黒田日銀総裁は、戦術的には優れていると思う。
相手の裏をかいて市場を驚かせる技術には長けていると
これまでの「実績」が証明しているからだ。
しかし、戦略的には完全に失敗しており、
異次元緩和で物価を操れるような大口をたたいて見事にしくじっている。
今回もまた、物価目標達成時期は蜃気楼のように後退しており、
自分が幻を信じ国民を欺いていたという事実を意地でも認めようとしない無様な有様を見せている。
今回、追加緩和を見込んで投機的売買を繰り返していた海外勢にひと泡吹かせることはできた。
恐らく、「弾」を温存して最大限の効果を発揮できるタイミングを狙い、
(市場が追加緩和を予想していない時である)
手の内が見透かされる危険性を避けたということであろう。
しかし、米利上げ観測の強まりという「追い風」はなくなった。
米利上げが遠のくという「逆風」の元で、自分の無力さを嫌でも味わうしかない。
追加緩和を行っても効果は一瞬、行わなければこっぴどく売り叩かれる。
どちらにしても「負け戦」であることに変わりはない。
惨めな総裁は、ロンメル将軍のように過去の栄光が崩れ去り、
連敗の道を歩み続けるしかなくなってきているのだ。
「日本経済が刻々と悪化している現状に違いはない。
スペックの先物買いとショート買い戻しで日本経済が回復することはあり得ないからだ」
「スペックの思惑としては、ECB理事会にFOMC、日銀政策決定会合とイベントが続く中、
各国中銀がマーケットにネガティブサプライズを与える可能性は低く
所謂「アク抜け」で上方向に向かいやすい展開が続くこと、
金曜日の欧州圏PMIはドイツの指標が良かったためネガティブな数値になりにくいと思われることから
先回りして買い上げてトレンドをつくっておこうとしているのではないだろうか」
「つまり、早ければ次週の日銀政策決定会合で「セル・オン・ザ・ファクト」、
他には次週末の米消費支出や来月第一週の米雇用統計でも「材料出尽くし」の可能性がある」
「政策維持なら確実に東証は叩き売りだし、
緩和強化でもマイナス金利強化でも足元を見られて売り叩かれる」
「今週後半には、先週とは正反対の壮烈な売り浴びせを食らって
東証とドル円はただの行って来い、海外スペックだけが大儲けという図式であろう」
「例年、円高傾向になり易いGWを控え、儚い短期的な上昇と見ている。
ロイターによれば、S&P500の予想PERが十数年ぶりの割高であるということだ」
と警告してきた当ウェブログの想定通り、
日銀の追加緩和見送りで東証も日経先物も売り叩かれ、無力さを曝け出している。
「株価が堅調だった時には能天気にはしゃいでいた安倍政権の閣僚は、
無様な沈黙を続けている。他国へ責任転嫁できる口実を必死に探しているのだ」
「「バイ・マイ・アベノミクス」と愚かな営業トークを展開した安倍首相に対し、
「セル・ユア・アベノミクス」と外国人が嘲笑しているのが現在の図式である」
「アベ相場を演出して大儲けした外国人投資家は、
日本のために日本株を買っていたのではない」
「儲かると思えば中国でも韓国でもロシアでも買うのである。
儲からないのなら売るし、下がると思うなら空売りする。
今も、アベノミクスが儲からなくなったから大挙して日本株を売り叩いているだけだ」
「当ウェブログが2013年から繰り返して指摘してきたように、
アベ相場は何ら安倍政権の手柄などではなく、
米経済回復によって円安に転じ海外資金が流入してきたためである。
それに加え無謀な日銀緩和策で儲けようと外国人投資家が群がってきたからだ」
「カネの匂いに惹かれて入ってきた海外マネーは、
アベノニクスの鍍金がはがれ損失が出そうだとなると一目散に逃げる。
ただ、それだけのことに過ぎない」
「2015年の「日経平均2万円」は、日本経済の好況を示すものでは全くなく、
後世において「アベノバブル」「安倍バブル」と呼ばれるような脆弱なものである」
と書いてきた当ウェブログの見方は、残念なことに的中してしまった。
▽ ドイツ証券の田中泰輔氏は、ドル円は暫く100円台の攻防と見ている
「日銀のマイナス金利導入によって生じた株高が、
僅か数日でほぼ潰されたのは心理的な打撃が大きい」
「原油急落の破壊力の方が強大だったわけである。
米企業が設備投資を手控えているとの報道も出ており、
ショートヘッジ若しくはショート転換が必要と判断した」
「黒田日銀の「神通力」は見るも無残に凋落し、
次のマイナス金利拡大も追加緩和も市場から嘲笑される「負け戦」となるだろう」
「『週刊エコノミスト』で市岡繁男氏が興味深い指摘を行っている。
1年前の資源価格急落と直近の銀行株の急落の形が酷似しており、
日米の銀行よりも欧州銀(特にスペイン)の下落幅が大きいため
ブラジル向け融資の多い欧州銀に危機が迫っているとの趣旨である」
「そのチャートを見て直感したのは、
ペトロブラスかヴァーレ級の資源大手の経営危機か破綻を織り込み始めているのでは、
という実に不吉な予感である。…もしそうであれば、今年は災厄の年となろう」
「米指標が良くて利上げ観測が強まっても、
米指標が悪くて利上げができなくなっても、
どのみち東証には下しかなくなる」
「現下の市況はそのように総括できるだろう。
何故なら前者の場合、原油はじめコモディティが下落することになるし、
後者の場合はドル安で割高な東証が叩き売られる。
どのみち東証は隘路に追い込まれた訳だ」
と指摘してきた当ウェブログのスタンスも勿論のこと維持している。
「東証買い戻しの原因は原油高であり、日本経済回復の前兆では全くない」
との見方にも変化はない。
▽ 市岡氏のコラムはこちら
▽ 原油反発は投機筋の買いポジション急増によるもので、必ず反対売買がある
「日銀は愈々手詰まりになり、自ら滅亡への道を驀進している。
日銀ほどの緩和を行っていないスウェーデンは3%を超える成長、
日本は1%にも達しないだろう。金融政策ばかりに依存した国の末路である」
「2016年の日本のGDP成長率が下方修正されるのは間違いない」
「黒田日銀総裁が、騙し討ちにしても市場を驚かせて意のままにしようと
マイナス金利導入という奇襲策を持ち出してきたこと自体、
日銀が完全に袋小路に陥って、自らの窮状を悟られないよう
必死になって苦しい内情を偽装している事実を証明している」
「金融政策が所期の効果を発揮しているかのように空虚な芝居を続けるしかない、
自らの失敗を認められないというのは、かように悲しいことなのだ。
黒田日銀には、完全敗北への蟻地獄をゆっくりと滑落してゆく運命しか残っていない」
「欧州での経験がまざまざと示しているように、マイナス金利の効果は限定的だ。
いくらか通貨安をもたらすだけで根本問題を何ひとつ解決はしない」
「しかも原油安によって生活が改善することを知ってしまい、
「デフレ脱却」というお題目の胡散臭さに感付いてしまった有権者は、
マイナス金利導入によって食品をはじめとする輸入価格の上昇が
日本経済の復活ではなく日本国民の購買力低下をもたらすことを認めざるを得ない」
「これ迄は米経済の回復という僥倖に恵まれてきたが、
今後は米経済減速の向かい風の中で真価が試される。
愈々選択肢が狭まってきた黒田日銀にはもう、幸運をもたらす「神風」は期待できない」
「一時的に市場を持ち上げても構図は何ひとつ変わらない。
剣によって立つ者は剣によって滅ぶように、
金融政策に依存する黒田日銀は金融政策で滅ぶことになろう」
「黒田日銀は完全に失敗した。
追加緩和をちらつかせながら「武器」を温存すれば良かったものを、
安倍政権に迎合した小細工を弄してこっぴどく市場から罰せられるに至ったのである」
「その証拠に、日銀を嘲笑うかのように日経先物と東証は叩き売られた。
中央銀行は市場を警戒させてこそ中央銀行としての力を発揮できるが、
黒田日銀のように市場から馬鹿にされるとその力は失われ、
市場に振り回される惨めな状態に追い込まれる」
「これまで黒田日銀は市場を驚かせることに成功してきたが、
それは異常な緩和策を意外なタイミングで宣告することによってであった」
「日銀のバランスシートが完全なメタボ状態で自己資本を毀損する危険性が高く、
一部大企業と投資家以外には大した恩恵が及ばないにも関わらず
実質的な自国通貨切り下げのデメリットが日本国民に明らかになりつつある現在、
日銀が市場を驚かせる時期は過ぎ、市場から侮られ翻弄されるステージに入ったと判断できる」
「黒田日銀に残されたバズーカはあとせいぜい一発で、
しかもその使用が自己を破壊する恐怖に苛まれながらトリガーを握ることになる。
今年のクリスマスは、マーケットに大寒波がやってくる可能性が高い。
海外ファンド勢が日本を叩き売ってくる可能性を想定しなければならない」
とした昨年末の当ウェブログの警告は今年年頭に実証された。
資源安による危機は依然として警戒を要する。
▽ 資源安は巨大資源企業へ深刻な打撃を与える
当ウェブログが繰り返し警告してきたように、東証と上海は沈むしかない。
似たような株価操作を行っている同類だから、当然の話である。
「次は中南海と同じような株価操作政策を行っている
東証にも甚大な災いが及ぶことになるであろう。
次元の低い安倍政権が、株価操作によって愚民を欺く粉飾政策を行っているからだ。
あさましいことに、中共の同類にまで堕ちたのだから自業自得である」
「中国当局がいかに株価を操作しようと、コモディティの需要減退を誤摩化すことはできない。
また、米利上げが経常赤字の資源国経済を直撃することは歴史的経験から明白である。
従って、今は東証を暢気にバイ&ホールドしている場合ではなくなってきている」
「中国の生産年齢人口は既にマイナスに転じた。
日本の輸出関連セクターは多かれ少なかれ中国経済と関わっており、
東証の中国関連は基本的にポートフォリオから外さなければならない」
「「中国経済は大幅な減速必至、どうあがいても米国を抜けない」とした
当ウェブログの見方は全く揺らいでいない」
「一つだけ言えるのは、いかに国有ファンドでも高値奪還はできないということだ。
そのような暴挙を行えば、素人投資家の無謀な投機を招き、必ず本物の暴落がやってくる」
「中国の生産年齢人口が減少する長い黄昏の時代に入った。
投資で経済を支えるなどというのは、愚かしい自滅行為に過ぎない」
「不動産投資の状況はもっとひどい。
日本の不動産バブル崩壊を上回るような惨状となる可能性が高い。
メディアがコントロールされていて真相が分からない上に、
地方政府が無謀な開発を煽ってきたからだ」
「中国経済は人口動態の劣化と不良債権の累増で「期待を裏切る」季節に入っている」
以下の指摘も、基本的に正しかったと言える。
「原油先物は、数日前に当ウェブログが「危険水域」と書いた40ドルを割り込み、
市場には恐怖が伝染しつつある。
火曜・水曜の原油の下げや東証の下げは異様だ」
「原油安が大した問題ではないと軽視しているエコノミストは分かっていない。
原油安は少なくとも三つの火薬庫を持つ忌まわしいヒドラで、
米社債市場の急変・サウジアラビア発の危機・グレンコア等の資源企業危機の源となり得る」
「この緩和相場は長く続かないことに注意されたい」
「長期の緩和政策によるポンジ・スキームは市場のあらゆる場所にはびこっている」
追加緩和見送りでの急落だけではない。
トランプ大統領誕生の可能性も高まっており、
円安に依存し切ったアベクロコンビの命運は風前の灯火である。
ドル108円後半、日銀の金融緩和「ゼロ回答」で3円幅の急落(reuters)
http://jp.reuters.com/article/tokyo-forex-idJPL3N17V2LW
今年年頭の日銀のマイナス金利決定時の市場の動きを見れば、
日銀会合の前にロングポジションは全て売り切るべきだったのは明白だ。
この程度で「即死」していては、到底マーケットで生き残ることはできまい。
恐らく多くの海外ファンド勢は大挙して売り叩く側に回っていたのだろう。
ラオックス(Rakuten.sec) 120 ▼ 8 昨日の急落は不吉な前兆
マツダ(Rakuten.sec) 1,812.5 ▼ 0.5 完全なヘッド&ショルダー
日経ダブルインバース(Rakuten.sec) 2,807 △ 11 直近の下限の水準が近付いている
買い戻しで足元が危うい輸出関連はショートだろう。
現物もインバースやベアにしておかなければならない。
▽ マーケットは諸行無常、何が起きるか分からない
※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
(当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)
相手の裏をかいて市場を驚かせる技術には長けていると
これまでの「実績」が証明しているからだ。
しかし、戦略的には完全に失敗しており、
異次元緩和で物価を操れるような大口をたたいて見事にしくじっている。
今回もまた、物価目標達成時期は蜃気楼のように後退しており、
自分が幻を信じ国民を欺いていたという事実を意地でも認めようとしない無様な有様を見せている。
今回、追加緩和を見込んで投機的売買を繰り返していた海外勢にひと泡吹かせることはできた。
恐らく、「弾」を温存して最大限の効果を発揮できるタイミングを狙い、
(市場が追加緩和を予想していない時である)
手の内が見透かされる危険性を避けたということであろう。
しかし、米利上げ観測の強まりという「追い風」はなくなった。
米利上げが遠のくという「逆風」の元で、自分の無力さを嫌でも味わうしかない。
追加緩和を行っても効果は一瞬、行わなければこっぴどく売り叩かれる。
どちらにしても「負け戦」であることに変わりはない。
惨めな総裁は、ロンメル将軍のように過去の栄光が崩れ去り、
連敗の道を歩み続けるしかなくなってきているのだ。
「日本経済が刻々と悪化している現状に違いはない。
スペックの先物買いとショート買い戻しで日本経済が回復することはあり得ないからだ」
「スペックの思惑としては、ECB理事会にFOMC、日銀政策決定会合とイベントが続く中、
各国中銀がマーケットにネガティブサプライズを与える可能性は低く
所謂「アク抜け」で上方向に向かいやすい展開が続くこと、
金曜日の欧州圏PMIはドイツの指標が良かったためネガティブな数値になりにくいと思われることから
先回りして買い上げてトレンドをつくっておこうとしているのではないだろうか」
「つまり、早ければ次週の日銀政策決定会合で「セル・オン・ザ・ファクト」、
他には次週末の米消費支出や来月第一週の米雇用統計でも「材料出尽くし」の可能性がある」
「政策維持なら確実に東証は叩き売りだし、
緩和強化でもマイナス金利強化でも足元を見られて売り叩かれる」
「今週後半には、先週とは正反対の壮烈な売り浴びせを食らって
東証とドル円はただの行って来い、海外スペックだけが大儲けという図式であろう」
「例年、円高傾向になり易いGWを控え、儚い短期的な上昇と見ている。
ロイターによれば、S&P500の予想PERが十数年ぶりの割高であるということだ」
と警告してきた当ウェブログの想定通り、
日銀の追加緩和見送りで東証も日経先物も売り叩かれ、無力さを曝け出している。
「株価が堅調だった時には能天気にはしゃいでいた安倍政権の閣僚は、
無様な沈黙を続けている。他国へ責任転嫁できる口実を必死に探しているのだ」
「「バイ・マイ・アベノミクス」と愚かな営業トークを展開した安倍首相に対し、
「セル・ユア・アベノミクス」と外国人が嘲笑しているのが現在の図式である」
「アベ相場を演出して大儲けした外国人投資家は、
日本のために日本株を買っていたのではない」
「儲かると思えば中国でも韓国でもロシアでも買うのである。
儲からないのなら売るし、下がると思うなら空売りする。
今も、アベノミクスが儲からなくなったから大挙して日本株を売り叩いているだけだ」
「当ウェブログが2013年から繰り返して指摘してきたように、
アベ相場は何ら安倍政権の手柄などではなく、
米経済回復によって円安に転じ海外資金が流入してきたためである。
それに加え無謀な日銀緩和策で儲けようと外国人投資家が群がってきたからだ」
「カネの匂いに惹かれて入ってきた海外マネーは、
アベノニクスの鍍金がはがれ損失が出そうだとなると一目散に逃げる。
ただ、それだけのことに過ぎない」
「2015年の「日経平均2万円」は、日本経済の好況を示すものでは全くなく、
後世において「アベノバブル」「安倍バブル」と呼ばれるような脆弱なものである」
と書いてきた当ウェブログの見方は、残念なことに的中してしまった。
▽ ドイツ証券の田中泰輔氏は、ドル円は暫く100円台の攻防と見ている
『週刊ダイヤモンド』2016年 4/23号 (保険 見直すなら最後のチャンス!) | |
「日銀のマイナス金利導入によって生じた株高が、
僅か数日でほぼ潰されたのは心理的な打撃が大きい」
「原油急落の破壊力の方が強大だったわけである。
米企業が設備投資を手控えているとの報道も出ており、
ショートヘッジ若しくはショート転換が必要と判断した」
「黒田日銀の「神通力」は見るも無残に凋落し、
次のマイナス金利拡大も追加緩和も市場から嘲笑される「負け戦」となるだろう」
「『週刊エコノミスト』で市岡繁男氏が興味深い指摘を行っている。
1年前の資源価格急落と直近の銀行株の急落の形が酷似しており、
日米の銀行よりも欧州銀(特にスペイン)の下落幅が大きいため
ブラジル向け融資の多い欧州銀に危機が迫っているとの趣旨である」
「そのチャートを見て直感したのは、
ペトロブラスかヴァーレ級の資源大手の経営危機か破綻を織り込み始めているのでは、
という実に不吉な予感である。…もしそうであれば、今年は災厄の年となろう」
「米指標が良くて利上げ観測が強まっても、
米指標が悪くて利上げができなくなっても、
どのみち東証には下しかなくなる」
「現下の市況はそのように総括できるだろう。
何故なら前者の場合、原油はじめコモディティが下落することになるし、
後者の場合はドル安で割高な東証が叩き売られる。
どのみち東証は隘路に追い込まれた訳だ」
と指摘してきた当ウェブログのスタンスも勿論のこと維持している。
「東証買い戻しの原因は原油高であり、日本経済回復の前兆では全くない」
との見方にも変化はない。
▽ 市岡氏のコラムはこちら
『週刊エコノミスト』2016年2月9日号 | |
▽ 原油反発は投機筋の買いポジション急増によるもので、必ず反対売買がある
『週刊エコノミスト』2016年03月29日号 | |
「日銀は愈々手詰まりになり、自ら滅亡への道を驀進している。
日銀ほどの緩和を行っていないスウェーデンは3%を超える成長、
日本は1%にも達しないだろう。金融政策ばかりに依存した国の末路である」
「2016年の日本のGDP成長率が下方修正されるのは間違いない」
「黒田日銀総裁が、騙し討ちにしても市場を驚かせて意のままにしようと
マイナス金利導入という奇襲策を持ち出してきたこと自体、
日銀が完全に袋小路に陥って、自らの窮状を悟られないよう
必死になって苦しい内情を偽装している事実を証明している」
「金融政策が所期の効果を発揮しているかのように空虚な芝居を続けるしかない、
自らの失敗を認められないというのは、かように悲しいことなのだ。
黒田日銀には、完全敗北への蟻地獄をゆっくりと滑落してゆく運命しか残っていない」
「欧州での経験がまざまざと示しているように、マイナス金利の効果は限定的だ。
いくらか通貨安をもたらすだけで根本問題を何ひとつ解決はしない」
「しかも原油安によって生活が改善することを知ってしまい、
「デフレ脱却」というお題目の胡散臭さに感付いてしまった有権者は、
マイナス金利導入によって食品をはじめとする輸入価格の上昇が
日本経済の復活ではなく日本国民の購買力低下をもたらすことを認めざるを得ない」
「これ迄は米経済の回復という僥倖に恵まれてきたが、
今後は米経済減速の向かい風の中で真価が試される。
愈々選択肢が狭まってきた黒田日銀にはもう、幸運をもたらす「神風」は期待できない」
「一時的に市場を持ち上げても構図は何ひとつ変わらない。
剣によって立つ者は剣によって滅ぶように、
金融政策に依存する黒田日銀は金融政策で滅ぶことになろう」
「黒田日銀は完全に失敗した。
追加緩和をちらつかせながら「武器」を温存すれば良かったものを、
安倍政権に迎合した小細工を弄してこっぴどく市場から罰せられるに至ったのである」
「その証拠に、日銀を嘲笑うかのように日経先物と東証は叩き売られた。
中央銀行は市場を警戒させてこそ中央銀行としての力を発揮できるが、
黒田日銀のように市場から馬鹿にされるとその力は失われ、
市場に振り回される惨めな状態に追い込まれる」
「これまで黒田日銀は市場を驚かせることに成功してきたが、
それは異常な緩和策を意外なタイミングで宣告することによってであった」
「日銀のバランスシートが完全なメタボ状態で自己資本を毀損する危険性が高く、
一部大企業と投資家以外には大した恩恵が及ばないにも関わらず
実質的な自国通貨切り下げのデメリットが日本国民に明らかになりつつある現在、
日銀が市場を驚かせる時期は過ぎ、市場から侮られ翻弄されるステージに入ったと判断できる」
「黒田日銀に残されたバズーカはあとせいぜい一発で、
しかもその使用が自己を破壊する恐怖に苛まれながらトリガーを握ることになる。
今年のクリスマスは、マーケットに大寒波がやってくる可能性が高い。
海外ファンド勢が日本を叩き売ってくる可能性を想定しなければならない」
とした昨年末の当ウェブログの警告は今年年頭に実証された。
資源安による危機は依然として警戒を要する。
▽ 資源安は巨大資源企業へ深刻な打撃を与える
『週刊エコノミスト』2016年01月26日号 | |
当ウェブログが繰り返し警告してきたように、東証と上海は沈むしかない。
似たような株価操作を行っている同類だから、当然の話である。
「次は中南海と同じような株価操作政策を行っている
東証にも甚大な災いが及ぶことになるであろう。
次元の低い安倍政権が、株価操作によって愚民を欺く粉飾政策を行っているからだ。
あさましいことに、中共の同類にまで堕ちたのだから自業自得である」
「中国当局がいかに株価を操作しようと、コモディティの需要減退を誤摩化すことはできない。
また、米利上げが経常赤字の資源国経済を直撃することは歴史的経験から明白である。
従って、今は東証を暢気にバイ&ホールドしている場合ではなくなってきている」
「中国の生産年齢人口は既にマイナスに転じた。
日本の輸出関連セクターは多かれ少なかれ中国経済と関わっており、
東証の中国関連は基本的にポートフォリオから外さなければならない」
「「中国経済は大幅な減速必至、どうあがいても米国を抜けない」とした
当ウェブログの見方は全く揺らいでいない」
「一つだけ言えるのは、いかに国有ファンドでも高値奪還はできないということだ。
そのような暴挙を行えば、素人投資家の無謀な投機を招き、必ず本物の暴落がやってくる」
「中国の生産年齢人口が減少する長い黄昏の時代に入った。
投資で経済を支えるなどというのは、愚かしい自滅行為に過ぎない」
「不動産投資の状況はもっとひどい。
日本の不動産バブル崩壊を上回るような惨状となる可能性が高い。
メディアがコントロールされていて真相が分からない上に、
地方政府が無謀な開発を煽ってきたからだ」
「中国経済は人口動態の劣化と不良債権の累増で「期待を裏切る」季節に入っている」
以下の指摘も、基本的に正しかったと言える。
「原油先物は、数日前に当ウェブログが「危険水域」と書いた40ドルを割り込み、
市場には恐怖が伝染しつつある。
火曜・水曜の原油の下げや東証の下げは異様だ」
「原油安が大した問題ではないと軽視しているエコノミストは分かっていない。
原油安は少なくとも三つの火薬庫を持つ忌まわしいヒドラで、
米社債市場の急変・サウジアラビア発の危機・グレンコア等の資源企業危機の源となり得る」
「この緩和相場は長く続かないことに注意されたい」
「長期の緩和政策によるポンジ・スキームは市場のあらゆる場所にはびこっている」
追加緩和見送りでの急落だけではない。
トランプ大統領誕生の可能性も高まっており、
円安に依存し切ったアベクロコンビの命運は風前の灯火である。
ドル108円後半、日銀の金融緩和「ゼロ回答」で3円幅の急落(reuters)
http://jp.reuters.com/article/tokyo-forex-idJPL3N17V2LW
”午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、大幅にドル安/円高の108円後半。日銀が金融政策決定会合で政策の現状維持を決定したことを受け、ドル/円とユーロ/円は共に3円幅で急落。その後は、若干反発したが、東京市場が休場となる明日にかけて、引き続きドルの下値リスクが警戒されている。
午前の取引で、ドルは111円台後半で強含み。日銀の追加緩和の思惑から海外ファンド勢を中心にドル買い/円売りが広がっていた。
しかし、正午過ぎに、日銀が金融政策の現状維持を発表すると、パニック的なドル売りが集中。ドルは3分間で111.70円付近から108.75円付近まで急落した。
〔中略〕
市場からは「今回カードを切ってしまうと、この先やれることがなくなって日銀は相当苦しくなる。現状維持で111円台から2、3円落ちるかもしれないが、106─107円台まで落ちることはないと踏んだのだろう」(国内金融機関)との声が出ていた。
ただ、この日も朝方から海外ファンドが日本株とドル/円を買い上げており、こうしたファンドではドルの急落により大きな損失を被ったという。
「追加緩和で盛り上がっていたファンド勢は、決定会合直後のドル急落で即死」(外銀)だとされ、「証券会社などからもブーイングが聞こえてくる」(同)という。
きょうのドル安/円高の背景には、日銀が広く期待されていた追加緩和を実施しなかったことに加え、27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に公表した声明に「6月の利上げを市場に織り込ませるような内容が盛り込まれなかった」(国内エコノミスト)こともあるという。
FOMC声明を受けて市場では「6月ばかりではなく、年末に向けても利上げはできないかもしれないと考え始めている」(同)との声が聞かれ、ドル買いの意欲を削いでいる、という。
また「今晩と東京市場が休場の明日にドルの下値不安が残りそうだ」と三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏は予想する。
今後は、中国経済のバブル崩壊とその後のソフトランディングの実現可能性に再び関心が向けられるだろう。中国経済の状況次第では、現在は底入れしたかにみえる原油価格も、反落の余地がある、と同氏はみている。〔中略〕 (森佳子)”
今年年頭の日銀のマイナス金利決定時の市場の動きを見れば、
日銀会合の前にロングポジションは全て売り切るべきだったのは明白だ。
この程度で「即死」していては、到底マーケットで生き残ることはできまい。
恐らく多くの海外ファンド勢は大挙して売り叩く側に回っていたのだろう。
ラオックス(Rakuten.sec) 120 ▼ 8 昨日の急落は不吉な前兆
マツダ(Rakuten.sec) 1,812.5 ▼ 0.5 完全なヘッド&ショルダー
日経ダブルインバース(Rakuten.sec) 2,807 △ 11 直近の下限の水準が近付いている
買い戻しで足元が危うい輸出関連はショートだろう。
現物もインバースやベアにしておかなければならない。
▽ マーケットは諸行無常、何が起きるか分からない
『ヘッジホッグ―アブない金融錬金術師たち』(日本経済新聞出版社) | |
※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
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(当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)