ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

新しい日本食料理屋さん:にゃむさん

2014年05月31日 | カンボジアの生活

 

日本食レストランが次々できてるプノンペン・・・・・ソフトオープンの博多にゃむっていう、新しい店を探検。

↓小さいお店、男性はカウンターで静かに食べてる感じ

いつも通ってる店の斜め前なので、仲良しの店員さんたちに見られないように、家の人に車で送ってもらってひそかにお店に入るのである。

↓生ハムの前菜、これで7ドルはちょっと高いかも・・・・・・

↓たこわさ、久しぶりに食べた超おいしいたこわさ、これだけでビール3杯はOKかも

↓おでんのレンコンはおいしい、大根は長いので切ったほうがいいかも

お店に、博多っぽい要素がないのは不思議なんだけれど(ラーメンも、博多のっぽくはなかった)、小料理屋さんっぽくって、値段も良心的なので、ふらっと一人で食べにはいるにはいいかんじの店かも。まあ、でも、もう行かないかな。やっぱり行きつけの店が好きなのである。

 

 

 

 

 

 

 


KR時代の女性に対する暴力:オーラルヒストリー

2014年05月30日 | 女性の自立

 

活動家仲間が、昨年以来取り組んでいる Oral Historyプロジェクト。30名ほどの女性にインタビューして、ライフストーリーをかたってもらって、紛争が女性の人生に与えたインパクトをライフスパンの視点から分析するという、学術的な調査。

インタビュー結果を講義してくれる場をCenter for Khmer Studies が設定してくれるというので、話しを聞きにおでかけ。

↓大勢ききにきていて、男性からもたくさん質問があがった講義

繰り返しになるけれど、紛争下で性暴力とかの被害にあった女性たちが、今でもトラウマをかかえている点や、身体的にもまだ被害のあとがのこっているという点が指摘された。おもしろいなとおもったのは、強制結婚が、子どもを産むための手段として感がられていたっていうまとめ。私の調査では、強制結婚は政府が人民を公私ともにコントロールするための手段だったって取り上げていて、子どもっていう視点は考えつかなかった。

質疑応答は、40分くらいあったんだけれど、チュバップ・スレイ(女性の法)に関する質問が相次いででされて、みんなの関心はKRよりも現在の女性の差別にあるっていう視点が面白い。

今の仕事では、女性の法をどう取り扱うかで、かなり頭を抱えているわたし。さてさて、バックラッシュともいえる、カンボジア人たちの女子の法に関する意見をどう理解していくかなあ・・・・・

 

 

 

 

 


Delivery Man

2014年05月29日 | カンボジアの生活

 

Delivery Man は、精子提供をした男性が、実は533人の父親になっていたという設定の映画。いけてない男性が主人公のコメディなんだけれど、内容はかなりシリアス。

主人公の男性、精子提供をしたときには、秘密で提供する契約をしていたのだけれど、子どもたちが情報開示を求めて裁判を起こしてしまい、主人公の男性のところに、「自分の子」である若者たちの写真入りファイルが届けられ、情報開示の依頼がよせられるのだ。

女性は、こういうことはあまりないけれど(卵子提供は複雑なので)、男性はこういうことは十分にあり得るので、ジェンダー的にはおもしろいリプロと生命倫理の問題。男性は、こういう映画をどういう視点で見るんだろうか。

自分が育てたわけでもないけれど、DNA的には自分の娘がいて、その娘がどうしようもない娘だったりしたら、どう感じるんだろう。会ったこともない自分の息子に会ってみて、息子のために何かしたいって思うんだろうか・・・・・・・主人公はしっかり手伝ってあげてるんだけれど。

主人公が偉いのは、自分の子どもたちには何も期待していないけれど、子どもたちの希望をかなえるために手伝いたいっていう姿勢があること。533人もいたら、全員の手伝いってわけにはいかないだろうけれど。でも一生懸命役立とうとしているところが、なかなかけなげ。自分の恋人との間の子どもの誕生もあって、やっぱり最初から父親であることを自覚して親になるのと、精子提供の結果の子どもと対面するのは、まあぜんぜん違う認識であるっていうのも、まあ納得できるのである。

↓コロニアルマンションのThe Shopは涼しくってお気に入り

なかなか、シャープで面白い映画。日本でも公開になってるのかな。「そして父になる」も、生命倫理の問題だったけれど、映画の設定や内容としては、フィクションだとしてもこのDelivery Manのほうが相当面白いかもしれない。

 

 


「レズビアンにたいする差別」

2014年05月28日 | 女性の自立

 

学生たちに、レズビアンの女性に対する差別に関する寸劇を作ってもらった。

↓メンバーたち、この中にレズビアンを演じる学生が2名いる

設定は、学校で女性徒どうしが仲良くなって、レズだと気づいてくんだけれど、親からいろいろと指導をうけて苦しむ話。

↓ジェンダー学の先生を演じる学生、子どもの絵本を教科書替わりにつかってる

↓遅刻してきたりそわそわする学生がいたりして、とってもリアル

↓この日も学校にやってきた子ども、じっとしてるのは最初の10分

この寸劇で面白いのは、基本的に差別の感情は当事者の親から娘に対してのみっていう点。友達とかクラスメートは、あまり気にしてないのだ。

レズの両親は、娘をよんで、レズなのか詰問したり説教するんだけれど、面白いのは父親は無言で母親だけがすべてを仕切ってる点。「あなたの将来を心配してるのよ」って言うんだけれど、娘がどうしたいのか、どうかんがえてるのかを一切聞かないのがカンボジアらしいかな。

セクシャリティの多様性、学生たちといっしょに、もっと追求したいなあ。日本では議論がとっても進んでるし、若い世代では理解も進んでいるから、当事者たちも自分のセクシャリティについて語れる環境ができつつある。カンボジアでも、抑圧するのではなくって、もっと自由に自分のセクシャリティと向かい合って、自分らしい生き方が自由にできるように、学生たちの意識改革をしていきたいなあ。親たちにも講義しないとだめかな?

 

 

 

 

 

 

 


そして父になる

2014年05月27日 | カンボジアで感じたこと

 

 

「そして父になる」は、とってもとってもつらい映画で、ほんとにこんなことがあったのか、って日本の出産について再検討するべき課題をたくさん描いている見事な映画。

7歳まで両親のもとでふつうに育った男子が、実は出生の時にほかの家の子どもと取り違えられて、生みの親ではない違う親のもとで育ったんだけれど、事実が発覚したのでもとも血縁の親のもとに戻して育てようっていう話。

↓自分の子どもの時と同じ顔の子どもは間違いなく自分の子どもだと思ったりして・・・・

そもそも、日本みたいに、生まれたばかりの新生児を親からはなして、数日間でも大人数の部屋で新生児だけで育てるっていう発想が間違ってるし、人間をなんだと思ってるんだっていう国の姿勢が許せないのである。間違えたら困るから足とかに名札つけたりして、強制収容所じゃないんだから、新生児でも人間の尊厳を尊重するべきだと思うんだけれど。

この映画では、高学歴で仕事ばっかりの父親が「親」としては超いけてない存在なんだけれど、彼が変わっていくのが映画を通じて見えてくるのはいいかんじ。まあ、企業戦士はああいうかんじだったんだろうし、妻に家庭のことを任せるっていうのはそういうふうな社会的強制だったのだ。他方、妻は、ほんとにえらい人で、ひたすら耐えて、がんばって、なんとも忍耐強いかわいそうな人なのである。

面白い視点は、お金持ち高学歴の家庭はいまいちうまくいってないけれど、貧乏でもみんなで和気あいあいとしてるほうがいいっていう点。このコントラストはかなり見事。ピアノを学ばせられるなんてほんとに贅沢だし、しゃぶしゃぶ?だかなんだかわかんないけれど、上等な肉を食べてるシーンを見ると、格差を感じるのである。で、なにがいいかというと、ピアノや上品な肉は幸せを確保してくれないっていう点。

我が家も、にぎやかという点では、まったく同じだなあ、お金持ちではないけれど、子どもが4人いて大人も4人いて、賑やかでうるさくてなんともすごい集団生活だけれど、とっても楽しいし、幸せだなと思うのである。

 

 

 

 

 

 


Voices of Cambodian Women Entrepreneurs

2014年05月26日 | 女性の自立

 

  

 IFCが出版した、女性企業家たちの抱える課題などをまとめた調査書、Voices of Cambodian Women Enterpreneurs

いろいろなコメントが紹介されていて、女性たちの抱えてる問題が、とっても直接的につたわってくる。

↓プノンペンでどんどん増える日本料理屋、でも多くは男性の経営かな・・・・

 

My business requires specialized equipment and skilled workers, and I find it a constant challenge to recruit and retain qualified staff. Because most of my staff are men, gaining their respect takes a long time. To overcome this problem, I rely on my male relatives to assist me in running the company.

A female entrepreneurs with eighty staff

 

女性のエンパワメントは、ほんとに大きな課題・・・・・女性たちにもっと機会を提供するだけでなく、男性がかわらないといけないから、むつかしいのだ。結局社会はまだまだ家父長制の影響下にあって、男性が重要な場面をコントロールしている。その中で、女性たちが進出するっていうのは、とてもむつかしい。

↓子どもがひとりでぺろって食べたうどん、まあまあかな

起業かあ・・・日本では以前と比較すると起業したいって考える人の数が半分くらいに減ったっていう報告があって、元気ない。でも、カンボジアでは、学生たちに将来の希望を聞くと、企業を希望する学生がとても多い。パワーあるなあ、女性にもっとがんばってほしい。

 

 

 


プノンペンで平穏な週末

2014年05月25日 | カンボジアの生活

 

 

プノンペンの「世俗」に戻ってきて、友達たちから修行のことを根掘り葉掘り聞かれ、みんな意外と関心あるんだと思いつつ(あと、Vipassanaを知ってる人が多いのもびっくり)・・・・でも誰も行きたいとは言わないのである。

↓早朝のプノンペン、平穏そのもの

たんぼの真ん中、In the middle of nowhere で修行してたのが、ずいぶん前のような気がするのである。

↓いつも差し入れの豚まんを買う店で、初めて朝食をたべてみる

高級店は家族連れが多いんだけれど、ローカルな食堂の朝は圧倒的に男性グループが多いのが面白い。

↓子どもは絵本に夢中、ひらがなが読めるようになってきて楽しいみたい

あんなにつらくて耐え難きを忍び・・・・じゃないけれど悲惨だと思った拷問の修行も、終わって振り返ったら、また行ってもいいかなと思う自分がいるから不思議。

↓炭火焼の新メニュー、野菜は大のお気に入り

自分と向き合うというのか、限界にチャレンジするというのか、そういうことではなくっても、一人きりになって静寂の中でいろんなことを感がる時間が、一年に一回くらいあっても損はないかなと思うのである。いや、収入は減るからやっぱり損はあるけれど、得るもののほうが大きいかもしれない?

 

 

 

 

 

 

 


「結婚しない」

2014年05月24日 | 女性の自立

 

 

「結婚しない」は、2012年フジテレビ作成のドラマ。ソリアマーケットに電化製品を買いに行ったついでにDVD屋さんに寄ってみたら売ってたので、買ってみた。内容がおもしろいってこともあるんだけれど、ちょうど仕事と仕事の合間で時間があったので、あっという間に見ちゃった。

↓大学からすぐなので通ってるJOMAカフェで子どもとランチ

ドラマでは大学教授が現代の恋愛と結婚について講義をしているのと並行して、35歳の女性が結婚にあせりつつ、仕事とのバランスとかも考えつつ、悩みながら生きている様子が描かれてる。

「恋愛学」っていう学問が、科学的に成立しているのかは疑問だけれど、一応大家がいて、早稲田のその先生が講義指導をしていて、ドラマででてくる講義はかなり面白い。「三高」といえばだれでもわかってたわたしたちの若いときとはちがって、今では「三平」が結婚の基準になってるそうで(それはほんとっぽいけれど、ほんとにほんとなのかなあ??)、長い不況が若い世代の結婚や人生観にいろいろな影響を与えているのを感じるのである。日本が落ち込んでた時、右肩上がりに成長しているカンボジアで30代を過ごせた私は超幸せだったかもしれない。

 

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国立社会保障・人口問題研究所が全国の18~49歳の独身男女約1万4000人を対象に2010年6月に調査し、昨年11月に発表した出生動向基本調査(独身者調査)によると、異性の交際相手がいない18~34歳の未婚者が男性で61.4%、女性では49.5%に上り、いずれも過去最高になったそうです。前回の2005年調査と比べると、「交際相手がいない」割合は、男性では9.2%、女性で4.8%増加しています。

(http://diamond.jp/articles/-/16612)

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↓お手伝いさんがとってもおいしそうなお弁当をつくってくれて幸せな子ども

ドラマの内容は、まあマンガっぽいところもあるけれど、20歳くらいの女性、35歳の女性、44歳の女性の3人を中心として、恋愛と結婚について異なる世代の視点が紹介されるのも面白い。35歳の主人公は、結婚できないかもってすっごく悩むところが多くの女性の共感を得そうなかんじ。結婚って、ほんとに個人の問題ではなくって、家族の問題でもあるし、会社で働く労働者であれば特に男性にとっては社会的信用にもかかわる問題なので、「結婚しない」って簡単に割り切るのは難しいのだ。

さらに、子どもを作るかどうかの問題。わたしも、子どもがほしいって真剣に思い始めたのは、高齢出産といわれる世代になる35歳の時だった。それ以前は、子どもなんて邪魔だし嫌いだし苦手だし、一生子どもなんていらないって思ってたんだけれど、コペルニクス的転回を見せたのだ。まあ、女性の場合は、やはり35歳くらいで出産しないと、長い人生あとあと体に支障がくるじゃないかと不安になるのは当然。実際のところは、肉体的な限界って個人差もあるし、10代で出産するほうがよほど肉体的ダメージが多い場合だってあるのだ。

↓子どもとDAOで朝食、最近学校をさぼってばかりの子ども

ただ、ドラマでは、結婚が妥協だっていうのがけっこうなまなましく出てくるのと、まあ結婚しなくてもいいじゃないっていう強いメッセージがでてきて、わたしにとっては大賛成なところもあるけれど、実際日本ではどう受け止められたんだろう・・・・・

結婚かあ、30歳になる直前はかなりあせってたけれど、30歳になるとどうでもよくなってきて(あの時結婚しなくてほんとによかった・・・・・)、40歳になってみたら、結婚という制度にしばられない生き方のほうがかっこいいと開き直ってるのである。

 

 

 


映画「ダイアナ」

2014年05月23日 | 女性の自立

 

たまたまMini martで見つけた、映画Diana。そういえば見てみたかったなと思って、仕事の合間に見ることに。

彼女が超話題になったBBCのインタビューを受けた時、ビデオにとって、何度も何度も繰り返してみて、英語を学んだのを思い出すのである。内容を覚えちゃうくらい何度も見たなあ・・・・・あの時は、素敵な英語を話したいって思ったのだ。

映画のほうは、まあいくら美人の俳優が演じても、難しかっただろうなと思わざるを得ない、ちょっと中途半端な映画。ナオミ・ワッツは美人なんだけれど、普通の服を着ちゃうと、ふつうの人なのだ。ダイアナさんのオーラは、どうしても出てこない。ガラスの仮面のように、どの女優さんもが完璧な演技をできるわけではないのだ。

面白いなと思ったのは、この映画では、ダイアナの子どもたちのことは一切出てこない点。もちろん、まだ生きている子どもたちのことを取り上げられないんだろうけれど、ダイアナの視点から子どもは一切消えてるのだ。自分の親とか、パブリシティとか、恋人との関係とか、彼女が一人の女性として、どう悩んだかを一人の人間という視点から取り上げてる。まあ、子どもと切り離すのはかなり無理があると思うんだけれど、この点は面白いかな。

 

 

 

 


女女格差ー女性の間での格差

2014年05月22日 | 女性の自立

 

 

女性学・ジェンダー学の新しい展開ともいえるIntersectionality 議論にすっかりはまっているわたし。もうすぐ大学で新学期が始まるので、学生たちと一緒にカンボジアにおけるIntersectionalityの理解をもっと深めたいと思っているのだ。

↓学校をさぼって母と朝食に行く子ども

日本にいたとき(といっても先月)、なにかいい研究書ないかなと探してると、「女女格差」、ってう面白そうなタイトルの本を見つけたので、さっそく読み始めてみると、これがなかなか面白い本。今やってる仕事にも直接役に立つような分析視点がいろいろあって、とても勉強になる。

それにしても励みになるのは、筆者。この女性の格差問題を書いてる橘木俊詔先生という方は、同志社大学経済学部教授、なんと1943年生まれ。兵庫県出身、灘高卒で、阪大の大学院でも教えてた経歴がある。ちょっと読み始めて、これは稀有な学者だという気がしたんだけれど、男女共同参画会議議員を経験していらっしゃるから、こういう面白い研究本を書く気になったのかもしれない。

↓最近のお気に入り、XotiqueのMango/Passionスムージー

男女格差はいろいろ取り上げられるけれど、女性の間の格差はあまり取り上げれないし、話題になってもシングルマザー世帯の年収が夫婦世帯の半分しかないとか、偏った情報が多い。この本では、女性をターゲットにして、親の職業や学歴、本人の学歴、生活している場所(都会か田舎か)というような観点から、女性の間にどういう格差があるのかを分析してる。

↓まだまだ暑いので、夕方の冷たいビールはとってもうれしい☆

女性の間での格差かあ・・・・・Intersectionalityの問題なので、今後ももっと理解を深めていくために勉強したいなあ。カンボジアでは、女性の間での格差ってあまり話にあがることもないので、ちょっと学生たちと議論してみよう。