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みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊エコノミスト』12月27日号 - 急増する中国の空き家、投機的取引で1000万戸以上が過剰

2011-12-30 | 『週刊エコノミスト』より
『週刊エコノミスト』合併号の特集は「日本経済総予測」ですが
メイン特集以外のところで良い記事があります。

千葉商科大学の石山嘉英教授が、
中国の不動産市場の分析をされていますが
聞きしにまさるひどい状況です。
「投機目的の空き家が急増」
「中国の不動産バブル崩壊が始まった」

というタイトルだけでも只事ではないと分かります。

『エコノミスト』2011年 12/27号


そのP48は中国関連のポジションを抱えている方は必読。
隅から隅まで熟読する必要があります。

現在の住宅価格は今や「天文学的数字」であり
北京や上海の分譲マンション価格は大卒共稼ぎエリートの年収の9倍、
平均的労働者の年収と比較すると30倍とか。

2009年と2010年だけで空き家が1000万戸から2000万戸も増えて、
石山教授の試算ではGDP押し下げ効果が1.5%と予想されるとか。
今かどうかは分からないが、日本の社会保障と同じく破綻必至だ。

▽ 門倉氏の指摘は正しかった。

『中国経済の正体』(門倉貴史,講談社)


    ◇     ◇     ◇     ◇

P44もひそかに良い記事です。

みずほ総研の岡田豊主任研究員の少子化分析で、
現政府の「子育て新システム」の効果が乏しいことを指摘されています。

少子化と女性雇用を論じる者によくありがちなイデオロギー汚染がなく、
事実を淡々と記述して公費投入の必要性を語る良識的な内容です。

日本や韓国特有の要因として長時間労働が挙げられているのも的確です。
ただ対処としてはかなり難易度の高いポリシーミックスが必要。

例えば残業時の割り増し賃金を大きく引き上げて
労働時間の総量抑制を図るとともに
非正規雇用労働者に給付付き税額控除を適用しつつ
フランスのような育児支援向けの社会保障基金を設定するなど。

▽ 本当にフランスの育児支援政策は凄い。

『フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由』(横田増生,洋泉社)


成長率鈍化を懸念するならデンマーク型もある。
日本より遥かに重税なのに成長率は日本より高い。
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「ソーラー漁船」で燃料コストを80%も安くできた! - 漁業者に朗報、太陽電池+充電池の威力

2011-12-29 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
これは凄い! 太陽電池で動く漁船が
燃料費を大幅に安くできることが分かった。

Facebookでかなりの話題となっているようだが、
このコスト削減効果を見れば当然だろう。

これだけコスト削減できれば損益分岐点が大きく下がり、
魚価の低落に苦しむ漁業者の実質手取りを上昇させることができる。

更に言えば、太陽電池は変換効率の高い日本製が適するだろうから、
(中国製は変換効率に劣る)二重の意味で素晴らしい実験結果である。
日本企業がソーラー船を輸出できるようになるかもしれない。

このソーラー漁船は是非、三陸沿岸でも実験を行って
何艘か被災し困っている漁師の方々へ贈って欲しいものだ。

エネルギー効率の悪い新興国の経済成長により、
原油価格は中長期的に上昇が予想されている。
今後の円急落(=エネルギー価格急上昇)の可能性も高く、
先を見据えた再生可能エネルギー・省エネ投資は絶対に必要だ。

▽ 太陽電池の技術向上と価格下落は急激に進んでいる

『低炭素経済への道』(岩波書店)


ソーラー漁船経費8割減(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20111219-OYT8T01311.htm
”県は、太陽光エネルギーで航行する電動漁船の実証実験のデータ分析結果をまとめた。ガソリンエンジンの船に比べると、二酸化炭素の排出量はごくわずかで、商用電源を使用しても、稼働に要する費用は8割以上削減できるという。(松下宗之)
 実験は7月15日~10月31日のうち約30日間にわたり、地球温暖化対策や燃油代の高騰による漁業者の負担軽減を目的に、対馬市で実施。東京海洋大が開発した電動漁船(全長約8メートル、重さ約1.3トン)を、地元の漁業者が1日あたり6時間、アサリやサザエ漁に使った。
 〔中略〕
 分析結果によると、同じ大きさで年間300リットルのガソリンを消費する船と比較した場合、ガソリン代は約5万3700円かかるのに対し、商用電源の電気代は約8700円にとどまるとした。二酸化炭素の削減効果は72%で、太陽光発電システムの導入後は93%に高まった。
 県対馬振興局は「漁船の製造コストが高いなどの課題はあるが、実験データを有効活用して、実用化や普及を目指したい」としている。”

元記事にはこの船の動力システムも説明されている。
恐らく低速の船で、沿岸・近海向けだろう。

太陽電池だけでなく充電池も使用しているので
初期コストの重さが採算性の鍵を握る。そこまで取材して欲しかった。
しかしそれを勘案しても良い取材である。
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本当は怖いアメリカの食肉処理 - またしても特定部位の混入、アメリカ産牛肉の生産管理は信用できるか

2011-12-28 | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界
一説によるとアメリカの上流階層は米国産牛肉ではなく
アルゼンチンや豪州のグラスフェッド(牧草飼育)を好むとか。
つまり自国産の牛肉を信用していないのだ。

何も考えていない日本人は輸入肉の安さに飛びつくが
エリック・シュローサーの本を読めばそれがいかに危険か分かる。

アメリカのラインの労働者は
欧州向けの牛肉の時にはラインの速度が下がるので
ほっとするという。

それは普段のラインの速さが尋常ではなく、
処理ミスや労働者自身の怪我さえも出てしまうからだ。

コストダウンのために英語も話せないような移民を安く使い、
安全や品質管理は優先されない。

すべてではないがそうした工場が実在する。
外食産業は細かく情報開示しなくて済むので、
そちらの方面に安過ぎる牛肉が流れているのだろう。

安い安いと言って喜んで米国産牛肉を食べている日本人は、
そうした事情を全く知らないのである。

▽ どのような薬剤を使って育てているのか分からない米国牛

『ファストフードが世界を食いつくす』(エリック・シュローサー,草思社)


米産牛肉に脊柱のかけら=出荷施設からの輸入停止(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011122100960
”農林水産、厚生労働両省は21日、今年7月に輸入された米国産牛肉に特定危険部位の脊柱のかけらが含まれていたことを確認したと発表した。政府は、BSE(牛海綿状脳症)が発生した米産の牛肉輸入条件として脊柱の除去を求めており、両省は出荷した施設からの輸入を停止した。
 2006年7月に米産牛肉の輸入を再開して以来、特定危険部位が見つかったのは4例目。
 両省によると、牛肉は、米食肉大手スイフト社のグランドアイランド工場(ネブラスカ州)で処理された。ジャパンフード(東京都港区)が冷凍牛肉461箱(約19トン)を輸入、うち1箱(28キロ)から見つかった。厚労省は、残る460箱について関係自治体に調査を依頼した。”

ここ暫くBSEの話は聞かなくなっているが
アメリカの抱える食の問題はそれだけではない。
食肉処理も本当に雑だという話が多い。

兎に角、食べ物に関しては安過ぎたら警戒しなければならない。
TPPで貧困層の食費が下がると吹聴している粗忽者がいるが、
米大手食品会社の手先と化していないか調べる必要がある。
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橋下徹大阪市長は、いずれ必ず国政の場へ出る -「年金は根本的に変えないといけない。ねずみ講そのもの」

2011-12-27 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
大阪市長で収まる人材などではない。
いずれ必ず国政の台風の目となろう。
最近の橋下徹氏の言動を見てそう確信した。

日本経済の問題としては、社会保障の効率性が著しく悪く
カネを持つ者へ見境なく公費をバラまいている点が挙げられる。
次世代育成への支援、低所得でも必死で働く労働者への支援をせず
カネを持つ者へ更にカネをバラまく国に未来などない。

凡庸な政治家は社会保障関連費の殆どを吸収する高齢層に媚び諂って
年金や医療を充実させます! と叫んで経済破綻の片棒を担ぐ。

橋下氏は有権者に媚びず、不人気でも必要な政策を断行する決意だ。
この勇敢さこそ今の日本に最も必要な資質であり、
かつ民主党にも自民党にも決定的に欠けている資質だ。

「不人気でも必要な政策」とは、社会保障の給付削減以外にあり得ない。
本当に必要な人だけに払っていたら、年間20兆円になどなる訳がない。

▽ 世代間格差が経済成長率を抑制する明白な相関性が!

『世代間格差:人口減少社会を問いなおす』(加藤久和,筑摩書房)


▽ 富裕高齢層にもバラ撒かれている社会保障の公費負担は20兆円規模





『日本経済「余命3年」』(竹中平蔵/池田信夫/土居丈朗/鈴木亘,PHP研究所)


橋下氏「年金制度はねずみ講」 民放番組で批判(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011121701001447.html
”大阪市長に就任する「大阪維新の会」の橋下徹代表は17日、大阪市で民放番組に出演し、国の年金制度について「根本的に変えないといけない。ねずみ講そのものだ」と批判した。終了後、記者団に「現役世代に対する完全犯罪。継ぎはぎの、ばんそうこうの手当てみたいなやり方では絶対に持たない」と述べ、現在の賦課方式から積立方式に変える必要性を強調した。「なぜ政治家が(それを)感じないか」と不満も漏らした。

ただ細かい点においてはまだ社会保障政策には詳しくないようだ。

前出の『世代間格差』の加藤久和教授は、
公的年金を積立方式に変えようとすると
690兆円もの公的負担が発生すると指摘されている。
これは事実上、実現不可能だということだ。
Comments (2)
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最も安い電気は火力でも原子力でもなく「省エネ」-「発電以上に効率的な選択肢」と検証委員会

2011-12-26 | いとすぎから見るこの社会-全般
エネルギー政策に関して、そろそろ各論者の優劣が見えてきた。

原子力に固執するのは利害関係者ばかりで論外として、
(カルト信者のような原子力擁護派も無論のこと論外)
現実的なガス火力や省エネの重要性を主張する論者や
リスク分散や安全保障の観点から太陽光・風力を重視する論者が正しい。

ただ天然ガス・燃料電池重視派の石井彰氏は
ヒートポンプやエコウィルの有効性を認めず
風力のメリットを理解できていない。

太陽光・風力を重んじる多くの環境重視派は
省エネのコスト対効果の大きさを軽視し、
現実的なガス火力を忘却してしまっているのが欠点。

省エネの「し」の字も出てこない池田信夫氏や藤沢数希氏は
当然ながら取り上げる価値もない。

なかなかバランスの良い論は見当たらないものだ。

省エネのコスト対効果が極めて高いことは
大和総研がかなり前にドイツの事例を研究して明らかにしている。

▽ 日本の省エネ技術は世界最高水準だが、普及はまだまだ

『ニッポンの環境エネルギー力 ―IT産業立国からエコ産業立国に大変身を遂げる「日本の底力」』


省エネを主力として火力発電の効率改善を進めつつ、
夏のピーク期間は太陽電池とヒートポンプで、
冬のピーク期間はガスコージェネとヒートポンプで補う。
(家庭用コージェネは現状ではホンダのエコウィルが合理的)

この辺りが全体最適から考えてベストの選択となる。

少なくとも本格的な省エネ投資の前に原発再稼働を叫ぶのは
頭が粗雑なのか既得権勢力の代弁者である証拠だ。
情けないことに、大手紙でもそれに近い論調がかなりある。

 ↓ 参考その1

LED照明への置き換えにより、原発13基分もの節電効果! - 電力不足に打ち克つ省エネ技術
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e3e613d600f6ebf3069855aebeeb353a

 ↓ 参考その2

ホンダのガスコージェネが日本経済を救う! - 東京都計画のガス火力より遥かに低コスト・高効率
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e604eec607c6f43f21080d7b390cb9d2

▽ この本は最新ガス火力や燃料電池ばかり賞賛し、その他の省エネの研究不足

『大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ』(石井彰,アスキー・メディアワークス)


省エネ、発電増やすより効率的 コスト検証委が試算(朝日新聞)
http://www.asahi.com/business/update/1219/TKY201112190471.html
”電源別の発電コストを試算していた政府の「コスト等検証委員会」が19日開かれ、原子力や自然エネルギーなど16種の費用を比べた報告書をまとめた。家庭の省エネルギーを発電コストに換算すると、いくらの価値があるかも試算した。
 発電コストは、2010年と30年時点の1キロワット時の費用を試算。10年時点だと、原子力や石炭火力が約9~10円、太陽光が約30~40円などとなった。同委員会は、政府の国家戦略室のホームページ(http://www.npu.go.jp/)で、試算結果を公開している。
 家庭の省エネは、1キロワット時の電気を節約すると1キロワット時の発電と同じ効果があると考え、試算した。その結果、冷蔵庫などでは、最新の省エネ型を使うことによる1キロワット時あたりの費用が、国内の平均的な発電費用の8.6円より安いことを確認した。報告書は、省エネ効果の高い照明や冷蔵庫の導入について、「発電以上に効率的な選択肢」と指摘した。”

これを見ても明らかなように、最も安くて合理的なのは省エネだ。
しかも日本はヒートポンプもコージェネも普及余地が大きく、
膨大な需要が眠ったままになっている。

「節電は限界だから原子力再稼働」などと言っている大手メディアは
悉く無知を曝け出しているのだ。

自らが原発CMでどれだけ巨額の広告費を受け取ってきたか
ディスクローズしてから喋るがいい。
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