みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

米インフレ指数連動債(TIPS)が史上初のマイナス金利で落札 - 米長期金利の上昇に備える投資家

2010-10-31 | 注目投資対象・株価の推移
           ↑ USD/JPY(infoseek)下に抜けかけた週末
愈々FOMCが近づいてきています。
市場の見方としてはQE2は5000億ドル程度の規模がコンセンサス、
それを大きく下回っても上回ってもサプライズとなるようです。

…これは今年最後の山場でしょう。
どちらの方向にも大きく動く可能性があり、
週明けからスクランブル態勢が必要かと。

「ドル円の史上最高値更新は「あるか」ではなく
 既に「いつ」の問題となっています」

「ドル円の史上最高値更新はもう確定、
 中印株式とコモディティは高々と舞うことになるでしょう」

との見通しを維持します。前者は恐らく今年中には実現するでしょう。


↓ EUR/JPY(infoseek)じりじり下落中。一度は反発する?


直近の豪ドルの推移

 ↑ 豪ドル円は指標悪化によって急落しています。
   明らかにロングポジション多過ぎです。
   80~81円のラインが遠くなりました。


どちらに出るか分からない時に頼りになるのは
時に理性を忘れる市場心理の動物的な動きと
市場そのものの語るメッセージです。


ドルが対円で下落、FRBの追加緩和めぐる警戒感高まる(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201010300004.html

”29日のニューヨーク外国為替市場では、米連邦準備理事会(FRB)の追加緩和
 の規模をめぐる不透明感に圧迫されドルが対円で下落。相場の乱高下に備えたオプ
 ション市場でのヘッジが活発化した。
 ドル/円は18日につけた15年ぶりの安値に迫った。第3・四半期米国内総生産
 (GDP)速報値は、FRBが追加緩和に踏み切るとの市場の観測を変えるには至
 らなかった。
 ロイターデータによると、終盤時点では0.6%安の80.42円となった。
 来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)の他に中間選挙や雇用統計の発表が予定
 されており、オプション市場では量的緩和をめぐる懸念が高まっていることが示さ
 れた

 クレディ・アグリコルのシニア通貨オプションストラテジスト、サイモン・スモレ
 ット氏は「市場には若干不安がある。量的緩和に関する不安や、多くの通貨がドル
 に対して買われすぎているという不安だ」
と指摘した。
 その上で「多くの要因が存在する。重要なのは、スポット相場での値動きは比較的
 抑制されているように見えても、リスクオフのヘッジが市場に戻ってきたことだ」
 と述べた。
 オプション市場ではユーロ/ドルのリスク・リバーサルがプットに一段と傾いた。
 豪ドルや韓国ウォン、ユーロ/円などに対する警戒感も高まっており、リスク・リ
 バーサルはプットが優勢になっている。
 ただ一部のアナリストは、FRBの追加緩和をめぐる懸念は行き過ぎとの見方を示
 している。
 CIBCワールド・マーケッツの首席エコノミスト、エーバリー・シェンフェルド
 氏は「経済がかなり悪化すれば、連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和の第
 3弾、第4弾が打ち出されるかもしれない」としながらも「今回の第2弾(QE2)
 は5000億ドルを超えることはない。一度に1兆ドル規模との見方は後退した。
 FRBの発表を受けて市場で大きなショックが起きるとは予想していない」と語っ
 た。”

 → ざわめくような雰囲気に満ちた週末の報道です。
   市場コンセンサスを把握するのに好適でしょう。

   個人的には、バーナンキは市場に強い恐怖が見えない限り
   限定的な量的緩和にとどめると見ています。
   1兆ドルを正当化するような心理的強迫感はまだないと思う。


東京外為市場・15時=ドル81円後半、利益確定のドル買い戻し基調続く(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201010270077.html

”午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点に比べドル高の81円後
 半。短期筋による利益確定のドル買い戻しが続き、ドルが幅広い通貨に対して上昇
 した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、積み上がったドルショートの手
 仕舞いが進んでいる。

 海外市場では、短期筋によるポジション調整の動きが活発化し、ドルが対ユーロ、
 対円で上昇した。この流れを引き継いだ東京市場でもドルの買い戻し地合いが続き、
 ドルは対円では約1週間ぶりのドル高水準である81.78円まで上昇した。ユー
 ロも1週間ぶりの安値となる1.3802ドルまで下落した。1.38ドル付近には
 オプションのバリアーがあるとみられている。
 「先週あたりから利益確定のドル買い戻しがみられるが、昨日から活発化している。
 米10年債利回りも上昇しているので、米国のQE2(量的緩和第2弾)をはやし
 てドル売りを進めた短期筋が買い戻しに動いている
」と三菱UFJモルガン・スタ
 ンレー銀行クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は言う。
 米国債市場では前日、10年債利回りが2.65%と1カ月超ぶりの高水準まで上
 昇し、ドル/円相場の支援材料となった。現在の同利回りは2.6393/2.6
 375%の気配。
 〔中略〕
 FOMCが来週に迫り、ユーロ/ドルを中心に積み上がったドル売りポジションの
 手仕舞いも意識されてきた。「きっかけがあるたびに、ドルショートの巻き戻しが
 入る時間帯に入っている」(みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト、
 唐鎌大輔氏)という。
 ポジションが積み上がっているだけに、市場では、FOMCで決定される緩和規模
 が市場予想を大きく上回らない限り、いったんはドルの買い戻しが入るとの見方が
 多い。

 「それが視野に入っているため、前倒しでドルの買い戻しが入りやすくなっている」
 (邦銀)。逆にいえば「FOMCまでにある程度巻き戻しが進んでしまえば、市場
 で予想されているFOMC後のドル買い戻しが小規模になる可能性もある」(唐鎌
 氏)との声が聞かれる。
 米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は27日、米連邦準備理事会(F
 RB)が来週、今後数カ月にわたって数千億ドル規模の国債買い入れ計画を発表す
 る見通しだと伝えた。WSJ紙によれば、国債買い入れ計画の詳細はFRB内部で
 調整中だが、大枠は固まったという。
 市場では、「ほぼ想定の範囲内。市場の想定を上回る規模の緩和にはならないとみ
 ているが、一方で出尽くし感が広がることは回避するだろう」
(唐鎌氏)と受け止
 められている。
 〔中略〕
 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、米中間には来月の20カ国・地
 域(G20)首脳会議(サミット)で貿易不均衡の是正に向けた目標設定で合意す
 る基礎ができている。中国人民銀行(中央銀行)の李稲葵・金融政策委員の話とし
 て伝えた。
 他方、中国の陳徳銘商務相は、米国のドル発行は「抑制がきかない」状態となって
 おり、中国にインフレの脅威をもたらしているとの認識を示した、と新華社が伝え
 た。
 新華社によると、陳商務相は講演で「米国のドル発行に抑制がきいておらず、国際
 的な商品相場が継続的に上昇していることから、中国は輸入インフレにさらされて
 いる。この(事態に関する)不透明性が企業にとって大きな問題となっている」と
 述べた。
 米ホワイトハウスのギブズ報道官は26日、人民元の問題は米国で「幅広い懸念」
 となっており、中国は人民元改革に向け行動する必要がある、との考えを示した。
  米財務省は10月15日に為替報告書を発表する予定だったが、11月の中間選
 挙やG20首脳会合を控え、発表を見合わせている。”

 → この報道は重要でした。
   前半は需給から見た為替市場の見通し、
   後半は高まる人民元切り上げへの圧力と
   いずれも見逃せないところ。


東京外為市場・15時=ドル80円後半、米量的緩和政策背景にTIPS利回りがマイナス化(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201010260075.html

”為替市場では、来月初旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「QE2」(量的
 緩和第2弾)が決定されることが確実視され、これを背景にドルの先安観が続いて
 いるが、前日のインフレ指数連動債(TIPS)入札で落札利回りが史上初のマイ
 ナスとなったことが話題を呼んだ。
 米財務省が25日実施した100億ドルの4年6カ月物(5年物リオープン=銘柄
 統合)TIPS入札で、最高落札利回りがマイナス0.550%となった。応札総
 額は約284億3600万ドル。応札倍率は2.84倍だった。
 TIPS人気が高まっていることについて、「トレジャリー(米国債)のヘッジで
 TIPS需要が高まったのだろう。インフレ期待から米長期金利が上昇するリスク
 を、TIPSという合成オプションでヘッジしたことになる
」(アナリスト)とい
 う。
 インフレ率がQE2を受けて、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が言及
 した2%に上昇した場合、TIPSを購入した投資家はTIPSと通常の米国債と
 の利回り格差拡大により利益を得ることになる。  
 〔中略〕
 「欧州連合(EU)首脳会議を前に、1.40台でのユーロ高けん制発言が出てい
 るので、ユーロを買い進むのに躊躇する参加者が増えている」
(外銀)という。こ
 の日のユーロは朝方の安値1.3907ドルから一時1.3982ドルまで反発した
 が、その後は一進一退の値動きとなった。
 フランスのラガルド経済財務雇用相が、ユーロ圏は弱いドルや自由に変動しない人
 民元によって打撃を受けていると発言したことを仏紙レゼコーが報じ、市場で話題
 となった。
 さらに25日には、国際通貨基金(IMF)のエコノミストがワルシャワで会見し、
 ユーロは過大評価に近い水準にあり、これ以上ユーロ高が進めば、ユーロ圏の経済
 成長に悪影響が及ぶとの認識を示した。
 会見したIMFのエコノミスト、Bas Bakker氏は「ユーロは過大評価に近いと呼べ
 る水準にある。これ以上のユーロ高は(ユーロ圏の)成長鈍化を意味する
。ユーロ
 高がさらに進めば、影響はさらに大きくなるが、日々の為替の動きにコメントする
 のは難しい」と述べた。 25日の海外市場でのユーロの高値は1.4080ドル。”

 → こちらは26日の報道。
   ユーロの水準警戒感は以前よりありましたが、
   米金利上昇を予想する投資家が増え始めたのが注目されます。
   秘かに転換点が近づいている可能性がある。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄、株式新聞がUAを「買える小売株」として取り上げたようです。

 金価格連動型上場投資信託(大証二部 1328) 3,200

 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587
             542 / 494

 三菱商事(東証一部 8058) 1,700 → 1,890 / 1,914 → 2,442
               2,287 → 2,442 / 2,129
               2,046

 マツダ(東証一部 7261)  232
               201 → 238

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215
                     1,087

 SUMCO(東証一部 3436) 1,743 → 2,014
               1,590 → 1,793

 住友金属鉱山(東証一部 5713) 1,492

 昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966
                  716 → 723 / 688

三菱商事と丸紅の中間決算は順当でした。
丸紅は通期を上方修正するでしょう。
マツダはわずかに下方修正ですが為替次第です。


NY金、続伸(時事通信)
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-101030X132.html

”【ニューヨーク時事】週末29日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊
 先物相場は、さえない内容となった米経済指標を受けてドル安が進んだほか、連邦
 準備制度理事会(FRB)による追加金融緩和策への期待が高まったことから買い
 が膨らみ、続伸した。中心限月12月物は1オンス=1357.60ドルと、前日
 終値比15.10ドル高で取引を終了した。”

 → 一時は急落していたゴールドですが
   またひたひたと上昇しています。
   勿論こちらもFOMC次第で大きく動くので要注意。





『日経会社情報』2010年秋号


    ◇      ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

ユーロを何度か短期で売りましたが煩雑なので省略します。

 2010/09/10 77.52 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/05/03 87.43 AUD/JPY Lev ×3.0
 2010/03/31 85.75 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)

    現在 > 78.87 豪ドル/円(損益138%)← 今年の損益率
        112.05 ユーロ/円

 ◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2010/09/16 79.57 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/09/24 112.68 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/07/15 76.20 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/06/29 77.09 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/06/17 78.07 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/06/04 78.18 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2009/07/22 76.77 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/04/21 86.74 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/04/23 86.88 AUD/JPY Lev ×3.0
 2010/04/13 86.28 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/04/01 86.40 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2009/10/29 83.08 AUD/JPY Lev ×1.5
 2009/10/29 82.75 AUD/JPY Lev ×1.5
 2010/03/04 80.12 AUD/JPY Lev ×1.5
 2010/02/16 81.15 AUD/JPY Lev ×1.5
 2009/11/04 81.01 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/01/29 80.01 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2009/12/11 81.38 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/01/06 84.86 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)

 …以下省略…


「資源国通貨は底打ちしました。
 豪中銀は政策金利を引き上げ始めており、
 豪ドルは緩やかな上昇トレンドに入っています」

中長期的な見通しは変更ありません。

「82円から72円のレンジ圏を想定」

豪ドルの短期的な見通しも変化なし。

「豪ドルは80円台前半で大きな抵抗に遭う」

豪ドルもユーロも一度は下がらないと上に抜けないでしょう。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
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低炭素型産業への設備投資補助金、高い費用対効果 - 予算の5倍もの投資誘発効果

2010-10-29 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
特別会計の仕分けが再生エネルギー関連分野にも及んでいますが
公共部門の効率性、言わば「予算対効果」も注目すべきです。

経産省と環境省は産業政策においてイニシアティブを争う関係であり
似たような事業を行っていたり旧弊な縦割りを固守するなど
セクショナリズムの害はどうしても生じ易くなります。

ここは効率性と予算対効果の面で両官庁が競ってゆくことが
日本経済のためにも政府のためにも必須でしょう。
(負けたら予算削減もしくは廃止といった方法が考えられる)

中印などの人口大国の経済成長、原油価格が高止まりによって、
これから低炭素産業が世界的に伸びてゆくのは明らかです。
環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏は、2030年迄に
自然エネルギー関連産業の規模が自動車産業を超えると予想されています。





『日本版グリーン革命で経済・雇用を立て直す』(洋泉社)



低炭素型産業への補助活用、設備投資額1400億円に(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E0E1E2E3EA8DE0E1E3E2E0E2E3E29797EAE2E2E2

”経済産業省は、発光ダイオード(LED)など低炭素型産業への設備投資への補助金
 制度を使った投資額が、総額で約1400億円になったとの集計をまとめた。投資総額は
 予算額の5倍程度だった。
補助を活用した外資系企業進出の例もあり、産業の国外流
 出に一定の歯止めをかける効果があったようだ。
 同省は2009年度2次補正予算で、総額297億円の補助金を確保。〔以下略〕”

 → ターゲティング政策に期待できないというのは嘘です。
   このように選択が適切であれば効果は出るのです。

   今後はそれぞれの分野での費用対効果を詳しく調べ、
   成果に応じてリバランスすることが望まれます。


2009年度の国内太陽光発電システム市場は前年度の倍以上の水準に(Business Media 誠)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1009/21/news043.html

”市場調査会社の矢野経済研究所は9月17日、2009年度の国内太陽光発電システム市場
 の調査結果を発表、市場規模は前年度比135%増の3856億円へと拡大した。
 【栗田昌宜,Business Media 誠】
 同調査は国内太陽電池セル・モジュールメーカー、住宅メーカー、住宅用および公共
 ・産業用太陽光発電システム販売事業者を対象に、面談や電話による聞き取り調査と
 文献調査を併用して実施したもの。
 分野別に見ると、住宅用太陽光発電システム市場が3335億円(構成比86.5%)、公共
 ・産業用太陽光発電システム市場が522億円(同13.5%)で、伸び率は住宅用太陽光
 発電システム市場が前年度比153%増、公共・産業用太陽光発電システム市場が同60
 %増となった
。国内の太陽光発電システム市場の拡大をけん引してきた住宅用は2005
 年度の1784億円をピークに2006~2007年度は縮小したが、2008年度以降は政府や
 自治体による導入助成制度の再開などを背景に拡大に転じ、2009年度は余剰電力固定
 価格買取制度の開始によって急拡大した。
 国内市場の拡大に伴って、海外メーカーの参入も本格化。かつてはほぼ全量が国内メ
 ーカー製だったが、2009年度には中国や韓国を中心とする海外メーカーが多数参入し、
 総導入量618.5メガワットのうちの8.5%に相当する52.5メガワットが海外メーカー
 製モジュールを採用した太陽電池システムとなった。
 同調査では、2010年度以降の市場予測も実施。それによると、余剰電力の固定価格
 買取制度によって住宅用を中心に市場拡大は継続し、2010年度は2009年度比76%増
 の6774億円、2015年度は同187%増の1兆1068億円、2020年度には同236%増の1
 兆2941億円になると予測している
。”

 → 企業の設備投資への補助だけでなく、
   固定価格買取制度のような他の制度的インセンティブも
   その有効性を測定しつつ強化すべきです。
   …長期的かつ持続的に市場が成長するために。


10年後もEV普及せず=世界新車販売の7%―米調査会社(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c%3Fg%3Dint_30%26k%3D2010102800553

”【ニューヨーク時事】日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」や米ゼネラル・モ
 ーターズ(GM)のハイブリッド電気自動車(HEV)「シボレー・ボルト」が近く
 発売されるなど、環境車に対する注目が高まっているが、米有力調査会社JDパワー
 ・アンド・アソシエーツは27日、世界全体の新車販売台数に占めるEVやHEVの
 割合が、10年後でも「7.3%にとどまる」
との調査報告を発表した。
 JDパワーによると、2020年時点での世界全体の新車販売台数は7090万台と
 予想されるが、EVやHEVは計520万台にとどまる見通し。10年は全体(推定
 4470万台)の2.2%に相当する95万4500台と予想されている。HEVに
 はトヨタ自動車の「プリウス」など、従来のハイブリッド車(HV)も含まれる。
 JDパワー幹部は「各国政府やメディア、環境保護論者の間ではかなり関心が高まっ
 ているが、EVやHEVが商業的に成功するかどうかは最終的に消費者によって決め
 られる」と指摘。全体のコストが大きいことが分かれば、消費者の購入意欲は減退す
 る
とした上で、「(個人の)購入者は比較的高齢かつ高学歴、高所得の人で、テクノ
 ロジーに深い関心がある消費者に限られよう」と結論付けた。”

環境分野の中でもコスト面での成長制約が強いと思われるのがEV。
燃費向上の技術的進歩が著しい現在、EVの将来性は群を抜いて不透明です。

この分野でも費用対効果の観点が重要にならざるを得ません。
私の個人的な見解では、ハイブリッド車は「つなぎ」ではなく
地味ながら頼れる「ロングリリーフ」になると思います。
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中国富裕層の「渡米出産ブーム」- アメリカ市民権を得るための計画的ツアー

2010-10-28 | いとすぎから見るこの社会-少子化問題
中国は今後、破滅的な少子高齢化の影響に晒されます。
その最大の理由は言わずもがなの人口抑制政策ですが、
その政治の網をかいくぐって最初から計画的に
「アメリカ市民権を持つ子供」を出産するツアーが人気のようです。

流石は「上に政策あれば下に対策あり」の国柄で、
その逞しさにはいつもながら感心させられます。


…このトレンドは日本社会にとっても参考になるものであり、
日本政府もアジアの高度人材とその子弟に市民権を与えるべきでしょう。
(長期滞在ビザの戦略的増発も良策)
能力と経済力で選抜するシンガポール型であれば
悪辣な犯罪分子の殆どを排除可能です。

取得年齢に制限を課せば、僅かながら日本の少子高齢化も改善できます。

政治的安定度が極めて高く、多様性と利便性に富む日本は
アジアの上流階層にとって魅力的な国になっています。
特に治安と文化面、そして細やかな配慮に関してはアジア随一です。

この優位性を活かさないのは国益に反します。


▽ エリートや上流階層を中心に、日本に魅了される中国人が確実に増加中





『外交官が見た「中国人の対日観」』(道上尚史,文藝春秋)


上海・千変万化:気軽に出産ツアー=鈴木玲子(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/suzuki/news/20100830dde012070032000c.html

中国富裕層の間で妊婦の渡米出産がブームだ。米国には「米国で生まれた者は米市民」
 とする憲法修正14条があるため、米国で子供を産めば両親の国籍に関係なく、合法
 的に米国の市民権(国籍)が得られる。これに目をつけた富裕層が観光ビザで入国し、
 滞在中に出産し、米市民権を得たわが子と一緒に中国に帰国する。

 「ビザ申請の際に面接があるから、おなかが目立たないうちに申請に行かないとダメ
 よ」。上海にある「出産ツアー」業者に電話したら、女性スタッフがこうアドバイス
 した。ブームに乗じて昨年開業。事務所は北京にもある。既に妊婦1000人が渡米
 した。
 モデルコースは3カ月。この業者を利用した妊婦の9割が、妊娠7カ月半から8カ月
 頃に渡米し、気候が良いロサンゼルスの専用宿泊施設で2カ月ほど過ごして出産を待
 ち、産後1カ月ほどで帰国する。宿泊施設の医者はもちろん中国語が話せるから安心
 だ。
 宿泊費と病院での出産費を合わせると15万元(約186万円)が相場だそうだ。大
 抵は妊婦の母親や夫が同行するし、往復航空券も必要。このため費用はさらにかさむ。
 この出産ツアー。中国の前は、韓国や台湾からの渡米が多かったそうだ。台湾の夫婦
 が5年前、「中国でも需要があるはず」と上海で開業したところ狙いは的中し、人気
 を呼んだ。
 なぜそうまでして米市民権がほしいのか。中国では長年、政治体制の動乱を経験して
 きたため、外国籍の取得や海外への資産移転で「保険」をかけようとする人は依然と
 して多い。
海外渡航がまだ容易ではなく、留学ビザの取得が難しいことが背景にある。
 そして近ごろは「ライフスタイルの選択肢の一つ」として、もっと気軽に市民権を得
 ようとする人が増えているそうだ。子供は米国の大学に進学しやすくなるし、米国内
 の学生向け奨学金も申請できる。
長い目で考えれば、出産ツアーによる初期投資分は
 決して高くはないとなる。また、生まれた子は中国籍ではないため、中国の人口抑制
 策「一人っ子政策」と関係ない。米市民権を得れば2人目、3人目も産むことができ
 る。
 しかし、近ごろ憲法修正14条の見直しを求める声が、野党・共和党の一部議員から
 上がっている。不法移民排除が狙いとみられるが、中国人の出産ツアーも問題視され
 ている。「ならば今のうち」。ツアー業者には問い合わせが殺到しているそうだ。
 (上海支局)”

 → 非常に興味深い記事です。
   日本人には多分、こうした戦乱に悩まされ続けた大陸民族の
   深い政治に対する絶望を理解できないと思います。

   何だかんだ政治に口うるさく文句は言っても
   最後は国が何とかしてくれると心の底で思っている
   多くの甘ったれた日本人と彼らは精神構造が違うのでしょう。


私大の4割、226校赤字 97年度の5倍、不況が影響(共同通信)
http://www.47news.jp/news/2010/10/post_20101015210704.html

”私立大の4割近い226校で、経営状況を示す2009年度の帰属収支差額が赤字だ
 ったことが15日、日本私立学校振興・共済事業団のまとめ(速報値)で分かった。
 1997年度に比べて5倍近くの増加。景気悪化や少子化が影響した。ただ、赤字は
 08年度の確定値より3校減った。調査では私立大595校のうち580校が回答。
 39%に当たる226校が赤字だった。”

馬鹿みたいに大学を粗製濫造するものだから、
この十年程で高等教育の現場は益々悲惨になっています。

これほど文教政策が場当たり的な国ですから、
教育関連の雇用がじりじり悪化していくのも当然です。

どうして即効性ある対策としてアジアの富裕層・上流階層に
プロモーションとマーケティングとを継続的に行い、
留学生を増やそうとしないのか、理解に苦しみます。
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ウォールストリート・ジャーナル、日本を大絶賛 -「日本の食文化は日本経済とは対照的な爆発的勢い」

2010-10-27 | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界
同調体質と言うか付和雷同を絵に描いたような国内メディアは、
経済界と声を揃えて「日本人が内向きになった!」と叫んでいますが
彼らが僅か数年前にはハゲタカファンドや外資を批判して
脅威を煽っていたことを忘れてはなりません。

状況が変わると言い分が真逆にひっくり返る連中を
まともに信じる方がどうかしています。

実際、内向きどころか大挙して海を渡って
馴れない異国で立派に修行した日本人は大勢います。


私の知る限りでは、例えばそれは料理人やパティシエ達です。
日本の凡庸なドメスティック経営者よりも遥かに意欲的で、
かつグローバルな競争力を持つ人材が多い。

ミシュランで日本の食が注目されるのも当然です。
観光消費で内需を支える日本の「食」のプレゼンスは
これから益々大きくなってゆくでしょう。


「関西は世界の美食の都」 景気も上向く?(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/101023/trd1010231028006-n1.htm

”【ニューヨーク=松尾理也】米紙ウォールストリート・ジャーナルは22日、飲食
 店ガイドブック「ミシュランガイド京都・大阪・神戸2011」が関西のレストラ
 ン12軒に三つ星を授与したことを取り上げ、「関西は世界の美食の都になった」
 と、驚きと称賛を込めて伝えた
。これまで三つ星獲得は、10年版の東京が最高で、
 同年版のパリが続いていた。 
 同紙は関西への三つ星ラッシュについて、「ニッポンの沈滞する経済と硬直化する
 政治に対する“食のカンフル剤”」だと指摘。同じく東京も高い評価を受けている
 とした上で、スシのみならずヤキトリ、ラーメン、ソバなど日本の食文化は、日本
 経済とは対照的に爆発的な勢いで世界に広まっているとした

 京都については「500年以上の歴史を持つ懐石料理で知られ、外部に門戸を閉ざ
 し、純化されたその世界では、よそ者は往々にして歓迎されない」と、その独特の
 風土を説明。取材もあまり歓迎されず、ガイドブックに掲載された店の多くは写真
 なしだと伝えた。
 さらに日本人を「世界でもっとも熱心な食い道楽」と位置づけ、「日本のテレビ局
 は延々とグルメ番組を放送し、若い女性リポーターが『おいしい!』と連呼してい
 る」と、食にこだわる日本社会の姿を描いた。
 こうしたグルメ文化を、日本の政府は「いかにしてカネにするか、知恵を絞ってい
 る」とし、経済産業省が今年夏、日本の食やファッションを紹介する「クール・ジ
 ャパン室」を設置し、売り込みに躍起になっている現状を紹介している。”

 → 経済効果を考えればクール・ジャパンの王道は
   コミックやアニメなどではなく食です。
   スシ・ヤキトリといった定番イメージも確実に変わるでしょう。


尚、ギド・ルージュは普通の日本人のためのものではありません。
意地になってレビューで袋叩きにするのは見苦しいです。
「外国向けの宣伝チラシ」と思えば済む話。





『ミシュランガイド京都・大阪 2010』日本語版 (MICHELIN GUIDE KYOTO OSAKA 2010 Japanese)



都市の力、東京3年連続で4位…差は縮まる(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101013-OYT1T01042.htm

”森記念財団の都市戦略研究所が13日発表した、世界主要35都市の2010年版
 「総合力ランキング」で、東京は総合4位となった。
 1位はニューヨーク、2位はロンドン、3位はパリで、08年の調査開始以来、3
 年連続で4位までの順位に変動はなかった。
 ただ、東京と上位との差は縮まっており、同研究所は「東京の地位は相対的に向上
 している」としている。
 ランキングは、都市の経済力や買い物・食事の魅力、リサイクル率といった6分野
 69項目の指標を点数化して集計し、都市の「総合力」を比較した。
 分野別にみると、東京は「経済」と「研究・開発」が2位、「文化・交流」が4位、
 「環境」が5位だった。一方、首都圏空港の容量不足などが影響して「交通・アク
 セス」は6位、住宅費の高さで、「居住」は9位で、経済部門に比べ、暮らしやす
 さの評価が低くなっている。”

食は日本の都市の魅力を高める有力なコンテンツの一つです。
食の魅力の観点からは既に世界一を争っていると言って良いでしょう。

ただしかし森ビルの森社長の主張される通り、
東京とアジアの諸都市の差は猛烈な勢いで縮小しています。
食以外の分野でも海外から多くの人材を惹き付ける
魅力ある都市が増えて欲しいものです。





『ヒルズ 挑戦する都市』(森稔,朝日新聞出版)


…個人的には京阪神より情の濃い九州の方が魅力的だと思います。
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政府が外資誘致のため法人税優遇を検討「期限付きで10~15%引き下げ」と - 考え得る最高の景気対策

2010-10-26 | いとすぎから見るこの社会-全般
もし実現すれば民主党政権の最大の功績として記録されるでしょう。
政府が外資誘致のため期限付き法人税減税を検討しているようです。

どうせ次の選挙での民主党敗北・党勢衰退は確実なのですから、
1%でも成長率を引き上げてから退場すべきです。

今は中国が自国市場から外資を締め出しにかかっている時でもあり、
施行には絶好の好機と言うべきでしょう。

(ただ、安全保障と過当競争防止の観点で事前審査は絶対必要)

経済を理解していない者は感情的に反対するでしょうが
即効性のある景気対策として現状考えられる限り最高の施策です。
何より、
費用対効果が極めて高いのです。
国内企業への法人税引き下げと違い、税の欠損も生じません。

つまり税収を最大限効果的に使っているということであり、
反対する有権者は全く経済の仕組みを分かっていないと言うべきです。


最大の障害は国内企業の経営陣から予想される強烈な抵抗です。

日本の経済界はこれまで三角合併にも役員報酬公開にも
狂ったように反対してきた
という「実績」を持っています。
(しかもまともな役員報酬の算定基準すらない企業が殆どだった)
仲間内の利害に関することには絶対に干渉してきます。

▽ 「日本の経営者同士の競争は甘い」ことを明確に指摘





『資本開国論―新たなグローバル化時代の経済戦略』(野口悠紀雄,ダイヤモンド社)


そうした抵抗勢力を黙らせるために、
雇用を一定数もしくは一定率増やした国内企業にも
同様の法人税減税を適用するのが良策です。

(雇用も収益も伸びていないのに政府に文句を言う経営者が多過ぎる)


野口悠紀雄教授は、日本企業の実効負担率は33%程度であり、
法人所得課税額の対GDP比に至っては英米中韓より低いと指摘されています。

韓国が対GDPで3.7%、英国3.4%、米国2.7%、中国2.0%に対し
日本はたったの1.5%。「経済規模に比べて企業収益が少ない」のです。

▽ P152参照





『週刊ダイヤモンド』2010年 10/2号


企業の国外移転の問題に関しては、
JPモルガンの北野一氏が日本企業の対外投資を調査されており、

○企業の海外移転が増えるのは円安局面
○対外直接投資が増える時期に国内雇用も改善する
○CRB商品指数と日本企業の対外投資の相関性が強い

との結論を出されております。

▽ P24「DataFocus」参照





『週刊ダイヤモンド』2010年 10/23号



外資誘致へ法人税優遇 政府検討、5年間10~15%下げ(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g%3D96958A9C93819481E0E2E2E0E78DE0E2E3E2E0E2E3E29F9FEAE2E2E2

”政府は日本に新たに進出する外資系企業を対象に法人税を優遇する検討に入った。
 地方税を含めておよそ40%の実効税率を5年ほどの期限付きで10~15%引き下げる
 政府・与党は既に企業の活性化策として5%引き下げの検討を進めているが、外国
 企業向けにさらに手厚い優遇措置で日本への進出を促す。近く具体策を盛り込んだ
 計画をまとめ、来年度からの実現を目指す。〔以下略〕”

当ウェブログで以前より何度も主張してきたことですが
漸く良い方向へ進み始めたようです。


↓ 当ウェブログの過去のエントリー ↓

実効性を欠く法人税引き下げ、成長率への寄与はたった0.3%程度-成長阻害要因は税率ではなく需要不足
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7866b9e2586a5243717e5bad8a63c8a3

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