みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

「日本の守旧派は残飯で我慢するか、絶滅するか」- モルガンスタンレーのフェルドマン氏の至言

2008-02-28 | 株式・為替マーケット全般
面白いコラムが出ていました。
国内の媒体もこのようなマクロの視点で語って欲しいものです。

個人的にはMSと表記すると"モビルスーツ"の略称に見えますが。。

MSのフェルドマン氏「日本変革のカギ握る政策当局と企業リーダー」(reuters)
http://jp.reuters.com/article/stocksNews/idJPnTK009234020080227

” 「外国人投資家が売っているから日本株が下がっている」とよく聞く。こ
 れは半分真実で半分はうそである。確かに海外投資家のほとんどが、日本
 をアンダー・ウェートにしている。だが、大幅な株高現象を伴った1980
 年代後半も外国人投資家が日本株をアンダー・ウェートにしていた。する
 と、今の株安は、外国人が売っている理由に加え、邦人が買っていない理
 由も考えないといけない。
 同じ理由である。一言でいうと、日本のマクロ改革もミクロ改革も逆戻り
 をしているからである。この傾向は、すでに小泉純一郎政権後半の与謝野
 馨経済財政金融担当相時代に遡るが、安倍晋三政権になって加速し、福田
 康夫政権になってさらに加速した。
 〔中略〕
 日本ブランド力の低下からの脱出方法はあるか。シナリオは確かに描ける
 が、総選挙後の政界再編はあっても、よくなるシナリオも悪くなるシナリ
 オもある。政策哲学で政界再編が起こり、ニュー・ライト(前原誠司氏、
 小池百合子氏などのような人)、オールド・ライト(福田首相、小沢代表)、
 オールド・レフト(横路孝弘氏、古賀誠氏)が形成される。
 1つのシナリオはニュー・ライトがかなり多くの議員を抱え、主導権をと
 り、オールド・ライトと連立を組む。守旧派は連立にいても、彼らは残飯
 で我慢するか絶滅になるかの選択なので、穏やかにならざるを得ない

 主導権はあくまでもニュー・ライトだから、政策的に、これはターボチャ
 ージの小泉流の政権になる。経済活性化、積極外交によって、日本ブラン
 ド力が戻り、日本株も人気が沸く。”

実に素晴らしいコメントです。

「守旧派は残飯で我慢するか絶滅になるかの選択」
との文言は、今年最大のヒットだと思います。
(その自覚の全くない方々も相当いらっしゃるようですが)
守旧派と一緒に日本が沈没するのだけは勘弁して欲しいです。


ところでいとすぎは、フェルドマン氏とは見解が違います。

日本経済はかつて「政治三流、経済一流」と言われていました。
(今になって考えてみると、素晴らしいジョークですね)
日本経済の場合、政治の良し悪しはそれほど関係ないと思います。
だって、元々たいしたダイナミズムが日本政治にありませんから。
また、小泉首相のような勝負勘と決断力を持った逸材は他にいません。

そもそも日本経済が外需頼りである以上、
世界経済がリセッションに陥ったら、手の施しようがないと思います。

 ▽ こちらの本は、本当に価値がありますので、参考まで。




『外国人投資家』(菊地正俊,洋泉社)

 ▽ いつの間に新版が!




『外国人投資家の視点』(菊地 正俊,PHP研究所)


外国人投資家の発言はポジショントークが混じっているので、
発言ではなく「実際に日本株を買ってくるかどうか」という
実際の売買行動の方に神経を尖らすのが賢明です。


… そうそう、例外がありました。
もしフィード・イン・タリフが政策として実施されるなら、
環境関連は絶対に見逃してはいけません。
所謂「国策に売りなし」です。
(既に先回りして上がっている銘柄もありますしね)
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学校教育を叩けば人材が逃げる、それだけの話 - 大学受験「教員不人気に拍車」と

2008-02-27 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
現時点での日本国民の学校教育に対する立場は、
「自分に不利益があったり、不祥事が生じたら徹底的に叩く」
「但し、学校教育を良くする為のコストは負担したくない」
「学校教育の優秀な人材確保、制度設計にはほとんど無関心」
「学校の評価は徹底して私益に基づき、公益性は忘却」
という4点に集約されます。

大学入試:国公立大の2次前期試験、教員不人気に拍車(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/edu/news/20080225dde041100039000c.html

” 国公立大の2次試験の前期日程が25日、始まった。「ゆとり」教育の
 見直しや学力低下への不安が叫ばれる中、教員を目指す若者は減ってき
 ている。人員不足や多忙化、理不尽なクレームをつける保護者への対応
 など課題も多い。教員職に不安はないのか。試験会場などで教員を志望
 する受験生に聞いた。
 文部科学省によると、2次試験の確定志願倍率は4・9倍で前年度より
 も0・1ポイント増えた。このうち国立大の教員養成系は前年度と同じ
 4・4倍(志願者5万3817人)。大学入試センター試験が始まった
 90年度以降でみると、最も高かった03年度の5・6倍から1・2ポ
 イント減少した。大手予備校・代々木ゼミナールによると、今年度の模
 擬試験で教員養成系大学の志願者数は約7%減少
し、ここ数年は数%ず
 つ減っている。坂口幸世入試情報センター本部長は「厳しい労働で敬遠
 されているのでは
」と分析する。
 現場を悩ませる理不尽な保護者の存在について、福岡教育大学を目指す
 萱野浩輔さん(熊本県立八代高校)は「保護者が子どもを過保護にしす
 ぎる。教師になったら親の自立も促したい」。同大学を志望する椎原祥
 子さん(大分県立大分西高)は「自分が対応する立場になったら冷静に
 対応できるのか……」と戸惑いをみせた。〔中略〕”

 → まるで幼稚園児のような教育論議が跋扈する現状では、
   教員志望者が減るのも極めて合理的な選択です。
   景気回復や少子化のせいだけではありません。

   「熱意ある優秀な人材だけが教員になればいい」
   という無責任な言説を多くの人々が続ける限り、
   教育現場の人材の質は絶対に向上しないでしょう。

   公教育に必要な多数の人材を厳選することはできません。
   我々はコストの安い学校教育を選択したのですから、
   自らがも実行不可能な「教師」という虚構の聖人イメージを
   普通の公務員に強要すること事態が馬鹿げています。

大学受験も親同伴、子離れできない親(asahi.com)
http://news.goo.ne.jp/article/kobe/region/T20080223MS01671A.html?fr=rk

” 神戸女学院大(西宮市)の入試担当者は、「ここ三、四年で保護者同伴
 受験が増えている。受験生が希望しているというより、親が進んで付い
 てきているようだ」と話す。
 国公立・私立を問わず、多くの大学で試験日には「付き添い者控室」を
 用意しているが、甲南大(神戸市)は今年、これまでの食堂に加えて図
 書館も開放した。増加傾向の同伴保護者への配慮だといい、暖房が効い
 た室内で、本を片手に受験終了まで待つことができる。
 こうした状況について法政大学の尾木直樹教授(臨床教育学)は「費用
 が莫大にかかる進学にかける親の思いはわかる。しかし、子の入試を全
 力で支えようとするあまり、自立させるという役割が抜け落ちているの
 ではないか。また、親同伴を恥ずかしがらない受験生が増えているのも
 一因だ」としている。”

 → まあ一種の「親孝行」かもしれません。
   実名が出ているふたつの大学は、土地柄や
   受験生の家庭の社会階層との関連が推測されます。

   いずれにせよ、「豊かになると子の教育の困難が増す」
   ことを示唆する典型的な報道だと思います。
   

金品要求に教師糾弾のビラ、「モンスター親」に苦悩する学校(J-CAST)
http://www.j-cast.com/2007/11/23013603.html

” 保護者モラルの低下でこんな苦情に悩む学校が増えてきた。いつから増
 え始めたのか定かではないが、07年夏ごろからマスコミでは「モンスタ
 ーペアレント」と呼ぶようになってきている。
 モンスターだから、社会常識や理性はなかなか通用しない。が、そんな
 親を持つ子どもを辞めさせられない以上、対応するしかない。そこで、
 自治体各教委が取り組み始めたのが、苦情を類型化して処方箋を書いた
 マニュアルだ。
 京都府教委は11月15日、苦情マニュアルの「信頼ある学校を創る」を
 作成。その中で、親の苦情を「現実正当型」「理解歪曲型」「過剰要求
 型」「解決困難型」の4つに類型化した。そのうちモンスターペアレン
 トに当たるというのが「解決困難型」だ。
 また、群馬県安中市教委では7月、トラブルの未然防止のため親の苦情
 を「依存型」「溺愛型」など10類型で想定した「苦情対応マニュアル」
 を作った。もとは、東京・立川市立立川第一中学校の嶋崎政男校長が個
 人的に研究発表した「指導と評価 2005 年4月号」で提唱された考え方
 だ。”

 → 学校や教員側がもっと真剣なメッセージを発すること、
   (実際には建前や組織防衛が目立つ)
   保護者も学校運営にもっとコミットして
   よりよい教育をつくりあげるのに協力すること、
   (現実には、我が子の利害しか眼中にない保護者)
   オープンな議論を日常から重ねること。
   これらが行われていれば、モンスターは自然消滅します。

学校教育には日本の未来がかかっているのですが、
愚かな人々が世論を形成していために、何ら有効な策を取れません。

質の高い教育が必要であれば現実的な制度設計を考えること、
多数の優秀な人材を集めるコストを負担し地道な改善を続けること、
どのような教育を目指し、どのような人材が必要なのか
社会的合意を形成すること。

みな、当然のことでしょうに。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モノライン問題に、やや明るさが見えた - MBIAが格付けを維持

2008-02-26 | 注目対象…譲渡益税分は寄付に廻して下さい
週初めから良い報道が続きました。
加ドルは今度こそ上抜けできるかもしれません。

「あれ? 昨日は違うことを書いていなかった??」
と思われる方も多いと思いますが、これは単純に
「最悪期を脱し"平常の悪さ"に復元しつつある過程」だとの認識です。

米にモノライン格下げ回避の期待感、くすぶる懸念(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200802260090.html

” 26日の東京市場は、日経平均がザラ場で1月15日以来となる1万4000
 円台となった。米モノライン(金融保証会社)の格下げが回避される方向
 との期待感が米市場で浮上。東京市場でも証券、銀行、保険などの金融セ
 クターが上昇のけん引役になった。
 ただ、これで米金融システム問題が解決の方向に動き出すとみる参加者も
 少なく、株価の上値を重くする要因になっている。
 〔中略〕
 ドル/円は、前日海外市場から108円付近で推移している。足元の値動
 きについて、ある外銀関係者は105―108円のレンジ内で「買い遅れ
 感が出ており、徐々に下値が上昇してきた」との見方を示している。市場
 では、モノライン問題への安心感のほか、米経済指標などの発表にも「
 場があまりネガティブな反応をしなくなってきた
」(外銀)と指摘されて
 いる。実際、全米リアルター協会(NAR)が発表した1月の中古住宅販
 売戸数は市場予想ほど落ち込まなかったこともあり、反応は限定的だった。”

 → 先週金曜日から感じていたのは、このコメントにもあるように、
   「市場がネガティブな反応をしなくなった」ことです。
   この鋭い観察の他にも、他の内容も素晴らしいので
   元記事は(かなり長文ですが)是非お読み下さい。

MBIAが仕組み金融商品の保証を半年間停止(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200802260074.html

” ブラウンCEOは「MBIAは引き続きトリプルA格付けを維持し、補強
 する努力の一環として、今回の配当廃止のような適切かつ賢明な措置を実
 施していく」と述べた。
 MBIAはまた、取締役会が各年第1・四半期に年間配当について評価す
 ると決めたことを明らかにした。
 米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は同日、MB
 IAの増資は成功しているとして、同社のトリプルA格付けをクレジット
 ウオッチ・ネガティブから外した。アウトルックは引き続きネガティブと
 した。”

 → 私が上向きを確信したのはこの報道です。
   (ロイターが25日中に流していました)
   モノラインの格付けが維持できるのであれば、
   CDSリスクも遠ざかることになります。
   先行きはまだ安心できませんが、ほっと一息、ですね。

MBIAやアムバックの株価目標を引き上げ=ゴールドマン(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200802260136.html

” ゴールドマン・サックスは、米金融保証会社のMBIAやアムバック・
 フィナンシャルなどの株価目標を引き上げた。MBIAは11ドルから
 14ドルに、アムバックは7ドルから9ドルにそれぞれ引き上げられた。”

 → 最後はつい先程の報道です。
   悪化し続けていたモノライン問題が漸くにして反転し始めた、
   というところでしょう。勿論これもポジティブです。

商品・資源価格を見る限り、今後有望な通貨は
エネルギーと穀物という強みを持つ豪ドルと加ドルだと思います。

但し豪ドルには高金利(しかも上昇中)という強みもあり、
加ドルは最大の貿易先である米経済に減速懸念があります。
前者を重視せざるを得ないでしょう。

いとすぎは108加ドル辺りでショートをすべて外し、
豪ドルのロングに切り替えました。
加ドルのロングポジションは …… 考慮中。
状況によっては手仕舞うかもしれません。

※ どうか投資家各位で判断されるようお願い致します。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『週刊ダイヤモンド』3月1日号 -「世界経済は総崩れの瀬戸際に」

2008-02-25 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週の『週刊ダイヤモンド』の特集は「世界恐慌?」でした。
『週刊ダイヤモンド』最新号の案内

『週刊エコノミスト』に続いて『ダイヤモンド』と『東洋経済』が
世界経済リセッションの特集を組んできました。

視点と記事の切り口が鋭い『ダイヤモンド』誌に注目してみました。

P36の「震源地・米国の深刻」では、全米各地の住宅建設や破産の
数値が極端に悪化していることが分かります。
やはりアメリカは90年代初頭の不況期に似てきたようです。

P40は「消費減退と円高のダブルパンチ」と題して、
北米市場の影響度が大きい日本企業の減速ぶりを捉えています。

P54には「世界経済 総崩れの瀬戸際に」とあります。
(今回のエントリーのサブタイトルはこちらからです)
欧州も既に景気減速の兆候がはっきりしてきており、
幾つかの国で住宅バブルの終焉が観察されるそうです。
特に危険なのはスペイン、とのこと。
不動産価格の調整にせよ,欧州経済減速にせよ、
日本市場への影響は不可避です。

投資家にとってはここが最も重要性が高いと思います。

… 個人的には、世界経済の大減速によって
資源・商品価格の総崩れが生じるのを最も警戒しています。
(投資戦略を大幅に変える必要があるから)

    ◇     ◇     ◇     ◇

話は変わりますが、P16も面白い記事でした。
地方自治体がコールセンター誘致に必死になって
大盤振る舞いをしているものの、失敗例が多い、との話です。

テーマパークができれば皆テーマパーク、
大規模リゾートができれば皆が大規模リゾート、
公共温泉施設ができれば皆が公共温泉施設、
本当に地方自治体の体質は変わっていません。

大分県に工場がいくつもあるのを羨むあまり、
高規格道路さえあれば工場が来るものと思っている
東国原 宮崎県知事も同レベルです。

自らの現実と自らの強み、弱みを理解せずに
自分の頭で考えずに他人と同じ行動をする者には
永遠に飛躍などあるはずがありません。

    ◇     ◇     ◇     ◇

そうそう、いつも思っているのですが、
P73の「?山メソッド」の?山校長のコラムは素晴らしいです。
こちらも是非お読み下さい。

組織論や人的マネジメント論として興味深い内容が多いですよ。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サブプライム問題、遂にヘッジファンドに波及か - モノラインから飛び火の気配も

2008-02-24 | 注目投資対象・株価の推移
※ 誤って削除したので再度アップしました。

米ドル、加ドルとも108ドル台を維持できませんでした。
たまたま金曜日はダウが急反発しましたが、米ドル加ドルとも
何度も上抜けに失敗し、再度下に振れる可能性が高いと思われます。

直近1年のカナダドルの動き
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=cadjpy=x&d=c&k=c3&h=on&z=m

 → 一時105加ドル台まで下がっていました。
   ひとたび市況が悪化してしまうと
   ドルよりも大きく下落するいつものパターン。

直近1年の豪ドルの推移
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=audjpy=x&d=c&k=c3&h=on&z=m

 → もはや現時点での最強通貨となりつつあり、
   頑強に下げ圧力に退行しています。

今週、はっきりとドル下落の兆候が出てきたと思います。
悪い材料が立て続けに出てきました。

米国はリセッション入り、90年代と同程度深刻な可能性=メリル(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200802220045.html

” メリルリンチは21日、リポートで米国は景気後退(リセッション)入り
 しており、リセッションは2001年当時よりも深刻で90年代のものに
 近い可能性があると指摘した。
 そのため連邦準備理事会(FRB)は、3月18日の連邦公開市場委員会
 (FOMC)で、政策金利を50べーシスポイント(bp)という「大幅
 利下げ」を実施する公算が高いとしている。
 中部大西洋地域では製造業の低迷で90年代のリセッション以来見られな
 かった水準まで企業の景況感が低下しているという。
 メリルは「経済見通しの大幅な悪化は生産の削減、在庫の圧縮、大幅な雇
 用削減、設備投資計画の撤回などを意味するので国内経済は大きな影響を
 受ける可能性がある」と指摘。
 同地域を管轄するフィラデルフィア地区連銀がこの日発表した2月の製造
 業業況指数はマイナス24.0に落ち込んだ。予想はマイナス11だった。
 メリルは「もはや経済がリセッション入りしているかどうか議論する段階
 ではなく、われわれはハードランディングがどの程度になるかの段階と見
 ている
」と指摘している。”

 → 先月から当ウェブログで書いてきた通り、
   やはり米リセッションを認めざるを得ない事態に突入。
   あの2001年よりひどい、という状況ですから、
   今年は余程警戒しないといけません。

   90年代と言えば、カリフォルニアで暴動があるなど
   さしもの超大国アメリカも「大丈夫なのか」と
   案じられるような状態でした。

米ヘッジファンドのDB Zwirn、傘下ファンドを閉鎖する計画=FT紙(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200802220105.html

” 21日付の英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、ニューヨークを
 本拠とするヘッジファンド、DB Zwirn & Co.社が傘下ファンドを閉鎖す
 る計画、と伝えた。
 投資家から20億ドル以上の解約請求があったため、という。FTによ
 ると、投資家はヘッジファンドの内部統制の緩みを懸念。同社は21日
 夜に投資家らに書簡を送り、資産を清算する計画の詳細を説明した。”

 → 今週、最も嫌な予感を持ったのはこの記事です。
   あの草野氏の予言がいよいよ現実味を帯びてきました。
   ヘッジファンドひとつふたつなら別にどうと言うこともないのですが、
   これがばたばた倒れ出すと大変なことになってきます。

米シティ、傘下のヘッジファンドに信用枠設定しオンバランス化(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200802230028.html

” 米シティグループは22日、オルタナティブ・インベストメンツ部門の
 ヘッジファンド、ファルコン・プラス・ストラテジーズに対し5億ドル
 の信用枠を設定したことを明らかにした。このため同ファンドの100
 億ドルの資産および負債を、シティのバランスシートに計上する。
 シティはまた、MBIAやアムバックなど金融保証会社(モノライン)向
 けの直接のエクスポージャーが、07年末時点で40億2000万ドルと
 発表した。1月半ば時点では38億ドルと推定していた。”

 → これはファンドを精算したのではないのですが、
   モノライン関連のリスクとして念頭に置きたいところです。
   他の金融機関が追随するか、にも注目ですね。

CIFGの最上級格付けを引き下げ方向で見直し=ムーディーズ(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200802230026.html

” 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは22日、フラン
 スの銀行ナティクシス傘下の金融保証会社CIFGの格付けを、最上級
 の「Aaa」から引き下げる方向で見直すと発表した。
 ムーディーズは声明で「住宅ローンおよび関連の債務担保証券(CDO)
 へのエクスポージャーにより資本内容が悪化したことや、今後の戦略の
 方向性が不透明であることを反映している」と述べた。”

… 以上のように、碌でもない報道ばかりです。
一度ヘッジファンド勢がばたばた倒れ出すと、
モノライン救済程度では話は済まなくなるので、
マーケットの参加者の心理は相当に悪化していると考えます。
往々にして、このような際には悪材料に反応し易くなるもの。。


  【 いとすぎの為替ポジション 】

木曜日には米ドル加ドルとも完全に頭を押さえられた状態でした。
金利差益は吹っ飛びますが、半分をショートにしてヘッジ中。

 2008/02/16 107.08 CAD/JPY Lev ×5
 2008/02/22 105.54 JPY/CAD Lev ×5

    現在 > 105.82 加ドル (損益 103%)

  ▼ ポジション解消済み
 2008/02/16 107.08 CAD/JPY Lev ×5
 2008/01/31 106.30 CAD/JPY Lev ×10
 2008/01/15 106.84 JPY/CAD Lev ×2
 2008/01/11 106.92 JPY/CAD Lev ×2
 2008/01/10 107.97 JPY/CAD Lev ×4
 2007/12/11 110.81 CAD/JPY Lev ×2
 2007/11/22  94.49 AUD/JPY Lev ×2
 2007/11/17 114.10 CAD/JPY Lev ×2
 2007/10/18 119.40 CAD/JPY Lev ×2

いつドルの急落が来てもおかしくないと見ております。
逆に言えば、豪ドル投資には絶好の機会が来るかもしれません。
いとすぎは、状況によってはショートを増やします。

この荒い展開に不安な方はレバレッジを下げた方が良いでしょう。

ヘッジファンド関連の「地雷」、本当に現実化しかねません ……

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする