みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊エコノミスト』7月3日号 - 英国は50年単位で原発のコストを公開、数値をごまかす日本と対照的

2012-06-29 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「円高株安」でした。
やや後追い気味。そろそろポジティブシナリオも出てくるでしょう。

為替の見通しについてはエコノミストのメイン特集よりも
ダイヤモンド誌の田中泰輔氏の分析の方が優れていると思う。

サブ特集の「原発経営の破綻」の方が興味深い。
日本の原子力は本当にどうしようもなく後進的であり、
現場がいくら頑張ってもこれでは如何ともしがたい。

『エコノミスト』2012年 7/3号


サブ特集「原発経営の破綻」はP78から。
電力自由化が進めば原発は生き残れないという、至極当然の議論です。

大注目としては立命館大学・金森准教授による論考、
「見えない原発コスト 電力会社はさらなる情報開示を」。
除染によって31兆円の特損すら生じる可能性があり、
廃炉コストも情報公開が不充分であると疑いの目を向けている。

50年超の費用を詳細に公開している英国ブリティッシュ・エナジー社と比べ、
我が国の電力会社がいかに不誠実で情報公開を怠っているかよく分かる
素晴らしい記事と言えよう。

尚、P85の猪瀬副知事へのインタビューも興味深い。
樫谷隆夫公認会計士を東電の社外取締役として送り込み、
一歩一歩防壁を取り除いてゆく戦略のようだ。
確かに副知事が「大阪市(の橋下市長)はやりようがあった」とする批判は正しい。

東京都のガス火力新設は電力需給と投資効率を理解していない愚策であるが、
地域独占の打破においては一定の成果を挙げそうだ。期待しよう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

他にはP48の殿村美樹・TMオフィス代表へのインタビューが面白い。
PR分野のかなりのやり手だろうと拝察する。

しかし「青森の人口を増やす」のをPRで実現するのは無理がある。
自治体の注文がそもそも間違っていると思う。
デンマークの社会政策の真似すればすぐに人口が増えるのに、
自治体幹部は矢張り政策リテラシーが低い。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊ダイヤモンドの生活保護特集は鋭い。
予想通り今年前半での最高の特集と思う。

河本問題の後、生活保護受給希望者が急増したと言う。
案の定、本当の弱者は救われず、図々しい連中が生活保護にたかってきた。

就労支援の成功例として埼玉のNPO「ワーカーズコープ」が
紹介されているのが唯一の救いだ。
……ただ矢張り当ウェブログの予想通り甚大な手間がかかる模様。

処方箋としては鈴木亘教授が何点か提案されているが今一歩。
北欧のような職業訓練もしくは軽作業の強制、
職業斡旋の拒否を許さない厳しさを取り入れるべき
だと考える。

『週刊ダイヤモンド』2012年 6/30号


投資家にはP21の田中泰輔氏のコラムが必読。
欧米の金利差と財政プレミアムでドルユーロの変動が説明できるそうです。
本当に流石だ。「為替は投機」と言っている評論家のレベルの低さが分かる。

田中氏によればシステミック・リスクがなければ
ユーロは対ドルで1.2が下限だろうとのこと。

    ◇     ◇     ◇     ◇

週刊東洋経済は特集「あなたを襲う相続税」。
日本人って本当に自分の財布しか心配していないことが如実に分かる。

P9の八代教授のコラムでも熟読して反省すべきだろう。
「給付は多く、負担は少なくという無責任な仕組み」と批判し、
女性と高齢層の就業率を高めて社会保障負担を軽減すべきで、
年金支給年齢引き上げと社会保険制度改革が必要との堂々の正論である。

『週刊東洋経済』2012年 6/30号


山田昌弘教授の連載コラムも相変わらず切れ味鋭い。
P118「国際結婚から見える経済的地位の低下」によれば、

○日本人女性と外国人男性の結婚が増えている
○過疎地に来るアジア人花嫁が減っている
○日本国内の都市部の非正規雇用の女性が過疎地の婚活ターゲットに
○アジアのグローバル都市で結婚生活を送った方が育児と仕事を両立し易い

つまり日本の経済的地位の低下ということだそうだ。

最後の部分はどうせ現地のナニーやハウスキーパーを
格安の値段で雇えるということだろうから耳半端に聞く必要があるが
日本女性の方が日本男性より婚姻での国際競争力が高いのは間違いない。
実際に置きているトレンドであることは確実だろう。


▽ ところで来週の特集は売れそうな予感。

『週刊東洋経済』2012年 7/7号


サブ特集で生活保護を取り上げるようだ。
週刊ダイヤモンドより一週間遅れ、出来の優劣はどうだろうか。
メイン特集でないということは鋭い切り込みができていないと自覚した結果か。
目立たないページで旧態依然の弱者擁護を展開するようななまくら記事でないことを祈るが。
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原発2基分もの再生可能エネルギー増加、固定価格買取制度の威力は歴然-茨城でも洋上風力のゾーニング開始

2012-06-28 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
今年の日本経済は復興需要だけでなく再生エネルギー投資、
省エネ投資で堅調な成長を見せるのが確実である。
原発停止で経済に大打撃と言っていた連中に経済を論じる資格はない。

今年、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始されることで
太陽光発電と風力発電が急増することが日本経済新聞の調査で分かった。

制度としてはエネルギー効率と投資効率の低い
メガソーラーへの優遇を止めるべきであること、
コージェネの電力買取を加えるべきであることは要改善だが
大局的には望ましい方向へ進んでいる。

電力利権、原発利権勢力がこれまで妨害してきた
新しい電力供給システムが生まれ始めているのだ。
そこには日本経済の新しい地平が広がっている。


 ↓ 参考

風力発電7割増の大攻勢、ユーラスエナジーが強気の計画 - 再生可能エネルギー全量買取制度の威力は歴然
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/0840e89c61a9d419992eda7df739ace3


北海道に2600万kW分もの膨大なエネルギー資源、風力発電の潜在力 - 道北から送電線整備等の要望も
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/3dcafb2aa3ebf30e8665db290aa6d66c


▽ 太陽光と風力のコスト低下は順調に進んでいる。あとはコージェネである。

『国民のためのエネルギー原論』(植田和弘/梶山恵司,日本経済新聞出版社)


▽ 電力大手が妨害していなければ、風力発電は確実にもっと普及していた

『総力取材! エネルギーを選ぶ時代は来るのか』(NHK出版)



再生エネルギー新設、全国で原発2基分 全量買い取り制度の導入で 建設費6000億円超(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO41661050R20C12A5L60000/
再生可能エネルギーの全量買い取り制度の7月1日導入を受け、メガソーラー(大規模太陽光発電所)や風力発電所の新規事業計画が全国で計200万キロワット超に達することが分かった。発電能力では原子力発電所2基分に相当し、メガソーラーと風力合計の発電能力は一気に6割増える。ただ、再生エネ急増は電気料金を押し上げる懸念もある。
 日本経済新聞が全国の取材拠点を通じて、表面化している事業計画を集計した。〔以下略〕”

メガソーラーは送電線投資と送電ロスの面で非効率的である。
さらに、太陽電池の開発が飛躍的に進んでおり古いパネルはゴミになる。
わざわざ中国製パネルに市場開拓してやる必要はない。


茨城県が洋上に初の風力発電区域 事業者を公募(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201206/CN2012061801002216.html
”茨城県は18日、同県神栖市の鹿島港沖に、風力発電施設を設置する約680ヘクタールの区域を設け、事業者を公募すると発表した。洋上に風力発電用の専用区域を設定するのは全国で初めて。区域は港から約600メートルの洋上で、幅約1キロ、海岸線と平行に長さ約7キロの帯状。東京電力福島第1原発事故を受け、県は5月、再生可能エネルギーの普及を狙い、区域の設定を盛り込んだ港湾計画をまとめていた。”

茨城県がゾーニングを始めた。福島や青森、秋田も続くだろう。
西日本でも淡路や能登、北九州など良い立地が少なくない。
低コストの風力発電拡大を急ぐべきである。

不安定電源である原子力が抜けた穴は大きい。
寧ろ、もっと動きを早めて当然である。
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イクメンはただの趣味、少子化問題とは殆ど関係ない - 家族政策の貧困も子供の貧困も無視した近視眼

2012-06-27 | いとすぎから見るこの社会-少子化問題
超党派でイクメン議連ができるそうだ。イクメン志向も漸増しており、
この傾向自体は悪くない。しかし決定的な誤解があるのは残念だ。

イクメンはライフスタイルであって好悪の問題に過ぎない。
ましてや少子化対策には殆どならない。

加えて、母子家庭の貧困率が著しく高い我が国において、
イクメン推進は格差を拡大し不利な立場にある子供を疎外する冷酷な政策である。
愚かなイクメン賛同者は己の狭い視野を自覚していない。
ある意味で、無意識な差別主義者とすら言えるかもしれない。

そもそも我が国における出生率低下の根本原因は非婚化と貧弱な家族政策にある。
出生率の高いフランス、デンマーク、スウェーデンと比較すれば明らかである。


↓ 参考

20~30代女性の結婚しない理由、「自由や気楽さを失いたくない」が2位 - 社会保障ただ乗りの増大へ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b99635abe4ba7423c561f040ffd8881f

勝間和代、日本の子供向け手当は国際比較で最低水準と指摘 -「高齢者向けの11分の1しかない」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/104f764b2f06e1d5993abdf89a9683c4


▽ 欧州諸国と比べ、高齢者向けが異様に巨額で子供向けが著しく少ない日本の社会保障

『日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学』(原田泰,新潮社)



また、教育予算+家族政策(育児支援)予算と高齢者福祉予算の比率において、
後者に配分が偏っているほど出生率が低下することが実証研究で判明している。


▽ 高齢化が進むと福祉予算が増え、教育予算が削減されることも明らかになっている

『格差と希望―誰が損をしているか?』(大竹文雄,筑摩書房)



超党派でイクメン議連設立=厚労相経験者も顧問に(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012061300070
”育児に積極的に参加する「イクメン」を増やして少子化問題を解消することを目的に、超党派の国会議員約30人による「超党派イクメン議員連盟」が13日、設立された。今後は育児に関する施策強化や広報活動に取り組んでいく。
 男性の子育て参加や育児休業取得を促す厚生労働省の「イクメンプロジェクト」が2010年に始まり、国会議員の中でもイクメンが増加。議連は、民主、自民など子育て世代の議員6人が設立を呼び掛けた。男性議員だけでなく、夫の育児参加を望む女性議員、結婚後の育児分業を考える未婚議員も参加した。
 議連には「イクメン」ならぬ「イクジイ(育児するおじいさん)」の長妻昭、尾辻秀久両氏ら5人の厚労相経験者も顧問として参加。長妻氏はこの日の設立総会で「少子化の流れを変えるだけでなく、(仕事と家庭の両立に向け)ライフスタイルも変えていかなければいけない」と激励した。”

厚労相経験者ということは、有効な少子化対策を実施できなかった「戦犯」である。
世界では出生率の高い先進国は、移民受け入れ国と家族政策予算が充実した国だけだ。
現状を直視しないで小手先の問題に議論を逸らすのは無能の証拠である。

また、国内では福井県のように3世代同居が多いと出生率が高いことが分かっている。
イクメンが出生率向上の本質ではないことは明らかである。

多くの公務員や一部の大企業、理解ある中小企業ならばイクメンも可能だろう。
しかし長時間低賃金の労働者や片親家庭、父親の素行の悪い家庭は全く救われない。
それどころか差別の対象とすらされるかもしれない。


子どもの貧困率、日本ワースト9位 先進35カ国中で(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0609/TKY201206090128.html
日本の子ども(18歳未満)の貧困率は14.9%で、先進35カ国のうち悪い方から9番目の27位――。国連児童基金(ユニセフ)がこんな報告書をまとめた。今年発表の国際比較でも悪化傾向に歯止めがかからず、深刻な状況が改めて示された。
 日本のデータは、2009年の所得を基にしている。これまでユニセフが同様の分析をした報告書によると、日本の子どもの貧困率は00年12.2%、05年と07年がいずれも14.3%。今回は15%に迫り、年を追うごとに上昇している。順位も23カ国中12位(00年)、26カ国中17位(05年)、24カ国中16位(07年)と、低迷が続いている。
 今回、子どもの貧困率が最も高かったのはルーマニア(25.5%)で、米国(23.1%)が続く。金融不安に揺れるギリシャ(16.0%)はワースト6位、イタリア(15.9%)は同7位で、15.4%のリトアニアをはさんで日本が続く。貧困率が低いのはアイスランド(4.7%)、フィンランド(5.3%)など北欧諸国が目立つ。〔以下略〕”

イクメンは確かに自分の子供を可愛がっているかもしれないが、
貧困の中で社会に疎外されて育つ他人の子供など無関心なのだ。
実際には無関心であるばかりではなく、貧しい子供を実質的に見捨てているのである。

こうした子供を救うには、育児支援と家族予算増額が絶対に不可欠である。
苦境にある我が国の子供を支援したいと思うなら、利己的なイクメン推進は後回しにすべき。
財政中立で予算を組み替えるか、増税に同意しなければならない。
(例えば退職金控除や配偶者控除を全廃すれば予算など簡単に出てくるのだ)
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2025年に年収の3割が社会保険料に、絶望的な「見えない増税」の重圧 - 問題は消費税だけではない

2012-06-26 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
当ウェブログは、もし間接税を引き上げるのであれば
費用対効果を踏まえて積極的雇用政策に投入すべきであり、
高齢者3経費に蕩尽するのは「地獄への道」だと主張している。

実は問題はそれだけではない。
「第二の税金」「見えない税金」と呼ばれているように、
現役世代の社会保険料負担もじりじり上昇しており、
今の人口構造が変わらない限りこの重圧からは逃れられない。

勿論、有能な人材ならば他国へ移住することができる。
しかし人材逃避が進めば日本の将来は更に絶望的である。
その時、社会的弱者はほぼ全員切り捨てられる。

中国に日本国債を買って貰って高い利子を払わされるか、
下手すると南西諸島を中国に切り売りするようにすらなるかもしれない。

だからこそ当ウェブログでは先を見通して
出生率引き上げと雇用増政策を両立させ、
女性就労率を引き上げて労働力を増やさねばならないと主張した。

目先しか見えない馬鹿者は人口が減っても経済成長できると
おのれの無知を曝け出しているがいい加減にすべきである。
歴史上、日本程の破滅的な速度で少子高齢化が進んでいる国はない。
この速度を緩和させない限り、重圧は永遠に続くことになる。


 ↓ 参考

もともと厚生年金の3分の1が持続不可能、支え手より受給者が多い例も - AIJ投資顧問の粉飾以前の問題
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/f3270dc3552492055e6c7a68c996fced


▽ 現状の年金給付は、膨大な公費投入がなされた「老人手当」同然のバラまき

『なぜ日本経済はうまくいかないのか』(原田泰,新潮社)



社会保険料、25年度に年収3割超 「見えない増税」 企業、雇用抑制も(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E3E4E2E0888DE3E4E2E6E0E2E3E09F9FEAE2E2E2
”家計や企業が負担する社会保険料が大きく上昇する見通しだ。年金や医療費などが膨らむためで、厚生労働省の推計によると、2025年度の会社員1人当たりの保険料(労使合計)は12年度初めより15%強増え、年収の3割を超える。負担増を正面から議論する増税と異なり、自動的に給与から天引きする保険料の上昇は、「見えない増税」。企業の負担感が高まれば、雇用の抑制につながる恐れもある。〔以下略〕”

この現状を放置して日本経済が成長できると考えるのも、
日本経済は低成長でよいと考えるのも、頭がおかしいとしか思えない。
経済成長(=所得増)なくしてこの負担を軽減できないのは明らかである。
それとも姥捨て山でも国内につくると言うのか?


65歳以上の高齢者、過去最多の2975万人に(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120615-OYT1T00434.htm
”政府は15日午前の閣議で、2012年版「高齢社会白書」を決定した。65歳以上の高齢者数は11年10月1日現在、過去最多の2975万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も過去最高の23・3%に上った。
 高齢者人口は、「団塊の世代」が65歳以上になる15年に3395万人となり、42年には3878万人でピークを迎えると推計している。
〔中略〕
 高齢者の就労については、60歳以上の約7割が「65歳以降も働きたい」と希望しているのに対し、65~69歳の就業率は約3人に1人にとどまっている。
 09年の高齢者の生活保護受給者数は、約69万人に達した。また、12年1月時点でのホームレスに占める高齢者の割合は、03年の調査開始以来で最も高い29・5%となった。”

この急激な高齢化は十年以上前からはっきり分かっていたのに、
まともな対策を実施せず小手先の誤摩化ししかしていない。
国会議員と官僚はOBも含め全員、社会保障給付を大幅に切り下げて当然である。


▽ 日本の年金制度はスウェーデンやカナダより劣っている

『世代間格差:人口減少社会を問いなおす』(加藤久和,筑摩書房)


自動財政調整機能もクローバック制度もない日本の公的年金は、
自壊に向けて真っ直ぐに進んでいる。
太平洋戦争時の無能無策な高慢と全く同じ状況である。
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民主も自民公明も小沢派も同類、有権者の冷たい視線-日経・テレ東の調査では3党合意も小沢派も支持されず

2012-06-25 | いとすぎから見るこの社会-全般
消費税引き上げ問題がどうなるか現時点では分からない。
はっきりしているのはこの茶番に有権者が強い不満を持っていることだ。

歳費削減も行政改革も進んでいない中での
民主・自民・公明の3党合意は有権者への裏切りである。
小沢派の造反も所詮は権力闘争に過ぎないと見抜かれている。

実は問題は消費税を引き上げるかどうかにはない。
今の日本の低い経済成長率と絶望的な少子高齢化のなかで
消費税が更に上昇し続けることが確実に予想され、
内需に明るい見通しが皆無なのが問題なのだ。

もとより当ウェブログは間接税の引き上げ自体には反対しない。
あらゆる政党が税収の使途を福祉に向けるとしており、
それが自滅必至の愚策であると気づかない
のを批判しているのだ。

絶望的な少子高齢化が進み、巨額の家計金融資産が高齢層に集中している現在、
消費税を引き上げ高齢者3経費に投入するのは蛸足配当も同然であり、
若年層や未来世代を食い物にする呪われた社会への道
に他ならない。

我が国の経済リテラシーの低いメディアも政党もこの程度のことすら理解できない。
   ↓

「野田首相は政治生命を賭けて消費税増税を実現させるそうだ。
 事実上、この内閣は「終わった」と言える。
 自らが正しく、有権者が支持すると思うならすぐ解散して信を問うべきだ。

 官公労の抵抗に腰砕けして行政改革も碌に実行できない癖に、
 自分を棚に上げて空疎な大口を叩くのはやめるべきだ。

 間接税の引き上げ自体は良かろう。しかし、問題はその使途である。
 民主も自民も社会保障に投入するとしており、これは自滅への道だ」


 ↓ 参考

増税を決断してもしなくても、既に存在意義はない - 財政の帳尻を合わせるための消費増税は無能の証拠
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7abcfca117c00979ee7cc532499b4ced

 ↓ 参考

2012年の予言:「高齢者三経費の増加で世代間格差が更に増大」- 消費税増税しても高齢者福祉で蕩尽
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9f6ba2091a8e82eb9f55a3e3857bef2f


▽ 現状の福祉給付を放置すると、消費税60%が必要になるとの試算がある

『なぜ日本経済はうまくいかないのか』(原田泰,新潮社)



もし間接税を引き上げるのならば、
高齢者3経費は絶対に絞り込まなければならない。
それ以上の額を家族政策(=育児支援)と雇用政策に投入し、
費用対効果をシビアに測定しなければならない。

例えば保育・医療・介護の低賃金労働者に給付付き税額控除を適用し、
雇用を増やすとともに税収と社会保険料収入を増やすべきである。
同時に、配偶者控除・第3号被保険者・退職金控除のような意味不明の利権を全廃すべきだ。
(これらはすべて安定職にありついた高所得者を優遇するものある)

豊かな高齢者に福祉給付をバラ撒いても預貯金に化けるだけだ。
日銀の統計を見れば明らかである。


▽ 北欧は重税であるが日本より成長率が高く、育児や就業支援が遥かに充実している

『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)



小沢系造反の動き 「理解できず」53% 本社世論調査 内閣支持率33%(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2400V_U2A620C1MM8000/
”日本経済新聞社とテレビ東京が22~24日に共同で実施した世論調査で、民主党の小沢一郎元代表や一部議員が消費増税関連法案に反対し、離党の構えを示していることを「理解できない」とした回答が53%に上った。「理解できる」は38%だった。社会保障と税の一体改革をめぐる民主、自民、公明の3党合意について「評価する」は36%で「評価しない」の52%を下回った。〔以下略〕”

小沢派の造反だけでなく、3党合意も過半数が支持していない。
この問題についてはどの政党も有権者に支持されていないのである。

今、政治には大きな空白があり既存政党はそれを満たすことができない。
無党派層が最大勢力で、橋下政権待望論が出てくる理由がここにある。


大飯原発再稼働に「反対」46%、「賛成」は36%(時事通信)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2400Q_U2A620C1PE8000/
”政府が決定した関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働については「反対」が46%、「賛成」は36%だった。同様の質問をした5月調査では「反対」50%、「賛成」34%だった。
 今回の調査で「賛成」と答えた人を性別でみると、男性の48%に対し、女性は26%にとどまった。支持政党別では、民主党が44%、自民党が46%。二大政党で賛成論が比較的高かった半面、支持政党のない無党派層は…〔以下略〕”

因に野田政権の大飯原発再稼働にも反対が過半数となっている。
(時事通信調査では反対派は更に多くなっている)
電力不足を成長戦略に結びつけられない無能ぶりなのだから当然である。
巨大な需要が発生しているのに既存政党はみなこの好機を利用すらできていない。
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