HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

音楽家のゆくえ

2005年10月29日 | 音楽・映画・本
ある音楽家がある子どもに音楽を期間限定で教えていた。やがて時期が来て、レッスンは終了し、音楽家の手からその子は離れた。ところがその子がその何年後かに突然記憶喪失になった。友達のことも担任の先生のこともいろんな事を忘れてしまった。回りの大人達はどうしようかと思った。お医者さんとも何度も相談した。しかし、治療法は見つからない。そう、それは心の病気だから。そんなある日、その子はある人だけを思い出した。それはその音楽の先生のことだ。そこで大人たちはその音楽の先生を呼んで、彼にピアノを教えてくれるように頼んだ。その音楽家は喜んでそれを受けた。そして、週に1度ではあったけど、ピアノを教えた。それは何年も続いた。不思議なことに少しづつ、その子は落ちついてきて、ふつうの生活はできるようになってきた。そして成人した。完全に社会復帰とは行かないまでも、仕事をしたりできるようになった。

私はこの話を聞いて、音楽の力ってすごいなと思った。記憶喪失になった子が唯一思い出したのがその先生の名前だったというのにもジーンときた。

この世の中にはたくさんのミュージシャンがいて、皆はおそらく大きなステージでワンマンライブをすることが夢なのだろうと思う。でも、それを叶えられるのはごくわずかな人たち。では、その他のミュージシャンはどうしているのだろう?と思うよね。

たとえば、音楽専門学校の先生だったり、スタジオミュージシャンだったり、音楽会社で働いていたり、結構、なんらかの形で音楽と関わっているのではないかと思う。たとえサラリーマンになったとしても、たまにどこかで歌っていると思う。

そして、中には野球でいったら、選手ではなくコーチになる人がいるように、音楽の良さを伝え、将来ミュージシャンになりたいと思う子どもを育てる人もいる。私はそれもワンマンライブをして、アルバムをリリースするたびにオリコンチャートに上がるミュージシャンと同様に実はすごいことではないかと思っている。子どもの心に音楽の種を蒔く人・・・

話は少しそれるけど、まだプロにはなっていない音楽家のたまごの人たちが、結婚か音楽かを選ぶ時が来ることもあるだろう。それはとても難しい選択だ。なぜなら、プロになっていない場合、両立はかなりハードだから。結婚して特に子どもが生まれたら、もうふつうの仕事につくしか家庭を維持できないだろう。子どもはお金がかかる。特に赤ちゃんには・・・それに家では練習できないし、作曲なんかも難しい。それで結局、音楽から足を洗って、家族を選んだ人も何人か知っている。でも、彼らは幸せだ。そして、ある程度してからたまに仲間で集まってバンド活動も始めている。それはそれでいいんだ、それぞれの選択だから。

でも、ファンにしてみたら、ずっといい曲を生み出してほしいわけで、できれば結婚はプロになってからと願うわけだ。

私の知る音楽家もおそらく、大きなステージで歌う人になりたかっただろうし、そういうチャンスもあった。しかし、ある日運命的な出会いをしてしまって、その人は結婚を選んだ。私から見れば、果たして彼は結婚を選んでよかったのか?って思うのだけど・・・でも、音楽の才能はもともとあったので、堅実な収入を得られる音楽の仕事を見つけ、毎日ピアノを弾いている。そして歌も唄い、多くの人に夢を与えている。そして、相変わらず家族を愛し、自分がどれだけ幸せかを語る。そんな彼の話を聞くと、ときどき涙がでてくる。そして、あらためて音楽の奥深さと人の心の奥深さを知る。

私はまだまだ修行が足りない・・・

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