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日本政府も経団連も「ルック・ウエスト!」- 移民政策の範はシンガポール、永住権レターを送れ

2008-11-27 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
先月、日本経団連が移民政策の議論を求める声明を出しました。

私は甚だ不思議に思っているのですが、
日本は伝統的に他国の長所を巧みに取り入れるのが
世界一と言ってよいほど得意であるのに、
なぜ移民政策や社会保障政策に関しては
全く他国を手本にしようとしないのでしょうか。

伝統的な進取の気質が劣化したとは思いたくありませんが。

移民受け入れと言うとすぐ韓国中国と騒ぎ始める
無教養で公正さの欠落した方々にもうんざりです。

日本は有能な人材、魅力ある人材には敬意を払う社会なので、
移民政策が円滑に実施され得るとしたら
「シンガポール型」しかあり得ません。

竹島慎吾 シンガポールの移民政策(nikkeibp)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20070523/125447/

”もし外国に住んでいて、「永住権取得を考えてみませんか?」という書き出
 しで始まる手紙と申請書類一式が、その国の政府からあなたの元に送付され
 てきたら、恐らく驚くのではなかろうか。しかし、シンガポールでは、永住
 権取得を勧誘するレターに出くわすことは珍しくない。
 「シンガポールはあなた自身のキャリアアップや家族との生活に適した理想
 の都市であり、この地を生活の基盤とすることでシンガポールの発展に貢献
 することを歓迎する」。シンガポール政府から送られてくるレターにはこう
 した趣旨の内容が記されている。よく読むと、「本状は永住権取得を保証す
 るものではない」と釘を刺しているものの、しかるべき手続きを踏めば永住
 権が得られる可能性が高いと思わせる内容となっている。
 シンガポール政府が海外からの移民受け入れに積極的な背景には、急速に進
 む少子化がある。5月に発表されたシンガポールの2006年の合計特殊出生率
 (女性が生涯の間に出産する子供の数)は、1.26と前年の1.25からわずかに
 上昇したが、既に人口が減少に転じた日本は1.25(2005年時点)とほぼ同
 水準にあり、アジアでも有数の少子化国と言える。もっともアジアを見渡す
 と、香港は0.97(2005年)や韓国は1.13(2006年)など、さらに出生率
 が低い国・地域もあるが、少子化が深刻な問題になっているという点は共通
 である。
 一般に所得水準が上昇すると出生率は低下する傾向にある。所得水準が上昇
 するにつれ、子供に家計扶助の役割を期待するメリットが小さくなる一方、
 教育費や女性の機会費用などのコストが大きくなるためである。女性の機会
 費用とは、出産・育児により失われる所得のことで、女性の社会進出が進む
 につれ、就業機会の増加と賃金が上昇する分、機会費用も大きくなる。”

 → シンガポールの移民受け入れ政策に関しては、
   この日経BPの記事が参考になります。

   この永住権レターでどれほどの人が
   シンガポール国民となったのか分かりませんが、
   高度人材を狙って国内に受け入れるには、
   有効な施策であることは確かです。

   特定の国を対象に、フルブライトやローズのような
   奨学生制度と組み合わせて実施するのも有望です。
   (これで東南アジアや南アジアとの太いパイプができる)

▽ 少しシンガポールの研究をしてみようと思う。




『目覚めよ日本―リー・クアンユー21の提言』(リー・クアンユー,たちばな出版)





『シンガポールの国家建設―ナショナリズム、エスニシティ、ジェンダー』(田村慶子,明石書店)

日本経済の競争力維持へ移民受け入れを 経団連が提言書(日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081014AT3S1401L14102008.html

”日本経団連は14日、人口減少社会に向けた提言書を公表した。高度な技能
 を持つ人材や留学生を中心とする移民を海外から受け入れ、日本経済の競
 争力を保つべきだとの見解を示した。これまでも外国人の働き手が必要と
 主張してきたが、移民の受け入れまで踏み込んだのは初めてとなる。
 「人口減少に対応した経済社会のあり方」と題する提言をまとめた。今後
 50年の間に、日本では働き手となる15―64歳の人口は4600万人弱に減る。
 今よりも半減することを踏まえ、人材確保が欠かせないと強調した。その
 柱として「日本型移民政策」の検討を掲げ、関連法整備や担当大臣設置を
 求めた。高度人材や留学生に加え、看護師といった一定の資格をもつ「中
 度人材」の活用にもふれた。
 経団連の試算によると、現状の医療・介護分野のサービスを維持するには
 2055年時点で約180万人が足りないという。単純労働者については「先
 進国の過去の移民政策の失敗もあり、さらに議論を深めていくべきだ」と
 慎重な姿勢を崩していないが、相当規模の受け入れを想定した議論が欠か
 せないとした。”

これが日本経団連の発表要旨です。

…… 議論としてはこれで構わないのですが、
経済界は本気で移民受け入れのコストを払うのですか?
既に愛知県では日系人の子弟の教育コストを
地元自治体に押し付けていますよねえ。

きっと自動車産業などは、下請けが雇っているのだから
俺の知ったことではない、と言うに違いありません。
「総論賛成、各論反対」になりそうな予感。。

尚、医療・介護に関しては人件費を値切ろうとするから
こうなるのであって、まともな給与さえ払えば
働く人はいくらでもいます。

(日本の女性の労働力率の低さを見よ)
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