みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

拝金国家イギリス、中国のカネの威力に屈する - 中南海に恫喝されて人権問題を後回しにする醜態

2014-04-30 | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界
個人的にはイギリスに対し好感を持つところも多く、
老獪な外交は日本も大いに学ぶべき点があると考えているが、
社会正義の観点から絶対に真似してはいけない面もある。

「紳士の国イギリス」という無知で人畜無害な標語の蔭には、
醜悪な拝金主義国家の本性が隠れているのである。

ロンドンの壮麗な景観や外国人の所有する豪邸の数々には、
腐敗していようと違法であると構わずに受け入れたカネが組み込まれている。

拝金主義で有名なのはアメリカだが、イギリスこそその本家である。
守秘法域(一般にはタックスヘイブンと呼ぶ)を発明し、
汚れたカネも黒いカネも世界中からかき集める蜘蛛の巣の総元締だ。

資本主義経済へ転換した後、ロシアは40%ものGDPを失ったが
世界的に見ても異様に数の多いオリガルヒ(成金)を生み出した。

現代版「泥棒男爵」である彼らの薄汚れたカネは滔々とシティに流れ込み、
一時期ロンドンは「ロンドングラード」という不名誉な名称を付けられ、
どんな薄汚いカネでも洗浄する洗濯屋として利用されたのである。

▽ イギリスでは富裕外国人の方が税率が低く、シティはそれを利用してカネをかき集めている

『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』(ニコラス・シャクソン,朝日新聞出版)


今、シティは腐敗にまみれた中国の黒いカネを歓迎し、
その上前をはねて利得を得ようとしている。

「全ての根源は、中国の増長にある。
 かつての日本と同様、自国の力を過大視したナショナリズムが
 中国国内で強まっており、超大国アメリカをも「いつかは超える」と妄想しているのだ」

「はっきり言っておくが、それは限りなく不可能に近い。
 今日の世界では国力・軍事力もその裏付けは経済力であり、
 中国経済にはおのれの人口動態という最強の敵がいる」

「今や冷戦は極東の東シナ海・南シナ海で始まりつつある」

「ベトナム戦争以来の歴史的転換である。
 「宿敵」であった筈のアメリカとベトナムが、
 対中警戒という共同利益のために手を結んでいる」

「高慢な中国への国際的イメージは着々と悪化している。
 己の経済力に奢って尊大な態度が益々強まっているのだから当然である。
 絶頂期の日本よりも人権無視、他国の意向無視、国際ルール軽視なのだから、
 反感を買って当然である。しかもその自覚は彼らには全く足りないのである」

という状況にも関わらず、シティはカネに夢中だ。
イギリスの安全保障に中国は脅威を与えていないため、
カネを貰える内に貰っておこうという姿勢である。

↓ 参考

高慢な中国の膨張政策、警戒する日米比を団結させる - 東シナ海・南シナ海で「封じ込め」政策か
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/4d9e4288b964de2558e67dd2709b5962

▽ シティは中国のカネに強い関心を寄せ、様々な策動を行っている

『アングラマネー タックスヘイブンから見た世界経済入門』(藤井厳喜,幻冬舎)


英の老舗百貨店を買収 中国「経済関係強化」 人権対話は延期に(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140425/erp14042509520002-n1.htm
”【ロンドン=内藤泰朗】中国企業が創業165年の英老舗百貨店「ハウス・オブ・フレイザー」を買収し、話題となっている。中国資本による英百貨店買収は初めて。キャメロン英首相が昨年末、3年ぶりに訪中して以降、両国は経済を中心に関係を強めている。
 「ハウス・オブ・フレイザー」株式の89%を買収したのは、中国の江蘇省南京市に本社を置く三胞集団傘下の小売り大手、南京新街口百貨商店(南京新百)。同社が先週、正式に発表した。それによると、買収額は1億5533万ポンド(約267億円)と、市場予測の4億8千万ポンドを大幅に下回った。南京新百は今後、「オリエンタル・フレイザー」とのブランド名で、中国での百貨店事業を強化するものとみられている。
 英紙デーリー・テレグラフによると、中国政府は先月、政府主導では初となる海外投資ガイドをまとめ、その対象国として英国を第1に取り上げ、20件に及ぶ投資成功例などを載せ、英国に投資を呼びかけた。
〔中略〕
 しかし、英国が今月公表した各国の人権状況に関する報告書の中で、中国について少数民族を弾圧しているとして、「懸念される国」に分類。これに対し、中国政府は、16日にロンドンで予定されていた英中両国間の人権対話の中止を通告した。
 中国外務省報道官は15日、「無責任な発言で、中国の政治システムを無礼な形で中傷している。内政干渉を今すぐやめるべきだ」と英政府を非難した。

 キャメロン首相の報道官は、中国政府の決定に落胆の意を示しながらも、「人権対話は基本的なもの。対話の日程の再調整をしたい」とコメントしている。”

早速イギリスではこのような動きがある。
「人権侵害よりカネが大事」という本音が透けて見える。

中国の成長率が深刻に落ち込んだら足蹴にするのだろうが、
それまでは人権問題も国際ルール無視も度外視して
中国の巨額のカネの前に平伏するつもりだろう。


「露への制裁反対」英内部文書、カメラマン撮影(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20140305-OYT1T00266.htm
”【ロンドン=林路郎】英政府高官が持ち歩いていた対ロシア制裁案関係の内部文書をフリーカメラマンがカメラで撮影したところ、「ロンドンの金融街をロシア人に対して閉鎖すべきでない」などと、対ロシア通商・金融制裁に反対する交渉方針が記されていることがわかり、英政府が釈明に追われている。
 写真は、官僚が持ち運ぶ文書を素早く撮影し、暴露する腕で知られるスティーブ・バック氏が首相府敷地内で押さえた。
〔中略〕
 それによると、国家安全保障会議が開かれる首相官邸へ向かう外務省高官とみられる人物が手にした文書には「当面は貿易制限も支持すべきでない」「(NATOでは)軍事行動に関する議論は妨害すべきだ」とも書かれていた
 これが英政府の最終的な立場かどうかは不明だが、報道について対露議員連盟に属するジョン・ホイティングデイル下院議員は「さらに1~2日状況悪化が続くなら金融業界の利益に影響があっても、あらゆる選択肢を検討すべきだ」と批判した。”

ウクライナ問題でもこのような胡散臭い動きを見せていた。
そもそもウクライナ問題自体が権益争奪戦に過ぎないので
こうしたイギリスの裏工作もそれに相応しいものなのかもしれないが、
本音と建前が乖離している拝金主義国イギリスらしい話と言えるだろう。
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被災地の女性の貧困が深刻化、自営業者・パートの約7割が失業中 -「国土強靭化」で復興できる筈がない

2014-04-30 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
矢張り恐れていたことが起こった。
被災地、特に福島県内での貧困が深刻化しているとの報告が出ている。

元々、東日本大震災の被災地は過疎に苦しんでいた地域が多く、
多くの識者が当該地域からの人口流出が起きると予想しており
「復興」どころか「復旧」すら困難であることは予想されていた。

加えて原発事故による壮烈な風評被害で
福島とその近隣の第一次産業・観光業が凄まじい打撃を受けており、
深刻な影響は後々まで残ることになる。

知られているように被災地支援の熱意と活動は漸減するものである。
被災地での日常回復も個々の状況や資質によって「まだら模様」となり、
被災による打撃が甚大であった人々、復興の動きに取り残された人々は
経済的にも心理的にもより苦しい状況に追い詰められつつある。

寄付金でも「買って応援」でも彼らの苦境は改善されない。
まして、自民党が票田にカネをばら撒き、選挙に勝つための方便である
「国土強靭化」では復興が永遠に不可能なのは明白である。
(せいぜい彼ら利益共同体の「利権回復」でしかない)

更に事態を深刻にしているのは、旧来の家族観に基づいた
機能不全の日本の社会保障政策と雇用政策であり、
この国では大切な家族や生活インフラを失うことで、極貧に転落することが多々ある。

▽ 日本は「家族格差」を拡大させる社会システムを維持している

『なぜ日本は若者に冷酷なのか: そして下降移動社会が到来する』(山田昌弘,東洋経済新報社)


福島の場合、「原発倒産」に続いて「原発事故貧困」の問題が生じつつある。

 ↓ 参考

大震災関連の倒産の最多は原発事故要因、経済の害悪であるのは明白 - 双葉町長も「許せぬ殺人的行為」と
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6ac992a8ce4d3f144d12d9829df7f01e

▽ しかも日本は、先進国で最も社会的弱者に対して冷淡である

『脱貧困の経済学-日本はまだ変えられる』(飯田泰之共著,自由国民社)


東京ガールズコレクション:復興支援で東北初開催 郡山(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20140430k0000m040084000c.html
”国内最大級のファッションイベント「東京ガールズコレクションin福島2014」が29日、福島県郡山市のビッグパレットふくしまであった。東日本大震災からの復興を支援しようと、東北で初開催となった。オーディションで選ばれた県内の小学生13人がモデルと一緒に夢のステージに立ち、福島の元気を発信した。人気モデルやアーティストを見ようと県内外から延べ約9800人(午後5時現在)が詰めかけ、会場は歓声と熱気に包まれた。
 午後3時開演。いわき市出身の松井愛莉さんをはじめ、土屋アンナさん、香里奈さん、道端アンジェリカさんらが大音量の音楽に乗ってランウエーに登場。若い女性を中心に満員となった会場にペンライトが揺れ、歓喜の声が上がった。ステージの合間には根本匠復興相や佐藤雄平知事、品川万里郡山市長も登壇し、「このイベントの開催が復興そのもの」とあいさつし、復興への加速を誓った。
 小学生モデルには県外避難者を含め555人の応募があった。書類選考を経て58人がオーディションに挑み、13人が晴れ舞台を踏んだ。
〔中略〕
 屋外には、福島の食や観光をPRするブースも出展され県の魅力をアピール。郡山市の女子大生(21)は「香里奈さんのスタイルとファッションに注目しています」と話していた。【浅田芳明】”

このこと自体は良い話であるが、
「復興」をアピールする政治的道具に堕している側面は無視できない。
大学生のコメントから見て、福島が以前より一層首都圏の影響を強く受けるようになり、
若年層の人口流出を加速させる可能性も充分にあろう。

…そして、そうした華やかなステージの裏では「復興格差」も拡大している。


被災地の貧困「女性が深刻化」研究者が報告(毎日新聞)
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20140424k0000m040025000c.html
”東日本大震災被災地の支援団体や研究者が現地の貧困問題を報告する「震災から3年被災地の生活困窮者支援を考える」(実行委主催)が23日、東京都千代田区の参院議員会館であった。福島大の丹波史紀准教授が基調講演し「被災地の女性の失業が深刻化している」と指摘。
〔中略〕
 「反貧困ネットワークふくしま」の共同代表でもある丹波准教授は「震災から4年目に入っても、福島県内の災害公営住宅の建設はわずか1割で、被災者が安定して生活する環境にはない」と指摘。また、震災前後の被災者の職業の変化のデータを示し「震災後、自営業者、パート従業員の約7割が失業しており、パート従業員の多くは女性。除染作業などで有効求人倍率は上がっているが、代替できるものではなく、女性により影響が出ている」と述べた。
 また、福島で子供、若者の支援を行う「ビーンズふくしま」の中鉢博之さんは、福島県外避難世帯のアンケートから「福島に残って父が働き、県外で母と子が暮らすという二重生活者が非常に多い。そうした中で生活資金の不足を抱える世帯が多く、母親たちのメンタルにも問題が出ている。子供たちに向かうケースも報告されており対応が必要だ」と話した。【垂水友里香】”

反貧困の運動家の主張は、科学的な調査と言うよりも
公共資源を分配させるための政治的意図の強いものであるので
言う迄もなく検証は必要だが、他の報道や調査から見て概ね正しい主張と思われる。

二重生活は個々で事情が異なり、どこまで公費でカバーすべきか論が分かれるところだが、
問題は自営業とパートである。公共事業のバラマキでは絶対に彼らは助からない。
実態調査を行った上で、精神的な影響なのか雇用のミスマッチなのかを明らかにし、
公費に依存しない自立的な、かつ以前の職種に代替可能な雇用が必要である。
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予想通り竜頭蛇尾のTPP交渉、すっかり「持久戦の様相」に - 妥協と利害対立でどんどん経済効果が萎む

2014-04-28 | いとすぎから見るこの社会-全般
TPPを「平成の開国」と称していたお馬鹿なメディアもあったが、
日米の利害関係があらゆる分野で衝突していて合意の難しい交渉であることが分かってきた。

しかし、日米双方の主張を織り込み多くの妥協が為される中で
只でさえ貧弱なTPPの効果が更に減衰されることに
まだ気付いていない向きが多い。

安倍政権や自民党が気付いていないのは言う迄もないが、
殆どのメディアも同様である。自分の頭で考えていないとそうなるのだ。

レントシーカーである経済団体や大企業にとってはビジネスチャンスであるから、
TPPで稼ごうと前のめりになるのは当然であるが、
それは企業収益と経営陣の報酬に貢献しても日本経済に貢献するかどうかは甚だ疑問だ。

政治的要因でTPPに前向きな姿勢を見せなければならないのは分かるが、
遥かに効果の大きいRCEPを積極的に進めない鈍重さには付ける薬がない。
安倍政権は見事に貴重な時間を空費しているのである。

「当ウェブログは、RCEPの仕組み構築を先行させることによって
 交渉力を高めよと主張してきたが、現政権にはそうした用意すらなく、
 「大して効果がない妥協」か「国内で不満が強まる妥協」のいずれかで終わるだろう」

との予測通りの事態になっている。

今後の高成長が期待でき、日本が経済関係を深めるべきASEANは、
TPPに否定的なスタンスで「柔軟で互恵的なルール」を求めているのだから
交渉のハードル・域内人口・市場の成長性のいずれから見てもRCEPが正解である。

下掲書では、RCEPの経済効果がTPPのおよそ2倍であることを指摘している。
(勿論、域内の人口も成長率もRCEPの方が高いのは言う迄もない)

▽ 処方箋はいかにも農水省的だが、TPP分析はかなりの部分正しい

『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』(鈴木宣弘,文藝春秋)


しつこいようだが、当ウェブログの主張を掲載しておく。

○TPPの経済効果は同一期間の省エネ関連市場の成長規模とさほど変わらない
 (しかもTPPは多額の農業補助金の積み増しが必要になる)
○TPPの経済効果は再生可能エネルギー市場の成長にさえ負ける可能性がある
○TPPの経済効果は女性就業率向上の経済効果に大きく劣る
 (5倍~10倍に達する圧倒的大差で敗北)
○TPPの関税引き下げ効果は対欧FTAに大きく劣る
○TPPの域内人口・経済規模はRCEPに大きく劣る
○後発のRCEPの方が主導権を取れるチャンスが多く、中国の牽制も可能

従って、以下のような結論が出るのは至極自然なことである。
こちらも相当前に当ウェブログで掲載している。

「根本的には年間たかが数千億円のTPPは経済波及効果に乏しい。
 RCEPの方が遥かに効果が大きいことは小学生でも分かる。
 人口規模においても経済成長率においても優劣は明白だ」

「TPP交渉の根底にあるのは所詮は対米配慮に過ぎず、
 ビジネスチャンスしか見ていない大企業が前のめりなのは当然だが、
 韓国の対米FTAやNAFTAの効果すら検証せず能天気に賛成を唱える論者は
 はっきり言って程度が相当低いか、産業界の操り人形に過ぎない」

「事実問題として、NAFTAでアメリカは寧ろ雇用を減らしている。
 また輸出依存度の高い韓国ですら効果は限定的だったのだから、
 TPP程度の関税同盟で日本のような内需比率の高い国に劇的な影響があると
 妄信する方が頭がおかしい。対内投資の増加の方がまだましだ」

「経済的合理性で言えば親日的なアセアンを含んでいる上に、
 人口規模・経済規模・若い人口動態の三点において
 しょうもないTPPよりもRCEPの方が遥かに優っているのは明白である。
 能天気な賛成派はアメリカの意を受けて動く走狗と言わざるを得ない」

「RCEPならTPPと違って「毒薬」に近い危険な条項を警戒する必要がなく、
 日中韓FTAよりも中国の影響力を大幅に低下させることができる」

「RCEPを意図的に優先することによって他国を焦らせ、
 TPPにおいて交渉力を高め日本に有利な条件を引き出すべきである」

日米関係を重視してTPPを急ぐように見せかけ、
実際にはRCEPを先行させて二重の実利を得るような
器用な真似を安倍政権に期待しても所詮無理というものなのであろう。

↓ 参考

TPP交渉で10カ国が日本に全関税の撤廃を要求 - 年内妥結を焦る日米、譲歩を迫られる可能性高まる
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/3e2089e8d073edc25681f6c307605fce

↓ 大国インドも含まれるRCEPの域内人口は34億人、TPPなど比較にならない

「東南アジアで現地市場が拡大」「円高修正でも海外重視」- 経済効果ならショボいTPPよりRCEPだ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1721bcc22dec3f25141db7cc1eb40836

読売新聞も認めた貧相なTPP効果、たったGDP0.05%増 - 女性就労率引き上げの10分の1以下
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/4d9cb2bac4667c0d71c6a628b1f26c60

▽ 因に、歴史的事実から見て貿易自由化による成長率向上という説は、真っ赤な嘘である。

『TPP 知財戦争の始まり』(渡辺惣樹,草思社)


TPP交渉、日米協議の行き詰まりで「持久戦」に=チリ高官(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DA1EZ20140424
”環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加しているチリの貿易問題担当責任者、アンドレス・レボエド氏は24日、日米協議の行き詰まりが交渉参加各国に「持久戦」を強いているとの認識を示した。
 同氏は「実際的な観点から見て、交渉は持久戦の様相を呈している」と指摘。「(日米協議の)行方を見守る」と述べた。
 その上で、日米間の合意は今後の全体の交渉ペースにとって重要だと付け加えた。”

このように時間を無駄に使っているだけでなく、
只でさえ少ない効果が妥協によってどんどん減ってゆくのは間違いない。


麻生氏「今オバマに国内をまとめきれる力ない」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20140426-OYT1T50001.html
”麻生副総理は25日午前の記者会見で、TPPをめぐる日米交渉について、「11月の米中間選挙まで答えは出ないだろう。今、オバマ(米大統領)に国内を全部まとめきれるほどの力はないだろう」と述べ、細部が詰まるには時間がかかるとの見方を示した。
 この発言に対し、菅官房長官は同日夕の記者会見で、「お互いの国が国益と国益をぶつける厳しい交渉、選挙直前の国内情勢を考えた中での発言。オバマ大統領個人に言ったことには当たらないと思う」と擁護した。”

相変わらず失言癖の治らない麻生大臣は、またこのような失態を演じている。
何一つ国益に結びつかない(寧ろマイナスになる)発言をどうして行うのが、理解不能だ。

遠からず自民党も「自民党に経済を再生させる力ない」と言われるのが確実なのだから、
これも滅亡の前兆と言うべきであろう。
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ECBの追加緩和策への警戒感高まる、豪中の指標も悪化し暗鬱さが強まる - 悪材料に反応し易い局面に突入

2014-04-27 | 注目投資対象・株価の推移
              ↑ USD/JPY(ZAI) ドル円は腰折れ、一転して下抜けの危機に

偶々AERAを見たら「セル・イン・メイ」の記事があった。
外資系証券の人間が売り時かどうかを質問されて言い淀んでいるとの内容で、
広告主に気を使う日経系のメディアやとかく両極端になりがちな大衆誌より鋭い嗅覚だ。

基本的に売り時かどうかは市場を観察して決めるべきもので、
証券会社やそこから金を貰っている人間に訊ねてはならない。
(彼らはまず重要顧客に情報を流さなければならない立場である)

今転換点にあるかどうかはまだ分からないが、脆弱な状況であるのは確かだ。
IMM通貨先物ではユーロだけでなくポンドの買い残高も高水準に積み上がっている。

水曜夜の米住宅指標の意想外の悪化でドル円もクロス円も急落。
その時に市場の強気心理がぼきりと折れた音が聞こえた気がした。
ドルもダウも下落している場合、東証を支えるものは何もない。
スペックの売り仕掛けも鈍重な投資家の投げ売りも重なり易くなる。

「先週はGPIFに関する麻生発言が市場を動かしたとの説があるが
 急騰のタイミングから見てウクライナ懸念後退が真の理由である」

「市況が悪ければ麻生発言などいとも簡単に粉砕される程度の材料であり、
 前回の麻生内閣時に東証が大幅下落した厳然たる事実は動かしようがない」

「市場はTPPよりもウクライナに注目している。
 TPPはどうせ功を焦って互いに妥協してただでさえ低い効果を減耗させるか、
 相手に罪をなすりつけて(特にアメリカ側にありがち)責任転嫁するしか道はない」

「ユーロ高を懸念するECBの声が強まってきている。
 「実弾」はまだ先だろうがモニタリングしておく必要がある。
 対ロシア貿易の落ち込みが確実であるだけに、欧州にとってユーロ高の打撃は大きい」

「予想もしないタイミングで緩和策が出ると市場に激震が走るであろう。
 東証もその余波を受けて大揺れになるのは必至だ」

「巷では日銀の追加緩和がなかったので失望売りが出たとの説が多いが、
 米株の急落から見てウクライナ問題の緊迫化の方が重要である。

「所詮、東証は外国人によって「作られた」相場に甘んじるしかなく、
 彼らの集団心理や仕掛けによって振り回される運命にある」

「追加緩和は「単発」なのでスペックの売り崩しに対するカウンターとならなければ
 たちまち寄ってたかって好餌にされてしまうのが目に見えている。
 もっと市場センチメントが悪化してからでないと空砲になるから
 いま追加緩和に期待するのは市場の駆け引きを分かっていない人間だろう」

「黒田日銀総裁による追加緩和の否定は大した材料ではなかったが、
 より深刻だったのはウクライナ情勢の緊迫化であろう」

と当ウェブログが書いてきた通りの状況である。
「短い春」のフェーズは数日で終わってしまった。

「香港インデックスがムンバイに遂にキャッチアップされた。
 市場を見る限りでは、中国の高成長は「終わった」と言えよう。
 この市場の動きが、中印の成長率逆転を予言するものかどうか、注視したい」

とした当ウェブログのスタンスは引き続き維持である。
再び香港が急落し、ムンバイに逆転されている。

一方、ウクライナ問題の再燃も予想通りである。
大規模な軍事衝突はあり得ないが「落とし所がない」のが致命的である。
意想外の突発事件発生に警戒したい。

「シリアには化学兵器の放棄という落とし所があったが、クリミアにはない。
 従って、シリアのように急激に危機前の状況に復帰する可能性は極めて低い。
 今回、米露とも大規模軍事介入は不可能である。
 米軍はウクライナでロシア軍に対抗することは地政学的に不可能だし、
 ロシア軍が大規模軍事加入を行えば米欧から強烈な経済制裁を受けて自国経済に大打撃だ。
 だからロシアは口では平和を唱え、裏では覆面軍事介入を続けるだろう。
 一方アメリカも妥協できない。オバマは弱腰として批判されており、
 クリミア独立編入を座視したら欧州に批判されるだけでなく国内で袋叩きになる。
 また、ウクライナ東部でロシアの影響を受ける勢力が一斉に蜂起し
 次々と「クリミア化」を進めてウクライナを二分してゆくだろう」

「米露とも決め手を欠き相手の出方と国内世論を窺いながら
 威丈高かつ慎重に度胸試しを続けることになろう。
 経済制裁もブラッフをかませながら小出しにして
 決定的対立をぎりぎりで回避しようとするだろう」

「ウクライナではクリミアの分離がほぼ既定事実となっており、
 そうなるとウクライナの穀倉地帯や資源関連も分離工作の対象となるのは避けられず、
 米欧露のパワーゲームと小競り合いの継続は必至である」


「そもそも東証の連騰は間隙を衝いたスペックの「力技」によるものであり、
 ソフトバンクやファーストリテイリングが先物を動かす為のおもちゃにされている。
 これは12月の上昇と同じ「脆弱な」高値である」

と書いてきた当ウェブログの見解は完璧に的中した。
以下のスタンスも依然として継続である。

「年初は1万3000円台までの調整は充分あり得ると考えていたが、
 1月、2月と余りにも市況が悪くモメンタムが完全消滅したので、
 今はその弱気すら修正せざるを得ないと考えている」

「先月の市況悪化で、1万2000円台までの下落が視野に入ったと判断する。
 東証ロングもドルロングも円ショートも刻々と状況が悪化している。
 能天気で市場の怖さを侮った金融関係者の言葉を真に受けるからそうなるのだ。
 最も動きの遅い投資家が恐怖に襲われた時、下落幅は予想外の大きさになる」

「愚図愚図している内に日本では消費税引き上げが迫っており、
 早くも不動産のチャートは下を向いてうなだれ始めている。
 今年はショートを適切に使わないとパフォーマンスが大きく低下する、
 それが当ウェブログの見方である」

「ウクライナ情勢に隠れてはいるが、日本経済への懸念が生じている。
 先週、東証の不動産セクターが完全に下方屈曲したことが明らかになった。
 これは内需の落ち込みと、明確なアベノミクスの失敗を意味するものである」

「不動産は言う迄もなく、内需においては最大級のウエイトを占めるセクターだ。
 その不動産セクターが数日前に強烈な急落を見せた。
 株価は代表的な先行指標の一つであり、実体経済を先取りして動くものだ。
 景況が持続的に改善している時期にこのような下落が起きる訳はない」

「世界経済の回復が緩慢である以上、2006年のような外需成長は期待薄であり、
 内需落ち込みが予告されている以上、日本経済への急ブレーキと、
 今迄は幸運に恵まれてきた安倍政権の転落は不可避である」

「市場の女神が微かに囁いているのを感じる。「Sell their Abenomics」と」

以下の当ウェブログの見解も勿論、維持している。

「ドル円やクロス円の年初の高値を奪回する
 モメンタムが残っているようには到底見えない」

「ドル円もクロス円も頭打ちで上昇力が弱い。
 特に問題はユーロだ。理由不明だが明らかに弱い。
 何かユーロ圏に問題が発生しているのか注視したい」

「どうせドル高方向だろうと油断すること自体がリスク要因である」

「実際、ユーロ圏の指標が良い割にユーロは上昇していない。
 市場参加者の考える水準が市場の現実から乖離し始めているのである」

「堅調すぎるほど堅調な市況、しかしそれだからこそ却って嫌な予感がする。
 2014年は暢気な楽観論者がいきなり横っ面を張られるような
 大波乱の年になるかもしれない」

「何度も言うようにIMM通貨先物での円ショートは高水準であり、
 急反動が生じると大きなインパクトが与えられるのは必至」

「円安急伸は東証にとって強力な追い風であるが
 その分、2014年の日本株のパフォーマンスが削られる可能性を見ておきたい」

「1月最初の週の暗雲漂う市況は、矢張り純朴で単純過ぎるリフレ派が
 恥辱とともに滅ぶ前兆であると考えざるをえない」

「力を誇る者は力に滅び、富を誇る者は富に滅び、
 市場を侮る者は市場に滅ぶ。これが万古不変の定理である」

「昨年末の先物主導の上昇と、記録的な円売りポジション残高のもたらした
 「脆弱な高値」が急落をもたらしたのだ。市場の論理から言えばそうなる」

「市場心理の面においては、東証の活況を能天気に信じ込んでいた外国人投資家が
 想定外の下落に慌てふためいて続々と悲観派に鞍替えしているのが現状である。
 従って年初の日経平均1万6000円台の奪回には相当の時間を要する」

「この期に及んで強がって「年末に日経平均は1万8000円」と強弁する論者は
 市場を全く理解していない。市場は愚かな人間よりも遥かに的確に未来を予見する。
 年初からこの急落に襲われたという事実は、今年の景況が予想よりも悪いことを示唆する」

「それ以前の二次曲線的落下も事実だった訳で、
 ひとまず市場心理悪化は食い止められたが
 いつでも問題は再燃する可能性があると思われる」

以上が当ウェブログの直近の見通しである。
「悪い円安」は暫く遠ざかったが、いずれにせよ
大勢の低所得者が苦しみ、じわじわと不満が安倍政権に向かうだろう。

「外国人にとって日本市場はいまだに「新興国」の部類である。
 米市場と違って金融政策の効果は限定的で、
 (幻覚を見ている日本人が多いが、真実は必ず明らかになる)
 外乱要因による影響を受け易くボラティリティが高い」

「国内投資家のプレゼンスも大幅低下しており
 回転が速く動きの俊敏な海外スペックに翻弄され易い」

「日本株下落や円高の時は口を極めて外国人を諸悪の根源のように罵った低能なメディアは
 彼らが東証を大幅に押し上げると「アベノミクスのおかげ」と大本営発表の片棒を担ぐ。
 健忘症の連中は、数年後にまた「外国人の日本売り」「投機」と批判するだろう。
 お前達の言説の方が遥かに風見鶏であり投機的である」

「「悪い円安」の黒い影が刻々と接近していることを認識していない者が非常に多く、
 2014年は前半でピークを付ける「二日酔い状態」になりかねない」

「ドル高円安が進行することで日本の輸入物価高・CPI上昇を招き、
 スペックの仕掛けによる自己実現的な円安トレンド定着の可能性も見えてきた。
 2013年前半にジョージ・ソロスが不吉な予言を行ったように、
 「円安が止まらなくなる可能性」を見ておくべきである」

「財務省の法人統計で衝撃的な数字が出た。
 米経済回復でドル高円安が進み輸出業に大きな恩恵が及んだにも関わらず、
 日本企業の自己資本比率は過去最高の水準となったのである。
 投資増の勢いは依然として弱く、人件費に至っては前年比で5%も減少している。
 自民党政権と経済界が結託して労働者の実質所得を減らしていると考えざるを得ない」

「このような内向きの日本企業を優遇したところで、
 日本経済が強く回復する筈がないのは火を見るよりも明らかである。

「成長率が低下しているにも関わらず政策に嘴を挟む大企業と癒着し、
 経営層や株主ばかりに恩恵を及ぼす自民党の旧態依然の体質が露見する。
 2014年に急落するのは間違いなく安倍政権の支持率である。
 2015年にはリフレ派への評価は地に墜ち、アベノミクスは嘲笑の対象となろう」

当ウェブログの以上の見解も変更しない。
消費税引き上げの前迄は概ね変わらないだろう。

「機を見るに敏なエコノミストは、所謂アベノミクス効果と見えた現象が
 米経済好転に支えられた偶然であることを示唆し始めている」

「東証急騰は、機を窺っていた海外ファンド勢の一斉突撃によるもので、
 日米経済回復を当て込んだ「思惑」による作られた相場であるのは明白だ」

「ドルが100円に達するスピードが速過ぎたため、
 今後は梯子を外される反落の可能性を見ておくべきである。
 IMM通貨先物では再び円ショートポジションが積み上がってきており、
 海外ファンド勢には相場を吊り上げて売り浴びせるだけの力がある」

「IMM通貨先物では円ショート残高がここ数年にない規模にまで膨れ上がっており、
 この「山」を消化して押し上げていくのは難行である」
 市場の道理として上昇速度は低下せざるを得ない」

と書いてきた当ウェブログの見解は今週も維持する。
…2014年は紛れもない「失望の年」になりかけている。

「市況を見れば分かるようにアベノミクスはもう既に過去の材料になった。
 投資家の目はアメリカに集中している。
 米経済指標を睨みながら前のめりな姿勢を強めるだろう」

「米経済が回復し日米金利差が拡大すれば
 民主党だろうが自民党だろうが円安ドル高の恩恵で東証は上がるに決まっている。
 所詮はアベノミクスの3本の矢など誤差の範囲に過ぎない」

「たとえ民主党政権が続いていたとしても円安に転換し、東証は上がったであろう。
 しかしアベクロコンビがスタンドプレーに走ったせいで上昇が先食いされてしまい、
 来年、再来年の株式のパフォーマンスは総じて低下せざるを得まい」

「上昇を先食いしたために東証の足元は脆弱になっている。
 2014年、2015年には無理をした今年前半の報いで
 相当厳しい市況になることは容易に予想される」

「論より証拠、IMFは今年の日本の成長率を2%程度、
 2014年の成長率は鈍化して1%程度と予想している。
 まさに「馬脚をあらわす」である」

「2015年以降は、安倍政権や黒田日銀が何と言おうが
 マーケットはそれを嘲笑し完全無視して動くであろう」

「来年度、再来年度は上値が重い展開になると予想されるので、
 今年度の内に打つべき手は打っておかなければならない」

「ドルへの資金回帰の奔流はドルを押し上げ円を沈ませる。
 回り回って東証に資金を導く強力な援護射撃となろう」

「円安の援護のない東証は「片肺飛行」で
 モメンタムが著しく失われることがはっきりした」

「中国があのベア・スターンズ破綻の段階に近いとバロンズが書いているそうだが、
 個人的にはまだ2007年のパリバショックの前あたりだと考えている。
 まだ市場に強い恐怖感は漂っておらず、警報は弱い」

「「VaRショック」の10年ぶりの再来も警戒される。
 不動産セクターは安易に買ってはいけない。
 安直な黒田バズーカが国債市場を壊してしまっているので
 そのマグニチュードは予想外の域に達する可能性がある」

「IMFのブランシャール氏が所謂アベノリスクを事実上認め、
 財政再建や構造改革を実現できなかった場合、投資家の信認が失墜し
 世界経済のリスクとなる恐れがあると指摘した」

「参院選での野党の自滅で自民党の古い体質が墓場から蘇るだろうから
 今後警戒すべきは「ねじれ解消リスク」である」

「自民党は歴史的に利益誘導・分配型の政党であり、
 80年代以降の自民党政権の実績が証明しているように、
 経済政策を成功させる力量に欠けることは明らかだ。
 自民が参院選で盛大に勝てば勝つほど、次回の選挙は惨敗することになる」

「マーケットはねじれ解消で政治が安定すると見ているがそれは甘い。
 ねじれを解消させてしまったために電力利権や道路利権等の抵抗勢力が続々と蘇り、
 財政悪化と人口動態の劣化が容赦なく進むであろう」

「東京オリンピックは結構なことだが既に政治の道具にされている。
 数値から見て成長率改善効果は殆どないに等しく、
 歴史的教訓から考えて景況の落ち込みは必至である。
 今の喜びが大きければ大きいほど、かつがれたと知った時の怒りは大きくなる」

当ウェブログは以上の見解を依然として維持している。
VaRショック再来は当面遠ざかったが、
輸入物価高、自動車関連ひとり勝ちの懸念が強まっている。

一方、長期金利の動きから見て「事実上のマネタイズ」との見方は的中しつつある。

「目先の円安に幻惑され、日本の将来に不吉な影がかかっている」

「当ウェブログが予測していた「悪い円安」が、異様な速度で到来することになる。
 安倍・黒田コンビが市場を軽視したために、財政危機もほぼ確実に接近する。
 「剣によって立つ者は剣によって滅びる」との箴言と同じく、
 金融政策によって立つ者は金融政策によって滅びるのであろう」

「黒田総裁の「次元の違う」量的・質的緩和は、事実上のマネタイズである」

「日本の国債市場は再起不能になり、財政再建を果たす可能性はほぼ失われた」

「黒田バブルに便乗して億単位の稼ぎを得る者が続出するだろうが、
 今から警告しておく。決して調子に乗って騒いではならない。
 ツケを回された国民の強い怒りは決してそのような輩を許さないであろう」

一方、以下の当ウェブログの見解はほぼ的中と言えるだろう。
ユーロ大反転は確定した。

ここで言うゴールドはドル建ての想定であり円建てでは高値だが、
金利も配当も付かないゴールドを持つ理由は全くないので修正する必要は感じない。
FRBの緩和縮小観測で更なる下落の可能性が高い。

「ゴールドは「完全に終わった」と断言して良い」

「香港や上海市場を見ても分かるように、
 今の中国では内需主導で高成長を持続するのは不可能である」

「円安は明確に日本経済にとってポジティブである」

「ユーロ大幅下落は遠ざかったか、もしくは消えたと考える」

「ユーロ圏は深刻な経済悪化ではないだろうが停滞は必至」

今年は苦難の始まりの年となるだろう。
危険な「悪い円安」の時代がもうすぐそこまで迫っている。

↓ EUR/JPY(ZAI) ユーロもゆっくり下を向きつつある


↓ GBP/JPY(ZAI) ドルやユーロよりも強いが、既に頭打ちに


「短い春」は前回よりも更に短かった。
東証にとって最後の頼みの綱であるダウも急落し、
矢張り「セル・イン・エイプリル」になりそうな情勢。


ドル/円は102円半ばで底堅い、株価の高値もみあいで(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA3M04220140423
”東京市場午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてわずかにドル安/円高の102円半ば。日経平均株価が伸び悩むとドル買いポジションの縮小が進んだ。
〔中略〕
 日経平均の堅調推移で、ドル/円は午前9時半前に102.70円まで強含んだ。ただ、それを上回る水準では売りが観測され、上値を抑えられた。中国の4月製造業購買担当者景気指数(PMI)発表後に日経平均が伸び悩むと、ドル買いポジションの縮小が進んだ。
 午後のドル/円は102円半ばで停滞した。日経平均が持ち直して、高値圏でもみあう展開となり、ドル/円は底堅く推移した。株価が大引けにかけて騰勢を強めると、ドル/円は連れ高となり、午後3時すぎには102.63円まで上昇した。
 今夜は国賓としてオバマ米大統領が来日する。24日午前に安倍晋三首相との会談に臨み、難航する環太平洋連携協定(TPP)の交渉加速や日米同盟の強化を確認。成果を盛り込んだ共同声明を発表する見通しという。
〔中略〕
 午前のマーケットでは豪ドルの急落が顕著だった。正午までに対円では95.34円まで下落し、朝方の高値96.24円からの下げ幅は1円に迫った。豪州の第1・四半期消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想に届かず、嫌気された。
 前年比の伸び率が豪中銀のインフレターゲットである2―3%の上限を上抜ければ豪中銀の年内の利上げ観測が浮上するとされていたが、こうした期待は裏切られた。
 あおぞら銀行・市場商品部の諸我晃為替マーケットメイク課長は、豪州CPIへの期待が先行して豪ドルは前日上昇していたが、きょうのCPIを受けて上昇分が一気に剥げ落ちたとの見方を示す。
 CPIの公表直後に発表された4月のHSBC中国製造業PMI速報値は48.3となり、市場予想に一致した。PMIに期待していた向きも豪ドルのロングポジションを落とし、豪ドルは再び下落した。
 午後3時時点の豪ドル/円は95.19円付近で推移している。 (杉山健太郎) 〔以下略〕”

連動している中国経済と豪州経済はすっかり停滞している。
2009年の際の力強さは完全に消滅しており別の経済圏のようだ。
こちらも東証の反発力を抑える要因である。

尚、省略部においては日米首脳会談の内容は
想定通り市場にほぼ無視されていたことが分かる。


ドル下落、米株安や製造業PMI受け=NY市場(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0D919Z20140423
”23日終盤のニューヨーク外為市場では、ドルがユーロと円に対して下落した。米国株が下落し米国債利回りが低下したうえ、マークイットが発表した4月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を下回ったことがドル安要因となった。
 終盤のドル/円は0.19%安の102.41円。ユーロ/ドルは0.07%高の1.3815ユーロ。ユーロ/円は0.09%安の141.47円。
〔中略〕
 ソシエテ・ジェネラルのシニア通貨ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー氏は「(米)株がアンダーパフォームしたことで米国債が買われて利回りが低下した。この結果、ドルは弱含んだ」と述べた。
 一方、豪ドルは米ドルに対して一時、1%以上下落。オーストラリアの第1・四半期の消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回ったため、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が今年利上げする可能性が後退したと受け止められたことが豪ドルを押し下げた。終盤の豪ドル/米ドルは0.89%安の0.9282米ドル。
 欧州では4月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想以上に上昇して約3年ぶりの高水準となった。しかし、ユーロ圏の根強い低インフレがユーロの上値を抑えている。投資家は、欧州中央銀行(ECB)が追加的な金融緩和に踏み切る可能性を警戒している。
 スタンダード・ライフ・インベストメンツの投資ディレクター、ケネス・ディックソン氏は「われわれの見方では、ECBは現在の低インフレは一時的現象であり、経済成長に伴って上昇すると信じている。日本が経験したようなデフレ循環に向かうとは、ECBは考えていない」と述べた。
 イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会の議事録で、経済のスラック(余剰資源)と中期的なインフレ見通しに関する議論が高まっていたことが明らかになり、ポンドは下落した。〔以下略〕”

米指標もばらついてきた。世界経済を力強く牽引する内容ではない。
ここでは触れられていないが、新築住宅指標も驚くほど悪かった。
…市場では、ECBの追加緩和への警戒感も強まっている。


ドル下落、ウクライナ懸念で円・スイスフランに逃避買い=NY市場(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN0DB164.html
”25日終盤のニューヨーク外為市場では、ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、安全資産とされる円やスイスフランへの買いが膨らんだ。また豪ドルやニュージーランド(NZ)ドルなど、太平洋地域の高利回り通貨も対ドルで値を上げた。
 ウクライナとロシアによる衝突の危機が高まる中、ウクライナの特殊部隊はこの日、同国東部で作戦の第2段階に着手した。米国はロシアへの追加制裁を発動する構えを見せているほか、欧州指導者も対ロシア制裁で米国と協調することで合意した。
 ドル/円は0.16%安の102.13円と、1週間ぶり安値水準をつけた。
〔中略〕
 米経済指標はまちまちの内容となっており、市場は明確な方向感を欠く。そこにウクライナ懸念が加わり、投資家にとっては大きなポジション形成を構築することはリスクが大きく、そのため太平洋地域の通貨が買われたと、シティFXのG10為替戦略部門グローバル責任者、スティーブン・イングランダー氏は指摘する。
 「アジア経済に関するニュースが良いとは言えないが、台風の目からは程遠く、利回りの高さが魅力」という。
 豪ドルは米ドルに対し0.05%高の1豪ドル=0.9268米ドル。
〔中略〕
 ユーロ/ドルは0.06%高の1.3839ドルとなった。
 来週は30日に発表される4月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)や5月2日に発表される4月の米雇用統計が注目材料。〔以下略〕”

金曜には周知の通りウクライナ問題の再燃でダウは大幅下落。
しかもドル急落の衝撃は大きく、チャート上では強い下方圧力の発生が見える。
市場心理の悪化で悪材料に対しセンシティブになり易い局面である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄、水曜の米指標悪化でロングの殆どを解消し、ショート転換。
損益は多少マイナスだったが仕方がない。

 ↓ 不動産関連(Yahoo.finance) 不動産が再び下を向き始めている



 富士重工(東証一部 7270) 467 → 670 / 573 → 1,283 / 1,938 → 2,563
               2,267 → 2,947     

 マツダ(東証一部 7261)  232 → 306 / 178 → 275 / 87 → 217 / 130
               298 → 314 / 332 → 425 / 380 → 522

 竹内製作所(JASDAQ 6432) 636 → 1593 / 743 → 1,672 / 1,678 → 2,200 /
                2,250 → 2,286 / 1,924 → 2,878 / 1,995 → 2,878
                3,020

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215 / 1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526 / 1,341 → 1,752
                     1,906 → 3,160 / 3,410 → 3,650
                     4,025 → 3,345

 ユナイテッド(東証マザーズ 2497)   2,800

 トーセイ(東証一部 8923) 25,170 → 59,300 / 83,600 → 102,100 / 67,200 → 79,100 / 82,100 → 64,200

 サンフロンティア(東証一部 8934) 61,600 → 114,600 / 77,700 → 154,100 / 88,300 → 154,100

 マネックスG(東証一部 8698) 45,500 / 39,300 → 45,500

 シャープ(東証一部 6753) 321 → 368

 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587 / 542 → 608
             494 → 577 / 540 → 577 / 541 → 602 / 529 → 602
             489 → 706 / 518 → 706 / 705 → 752

 東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277 → 413 / 541 → 615 / 857 → 923
              1,128

 昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966 → 1008
                  716 → 723 / 688 → 1008

黒字転換で久々に爆上げしているユナイテッド以外はロングにできない。

 ↓ 輸出関連(Yahoo.finance) 竹内以外は昨秋からの上昇分が吹っ飛び、トヨタとホンダは既にマイナス圏




ウクライナ:親欧米派の検問所爆発で7人負傷…オデッサ州(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20140426k0000m030085000c.html
”【ウィーン坂口裕彦】ウクライナ南部オデッサ州で25日未明、親欧米派の市民が築いた「検問所」で爆発があり、7人が負傷した。地元の警察関係者によると、爆発物が仕掛けられたという。ロイター通信が伝えた。同州でも親露派が「オデッサ人民共和国」の創設を宣言するなど、親欧米派との対立の先鋭化が懸念されている。
 オデッサ州は、隣国モルドバから一方的に独立を宣言しているロシア系住民が多い沿ドニエストル地域に近接している。この地域ではロシア軍が「平和維持部隊」として、駐留を続けている。親欧米派は、沿ドニエストル地域から親露派が流入するのを食い止めるため、複数の検問所を設けて警戒していた。
 また、東部スラビャンスク近郊にある基地で25日、駐機していたウクライナ軍のヘリが対戦車兵器の攻撃を受けて爆発、操縦士がけがをした。〔以下略〕”

ウクライナでは東部だけでなく南西部でも騒動が起きている。
オデッサはよく知られているように軍港で黒海の要衝であり、
何か突発時が起きると危機が拡大する可能性がある。

『日経会社情報』2014年春号 2014年 04月号


    ◇     ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

水曜の米指標ネガティブでショートに転じた。

 2014/04/23 171.60 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)

    現在 > 141.28 ユーロ/円(損益106%)← 今年の損益率
         171.64 ポンド/円
         102.15 米ドル/円

 ◎ 2013年の損益率(手数料等除外)> 164%
 ◎ 2012年の損益率(手数料等除外)> 142%
 ◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2014/04/16 171.02 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/04/04 171.81 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/03/28 170.28 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/03/07 172.55 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/28 170.77 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/21 170.50 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/07 167.91 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/01/24 168.75 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/01/17 141.12 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/12/18 167.10 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/12/05 167.32 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/11/01 157.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/10/25 157.54 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/27 151.16 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/14 150.89 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/09 128.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/07/31 149.01 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/07/26 150.88 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/07/17 151.30 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/06/21  97.89 USD/JPY Lev ×2.0
 2013/06/11 152.83 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/06/07 150.87 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/05/24 153.41 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/05/16 101.94 USD/JPY Lev ×1.5
 2013/05/10 154.46 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/05/03 130.01 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/26 129.02 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/16 150.10 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/04/12 129.73 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/04 145.91 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/21 144.80 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/15 144.46 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/07 142.28 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/01 120.89 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/02/13 124.85 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/02/08 125.97 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/01/24 120.99 EUR/JPY Lev ×1.5
 2012/12/26 136.78 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/12/21 136.36 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/12/12 132.76 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/29 131.44 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/11/09 126.37 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/02 83.12 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/25 128.91 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/18 127.47 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/08/29 81.23 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/09/12 125.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/27 81.86 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/08/15 123.83 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/20 95.50 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/07/13 123.21 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/06 97.98 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/29 125.19 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/06/21 100.82 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/14 123.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/06/07 99.03 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/01 120.02 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/05/23 100.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/05/14 102.44 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/05/11 128.50 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/04/27 106.60 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/04/19 130.30 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/04/13 128.88 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/04/06 84.02 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/03/30 132.57 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/03/22 85.75 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/03/13 128.51 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/03/13 83.48 CAD/JPY Lev ×1.5

 …以下省略…

「資源国通貨は底打ちしました。
 豪中銀が政策金利の引き下げを停止する可能性が高まり、
 豪ドルは当面の底打ちの可能性が高まっている」

ウクライナ情勢の再度の悪化によりドル円、ユーロ円に迫る危機。
何か突発時が重なると下値拡大の可能性あり、警戒を要する。
豪ドルも豪中の指標悪化で下を見ておくべき。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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『週刊エコノミスト』4月26日号-ロシアから約16兆円の資本流出か、成長率マイナス1.8%の可能性も

2014-04-25 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』は毎度お馴染みになりつつある中国経済特集。
成長鈍化はほぼコンセンサスで、問題はその程度である。

P24では当ウェブログが注目している津上俊哉氏が寄稿、
2009~2013年に2600兆円もの巨額過ぎる固定資産投資が行われたこと、
企業の資金繰りは悪化、長期金利が上昇基調にあることが示されている。

P25では行天豊雄氏が、シャドーバンキング問題を中国当局が
コントロールしてハードランディングを回避する過程で
投資減少・成長率低下が進むシナリオを描いており、
両者とも成長鈍化という結論は同じである。

『エコノミスト』2014年 4/29号


より重要性が高いのはP69の増谷栄一氏のロシア経済分析で、
エントリーのサブタイトルはこちらから付けている。

要約すると、ウクライナ問題でロシアは軍事的勝利が可能であるものの
経済的には窮地に陥りつつあり、巨額の資本流出とリセッションで
プーチンの政権基盤すら危うくなる可能性があるとのことだ。

賢いプーチンは自制して最悪の事態は避けるだろうが、
リスクには常に備えておきたいところ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊ダイヤモンド』のソニー特集は鋭く、話題を呼びそうだ。
SFH(金融子会社)を巡るごたごたをよく調べてある。

日本ブランドを体現していたソニーの斜陽は、
日本製造業の斜陽をも象徴しているかのようだ。
(アップルやGEのような革新を遂げて欲しいと願っているのだが。。)

『週刊ダイヤモンド』2014年 4/26号


メイン特集以外では面白い記事が二つある。

P21でみずほ総研の小林公司氏がシンガポール経済の現状をリポートしており、
外国人労働者の受け入れで労働投入は増えたが、労働生産性は停滞しているそうだ。
格差が拡大して国民の不満も高まっているとのこと。
法人減税や移民受け入れが成長政策だと騙っている安倍政権の嘘は矢張り明白だ。

投資関連では、P80「ユーロ高で忍び寄るデフレ」が優れている。
野村證券の岸田英樹氏の分析で、南欧銀行の不良債権急増など重要な事実を指摘している。
(因に、氏は「今年夏までのECB利下げ」を予想)

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊東洋経済』特集は、表紙ほどのインパクトがないような印象。
「激変」と言うほどの激変がありそうなのは先頭の方だけだろう。

また、消費税増税の影響と景気循環の影響を混ぜこぜにしており
論点が整理されていないのではなかろうか。

『週刊東洋経済』2014年 4/26号


他方、LINE特集は良かった。
特にP40「立ちはだかる海外の巨人たち LINEは世界で勝てるのか」が必見で、
先週のダイヤモンド誌に欠けていた点が補われており、
ダイヤモンド特集を主、東洋経済を従として読むと理解が深まる。
(関心のある向きはぜひ両誌を比較されたい)

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンドに注目、増税・家計・教育における高収入層の憂鬱を特集している。
(「すぐ近くにより恵まれた人々がいる」ため不満の強い層でもある)

▽ 原発事業で最大600億円の減損リスクに晒された東芝の苦境もリポート

『週刊ダイヤモンド』2014年 5/10号


▽ ダイヤモンド誌が得意とする分野に敢えて挑戦、利用者向けの内容ではない?

『週刊東洋経済』2014年5/3・5/10合併号


▽ エコノミストの歴史特集は、中身を見ないと良否が分からない

『エコノミスト』2014年 5/13号

当ウェブログとしては黒田日銀の末路を暗示するアーサー・バーンズFRB議長の時代の分析を期待。
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