ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

産業・鉱業・エネルギー省でのジェンダー主流化

2009年04月30日 | カンボジアのジェンダー規範


産業・鉱業・エネルギー省でジェンダー主流化のための研修が実施されるというので、様子をのぞいてきました。

参加者は、カンボジア電気公社や水道局の職員150名。これまでジェンダー研修を受けたことのない人たちばっかり。


研修は省の会議室で実施。


参加者の半分くらいは男性。わたしが見学したのは「ジェンダー分析手法」について。


講義のあと、質疑応答で面白いなと思った点。

ちなみに、すでに丸一日ジェンダー研修を受けている人たちが出した質問で、質問したのは男性のみ。

1.ジェンダーとは一体なんなんだ?組織なのか?国連がつくった規範なのか?

2.ジェンダーとCEDAW(国連女性差別撤廃条約)は何がちがうんだ?

3.なぜジェンダーなんか勉強しなきゃいけないんだ?


などなど、講師が女性だったこともあってか、ジェンダーに挑戦しようとする質問がだされて、とっても面白いかんじ。






カンボジアでは各省にジェンダー主流化促進グループがあって、省内でのジェンダー認識を高めるために研修活動を実施。将来的には当該省が担当する分野におけるジェンダーの主流化も進めていく予定だけれど、それにはまだまだ時間がかかりそう。

産業・鉱業・エネルギー省は、今後カンボジアの24州にある出張所(州レベルでの産業・鉱業・エネルギー局)のネットワークを構築しようとしているらしい。そういうイニシアチブが、省の内部から湧き出てくるってすばらしいなあ・・・・。








ややこしい関係?

2009年04月29日 | カンボジアで感じたこと

「法の支配」と題する小冊子の出版会に呼ばれたので参加してきました。







参加者は、カンボジアの国会議員・政府高官・さらには民間の人権擁護活動家や外交団などなど。

フンセン首相など政府高官も寄稿しているこの小冊子。
首相が法の支配について論文を書くなんて、これまでではなかなか大進歩で感激しちゃう。

ところが、予想しなかった主催者の失敗・・・・。
小冊子の発表会に与党の政治家も野党の政治家もまとめて多数呼んでしまったのであった。

野党とは同席したくないということで、与党関係者(政府高官)の多くは副首相を含め、発表会への参加をボイコットすることに。
「発表会に行くな」という通達があっという間にでたようで、わたしの親友のとある法学者も大学から阻止されてセミナーには出られなかったらしい。





憲法評議会、ソン・ソベール議員。

ざっくばらんに話す方で、法の支配がぜんぜんなっとらん!とやさしく怒りを表現されてました。

法の支配かあ・・・・・

「まず最初に弁護士を殺せ!」っていうシェークスピアの一節を思い出すなあ。



白衣のミニスカート?

2009年04月28日 | カンボジアの生活

ラタナック病院は、最新設備を誇る病院。



病院のHPは→http://www.royalrattanakhospital.com/index_main_menu.php




子宮がん検診を、4月末まで格安の39ドルで実施しているという情報をききつけ、検診を受けてみようかと思って病院に行ってみました。



とっても清潔感あふれる病院。




受付の人も、とっても素敵なスマイル!

ちなみに、白衣の女性は、みんな超ミニスカート。
そんな必要性があるんだろうか・・・・

アクレダ銀行もそうだけれど、制服といえばミニスカートじゃないと思っている様子だなあ。

ま、長くても短くても、病院としてサービス提供できてればいいけど。




婦人科。

当日は、残念ながら2時間も停電してたそうで、検診は受けられず。

来月休暇で日本に戻るので、ネットで探したよさそうな病院で13000円の検査を予約。
婦人科検診は保健の対象にならないらしいんだけど、ちょっと納得いかない。
政府として真摯に少子化問題に対応するべく、婦人科検診は保健の対象か格安にしてほしいなあ。








ジェンダーと環境保全

2009年04月27日 | カンボジアの生活


ジェンダーと環境保全に関するセミナーに呼ばれたので、ちょっとのぞいてきました。ハインリッヒ・ボル基金が、支援している団体の職員や関係者を集めて、今後どうやって環境保全事業にジェンダー視点を盛り込んでいくかを話し合うセミナー。


環境保全といっても、森林保護から灌漑事業、魚の養殖事業まで、かかわってくる分野はとても幅広く、参加者の活動分野もさまざま。

カンボジアではありがちな、「ジェンダー=女性」という概念を克服して、すべての事業にジェンダーの視点を盛り込んでいきたいらしい。とても大切なアプローチ!

今回のセミナーでは、NGOから多くのカンボジア人若手職員が参加。テイクアウトのコーヒー片手の若者や、ミニスカートで発表する女性など、カンボジアでも新しい世代が育っていることを感じれて、とってもうれしい。ジェンダーのセミナーなのに、参加者の半数以上が男性だったのもよいこと。

カンボジアで活動するNGOは、けっこうジェンダーに配慮をすすめようとしている団体が多いので、開発パートナーには技術的なジェンダー配慮を側面支援していってほしいなあ。









「普通」のオンナ?

2009年04月26日 | カンボジアのジェンダー規範

カンボジアの農村部では、女の子が就学の機会を与えられなくても両親が非難されることはほとんどない。とても貧しかったり、各家庭にさまざまな事情があって、「仕方ないかあ」って周囲の人間は他人の子どもの将来を気にしないから。でもそれはぜったい間違ってると思う。どんなことがあっても学校には行ってもらわなきゃ。子どもの権利侵害は許せないし、子どもの将来の可能性を育てないなんてどんな理由があっても許せない。

写真のマッは、12歳。カンボジア北東部のとある州で両親と4人の兄弟姉妹と生活。マッは学校に行ったことがないから、文字も読めない。近所に住む女性(親族ではない)が地元を出て地方出張する際に子どもを連れてこなければならず、彼女が仕事をしている間に子守するためにマッも一緒に出張に同行。

マッは、きっとあと数年で結婚させられて、何人か子どもを産んで、東北部では「普通」のオンナとして生きていくんだろうなあ。そういう人生も、もし選択肢がたくさんあるうちで自分で選ぶならいいけれど、マッの場合は選択肢がないんだよなあ。自分から飛び出していくくらいの勇気があるといいけれど、さてどうかなあ・・・・世の中むつかしいなあ。




週末は・・・

2009年04月25日 | カンボジアで感じたこと


日本にいたある時期、週末のドライブ中によく聴いた「もうひとつの土曜日」。



「もうひとつの土曜日」浜田省吾



昨夜眠れずに泣いていたんだろう
彼からの電話待ち続けて
テーブルの向こうで君は笑うけど
瞳ふちどる悲しみの影

息が詰まる程人波に押されて
夕暮れ電車でアパートへ帰る

ただ週末の僅かな彼との時を
つなぎ合わせて君は生きてる

もう彼のことは忘れてしまえよ
まだ君は若くその頬の涙
乾かせる誰かがこの町のどこかで
君のことを待ち続けてる

振り向いて
探して

君を想う時 喜びと悲しみ
二つの想いに揺れ動いている
君を裁こうとするその心が
時に俺を傷つけてしまう

今夜町に出よう 友達に借りた
オンボロ車で海まで走ろう
この週末の夜は俺にくれないか
たとえ最初で最後の夜でも

真直ぐに
見つめて 見つめて

子供のころ君が 夢見てたもの
叶えることなどできないかもしれない

ただいつも傍にいて手をかしてあげよう
受け取って欲しい この指輪を
受け取って欲しい この心を





写真はおびわん。まあ、ともかく、週末はゆっくりいっしょに過ごそうね。




大評判の映画は社会的制裁の話?

2009年04月24日 | カンボジアのジェンダー規範


カンボジア人の間で超話題になっている同性愛の映画を見に行ってきました。




タイトルは、「わたしは誰?」

アメリカで育ったロット(女性)がカンボジアに戻ってきて、カンボジアで大活躍中の歌手ティダー(女性)に恋をし、2人は恋仲になるのだけれど、ティダーの両親の反対にあってティダは望まない結婚を強制される(それも既婚者に!)・・・・・というきわめて単純な話。

プノンペンやシアヌークビルのおしゃれなレストランやホテルがたくさん出てきて、COOL!!ってかんじ。
主人公はちょっと肌荒れしてるけれど、とってもおしゃれだし、脇役の有閑マダムの衣装もなかなかいいかんじ。



チケット売り場。映画の値段もインフレ気味で、以前は1ドルで見れてたのに、この映画は2ドル。


ジェンダー的に面白すぎるのこ映画。

ちょっとむむむ?ってかんじだったのは、男性的役割をするロット(性別は女性)が、外見的には女性である点を強調しているキャラクターである点。
子どもの頃は男の子と遊んで男の子みたいだと両親に怒られていたばっかりのロットなのに、成人すると超美人だしセクシーな洋服ばっかり着てる(ちなみにこの映画、ロットもティーダも露出度は相当高い)。
でも、ロットの発言を分析すると、ロットはあくまで自分をオトコと感じていてオンナの役割を果たしたくないっていうのが見えてくるんだよなあ・・・・うーん。





映画の結末は、カンボジアのジェンダー規範を反映していて、いわゆる「普通」でないとみなされる人たちは社会的制裁を受けるという、カンボジア人が好きな終わり方。トン・ティエブとちょっと重なるストーリーなんだよなあ。どうしてもっとポジティブな終わり方できないかなあ。


こいつ許せんと思ったキャラクターは、家庭がありつつも歌手のティダーにほれ込んで結婚式までしてティダーを独り占めにしようとする金持ち男。
やっぱり重婚ってカンボジアでは簡単にできちゃうんだなあと納得。





映画館には拳銃持込禁止!


ロットが映画後半で繰り返すセリフ「いったいだれのせいなの?わたしが悪いの?」っていう自分への問いかけがとってもせつない。
「自然じゃないわたし」に悩むのだけれど、誰も自然になんて生まれてこないんだよーってジェンダー的には理解するんだよねえ。

うーん、ジェンダーや性の多様性を知ってたら、ロットもあんなに悩まなかったんだろうなあ。

まあ、恋路を邪魔されるのは、同姓愛であっても異性愛であっても同じなんだよなあ。ただ、マイノリティに対する差別という要素が加わると、ちょっと大変だあ・・・。



映画を通じて、いろんなことを考えさせられちゃった。

次の研究テーマは同性愛について!に決定。


ちょっといけてないけど英語の字幕もついているので、おすすめでーす。




LUXシネマ
NORODOM通、SOKHA HOTEL前で上映中



人権状況の改善には・・・・・

2009年04月23日 | カンボジアで感じたこと



裁判所は大好きな場所。裁判所に傍聴に行けばいろんなことが見えてくるから。
地方裁判所はなかなか行く機会がないけれど、コンポンチャム裁判所をのぞいてきました。


コンポンチャム裁判所


残念ながら裁判はない日。でもたくさん人がいたので、子連れで木の下にすわっている女性にどうしたのか質問。問題はお姉さんの所有する小さい土地の所有について。最初は合意して他人に貸したのだけれど、数年前になって売却したいから当該の土地から出て行ってくれ依頼しても合意してくれない。村では埒があかないので裁判にもちこんだそう。今日は裁判官が仲裁しているところだそうで、いっしょにお姉さんが出てくるのを待って彼女と子どものことや村の生活ことについて世間話。



裁判所の法廷、今日は裁判がなく外からかぎがかかっていました。



裁判所入り口の横には、「被告人の権利」が箇条書きされていました。確か、よく傍聴に行ってたプノンペンの高等裁判所では、法廷での禁止行為が書いてあったなあ。


しばらくするとお姉さんが出てきたので事情を聞いてみると、自分はいくつか小さい土地を持っているのだけれど、そのうち一箇所が隣村にあって、その土地が他人に占有されているそう。「自分の土地は隣村にあるから、隣村の村長がまったく相手をしてくれない」。うーん、大変そうだなあ。



写真はドンチー。
カンボジアでは、証人尋問される前に、ドンチーといわれる神様に「真実のみを語ります」と誓うセレモニーが必ずあって、裁判中でも証人は外に出て写真の神様に誓わせられます。多くの証人が文字を読めないので、書記官が読み上げて証人が繰り返すというかんじ。
全ての裁判所敷地内にはドンチーがあって、確かカンポート裁判所のドンチーのみが女性。


裁判所で書記官が人々からの訴えを受け付けている様子を見ていると、以前いっしょに仕事していた弁護士事務所の弁護士と偶然会ってお互いびっくり!彼女は強盗事件の被告人の弁護をするそう。つい先日裁判所から弁護の依頼がきたそうで、クライエントは35歳の男性、傷害強盗で拘束されているそう。クライエントはすでに7ヶ月裁判なく拘留。刑事裁判について話す時、カンボジアでは「裁判なく何ヶ月拘留されているか」を必ず聞くわたし。たいてい8ヶ月から1年以内で裁判してもらえるけれど、ひどいケースだと1年半くらい、未決囚なのに刑務所にほうりこまているケースもあったりする。すさまじい人権侵害。うーん、昨年大晦日のボーン・サムナーンとソック・サム・ウオンの釈放はすさまじくうれしいニュースだったけれど、人権状況の改善にはまだまだやることがあるなあ・・・・・

カンボジア道の駅

2009年04月23日 | カンボジアの生活

プノンペンとコンポンチャムを移動していると、通過する道の駅。






今回はカシューナッツが買いたかったので、ちょっとうろうろしました。





最初は購入しようとしたら、年配の男性が出てきてらちがあかなかった。
なんせ、計算ができない!!
で、どうしようかなあと思ってると、彼のおじょうさんが登場して
いっきにやりやすくなって。



カシューナッツは、値段は安いのだけれど、それ以上に香りがよくって大好評。



こちらは米のおこげ。
とってもおいしいのだけれど、外国人はあまり買わないかも。。。。






道の駅はローカルなものがたくさん販売されていて、見て回るだけでもとってもたのしい。でもクモとかはなあ・・・・・