みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊東洋経済』3月31日号 -「若者の犠牲の上で財政再建を行ったら日本の将来は暗い」山田昌弘教授

2012-03-30 | 『週刊 東洋経済』より
今週の『週刊東洋経済』はフェイスブック特集でした。やや遅れ気味かも。
もう少しビジネス活用を詳しく紹介した方がいいでしょう。

一度書いたように「若者を犠牲にした財政再建の意味とは?」と題した
P148の山田昌弘教授のコラムが必見です。

『週刊東洋経済』2012年 3/31号


政策のあり方が世代間格差を拡大し若者の貧困化に拍車をかけているとする、
至極もっともな指摘です。まさにこれがシルバー民主主義の本性。
経済破綻しないと彼らは目が覚めないだろう。

○高齢層の貧困率は改善する一方、子育て世代の貧困率は上昇
○国家公務員の新卒採用は大幅抑制
○その一方で、企業には65歳迄の継続雇用の義務化を求める
○高収入夫婦の子供手当を削るが、高収入高齢層にはバラまき
○上がり続ける30代未婚男性の非正規雇用割合
○30代未婚男性の1割超が無職
○日本の若年層への就労支援が欧米よりも貧弱

個人的には、正規雇用率を上げるのは事実上不可能なので
非正規社員でも子供を育てられるよう育児支援予算を大幅増額し、
無駄に貯蓄を溜め込んでいる(=国内経済に貢献しない)者や
安定職にしがみついて利得を得ている者に課税して予算を確保すべきと考える。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊エコノミスト』は経済総予測でした。
この手の特集は大概、鋭さに欠けることが多い。。

最も面白かったのはP58の吉田牧場の吉田全作氏へのインタビューでした。
この本物の職人に事業拡大や中国展開を勧めた大馬鹿者がいるらしく、
欲ボケもいい加減にしろと言いたい。

『エコノミスト』2012年 4/3号


大いに不満のある箇所が3つ。

誰とは言わないが、1次産業と中小企業で雇用吸収をとの主張はいい加減にして欲しい。
日本の1次産業で雇用が増えないのは収益性が低過ぎるからであり、
中小企業に行かないのは低成長や経済変動でいつ潰れるか分からないからだ。
実体経済も分からない口舌の徒は1次産業や中小企業で働いてから言うべきだ。

東大の井堀利宏・東大大学院教授が高齢化社会では消費税に頼るしかないと
P90で主張されていますが、その前に貯蓄課税と退職金控除の大幅縮小、
それに高額年金への課税が絶対必要。

そうした観点ではP90で歳出削減の必要性を指摘する鈴木準氏は正しい。
(但し正規公務員と非正規公務員との深刻な賃金格差にも触れるべき)

最も問題なのはP96の阿部彩女史の生活保護の現状分析で、
書いてある事実は殆ど既知の話なのに具体的な提案が皆無で大いに失望した。

高水準の生活保護給付額の問題も、生活保護の世代間継承の問題も、
現役世代の受給急増も、異様に高額な医療扶助の内容精査もなく
他の制度へ責任転嫁ばかりするような専門家のコメントは必要ない。

つい最近、大阪市の特別雇用に任命された鈴木亘教授の方が
遥かに大胆で本質を突いた発言をされるであろう。
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被災地の林業振興で1万人の雇用創出、地元材利用の経済効果 - 日本政策投資銀行東北支店の試算より

2012-03-29 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
日本には殆どが未利用の膨大な資源がある。
それは欧州の林業国に比べて非常に成長力の高い森林である。

東北や甲信越の森林は関東圏のエネルギー資源にできる。
紀伊半島や中国・山陰地方の森林も京阪神のエネルギー資源となる。

特に関西電力管内は都市圏のすぐ近くに森林が広がっており、
なぜ燃料の木質バイオマス転換を進めないのか全く理解できない。
自家発電もできて一石二鳥である。

実はドイツで最も多くの雇用を生んだ再生可能エネルギーは太陽光ではなく、
木質バイオマスを利用したコージェネレーション(電熱併給)なのである。

木材を建築に利用するだけでなく、木屑や端材を燃やし、
熱を地域暖房に用いると同時に発電しているのである。
コージェネレーションとすることでエネルギー効率が飛躍的に高まり、
木材も残らず有効利用することができる。

特に電力不足懸念と化石燃料高騰に悩む我が国では、
国産材利用増加とともに木質バイオマスコージェネを拡大することで
巨額の輸入化石燃料費を削減し地域経済に所得移転できる。

「震災復興に不可欠なのは(特に福島の太平洋岸)風力発電であるが
 意外に知られていないのが林業と木質バイオマスの潜在力だ。
 被災地のすぐ近くには膨大な森林資源が眠っている」

と当ウェブログで主張したのはそうした意味である。
実際、大きな効果を上げた事例が岩手にある。


 ↓ 参考

木質バイオマス・ボイラーで年間5000万円の費用節減効果! - コージェネで電力供給も可能
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/0d447b2d616b3ed6d539648bf685524e


▽ 欧州の高収益林業を紹介した必読書(提言はシンプル過ぎて検証が必要)

『日本林業はよみがえる―森林再生のビジネスモデルを描く』(梶山恵司,日本経済新聞出版社)


▽ 各地で林業の経営革新が進む現状を伝える(マクロの政策提言には欠ける)

『森林異変-日本の林業に未来はあるか』(田中淳夫,平凡社)


被災住宅に地元材で1万人雇用 政投銀試算、復興に林業を(共同通信)
http://www.47news.jp/news/2012/03/post_20120328174101.html
”東日本大震災で家屋の全半壊が多数発生した岩手、宮城、福島など東北5県で、住宅の建て直しに地元産の木材を使用した場合、林業関連で1万人規模の新規雇用が見込めることが28日、日本政策投資銀行東北支店の試算で分かった。政投銀は、低迷している林業が被災地の新たな雇用の受け皿になり得るとみており、住宅に限らず、学校など公共施設でも地元の木材の活用を促進したい考えだ。”

東北には膨大な森林資源が活用されず眠っている。
被災地復興には林業と木質バイオマス、それに付随した製造業が不可欠で、
この報道から分かるようにそのポテンシャルはかなり高い。

建築での木材利用が進めば副産物としての木屑も熱利用できる。
地域経済に殆ど技能移転をもたらさない原子力よりも遥かに優秀だ。
純国産で地域復興に資する地域エネルギーを増やさなければならない。
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ドル円の反転、米指標好転が途切れた

2012-03-29 | 注目対象…譲渡益税分は寄付に廻して下さい
週の初めに書いた通りの情勢で一時撤退。
輸出企業のショートはあり得る。

「先週水曜以降の各市場の動きを見て確信した。
 早ければ今週、遅くとも4月中に今年前半のピークを付けるだろう」


↓ 富士重工(Rakten.sec) 670円 ▼ 19


↓ 丸紅(Rakten.sec)   602円 ▼ 16


↓ 三菱商事(Rakten.sec) 1,931円 ▼ 56



円高に強いUAは兎も角、
トーセイもフージャースも撤退でしょう。
タカラレーベンや東京建物は注視中。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)


””
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中高年国家公務員は「希望」退職、新規採用は「強制」6割減なのか - 若者を食い物にする呪われた国

2012-03-28 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
政府が歳出削減で最も安易な施策に踏み出した。
それは「若者を食い物にする」といういつもながらの手法である。

国家公務員の賃金カットを実施すると民主党の支持母体である官公労が激怒する。
更に、地方公務員の賃金カットを恐れる自治労も強い圧力をかける。
しかし採用される前の若者の首を切っておけば労組は何も言わない。
これが恥ずべき我が国の実態である。

どの政党も政治的抵抗が強い高齢者3経費の削減をしようとしない。
社会保障関係費(=公費投入)も国家公務員給与(独法等も含む)も
地方交付税交付金(=相当額が地方公務員の給与に充てられる)も
7兆円から30兆円規模の巨額歳出である。

中高年国家公務員は「希望」退職で新規採用は「強制」6割削減という方針は、
この国が若者を食い物にして平然としている老人の王国であることを意味している。
寧ろ財政破綻もしくは経済破綻して「浄化」された方が良い、
そうした怨念にも似た意識が蔓延しても全く不思議ではない。

当ウェブログで何度も書いていることではあるが、
次世代や社会の未来に投資しない国は滅びる。
残念ながら日本は刻々と悪しき方向に進みつつある。

 ↓ 参考

民主党政権と官公労は新卒を見殺しにした - 採用を大幅に減らし、中高年層公務員の既得権を死守
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1edffbb45978a543c9953a667e250769

「民意を二重三重に蹂躙する」訴訟で自ら窮状を招く労組? - 国民は離反し、橋下人気が高まるのみ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/cba0321068c580575d2e23a9eac8a2df


▽ 労組は政治家に圧力をかけて利益誘導を行うことができる

『なぜGMは転落したのか―アメリカ年金制度の罠』(ロジャー・ローウェンスタイン,日本経済新聞出版社)


公務員採用、6割削減で最終調整…府省反発受け(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120327-OYT1T00849.htm
”政府は、2013年度の国家公務員新規採用数について、09年度(8511人)比で各府省全体で約6割減とする方向で最終調整に入った。
 具体的には、削減幅の多い省で7割弱、少ない省で5割の削減を求めている。岡田副総理は09年度比で7割以上の削減を指示していたが、各府省が「極端な採用抑制は日常業務に支障が出る」と反発したため、削減幅を引き下げることにした。
 これに関連し、岡田氏は27日午前の閣僚懇談会で、各閣僚に対し、新規採用について、「これまでを大幅に上回る抑制に向けて最大限協力いただきたい」と改めて要請した。”

全く愚劣な話で、限度目一杯まで手当を削減せず、
以前から当ウェブログで主張しているように退職金の控除大幅削減も実行せず
よくも何ら罪のない新卒に犠牲を押し付けられるものだ。恥を知れ!


希望退職、13年度導入を検討=時限実施にも言及―岡田副総理(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/q/c?g=pol_30&k=2012032100944
”岡田克也副総理は21日の記者会見で、中高年層の国家公務員を対象に、退職金を上積みして退職者を募る「希望退職制度」の導入時期について2013年度を念頭に置いていることを明らかにした。また導入に当たり「一定の期間を切ることも必要になるかもしれない」と述べ、実施期間を限定する可能性に言及した。
 岡田氏は、消費増税の前提として歳出を削減するため、13年度の国家公務員の新規採用を09年度比で平均7割程度削減するよう各省庁に要請している。希望退職制度は、給与水準が高いベテラン職員を減らす狙いがあり、岡田氏は会見で、「早期退職に対するインセンティブを高めるための措置だ」と必要性を強調した。”

この通り、新卒は強制的に削減するのに
コストの高い中高年公務員は「希望退職」である。
明らかな二重基準であり、「薄汚い」とはこのためにある言葉だろう。


公務員削減「若者のため」=岡田氏(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012032100451
”岡田克也副総理は21日の参院本会議で、国家公務員新規採用の大幅抑制を各府省に指示したことについて「国家公務員削減は財政や社会保障制度の持続可能性のために必要なことで、若い世代のためにも行っている」と強調した。
 公明党の谷合正明氏が「声を出せない若い世代へのしわ寄せになるだけだ」と批判したのに対して答えた。”

若い世代のためなどとよくも言えたものだ。
「社会保障制度の持続可能性のため」というのは事実上、
高齢層に給付が異常に偏っているこの国では「既得権保持」に等しい。

今週の週刊東洋経済P148に「若者を犠牲にした財政再建の意味とは?」
と題した山田昌弘教授のコラムが掲載されている。

▽ 若年層において高まる非正規比率と失業率

『週刊東洋経済』2012年 3/31号


既得権べったりのこの国の本性がこの上なく明快に示されていると言えよう。
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原発ゼロでも電力余裕、関西電力ですらこの実態 - 原発カルトから脱し、経済成長できるエネルギー政策を

2012-03-27 | いとすぎから見るこの社会-全般
また原発擁護派のプロパガンダが明らかになった。
性懲りもなく情報操作を行い、自らの信頼を損なう誇張を繰り返すのだから
毎回のように馬脚を現すのも当然であろう。

あれほど原子力比率の高かった関西電力管内において、今冬は
原発稼働ほぼゼロでも電力需給が安定していたことが明らかになった。

原発擁護派は全く懲りないので「電力会社が努力したからだ」と叫ぶが
それは普段は設備が余っていて相当の余力があったという事実を意味する。

補助金まみれで太陽光発電など比較にならない程の巨額公費を浪費する原子力が
経済的に見て殆ど無意味であり、電力大手の地域独占の手段となっていることが
漸く広く知られるようになってきたのは幸いである。

早い時期に脱原発を決めたスウェーデンより原発大国フランスの方が
恒常的に経済成長率が低いことから見てもそれは明らかなのだが、
マインドコントロールを受けている者はいまだに目が覚めないのである。

従って、電力大手に事業独占の特権を保証する原発再稼働など論外であり、
膨大なエネルギーを無駄にする大型火力発電を抑制しつつ
短期的には小型ガス・コージェネとヒートポンプで化石燃料の消費抑制、
他方では省エネ関連商品やサービスの普及を図るのが正解である。
「省エネ投資が日本経済を救う」
と当ウェブログで以前から主張してきたことにはそうした背景がある。

無駄と非効率と情報隠蔽を放置しての原発再稼働は、
日本経済の躍進を自ら放棄する愚策でしかない。
それは大手電力の収益と原子力ムラの既得権の維持にしかならない。

 ↓ 参考

最も安い電気は火力でも原子力でもなく「省エネ」-「発電以上に効率的な選択肢」と検証委員会
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/71a51460825a3bebb39d56340c41c860

ドイツ経済、使用エネルギーを減らして経済成長を実現 - 3.0%成長でも消費電力減少
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b5754c9d703d95c1899518f9120acb70

▽ エネルギー消費を抑制した経済成長は既に実現されている

『北欧のエネルギーデモクラシー』(飯田哲也,新評論)

※ 今月末に改訂版が出る

▽ 省エネ性能の高いヒートポンプも「再生可能エネルギー」である

『ニッポンの環境エネルギー力 ―IT産業立国からエコ産業立国に大変身を遂げる「日本の底力」』



原発ゼロでも需給安定=冬の節電期間終了―関電(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012032300899
”関西電力が昨年12月19日から実施していた管内の利用者への10%以上の節電要請が23日、終了した。関電は11基の原発を保有するが、先月20日に高浜3号機(福井県高浜町)が定期検査で停止して以降、「原発ゼロ」の状態が続く。ただ、供給力に対する電力使用率が90%台の高水準となったのは1月末から2月中旬にかけての5日間にとどまり、安定した需給状況が続いた
 八木誠社長は23日記者会見し「大阪の平均気温が平年より低く推移したが、お客さまの節電協力による需要減少や、他の電力会社からの応援融通などにより、何とかこの冬を乗り切ることができた」と述べた。今冬の節電期間中、朝夕のピーク時間帯で前年と比べ5%の節電ができたという。”

大停電とか叫んでいた嘘つきどもはこれを見るがいい。
折角原発が止まっているので、嘘つきと一緒に永遠に黙らせておけば良い。

冬はガスコージェネで分散発電して安価に熱利用、
夏は太陽電池とヒートポンプで全く問題ない。
寧ろ製造業が潤って関西経済は大いに恩恵を受ける。


原発再稼働へ環境整備を=自民総裁(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012032600840
”自民党の谷垣禎一総裁は26日午後、インターネット番組に出演し、国内の原発が定期検査後に再稼働できず全面停止する可能性が出ていることについて「安全性を確認して再稼働はやっていかざるを得ない。政府も安全テストをして、分かったこと、問題をきちっと説明して認めていくことが必要だ」と述べ、政府として再稼働への環境整備に努めるよう求めた。
 一方、共産党の市田忠義書記局長は同日の記者会見で「政府はこの際、再稼働にのめり込んで原発に固執する態度をやめて、原発からの撤退を決断すべきだ」と強調した。”

相変わらず保守退嬰で政権への道が遠ざかる自民党。
電力族をパージして新しいエネルギー政策を提案できないから
支持率が下がり党勢衰退するのである。

また、政府や電力会社による安全性の確認など全く信頼できない。
佐藤栄佐久氏が福島県に相次いだ原発への内部告発を記しているが、
聞きしにまさる低劣で絶句させられるのが実態である。

▽ 原発では検査に合格するための粉飾が日常化していた

『福島原発の真実』(佐藤栄佐久,平凡社)


日本、ピンチ” まもなく「原発、稼動ゼロ」に(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120326/biz12032611570006-n1.htm
”東京電力の柏崎刈羽原子力発電所6号機が26日未明に停止し、国内原発で稼働を続けるのは唯一、北海道電力の泊原発3号機だけになった。日本の「原発ゼロ」は秒読み段階に入り、再稼働の政治判断が遅れれば、日本列島は深刻な電力不足に陥る恐れがある。
 再稼働が見込めないまま、国内原発が相次いで稼働を停止し、「最後の稼働原発」になる北海道電力の泊原発3号機(北海道泊村、91万2千キロワット)。北海道電は、定期検査入りを5月初めに先延ばしすることを検討するが、国内の電力需給は「綱渡り」の状況が避けられなくなった。
 「原発が再稼働しなければ自社管内の電力確保でいっぱい。東京電力に応援融通する余裕はない」。首都圏を抱える東電の原発の全停止に対し、同じ周波数で電力を融通する北海道電幹部はこう明かす。東電から北海道電への融通も条件は同じだ。
〔中略〕
 猛暑だった一昨年夏。東電と北海道電の供給エリアに挟まれた東北電力管内の最大電力需要は1480万キロワットに達したが、昨秋示された今夏の供給力見通しは1485万キロワット。需要に対する予備率は0・3%で、安定供給に最低限必要な3%に遠く及ばない。
 北海道電は本州と結ぶ連系線で東日本に60万キロワットの応援融通が可能だが、泊原発が停止することで、東日本の3電力合計の不足分は10・4%になるという。
 このため、東電は自力で管内電力をまかなえるよう、ガス火力発電を増強するなどして今夏の供給力を5700万キロワット程度にまで積み増す。ただ、涼しさと電力使用制限令による節電で需要が減った昨夏の最大電力(4922万キロワット)はまかなえるものの、一昨年並みの6千万キロワットに対しては再び、社会的に大きな混乱を招いた計画停電のような事態も想定される。
〔中略〕
 枝野幸男経済産業相は、今夏の電力需給計画を5月の連休前にまとめる。「相当の節電をお願いしなければ乗り切れない」とする一方、電力使用制限令の再発動は回避できる見通しを示す。だが原発が再稼働しないで猛暑を迎えた場合、関電の19・3%をはじめ、中部・西日本の6電力で計8・3%が不足し、日本中を電力不足が覆うことになる。”

馬鹿馬鹿しい話で、猛暑が毎年来る筈がない。
原発再稼働を望む既得権勢力が情報をコントロールしようとすると
このような記事が出てくる。

まるで途上国のような大手電力の非効率温存がそもそもの原因であり、
風力発電をくじ引きで決定し排除して原子力を過保護に扱い、
省エネや太陽電池よりも核燃料サイクルに無駄なカネをつぎこんできたために
国民に負担が転嫁されるようになったことを忘れてはならない。


原発再稼働、慎重論が増え55%に 本社調査(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E0E7E2E2888DE0E7E2E1E0E2E3E08297EAE2E2E2
”国による安全確認手続きが完了した原子力発電所の再稼働について聞いたところ「賛成」が32%、「反対」が55%だった。2月の前回調査では賛否が拮抗しており、この1カ月で原発再稼働の慎重派が増えた。「賛成」の性別では男性40%、女性25%。女性の再稼働への慎重姿勢が目立った。〔以下略〕”

この通り、有権者は日本の原子力を信頼していない。
健全な常識と判断力を持っているなら当然であろう。
しかもこのひと月で慎重派が増えたというのも示唆的である。

冬の電力ピークが過ぎ、多くの良識ある国民が情報操作に気付いているのだ。
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