ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

夫婦の間の紛争

2013年01月10日 | カンボジアの外で感じたこと

 

ジェンダー問題に取り組む姿勢の基本は、社会でどんな問題が発生してるかを把握すること。たいていは男女関係にかかわる問題、家族問題なので、多くの人と会って話していれば情報収集はできる。

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日本人なので、日本の問題についても十分理解しておく必要があるのに、日本にいる時間は短い・・・・・新聞の相談欄やラジオの投書とかでちょっとききかじる程度。ということで、いろいろ書物を通じて社会を勉強することになるのだ。氷山の一角とはいっても、特に弁護士さんとか社会福祉関係の本は、社会の縮図を表していることも多いので勉強になる。

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今回読んだ中で、「意地」を基軸に夫婦の問題を分析している「夫婦の紛争―家庭裁判所調査官の眼」(佐竹洋人著、朱鷺書房)は、実際に調停までもちこまれた事案などを事例にして、「意地の張り合い」という観点から夫婦間の問題を分析していて、なかなかおもしろい。実例だけでなく、夏目漱石や森鴎外の作品を分析しながら、どう夫婦がすれ違っていくのかの分析、リスク要因(義父母や義兄弟との関係など)の分析など、心理学的側面から分析している。家族の問題は、当事者が意地を張ることによって激化していくことが多くて、そこに調停員が介入して紛争解決のお手伝いをする、あいは、できる場合があるそうな。アメリカなどでは、カウンセラーに依頼して高額の対価を支払ってする手法が、裁判所で無料で受けられるサービスがあるってすごいなあ…と思うのだけれど、まあ、第三者に紛争解決を依頼できるだけの精神的余裕がある場合はまだ恵まれていると思う。

弁護士平山知子先生が執筆した「現代離婚事情」(新日本出版)は、ちょっと説教的な側面が強い内容の本で、団塊の世代から若い世代まで、さまざまな離婚問題を実際の事例にそって紹介。これもまた、どうしようもない離婚の話から、そうだよなあと納得する主張をもった離婚の当事者の話まで、いろいろでてきて面白い。彼女はエンゲルスを引用していて、大学のときにいくら読んでもよく理解できなかったエンゲルスがこんな名言を残していたのかと勉強になったのである。

 

「愛に基づく婚姻だけが道徳的であるならば、同じく愛の存在する婚姻だけが道徳的である。とくに男の場合そうである。」

 

この文脈は、有責配偶者からの離婚訴訟が認められていなかった当時の現状の分析のコンテクストで登場するのだけれど、離婚訴訟を通じて、和解に通じるケースもあってそれは素晴らしいことなのだけれど、泥沼化したり関係者が傷つきあうのは回避する法制度にしたほうがいいのではないかという主張なのである。

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結婚しないと離婚できないけれど、雑誌VERYが創刊号から大好きで、おしゃれな主婦の話題をずっとフォローしているわたし。近年、VERYも読ます文章は掲載されなくなってカリスマ主婦の写真ばかりでつまんないんだけれど、誌面につぎつぎと登場する素敵な主婦も、VERYモデルだった黒田知子さんと同じで、いろいろと悩みを抱えていたりするんだろうなあと思うのである。法律婚をしたことがないからよくわからないけれど、他人と生活をともにするのは、相当の忍耐と我慢の上に限りないユーモアのセンスが必要であると思うし、空気のようなパートナーと巡り合えるっていうことは、宝くじにあたるくらいラッキーなことだろうと思う。