ジェンダーからみるカンボジア

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日本へークリスマスとお正月

2015年12月19日 | カンボジアの外で感じたこと

 

 

クメールルージュ時代に出産して母となった女性の本、結局出版にまわせずに、これから日本。

今年の3月から調査して(事前調査は2月に開始)、7月まで情熱をかけた。まあ、出版まで時間がかかるのも仕方ないと思おう・・・・

↓コンポンチャムでのインタビュー、思い出深い話ばかり

 

出産の調査からアイデァが生まれて、9月から実施していたクメールルージュ時代に子供時代を過ごした人たちの調査。こちらの調査と比較すると、両方とも気合の入れ具合は同じだったんだけれど、手応えは全然違い、さらに、わたしの意気込みも全然ちがった・・・・

↓バッタンバンで、とても印象的だったインタビュー

出産の話は、どれもこれもめちゃくちゃ面白くて、半年以上前に実施したインタビューなのに、それぞれの女性の顔も覚えているし声も覚えているしインタビューの状況も覚えているし、すさまじく気合が入ってた。本を書き上げるのを延期したかったのではないかと思うくらい、調査の翻訳を読むのが楽しかったり、原稿を推敲する作業にも気合が入った。

↓チャンナックのインタビュー、彼女は分析に大貢献してくれた

↓タケオで、この女性はパラシュートで車がおろされるのを目撃

 

それと比べて、10月から11月にかけて地方で実施したクメールルージュ時代に子供時代を過ごした人たちの調査は、インタビューも面白かったけれど、それ以上に、学生たちとの会話や、調査そのものが面白かった。

↓男子ばかりとの調査だったプックでのインタビュー(途中からちゃんと女子が参加)

自分の能力では、これ以上はちゃんと書けないなって思うところまで、必死に頑張った。もっと立派な人が書けば、きっともっと充実した内容になっただろうと思う。でも、わたしなりにがんばった。

10年前にクメールルージュ時代の性犯罪の本を出した時は、苦しくて苦しくて(さらにシンガポールのホテルでOut of Africaをちらちら見ながら必死に書いてた時にとなりの部屋で殺人まであった)、よくあの本を世の中に出せたなって今でも思う。

↓今回の本は、この写真を表紙に

 

2015年、たくさんの仕事をして、たくさんの学びがあった。

↓上も下もまだまだ訓練が必要な下の子

↓子ども騙しで満足してる上の子は、まだ数ヶ月大丈夫かな

でも、クメールルージュ時代の出産の調査は、自分が情熱をかけて、仕事ではなく自分がやりたいからやった調査で、ほんとうにやってよかったと思う。2015年にやったいろんな仕事の中で、一番楽しかったし、充実してた。 

 

いろいろ批判はあるかもしれないし、不足している点もあるかもしれない。もしまたできるなら、同じ調査を違う視点からやってもいいかもしれない。そのくらい、やりがいのある調査だった。誰も聞いてこなかった、記録してこなかった高齢女性の声をきいて、記録としてまとめる作業は、若い世代にとってとてもエンパワーされる過程になる。

↓ホーチミンのプール、2回通ったのであった

 

 

クメールルージュ時代を過ごした人は、Parenting skillがない・・・・などなどの調査をざくっとまとめたThe Asia Foundation。その辺りの世代間の問題を調査したかったんだけれど、9−11月の調査では、ちゃんと情報がとれなかった。戦争を経験した世代は、インパクトといっても、教育を受けられなかったことがメインで、自分の子育てに影響はなかったっていう回答ばかりだったのだ。ただ、学生に聞くと、ほぼ全員の経験として、「あんたもクメールルージュ時代に育っておけばよかったのに」とか「クメールルージュの時は・・」みたいな発言を親が子供たちに対して発していて、子供たちは怒られた経験を持つ。

↓Parenting skillの教材を検討する会議

カンボジアでは、約半数の子供が、一度は他人からの暴力の経験をして成長している。 

 


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