HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

NHK大河ドラマ「平清盛」について

2012年12月26日 | Weblog
いろんな場所に大河ドラマの「平清盛」についての
視聴率がどうとか、内容がどうとかと書かれています。

正直な話、毎回かかさず見たわけではありません。
でも、結構見ていた方だと思っています。

まず、言っておきますが、私の親類縁者には今のところNHK関係の方も
あるいは「平清盛」に携わった方もいません。

そう、私はごく平凡な皆様と同じ一視聴者に過ぎないのです。

だから私の意見と違うからといろいろ言われても困るので
自分と意見が合わないな~って思われたらスルーして
別のブログへ飛んで下さればと思います。

このドラマは始まった当初から映像が汚いとか
清盛の服装がどうとかとかいろいろ言われましたね。

大河ドラマは美しくあってほしいというのが
多くの視聴者の願いという人もいましたが
そうなのでしょうか?

私はあのほこりっぽい映像から
砂くさい清盛を感じられて
映像なのに匂いがわかるようでした。
海賊船からは異様な匂いもするようでした。

よく大人たちは子どもにいいますよね。
道徳をふりかざして
「人を身なりで判断してはだめだよ。」
「人を外見で判断してはいけませんよ。」

そんな大人のある意味代表になるような人から
「きたない」発言が出るのもどうかと思いました。

私ならそんな人が上に立つ場所が
いい場所になるようには思えませぬが(と時代劇風に)

家がいろいろな事情で身なりをあまりきれいにできなくても
心は美しい人たちはたくさんいますもの。

ってこれはドラマだよ!ドラマはきれいじゃなくっちゃ。

そういう声が多々聞こえて来る気が今しました。(笑)

でも、もともとロックンロールな人たちが大好きな私であり、
パンク上等な人なので、ちっともそういうので人を悪く見たりなんて
しません。

私は人を格好ではなく、生き方で判断し、素敵だな~って思うのです。

なら、このドラマはちっともみすぼらしいドラマではないですよね。

あえて言うなら

「心の大河ドラマです。」

だいたい今の社会。
ファストフードの社会。
携帯小説の社会。
数多ければいい女の子集団がどうでもいい歌を歌う社会。
CDなんて買わずに、気に入った曲だけ携帯にダウンロードの社会。
勉強だって、日本史は難しいからと大学入試にはみんなは
政治経済や公民などを選んでしまう社会。

「平清盛」って誰よ!の人きっといるはずです。
「北条政子」って誰よ!の人結構多いはずです。

あのやり手女子の「北条政子」さんを知らないなんて
そんなんでキャリア志向とか言ってられるのか!って話です。

っていっても私が日本史にすごく詳しいわけではなく
実のところ世界史が好きでそこで世界を見たくて
英語に力が入ったという人なのですけどね。

もちろん、日本史も好きでしたよ。
でも、平家についてはそれほど知りませんでした。
清盛はもちろん知っていましたけどね。

ところが5、6年程前のある日
平家ゆかりの場所で仕事をすることになったのです。
そこからなんだか平家について興味を持つようになりました。
でも、そのくせ源頼朝がなんとなく子どもの頃から好きだったという(笑)
ゆえに大学時代は一般教養では日本史でしかも「鎌倉時代」限定の
授業を取っておりました。

今回その頼朝を岡田将生氏がやってくれたのはとってもうれしかったりします。
岡田氏は「重力ピエロ」で印象深い俳優さんでしたから。

あえてここで言いますが、私が日本人の俳優で特に好きなのは
加瀬亮氏とオダギリジョー氏です。まったく「平清盛」と関係ないです(笑)

話がそれましたが、まあそういうなんでも深入りしない社会です。
軽いのりがいい社会です。
ゆえに純文学は敬遠され、英語で聴いたら意味わからないしと
洋楽も敬遠され、洋楽でも踊れるならとダンス系はまだ聴かれ、
とにかく難しいことを考えるのはいやだという風潮がどこかあります。

もちろん、すべてがそうではありません。
もっと深く考えようっていう人たちもたくさんいると思います。
ただ、どうしてもそういう人たちはたくさんいてもマイノリティに
扱われがちです。

こういう深く考えない世の中だから人の気持ちや辛いことも
思いやれないのではないかと思います。

そういう意味で、今回の「平清盛」を見て
「おもしろい」と思った人は人の気持ちをいつもいろいろ
考えている人たちではないでしょうか?
心のひだの数が多いというのか。

この豪華な俳優陣。
ひとりひとりの演技が豪華な一品料理のように
美しく迫力がありました。

たとえば三上博史氏。
彼は本当に存在感があって表情だけで
語れる凄い俳優さんですね。
恐ろしいほど繊細な役柄をもう見ていて茫然となるほどに
演じて下さいました。

井浦新さんもそう。あの映画「ピンポン」時代のアラタさんからは
この役は想像できませんよね。せつないぐらいに痛い役柄を
ガラスが壊れるように、それがまるでスローモーションで撮られたかのように
心に強く刻まれる演技でした。

源義朝の家臣であり、よき親友のような存在だった
鎌田正清を演じた趙珉和(ちょうたみやす)氏のことは
私はここで初めて知ったのですが、ほんとうに彼の演技は素晴らしかったです。
彼の控えめながら自分を押し殺しつつ、義朝に対する友情というのか、
それを表情などで見るものの心を揺り動かす感じは、そう簡単に
出せるものではないと思いました。
彼と義朝が互いに刺し合って死ぬシーンは
本当に悲しく、せつなく、人間愛に溢れていました。
彼の今後に大注目です。

平重盛役の窪田正孝(クボタマサタカ)氏も難しい役だったと思うけれど
とても人間味溢れるいつも心を痛めて苦しむ心優しい重盛を
見事に演じきったと思います。若いのに存在感がすごくありました。
彼はかなり重要なポジションだったと感じました。

また、平頼盛役のAAAの西嶋隆弘氏もバラエティに出ている時の
軽さ(失礼!)一転して、すごくクセのある裏切り者を見事に
演じて、彼に対する考えが一変しました。こんなに演技力のある
人なんだと。もっともっとクセのある役やってほしいなと思いました。
きっといろんな役を演じられる人なのですよ。

後白河天皇役の松田翔太氏はもう圧巻としか言いようがないです。
あの目つきや感情を噴出させる時の表情や逆に冷淡な表情など
七変化というのか、奥の深い俳優さんだなと改めて感じました。
いろんなインスピレーションを彼から受ける監督さんは
いっぱいいることでしょう。

平忠度を演じたムロツヨシ氏は役柄によって本当に印象が
変わる人なのでほんといつも驚きます。
そして、私は彼の演じる役をもっといろいろ見てみたいと
思いました。今年出会った新鮮な俳優さんのひとりです。

兎丸を演じた加藤浩次さんも存在感がすごくありましたね。
日本でパイレーツオブニホンカイっていうのをやったら
彼がジョニーディップのポジションになれますよね。
お笑いの人とは思えませんよね。というか
もう彼はお笑いという域を超えて、今はいろいろ
されているのでエンタテイナーですよね。

八条院役の佐藤仁美さんのすごみある演技がまた強く印象に残りました。
他の女優陣はいわゆる美形な方たちばかりだったので
演技というより見た目が先行してしまいがちでしたが
彼女はすごい存在感がありました。
ほんとうはきれいな方なのにね。
深田恭子さんはもともと好きな女優さんなので安心してみれたし
杏ちゃんは妖怪人間のベラ以来好きになったので北条政子にぴったりだったし、
今回もうひとり存在感があったのがモー娘の高橋愛さん(今もモー娘か知りませんが)
が台詞がそんなにあるわけではないですが、控えめながら経子を
しっかりと演じられていて感動しました。

あと成海璃子さんの演じた滋子さんはとても素敵な人でしたね。
髪の毛が天然パーマという設定がまた斬新で
目からウロコのような感じを受けました。

そうですよね。昔だって天然パーマの人はいたわけですし
その方たちがロングへアをどうしていたのかって
思うと、なんかすごくリアルな感じがしてよかったです。

平時忠を演じたV6の森田剛氏もこんなすごい演技のできる人なんだと
初めて彼のことを正面から見ようっていう気にさせてくれました。
今までV6の中でもあまりちゃんと見ていなかったのが彼だったのですが
今回で彼に対する感情が変わりました。ものごとを斜めにみて
残酷な部分ももっている役を「なんだこいつ」って思わせるぐらい
いやな感じもありつつ、いいところもあるっていうのを見事に見せてくれました。

ひとりひとり書くと大変なので最後に松山ケンイチ氏について。

彼は素晴らしかったと思います。
彼は世間のいろいろな声と戦い、自分の心の声に従い
平清盛と対話して、平清盛を見事に演じきったと思います。

豪快な若者時代から静かに存在感を出す老年時代まで
彼らしい清盛を見せてくれました。

このドラマは心理描写が多くて視聴者が敬遠したとか言ってる人もいますが
ハリウッド映画の西武劇のような戦闘シーンがたくさんないと
大河ドラマはおもしろくないのでしょうか?

私の父は大河ドラマが好きで、私が物心ついたときから
いつもいっしょに見ていました。子ども心ながらすごいな~って
思いつつ、今思い出すのは戦闘シーンでもなく
映像がクリアかどうかでもなく
きらびやかな衣装でもなく
美男美女の様子でもなく
言葉でもなく

なんとそれぞれの印象深い表情なのです。

あの時のあの俳優さんのあの苦渋の顔。

あの時のあの女優さんの笑顔。

などなど子ども心にスクラップされていったのは
なんと表情だったのです。

ゆえに清盛を見ていた子どもたちは
今回のドラマにおいては数々の表情を心に
収めた事でしょう。

それくらい表情の宝庫のようなドラマでした。

ストーリーについて少し触れると
平清盛は結局、武士が世を治める道筋は作ったけれど
平家は滅亡してしまいました。
でも、彼が彼自身の意志で助けた源頼朝が
結局は清盛の夢を実現したのです。

これで清盛は報われたような気がしました。
鎌倉幕府ができ、そこでいろいろ四苦八苦したのち
室町幕府で庶民が笑顔でいられる世が作られたのですから。

庶民が笑顔になる世の中の最初の一歩を
作り出したのが清盛だったわけですよね。

最後の方での頼朝と清盛の幻影との対話が
感動的でした。静かでしたが、泣けて来ました。


今年の番組視聴率ベスト10にも入れなかったというけれど
チャートなんてどうでもいいのです。

周りの意見にすぐにつられる人や
流行ものに弱い人や
保守的な人などはどうしても
多数派になってしまうのが世の中。

周囲がなんといおうと自分がいいと思うものがいいと
言える人たちは少数派かもしれません。

番組の視聴率のために何度も脚本を書き換えさせられた
脚本家さんにもご苦労様と言いたいし、
そのせいで出るはずだったシーンがなくなって
出れなかった俳優さんもいたかもしれません。
台詞が少なくなった俳優さんもあったかもしれません。
でも、そのすべての方に私は言いたいです。

「誇りをもってそこにいた事実を大事にしてください。」と

堂々と「平清盛」に出ていましたと言ってほしいなと
すべての俳優さんたちに願います。

ひとつひとつを丁寧に見ずに
適当に批評する人たちが大嫌いな私だから
今回はあえて、このようなことを書かせていただきました。

ひとりでも心を揺り動かしたなら
立派なドラマなんですよ。

音楽といっしょ。


だから私はこのドラマにすべてかかわった人たちに
大きな拍手を送ります!

加えて、低予算でもアイディアで凄い番組を
いつも作ってくれているNHKさんは凄いと思っています。

お金をへんなところにばっかりかけて
たいしたアイディアもなく廃れて行くいくつかの
テレビ局に比べて、心と勇気があふれる人が
多いのがNHKなのかなと
別に回し者でもなんでもない一庶民の私は
思います。

先日の嵐が京都野菜を紹介する番組も
最初NHKと気がつかずに(嵐のイメージが民放だったので)
見ていて、いい番組だな~って見終わった時に
初めてNHKと気がつき、良質な番組を作るな~って
思ったし、

佐野元春氏のソングライターズも素晴らしい番組だし

5分間だけの番組もすごいなと思います。

私はいつもアイディアを出し合って前向きに進んで行く人たちが大好きなのです。

ということで長々と読んで下さった方ありがとうございました。






コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« bye-bye circusのワンマンラ... | トップ | イエローモンキーの「BULB」... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同感デス。 ((^^))
2013-01-02 01:34:58
私は1回も見逃さず(録画ですが)観ました。
中井貴一さんや小日向さんなど、初期にでた俳優さんにも、沢山の魅力を感じました。
今から最終回を観ますが
涙なくしては観れないと思い、家族が寝静まった元旦の夜中にこっそり観ようと思います(^^)
私も源平では源氏派でしたが
平家の見方が変わりました。
現代であまり陽の目をみない平氏にスポットを当てたNHKに座布団10枚です。(笑)

このブログを読めて良かった。
アリガトウゴザイマス。
返信する
((^^))さんへ☆ (FB17)
2013-01-03 00:30:37
コメントをありがとうございます。
そして読んでいただいてありがとうございました。
同じように感じていらした方がいてほっとしています。

視聴率なんかに負けないで、自分たちがいいと思うものを作るテレビ局をこれからも応援していきたいと思っています!

またよければのぞいてやってくださいね。

素敵な1年を!
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事