incidents of hate violence to the police as compared to survivors and victims who were not gay men and 1.56 times as likely to require medical attention compared to survivors and victims who were not gay men.

LGBTQ people of color were:  1.82 times as likely to experience physical violence as compared to white LGBTQ survivors and victims.  1.70 times as likely to experience discrimination as compared to white LGBTQ survivors and victims.

↓カンボジアの村での食事 

この報告書、わたしの手元にあるのは2011年版なのだけれど、ネットでは2012年版が入手できて、毎年統計を取っていてトレンドをみているのもすごい。

↓モツがおいしい、漬物との炒めもの

↓生姜炒めは大好物、村のはちょっと砂っぽいところもいい 

 

 2012年調査結果の提言は、以下

  • End law enforcement violence against LGBTQ and HIV-affected people through holding police officers accountable for homophobic, biphobic, and transphobic violence, prohibiting profiling based on sexual orientation and gender identity, and training law enforcement on LGBTQ communities experiences of violence.
  • End the root causes of anti-LGBTQ and HIV-affected violence through addressing anti-LGBTQ and HIV-affected institutional, cultural, and interpersonal discrimination.
  • Decrease risk of severe violence and homicide through ending poverty and homelessness in LGBTQ and HIV-affected communities, through things like access to jobs programs, housing and safe schools.
  • Collect data and expand research on LGBTQ and HIV-affected communities' experiences of violence on a local, state and federal level.
  • Increase funding for LGBTQ and HIV-affected anti-violence support and prevention programs. 

 

私自身は、提言はいれないでおこうかなと思っているところ・・・・・NGOの報告書っていうよりも、もっと、単に記録を残して、みんなにこういうことがあったから、今後どうやっていけばいいかを考えてもらうほうがいいかな。

 

 

 


船にのって沼島へ

2014年12月26日 | 日本滞在

 

 

 

淡路島の南には、小さい島があって、渡し船がでているらしい。

↓海水浴場、季節外れなので誰もいない・・・・

ドライバーをしていたので、わたしの決定で、みんな予定を変更して船に乗ることになったのである。おのころアイランドをキャンセルすることになったので、こどもにはちょっとかわいそうだったかな?

↓沼島へは、フェリーで10分

観光客がのる船ではないのであった・・・・

ホテルで大量にみかんを買いこんだわたしたち・・・・移動中にもみかん三昧

↓沼島は、どこも行くとこはない・・・・

40分、次の船までの時間、船着き場の周辺を散策

↓魚を干している家がたーくさん

↓船でみつけた面白い張り紙

船での旅って、たのしい。沼島ははも料理が有名なんだそうだけれど、どこにもレストランはなく、おみやげ売場さえなかったのであった・・・

 

 


2014クリスマスは3年ふぐを食べに淡路へ

2014年12月25日 | 日本滞在

 

クリスマス、寒いので北には向かわず、南へと向かう私たち・・・・

淡路島の一番南まで、明石大橋を渡って移動

↓家から2時間弱、淡路はとっても身近

海の目の前のホテル、ふぐが有名だそう

夕食は、ふぐのフルコース

↓ふぐのお寿司

↓白子とか、ちょっとした酒のつまみ

↓二人で盛り上がる子どもたち

子どもたちにはクリスマスプレゼントもあって、とても配慮されているホテルなのであった。

↓かぼすで食べるふぐの刺身、ぷりぷりしてておいしい~

↓ふぐのテンプラ、これはなかなか食べ応え有り

↓部屋からの景色、海の香りもして抜群のクリスマス

メインはふぐの鍋、最後はふぐのおじやで仕上げ

城崎で食べたカニのフルコースは、もう一生食べなくていいと思ったくらいすごい量だったけれど、今回のふぐは、まあまた来てもいいかな。

それにしても、ふぐってもちもちなのだ・・・・淡路のは、3年養殖されているそうで、近年人気が高くて、わざわざ遠くからも食べに来るそう。確かに、身が締まってて、とってもおいしい。子どももがぶがぶ食べたのである。

 

 

 

 


I will be right there

2014年12月24日 | 日本滞在

 

インドに行ったとき、プノンペンの空港でたまたま見つけて、迷ったんだけれど買った本

↓ I will be right there、韓国の有名作家KYUNG-SOOK SHINの本

あの時、この本を買うために、手持ちの100ドルを空港でくずしておいたから、インドのデリーの空港でキャッシュが必要になったときに助かった・・・・と考えると、ほんとに変なことで救われたりするもんだと思うもである。それにしても、インドはめちゃくちゃなロジだったなあ。

今回、日本に戻るとき、ちょうど仕事関係で読んでいた司法におけるジェンダーバイアスに関するアメリカとオーストラリアの論文のほかに、簡単に読めるものをと思って、インチョンにもよるし、この本を持って帰ってきた。

夏目漱石の話がでてきて、なんだか面白い視点をいれてるなって気づいたり、主人公たち3人が大学生時代に街を歩き回ったっていうところはノルウェイの森的だなと思ったり・・・・・韓国、ドラマとPOPだけでなくて、文学も相当レベルが高いし面白い、共感できる文化的背景を共有しているのもおおきかな。