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ふるさと納税業者は「自治体を食い物にするハゲタカ」-1500億円を奪い、恩恵は自治体の0.4%に集中

2023-12-08 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
菅義偉のもたらした害はコロナ対策の大失敗だけではない。
ライドシェアのような筋の悪い場当たりな政策案を出すことだけでもない。
そもそも根本的に、提唱する政策が殆ど例外なく有害なのだ。

携帯料金の値下げ圧力はまだしも害の少ない方であり、
(本来なら日本国民の所得を伸ばし、5G投資を促進する方が先決だった)
年々弊害が大きくなるのはもはや悪名高い「ふるさと納税」である。

ふるさと納税は発想としては悪くないが極一部の自治体にばかり
使い切れないカネが溜まって行く一方、しかも仲介業者が暴利を貪って
自治体に「ハゲタカ」と陰口を叩かれる始末である。

しかも地方創生どころか地方の少子高齢化と社会減(人口流出)は止まらない。
ふるさと納税は原発立地自治体の補助金のような「麻薬」のようになり果てたのだ。

▽ 長野県下條など卓越した自治体は、公務の人件費をカットして次世代育成に投資した

『奇跡の村 地方は「人」で再生する』(相川俊英,集英社)


自民党の地方創生は、「バラ撒き」しかもたらさない。
最初から分かり切った、大失敗必至であったと証明されたことになる。

「「地方創生」と聞いてすぐ思い浮かべるのは、
 バブル期に自民党政権が行なった愚劣な「ふるさと創生」である。
 1億円をバラまいて今は寧ろ不良債権のようになっている自治体も多い」

「今回の「地方創生」も所詮は同じである。
 支持率が下がっている安倍内閣の人気取り、姑息な地方選挙対策が本質である。
 ふるさと納税の税制優遇拡大や地方企業の税負担軽減などが挙がっているが、
 これまでの「ふるさと創生」や地方振興策がことごとく失敗に終わったという
 「不都合な事実」を直視し真摯に反省することなしに成果が出る筈はない」

「本気で地域経済の梃入れを行なおうと考えるなら、
 大企業正社員や公務員の退職金の税控除を大幅縮小し、
 その全額を育児世帯への現物給付に移転するのが最も効果的である」

「また、原子力発電を半永久的に凍結し、環境税を引き上げて
 税収を全額コージェネ推進と木質バイオマス熱利用に投入すべきである。
 エネルギー需要地では一気に熱利用が進み、
 化石燃料の輸入は大幅減少、その分は内需に還流する」

「農業では日本版AOC(原産地呼称)の導入、
 漁業では漁獲枠の大規模導入、林業では国産材建築の推進、
 木質バイオマス・コージェネの発電分の固定価格買い取り、
 食産業ではMOF(国家最優秀職人章)の導入、
 我が国の政府も官庁もこうした必要な施策を全く実行していない」

「非常に豊かな田舎がある欧州では地域資源の磨き方が巧みだし、
 自らの地域の良さをよく理解しているし活用法も優れている」

「うまくいった活性化策に「視察者が殺到」するのは結構だが、
 視察した後、何らかの成功に結びつけた事例が皆無に等しい。
 公費を使った視察に明確な成果がなければ、行政訴訟の対象とすべきである」

「「地方創生」なるバズワードは、政治感覚の鋭い者ならすぐ分かるように、
 自民党政権による有権者を丸め込む地方統一選向けのプロモーションに過ぎない」

「関係閣僚は「バラ撒きにはしない」などとほざいているが、
 安倍内閣の「国土強靭化」そのものが明白な業界バラ撒きなのだから、
 最初の第一歩から間違っている、もしくは有権者を騙そうとしているかのいずれかだ。
 (自民党の体質から見て、その両方である可能性が極めて高い)」

「直近では「地方創生」と称して東京23区の大企業の本社機能を
 地方に移転すれば税優遇という、シャープ亀山工場の失敗から全く学習していない
 「次元の低い」政策案を大真面目で出してきた」

「確かに企業経営の観点から言えばリスク軽減のために地方移転も必要だが、
 それは「地方創生」ではない。自分を安売りする租税競争の国内版でしかない」

「「地方創生」に寄与するのは、地域の実態や特性に根づいた
 付加価値創造に長けている多様な中小企業の存在である。
 そのような中小企業を政府が生み出したり育てたりすることはできない」

「ただ補助金や税軽減だけで釣られてくる大企業は
 自治体からいくらカネを貰えるかしか考えず、すぐに出てゆく厄介者だ」

「エリック・シュローサーはアメリカの大企業が州政府を脅し、
 移転をちらつかせて州政府から更なる恩典を脅し取る実態を書いている」

「ふるさと納税の上限引き上げは悪くないが、
 この程度の軽減では大した効果がないだろう」

「どうせまた、「人口減や地方経済の衰退に歯止めをかけ」るのに失敗しても
 政府も与党もキャリア官僚も、誰一人として責任を取らないのは間違いない」

「「ベンチャー企業への投資優遇税制」も、これまで死屍累々の政策だ。
 これまでの失策を全く反省せず有権者のカネをバラ撒きに使う
 政府や与党らしい腑抜けた政策案だ」

「投資庁によって対内投資を積極的に募るスウェーデンや、
 観光プロモーションが巧みな欧州国から学ぶ能力が根本的に欠如している」

「日本財団の18歳意識調査では、安倍の地方創生が
 「うまくいっている」と考える者が5%にも満たない。
 安倍は碌な政策を行っていないのだから、当然の帰結と言えるだろう。
 (それどころか菅が「ふるさと納税」バブルと大混乱を引き起こす始末)」

「しかも若者は安倍政権下ですっかり「劣化」しており、
 魅力ある大学がない、経済的メリットがない、
 官庁が移転してくればいいと我が儘放題、言いたい放題である」

「公立大学としては驚くべき成功を収めた国際教養大学で
 地元出身者の比率が激減して大問題になっている事実すら理解していないのだ。
 国際教養大学ができて、秋田県の人口流出が止まったとでも考えているのか?
 かつてのバングラディッシュのように、自らの惨状を誇張して援助を乞うのは間違っている」

「ただ、地方の若者を責めるのは正しくない。若者達は
 利己的で無責任な自民党議員の悪影響を受けて歪められただけであり、
 都市圏でホテルが急増しただの、経団連に調査を求めるだの責任転嫁する片山や、
 若者は高齢者のために地方に行って雪かきしろととんでもない暴言を放つ自民党政務官など
 真に批判されるべき対象は自民党議員であり、無責任の元凶である安倍なのである」

「周知の通り、東京圏への人口流入は23年連続で転入超過。
 転入が転出をおよそ14万人も上回るという状況で、
 安倍の「地方創生」は予算の無駄、役立たずという結論になろう」

「文科省の官僚のクビを握った官邸は
 大都市圏の大学定員管理厳格化を強行させたが、
 加計学園のような地方私大の経営陣を潤すだけで人口流出は変わらず、
 矢張り腐敗した安倍らしい「利益誘導政策」の一つに過ぎなかった訳である」

「おまけに地方創生担当相の片山はこの惨憺たる結果を
 「東京圏でのホテル急増」のせいだとすぐさま責任転嫁し、
 経団連など経済団体に「実態調査を求める」と言い放った」

「自民党の鈴木外務政務官に至っては「雪国で若者の就農を促し」
 などと若年層を将棋のコマか何かのように扱う始末。
 (このような増長議員の歳費をカットして予算に充当すべきであろう)」

「中共のように国民を思い通りに動かせると勘違いしているのか、
 安倍自民はまさに「頭から腐る」状況になっていることがよく分かる」

「腐った頭からは腐った政策と予算の無駄しか生じない訳で、
 大失敗した安倍や菅をクビにして権力の座から駆逐するのが信賞必罰なのだが
 惰眠を貪るB層が保守退嬰のため日本を衰退させる現況を延命させてしまっている」

「その結果、「地方の中小企業で働いたらカネを払う」
 「AIやIoTで地方創生」という碌でもない政策案ばかり出てきており、
 日本の政策の劣化は太平洋戦争時と同じ様な壊滅的状況に陥っている。。
 (大失敗した参謀の責任を問わず使い続けた大本営と全く同じである)」

「「地方創生」は惨憺たる失敗で
 選挙でB層を騙すための売り文句に過ぎなかった、ということだ。
 14万人の転入超を13万弱に減らしたところで手柄になどなるわけがない。
 予算効率・費用対効果から言えば「役立たず」以外の何ものでもない」

「大学の定員厳格化は、受験生を散々犠牲にして地方私大を助けるだけ、
 人口流出は変わっていないのだから「小手先」「糊塗策」である。
 人口減が予想されていたのに大学を粗製濫造した自民党が責任を誤摩化しただけの話」

「B層を騙すための案を手を変え品を変え繰り出す様は
 特殊詐欺グループの手口とそっくりである。
 何一つ検証せず責任も取らない詐欺政党が政権に入るとこうなるのだ。
 技術を活用すること自体は結構だが、政府が音頭をとって寧ろ失敗する例は余りに多い。
 (過去の経産省の大プロジェクトが死屍累々であるのがその証拠)」

「地方でも驚くべき成功を収めている自治体は複数ある。
 しかし、その共通点は「地域主導」であり「政府主導」ではない。
 だから政府の詐欺的な「地方創生」は常に失敗する運命なのだ」

安倍政権下で少し進んだのは地理的表示保護制度(GI)ぐらいで、他は論外という状況だ。

▽ 自治体がカネを出しても、企業は「税金を安くしなければここから出ていく」と言うだけである

『ファストフードが世界を食いつくす』(エリック・シュローサー,草思社)


▽ 海外事例の研究もしない評論家は、地方企業に法人減税すれば出生率が上がると机上の空論

『日本の生き筋ーー家族大切主義が日本を救う』(北野幸伯,扶桑社)


矢張り「「地方創生」と僭称する次元の低い政策案しか報じられず、
当ウェブログの指摘した通り、さもしい選挙対策に堕してしまうのは間違いない」結果である。

「日経記事の素晴らしいところは高齢化や少子化の影響が大きく、
 観光客増の効果を打ち消してしまったと指摘している点である」

「地方創生は、真に効果があるのであれば勿論異論はないが、
 安倍と自民の「地方創生」は完全に口だけのバラ撒きであり
 実態は「地方衰退加速」でしかないのは厳然たる事実だ」

「これは勿論、保身と腐敗の塊である安倍自民の程度の悪さが主因だが、
 政府が関わると必ずと言って良い程に地方振興策は失敗すること、
 成功例を見ると悉く「政府や省庁が関わっていない地域主導型」であることから、
 地方創生が失敗した理由は「政府や省庁が余計な政策で邪魔したから」なのだと言える」

「例えば日本ワインの隆盛は営々と品質改善を続けた生産者の努力と工夫のお蔭であり、
 インバウンドで高い評価を受けている地域も全てボトムアップ型の成長である」

「ただ、そうした成功事例のある地域でも少子高齢化・社会減に苦しんでおり、
 真の地方創生には長野県下條のような強力な人口政策が不可欠であることも
 既にして明らかになっていると言えよう」

「観光で成功すること自体は良いのだが、
 観光客は通常、住民よりも消費額が圧倒的に低い。
 納税においても地域貢献度は低いのである」

「インバウンドでの成功例に挙げられる京都や高山の人口動態を見ても明らかなように、
 人口政策なくして地方創生の成功はあり得ない」

地方衰退はそもそも自民党政権と地方自治体に原因があるのだから、
失敗に終わるのは最初から分かり切った話、戦略的・戦術的に「必敗」なのだ。

 ↓ 参考

「高齢化や人口減が観光客の増加を打ち消している」- 安倍の「地方創生」は大嘘、地方衰退が鮮明に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/699090e435b39e67e95634d1e3f98c10

「地方創生はうまくいっている」僅か4.8%、安倍は嘘と失態ばかり - 自民党議員は責任転嫁に必死
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/63c62f00163729bbe3847305bbc2a024

本社移転の税優遇でも大学定員管理でも徒労に、地方創生を唱えて人口流出 - 安倍の政策は死屍累々
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9f7064201ab6c145f6e4df28e7eec6e6

「奇跡の村」下條の出生率回復は住宅等の現物給付が主因、行政改革でも卓越 - 低次元の安倍政権と大違い
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/08bd9d382dd2624bd567b845d473189

▽ 政府の愚かな方針に従う地域は衰退へ、地方創生の失敗は過去の事実により容易に予想できる

『反骨の公務員、町をみがく---内子町・岡田文淑の町並み、村並み保存』(森まゆみ,亜紀書房)


ふるさと納税の倍増へ菅前首相「2兆円という目標は必要だ」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20230819-OYT1T50154/
”自民党の菅前首相は19日、長野市で講演し、総務相時代に提唱した「ふるさと納税」の規模について、「総額2兆円という目標は必要だ。自然にそうなっていくことが望ましい」と述べた。〔以下略〕”

なぜこの人物が議員を辞めないのか不可思議だが、
総額2兆円に達すれば一部自治体が使い切れない資金が山積み必至だが
儲け倍増のふるさと納税仲介業者だけが大喜びであろう。


ふるさと納税の1人あたり受け入れ額で上位50自治体、積み立て残高が4年間で倍増…和歌山・北山村は税収20年分に(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20231105-OYT1T50164/
”ふるさと納税制度で、2022年度に人口1人あたりの寄付受け入れ額が多かった上位50市町村の「特定目的基金」の残高(21年度末)が1905億円に上り、17年度末比で倍増していることが、読売新聞の調査でわかった。財政規模に対し、寄付金が多すぎることが理由で、多くが基金の具体的な使途を決めないまま積み上げ続けている。急増する寄付金を有効活用できていない実情が浮かぶ。
〔中略〕
 総務省の公表データを分析すると、全1741市区町村の特定目的基金の21年度末残高は計8兆4857億円で、17年度末から6793億円(8.7%)増えていた。22年度に人口1人あたりの寄付額が多かった上位50市町村で見たところ、計1905億円で17年度末(計962億円)から98%増。全市区町村と比べ、伸び幅が際立っていた。
 また、自治体の財政規模を示す地方税収と比較すると、50市町村は2年9か月分に相当する基金を積み立てていることになり、こちらも全市区町村(5か月分)を上回る規模だった。1人あたりの寄付額が229万円と最も多かった和歌山県北山村は、税収20年分以上の金額を積み立てている。
 全国の自治体が受け入れた寄付総額は、22年度に9654億円に上り、3年連続過去最高を更新。50市町村は人口ベースで日本の0.4%にすぎないが、寄付総額の17%(1693億円)が集中している。
 基金残高が増えているのは、財政規模に対し、寄付が多すぎるためだ。50市町村に取材したところ、具体的な使途予定を回答した自治体は7市町にとどまった。

 総務省は「自治体には寄付金の使途を明確にするよう求めている。有効に使われていないのであれば問題だ」としている。”

菅とヒラメ官僚のお粗末な制度設計がこのような偏頗な結果をもたらした。
自治体ごとに受入額に上限を設定しないからこうなるのだ。


得をするのは富裕層と仲介業者だけ…ふるさとが潤わない「ふるさと納税」の歪んだ構図(president.jp)
http://president.jp/articles/-/76147
”■浮き彫りになった「ふるさと納税」の問題点
「官製ネット通販」と揶揄され、1兆円規模にまで膨れ上がった「ふるさと納税」。年末のかきいれ時を迎え、1000万人近くにまで広がった利用者が「おとくな返礼品」を探し求めて、あまたの「ふるさと納税サイト」をはしごしている。
 地方自治体も、地場産業も、寄付者も、「三方一両得」の制度として始まったふるさと納税だが、市場の拡大とともに本来の趣旨が忘れ去られ、さまざまな問題点が浮き彫りになってきた。
 今、利用者が寄付した税金のうち1500億円規模にも上る巨額のマネーが、全国の自治体とは無縁の東京の仲介サイト業者などに掠め取られている実態をご存知だろうか。
善意の寄付が制度につけ込んだ民間業者の懐に入ってしまっているのだ。
 もう一つ。高額所得者ほど寄付額の上限が高くなる仕組みを使って合法的な節税対策として利用されていることを承知しているだろうか。納めるべき所得税や住民税が肉や魚の返礼品にすり替わり、住んでいる自治体に納付されず住民サービスに支障をきたしているのである。
〔中略〕
 ふるさと納税を主唱した菅義偉前首相は「2兆円」を目標に掲げたが、規模が大きくなることは弊害も大きくなることにつながる。
 ふるさと納税が健全な制度として持続的に発展するためには、小手先の手直しではなく、原点に立ち戻る抜本的な改革を行わねばならないタイミングを迎えている。

〔中略〕
 ふるさと納税は、「自分のふるさとや縁のある地域に寄付(納税)して、元気になってもらおう」という趣旨の寄附金税制の一つで、2008年にスタートした。
 政策的に言えば、地方と大都市の格差是正や人口減地域における税収減対策を、自治体と庶民の間で進めようというもので、個人が納める税の一部移転ということになる。税法上は、寄付額を住民税から控除する仕組みで、当初の上限は住民税のおおむね1割、現在はおおむね2割。所得税も、税率に応じて一部控除される。ただ、寄付しようとすれば2000円の自己負担金が持ち出しになる。
 税収の少ない地方自治体が自由に使える寄付金で少し財源が潤い、販路が限られていた地場産業は返礼品需要で少し活性化し、ふるさとに貢献したくてもなかなかできなかった利用者が少し満足感を味わい返礼品まで受け取って少し得した気分になるという、「三方よし」の制度といえた。
〔中略〕
 知る人ぞ知る制度で、11年に東日本大震災で被災自治体への寄付が急増したものの、しばらくの間は、寄付者は10万人余り、総額も100億円余りで推移していた。

■寄付金の獲得競争が全国に広がった
 ところが、地場の特産品を返礼品としてふるさと納税を募る自治体が現れるようになり、その動きはやがて全国に広がって寄付金獲得の競争が始まった。
 いつのまにか、寄付金を集めること自体が目的化し、もともとの狙いが変質していったのである。
 そして2015年。寄付できる金額の上限が倍増(住民税控除額の上限を1割から2割に引き上げ)し、確定申告が不要となるワンストップ特例の導入で手続きが簡略化されると、事情が一変する。
 ふるさと納税がにわかに注目を集め、利用者の意識も様変わり。返礼品が税金の還元策になることがわかると、自らのふるさとへの貢献など置き忘れ、ネットに並ぶ返礼品の品定めに血眼になった。高額返礼品を受け取り実質的な節税にいそしむ高額所得者の姿も目立つようになった。
 寄付者は100万人を超え、寄付総額は一気に1500億円規模にまで膨れ上がった。

 そうなると、利用者の関心を誘うためには地場の特産品だけでは足りず、地場産業以外の返礼品や地場産業とは関係のない商品券や金券まで提供する自治体も現れ、「寄付金争奪戦」はますますエスカレートした。

■仲介サイト業者が続々と参入
 とはいえ、ビジネスとは無縁の地方公務員が、十分な実務のノウハウを持ち合わせているわけもない。
 そんな事情に目をつけたのが、ネット通販などに長けている中央の民間業者だった。最初に仕掛けたのはベンチャーの「ふるさとチョイス」で、IT企業アイモバイル系の「ふるなび」、ソフトバンク系の「さとふる」、「楽天ふるさと納税」の楽天など、大手業者が続々と「ふるさと納税サイト(仲介サイト)」事業に参入した。本来、自治体が行わなければならない実務を、業務委託として請け負い、仲介手数料を得るなど、さまざまな形で全国の自治体に関与していったのである。
 どの仲介サイトも、自治体ごとの返礼品はもちろん、肉・魚・果物・民芸品などにジャンル分けされ寄付額に応じて整理された全国の返礼品が一目でわかる「ふるさと納税サイト」を展開し、利用者を寄付に誘った。
〔中略〕
■利用者は300倍、寄付総額は約120倍に急拡大
 ふるさと納税の22年度の利用者は891万人で、スタートした08年度の3万人余りに比べると実に約300倍。寄付件数は5184万件と14年連続で過去最多を更新し、寄付総額は9654億円にまで膨れ上がった。08年は81億円だったから約120倍に膨張、この3年間に限っても倍増している。

 寄付受入額トップの自治体は、宮崎県都城市で約196億円。北海道紋別市約194億円、同根室市約176億円、同白糠町約148億円、大阪府泉佐野市約138億円、佐賀県上峰町約109億円と、「100億円自治体」が続く。
 昨今は過大に集まった寄付金の使い道に苦慮する「うれしい悲鳴」を上げる自治体も出ているという。
 一方、利用者の大半を抱える大都市圏では、本来入ってくるはずだった多額の住民税が地方の自治体に流失し、住民サービスに支障が出始めるようになった。寄付に伴う23年度の住民税の減収総額(いわゆる「赤字」)は全国で6798億円となり、もっとも多い横浜市は272億円に達する。名古屋市、大阪市、川崎市も軒並み100億円を超える。こちらは、本当の悲鳴だ。
〔中略〕
 こうなると、話は違ってくる。
 当初は静観していた総務省だが、各方面からさまざまな問題点が指摘されるようになって、規制策を打ち出さざるを得なくなった。
 まず19年に、「返礼品は地場産品に限り調達費は寄付額の3割以下」(3割ルール)、「返礼品+経費の総額は寄付額の5割以下」(5割ルール)という「御触れ」を出し、ルールを遵守した自治体のみがふるさと納税を実施できる制度(指定制度)を導入した。
 たとえば、寄付金が10万円の場合、返礼品の調達費は3万円以下、送料や仲介サイトに支払う手数料、広告費などを含めた総経費は5万円以下に抑えなければならなくなった。寄付額のせめて半分は自治体に入るよう指導したのである。
 ところが、仲介サイトのPR合戦にもあおられて、返礼品競争はヒートアップ。「御触れ」を無視するかのように、高額の返礼品を提供したり、多額の経費をつぎ込む自治体が続出。読売新聞の調べによると、21年度に「5割ルール」を超えた自治体は138市町村に上ったという。
 さらに、新たな問題が露見する。仲介サイトが、「5割ルール」の枠外として、システム管理費や顧客情報管理費など「募集外(ボガイ)」と称するさまざまな手数料を、自治体から広く徴収していたことが判明したのだ。


■小手先の対策では不十分
 また、これまで「5割ルール」の対象外だった、自治体が発行する寄付金受領証やワンストップ特例に関わる事務費も、無視できない額になってきた。
 こうした「隠れ経費」を含めると、多くの自治体が「返礼品+経費」が5割を超えてしまう
という。
 このため、総務省は10月から、経費の算定基準を厳格化して「隠れ経費」をすべて加え、地場産品の基準も厳しくした「新5割ルール」の実施に踏み切った。
 しかし、いずれも小手先の対策に過ぎず、とても抜本的な見直しとは言い難い。

 あらためて、ふるさと納税の問題点を整理してみる。
①巨額の税金が仲介サイト業者に流出している
②業者に支払う経費の算定基準や内容が不透明
③高額所得者ほど実質的な節税効果が大きい
④返礼品や経費のコストが重く、寄付額の半分程度しか自治体に入らない
⑤地場産品の人気度によって寄付金受け入れの自治体間格差が大きい
⑥大都市圏の自治体は流出額が大きく、住民サービスに支障が出ている
⑦利用者の大半は返礼品目当てで、ふるさとへの貢献という理念がかすんでいる
⑧ふるさと納税に絡んだ不祥事が続発し、贈収賄のような刑事事件まで起きている
など、枚挙に暇がない。
 ふるさと納税の寄付総額が100億円前後の10年前ならともかく、今や市場は1兆円規模となり、さらに拡大が見込まれるだけに、どれをとってももはや看過できなくなった。

■寄付額の15%抜き取られる…仲介業者に逆らえなくなった地方自治体
 とくに、重要な問題点を深掘りしてみる。
 まず①と②について。
「5割ルール」では、返礼品の調達額は3000億円程度、経費は2000億円程度になるが、経費のうちかなりの額が仲介手数料や決済手数料、顧客リスト管理費、販売促進費、広告宣伝費などの名目で、仲介サイトの運営業者に支払われている。
 寄付金受け入れ額ランキングに名を連ねる九州のある自治体の担当者によると、あれやこれやで仲介サイト業者に支払う金額は寄付額の15%程度に上り、しかも手数料などの料率は仲介サイト業者から一方的に提示され、不満を感じても交渉の余地はほとんどないという。
 担当者に言わせれば「無垢(むく)な自治体を食い物にするハゲタカ業者が巨額の税金をかすめとっている」となる。つまり、全国では1500億円にも上る税金が、ふるさととは無縁の仲介サイト業者の懐に収まってしまっているのだ。
ふるさとへ寄付したつもりの利用者にすれば、実に不快で由々しき問題と言わざるを得ない。
〔中略〕
 次に③について。
 ふるさと納税における住民税の控除の上限(寄付金の実質的な上限)は、2割の定率のため、高額所得者ほど寄付の上限額が飛躍的に大きくなる。
 ちなみに、22年の世帯平均年収546万円(厚生労働省・国民生活基礎調査)の場合、上限額は概算で6万円(夫婦の場合、家族構成により異なる、以下同じ)になる。
 もっとも多いのは年収200万~300万円世帯だが、300万円世帯の上限額は概算で1万8000円だ。
 これに対し、年収が1000万円なら約17万円、1500万円で約40万円、2000万円で約56万円、3000万円は100万円余り、5000万円になると200万円を超す寄付ができてしまう。寄付額の3割は返礼品となって戻ってくるので、その分が実質的な節税となる。
 逆進性がきわめて高く、税の公平原則からみれば極端な不均衡が生じている。つまり、「金持ちほど得をする制度」なのである。当初から指摘されていた制度上の欠陥で、素直に受け入れられる利用者がどれほどいるだろうか。
 ④以下は、寄付金目当ての返礼品競争が招いた結果であり、自治体が税収を奪い合う構図は歪んでいるとしかいいようがない。

■富裕層の節税に歯止めをかけるべきだ
 では、どうするか。
 制度上の欠陥や抜け穴は、根本的に是正しなくてはならない。
 まず、手がけやすいところでは、寄付額の上限(税額控除の上限)を「定率」に加えて新たに「定額」を設けることだろう。

 約1000万人の利用者が約1兆円を寄付している現状から計算すると、1人当たりの平均寄付額はざっくり10万円。これは、年収約700万円の世帯の上限額に相当する。2割の上限率はそのままで、上限額としてたとえば10万円を設定すれば、全世帯の7割を占める年収700万円未満の世帯には影響がなく、一方で、節税にいそしむ高額所得者の多額寄付に歯止めをかけることができる。そうすれば、庶民の怨嗟の声も少しは鎮められるかもしれない。
〔中略〕
■最大の問題は、仲介サイト業者への税金流出
 次に着手できるのが、経費の抜本的見直しだ。
 総務省は、自治体に入る寄付金を寄付額の半分程度を目安にしているが、少なすぎる。経費などを差し引いて、少なくとも7割、できれば8割は残らないと、本旨に反するのではないか。「返礼品+経費」を「3割以下」に抑えるようにすべきだ。
 仲介サイト業者への税金の巨額流出は、現在の最大の問題ともいえる。

 民間の仲介サイト業者を規制することは容易ではないが、自治体の経費の使い方に厳しいガイドラインを設けることは難しくないだろう。
 一つの方策として、地場以外の業者に支払う経費に上限を設けてはどうだろうか。たとえば、仲介サイトの大手業者に10%以上も支払っている仲介手数料の上限をクレジットカード並みの3%程度に抑えることが考えられる
 その結果、不満をもった仲介サイト業者が手を引いたとしても、ふるさと納税の仕組みが崩壊するわけではない。
〔中略〕
 そして、できることなら、経費の支出先は地元の業者(自治体レベルにとどまらず県レベルも含む)に限るべきだろう。それは、地域が潤うことと同義語だ。
〔中略〕
■ふるさと納税サイトは「カタログ通販」になっている
 仮に大手業者の仲介サイトがなくなった場合、総務省は、県や有力自治体が主導して県レベルのささやかな仲介サイトを地元業者に委託する代替策を推奨してはどうだろうか。
 利用者には不便になるかもしれないが、「カタログ通販」化した「ふるさと納税サイト」を眺めて、ショッピング感覚で寄付している現状を見つめ直す契機になるのではないか。
〔中略〕
 爆発的に拡大しているふるさと納税だが、あるべき姿は、「寄付金争奪戦」でもなければ、「官製ネット通販」でもない。
 スタートから15年経った今、創設の趣旨に立ち戻る「勇気」が求められている。
----------
水野 泰志(みずの・やすし)
メディア激動研究所 代表
1955年生まれ。名古屋市出身。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。中日新聞社に入社し、東京新聞(中日新聞社東京本社)で、政治部、経済部、編集委員を通じ、主に政治、メディア、情報通信を担当。2005年愛知万博で博覧会協会情報通信部門総編集長を務める。日本大学大学院新聞学研究科でウェブジャーナリズム論の講師。〔以下略〕”

菅義偉の有害な制度改革のせいで「ハゲタカ」業者がたかってきて
ボロ儲けしている。こうした利益誘導政策は自民党のお家芸である。


ふるさと納税で被災地寄付、12%が経験 民間調べ(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC037G30T00C22A3000000/
”ふるさと納税仲介のトラストバンク(東京・渋谷)はふるさと納税を活用した災害支援の実態調査をまとめた。地震や豪雨の被災地に寄付をしたことがある人は12%だった。このうち66%は2回以上活用しており、5回以上も14%いた。「今後してみたい」人は26%だった。
 同社が2月下旬、20歳以上の全国1010人に聞いた。災害支援としてふるさと納税の寄付ができることを知っている人は54%だった。
 寄付経験者に初めて被災地に寄付をした時期を尋ねると、東日本大震災があった11年が15%で最も多く、次いで熊本地震があった16年、西日本豪雨などがあった18年がそれぞれ11%で多かった。静岡県熱海市の土石流災害などがあった21年は10%だった。〔以下略〕”

ふるさと納税の制度自体には勿論、良い面もある。
災害支援はその筆頭であり、制度は公共性を考慮して改善しなければならない。
無思考で「2兆円」などと豪語し腐敗をより深刻化させるのは大罪である。
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「土建による衰退」が鮮明に、巨額のインフラ投資で空き地だらけ - 癒着腐敗政権のもたらした虚妄の復興

2021-03-11 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
あの東日本大震災から10年、悲しむべき現実が明らかになってきた。
腐敗した安倍自民がインフラ関連に巨額を投入したために
利権ばかりが強化され被災地の衰退が加速している。

嘘つきの菅は口では体のいい言葉を吐いていたが
菅が無責任で欺瞞に満ちた口だけ政治家であることが
(節穴でなければすぐ分かるが)改めて確認されたと言えよう。

その証拠に復興特需が過ぎ去った被災地から人口流出が加速、
仙台だけが膨れ上がっている。仙台は東北で群を抜く低出生率だから
東北自体の衰退に拍車がかかるであろう。

これも腐敗癒着政党である自民に投票したからだ。
因果応報であり、腐敗癒着政党に投票したB層も
震災復興を失敗させた共犯である。

▽ 地方で重要なのは人材の「質」であり、政府の施策だけで再生する自治体など存在しない

『奇跡の村 地方は「人」で再生する』(相川俊英,集英社)


当ウェブログの厳しい警告は、令和年間においてまさに実現しつつある。。

「元々、東日本大震災の被災地は過疎に苦しんでいた地域が多く、
 多くの識者が当該地域からの人口流出が起きると予想しており
 「復興」どころか「復旧」すら困難であることは予想されていた」

「加えて原発事故による壮烈な風評被害で
 福島とその近隣の第一次産業・観光業が凄まじい打撃を受けており、
 深刻な影響は後々まで残ることになる」

「知られているように被災地支援の熱意と活動は漸減するものである。
 被災地での日常回復も個々の状況や資質によって「まだら模様」となり、
 被災による打撃が甚大であった人々、復興の動きに取り残された人々は
 経済的にも心理的にもより苦しい状況に追い詰められつつある」

「寄付金でも「買って応援」でも彼らの苦境は改善されない。
 まして、自民党が票田にカネをばら撒き、選挙に勝つための方便である
 「国土強靭化」では復興が永遠に不可能なのは明白である。
 (せいぜい彼ら利益共同体の「利権回復」でしかない)」

「陛下が震災の影響が色濃く残っている被災地の現状に心を痛め、
 深い気遣いをされているのを聞いてしみじみと心打たれた後に、
 安倍首相のいつもの空々しい言辞を聞いて猛然と怒りが込み上げてきた」

「復興が進んでいる一部の見た目の良い場所だけで物見遊山し、
 震災が「新しいステージ」に入ったなどととんでもない嘘を吐く政治家は、
 天皇陛下のお気持ちを踏みにじる叛逆者に限りなく近い」

「今、被災地は復興どころか復旧も不可能になりつつある。
 それは様々な理由に基づくものだが、最大の理由の一つは安倍政権である」

「「国土強靭化」などと愚劣なプロパガンダを展開して
 公共事業予算を全国津々浦々にバラ撒いたために
 被災地に向かう筈の資材も労働者も一気に分散し、コストも高騰した」

「自民党のお家芸である業界買収策の余波で、
 ただでさえ困難な復興が遅れに遅れ、
 自民党と癒着している建設業界が優先するのは「ハコモノ」である。
 生活再建は業界に及ぼす恩恵が少ないので後回しにされる」

「このようなことは、自民党の通弊として、
 これまでの「実績」から見て分かり切った話だった」

「権力の監視どころか「権力の犬」になっている御用メディアは恥さらしである。
 こうした被災地の実情を知っていたら、「新しいステージ」が嘘八百である位はすぐ分かる筈だ」

「口ではいいことを言うが、相変わらず中身が伴っていない安倍首相。
 状況がかなり良い場所ばかり視察し、子供と一緒に写真に収まって
 自分のイメージだけ良くしようとする魂胆が見え見えである」

「あのバラ撒き民主党よりも自民党は6兆円の予算を上積みしていた。
 この巨額予算が、人口流出した被災地の巨大な建造物に化けたのである」

「震災復興がうまくいかなかったことは、この速報を見れば明白である。
 安倍政権による「被害」はこれにとどまらない。
 建設業ばかりに労働者が集中した被災地は、二度と立ち直れなくなる。
 自前の産業を失い、産業が空洞化する。政治家に予算を求めて生きるしかなくなる」

「被災地には穏和な人が多く、支援を受けて感謝している。
 だからはっきりと言わないのだが、本音は以下の通りだ。
 「安倍首相は大嘘つきで、「新しいステージ」になど入っていない」
 「安倍政権や自民党は、被災地よりも建設業界のために行動している」
 「震災復興は失敗しており、復旧すら不可能になった」」

「口だけ安倍政権が、経済ばかりか震災復興でも成果に乏しく、
 寧ろ復興を妨害している様相が明らかになってきた」

「「被災地の復興に向けた取り組みを加速する」などとまた空々しい美辞麗句を語るが
 映りの良い子供と一緒に御用メディアのテレビに映ってばかりで、
 震災復興が思うように進んでいない苦い現実を誤摩化そうとしている」

「その見え透いた小細工も道理であり、人の少ない場所に巨大な土木工事ばかり進み、
 自民党の票田である建設業界ばかりが儲かっているのが現実だからだ。
 自民党の国土強靭化こそが震災復興を妨げる根源なのだから、誤摩化すしかない」

「国勢調査によれば、被災地の人口流出は加速している。
 確かにインフラが失われてしまえば生活が困難になるから仕方のない面もあるが、
 福島の深刻な人口減少をみれば、「復興に向けた取り組みを加速」などと大嘘をつくのは
 とんでもない話であるばかりか、政権の重大な責任を認識すらしていない事実を示すものだ」

「また、岩手・宮城の人口減少トレンドは全く変わっていない。
 「取り組みを加速」したつもりだけで、成果は乏しい低能の証拠であるのは明白だ」

「「復興を加速」と称した安倍首相の発言は嘘で、
 投入した兆円規模の予算にもかかわらず
 東日本大震災の被災地復興ははかばかしくない」

「矢張り「復興格差」が進んでおり、特に福島原発事故の悪影響が甚大である。
 2020年に日本国民が東京五輪に束の間の熱狂を見せる時にも、
 多くの被災地自治体は今と左程変わらない現実を痛感せざるを得なくなる」

「これも大方の予想通りであろう、
 カネをいくら投入して公共事業を行っても、かつての生活が戻ってくる筈がないし
 被災地には元々人口流出・減少が続いていた地域が多いこと、
 そして福島原発事故は不可逆的かつ長年に及ぶ悪影響を与えていることから、
 復興が容易でないことは初めから分かっていたことなのだが」

「軽々しく大言壮語した安倍首相と、
 社員に対して「高く評価されている」と豪語する東電社長の言葉が、
 かつての暮らしを取り戻せない被災地の現状の前で
 白々しく響くだけなのは至極当然のことと言える」

「このままだと、建設業への降って湧いた特需と
 仙台など一部の震災バブルに終わってしまいかねない。
 多くの人々の命が失われ、コミュニティと生活が破壊された末に
 そうした結果しか残らないのなら、「復興」という言葉に対する深い不信ばかりが残る」

「西日本の豪雨災害により、改めて確認できたことがある。
 日本は「民度一流、議員三流以下」の国である」

「名もなき一般国民が、自前でボートを出して被災者を助けて廻ったり、
 自らも被災しているにも関わらず真っ先に炊き出しを始めたり、
 今回もまた諸外国が讃歎を惜しまない驚くべき事例が複数ある」

「しかし、この前例のない豪雨災害において一般国民の示した「民度の高さ」と、
 与党議員の示した自己中や「程度の低さ」が真に驚嘆すべきコントラストだ」

「「赤坂自民亭」炎上の件も醜悪だが、それは実は本質ではない。
 腐敗した自民党議員が大勢の犠牲者や被災者を「利用」して
 「国土強靭化」と称した業界バラ撒きの謀略を巡らせているのが最悪なのだ」

「死者を利用して予算を出させ、自分の票に繋げるという
 人間として最低最悪の行動と言っても過言ではない。
 (勿論、議員としても最低最悪であるのは言う迄もない)
 こうした「反社」議員の歳費を大幅カットして復興予算に投入すべきであろう」

「腐敗したこの連中の「業界バラ撒き」が地方自治体を衰退させ、
 地方からの人口流出と高齢化を加速させてきたのである」

「論より証拠、東日本大震災でも今回の豪雨災害でも、
 安倍の口だけ「国土強靭化」は殆ど効果を発揮せず、
 防災・減災に役立った予算の方が遥かに少ない位である。
 政策リテラシーが果てしなく低い安倍が何もしていないのは想定内だが、
 自民党議員も国交省も防災の費用対効果や検証を碌に行っていない」

「腐敗している上に大勢の国民を無視し、
 自分の選挙と票田への利益誘導しか考えていない
 自民党議員はまさに「国賊」と言うべきなのだが、
 こうした「国賊」を議員として選んだのが「民度」の高い国民なのだから不思議だ」

「考えられる結論はただ一つ、「日本国民の最悪の資質を反映したのが自民党議員」で、
 日本国民の自己中心的で利益誘導ばかり求める体質が国会議員に集中的に体現されているのだ。
 (実績や日頃の行動から見てそれ以外の結論は出ない)」

「国交省が治水計画の見直しに着手するとのことなので、
 矢張り国交省も自らの見通しが役に立たず、想定が外れている事実を
 認めざるを得なくなった訳である」

「しかし悲しいことに「業界」との関係が余りに深過ぎる官庁だけあって、
 「堤防の高さやダムのかさ上げ」等という旧態依然の対処しかない」

「相変わらず、防災の実効性や費用対効果を無視して
 防災事業の焼け太りのような非効率的状況を脱する見込みがない」

「諸先輩方に逆らえない組織というものは、正しい方向へ舵取りすることが非常に難しい、
 そうした深刻な現実をまた改めて証明してしまったと言える」

「安倍自民の国土強靭化(という名前の選挙対策のバラ撒き)や省庁の防災対策の
 非効率性を嘲笑うように、住民主導の防災対策と訓練で「一人の犠牲も出さなかった」
 奇跡的な団地が広島にあるが、安倍も自民も霞が関の組織人間も何も学ばないのだろう」

「その「奇跡の団地」の合言葉は「自分の命は自分で守る」であり、
 災害においては業界バラ撒きに必死の安倍や自民など信用してはならず、
 緊急時には官庁や自治体が住民を救ってくれる訳ではないと教えてくれているのだ」

「それを理解できずに国土強靭化などという欺瞞的な標語を信じる地域住民は、
 これまでの口だけ「復興」事業と同様に、故郷を衰退に向かわせることとなろう」

「自民党や政府の「復興」事業など信じてはならない。
 これまでの被災地での「復興」の実態が明々白々に証明している。
 奥尻島は地理的条件において著しく不利という点はあるものの、
 東日本大震災の被災地でもそっくりの状況になっているのが何ともやりきれない」

「国土強靭化よりもハザードマップ、それに加えて住民の意識と行動だ。
 災害の危険性の高い地域ではそれしかない。
 また、国交省は自らの見通しが外れている事実を直視し、
 機動的に社会インフラの復旧を行える仕組みを整えるべきであろう」

「東日本大震災から8年。追悼式で安倍は「復興を加速していく」と豪語したが、
 実態は被災地の方々や殆どの国民がよく理解しているように、真逆である」

「「復興は加速していない」「ハコモノ等のインフラだけ(=土建だけ活況)」
 「若者が戻って来ない」「政治家の言葉は空疎」が偽らざる真実なのだ」

「当ウェブログは公共事業や「国土強靭化」で復興を加速させようとしてはならない、
 それはこれまでの震災を見れば明白であり、重要なのは人材であると指摘してきた」

「全く学習能力も自浄能力もない安倍と霞が関は、過去から学ばず
 東日本大震災の被災地にインフラばかり整えようとし、
 被災地からの若者の流出を招いているのである」

「人口統計から、「復興が加速」などしていないことは明白である。
 ペースは緩慢で、二度と元には戻らない被災地も多いのだ。
 特に困難に直面しているのは、若年層が流出して戻らない地域である」

「特に、安倍が国会で非常用電源を失うことはないと豪語したにも関わらず
 (この劣化二世は、10年以上前から軽薄で嘘つきで無責任だったことが実証された訳だ)
 実際は全く逆の結果となり歴史に残る過酷事故の直撃を受けた福島の被災地は深刻である」

「こちらは政策で対処しようとしても条件的に厳しいところではあるのだが、
 エネルギー政策の転換をサボって福島の潜在エネルギー資源を活用せず、
 大規模な除染事業で腐敗が黴のように広がっているのは間違いなく安倍の責任である」

「「日本は「民度一流、議員三流以下」の国である」と当ウェブログは指摘した。
 安倍は三流以下なので(B層を騙す能力だけは一流)勿論例外はあるが、
 残念ながら東日本大震災からの復興においては完全に正しかったと言える」

「三陸海岸の地理的条件を活かした「南三陸わかめ羊」や
 三陸の陸前高田でしか養殖できない「エゾイシカゲガイ」のように
 見事に復興に貢献している素晴らしい例はある」

「それらは皆、例外なく民間発の事業である。
 安倍の手柄でも霞が関の貢献でも全くないのは言う迄もない」

「恐らく20世紀の世界でも有数の英明な君主であった昭和天皇。
 満州事変勃発の際には軍需物資禁輸の恐れを予見し、
 226事件では若い天皇を軽んじて日和見する陸軍幹部に決然たる姿勢を見せ、
 終戦時の的確な見通しも人間宣言の決断も常人の遠く及ばないところだった」

「その余りに偉大な父から天皇の地位を引き継がれたこと自体が
 筆舌に尽くし難い程に大変なことではなかったかと推察する」

「雲仙へ、神戸へ、東北へ、中国・九州へ。
 そして沖縄へ、サイパンへ、ペリリューへも。
 象徴天皇の新たな規範を陛下が築かれたと言っても過言ではない」

「陛下のお言葉は「国民に寄り添って」というものだったが、
 「災害の時代」だった平成に被災地を見舞われる両陛下は
 国民の方こそ自ら寄り添い申し上げないとと思わせる存在だった」

「国民の側も災害時において世界一と言っても過言ではない
 「民度」の高さを随所で示しており、災害支援への恩返しや
 過去の水害の伝承による迅速な避難など、改めて感服させられる例が複数見られる」

「政策面ではすっかり保守退嬰になっても
 災害時になると高い倫理性が必ず示されるのが不思議だ」

「令和は経済面では殆ど良い話がないと運命付けられているが
 (即位式に便乗して自己アピールに走った劣化二世のせいである)
 日本社会自体は決してその高い資質を失うことはないだろう」

「災害大国日本では、過去の災害の教訓を生かして
 驚くべき防災や避難を成功させた地域が必ず出てくる。
 今後も貴重な教訓を無にしないよう、先進例から学ばなければならない」

「台湾よりも遥かに劣る「後進国」並みの「全国で休校」という愚かな措置が行われ、
 判断力に劣り実行が遅い泥縄な日本政府の体たらくが全世界に知れ渡っている」

「安倍が碌に効果のない一斉休校で見え透いたパフォーマンスするから、
 民間事業者が凄まじい打撃を受けている。
 愚かで利己的なトップがいる国はえてしてこうなるのだ」

「しかし震災時も豪雨災害時もそうだったが、非常事態においては
 日本国民は驚くような民度の高さを示すものであり、今回も同様である」

「程度が低過ぎて寧ろ悪影響をもたらしている政治家とは違い、
 民間では俊敏に、困っている人々を助ける活動が始まっている」

「愚かで空疎なパフォーマンスしか芸のない首相が一斉休校を宣言すると、
 すぐさま保護者を助けるために子を預かる活動が始まっている。
 静岡などでは学校に子の居場所をつくり、学童では必死の防疫対策の上で受け皿を作ろうとしている」

「また、劣化二世の愚劣な判断で大打撃を受けた給食業者は
 食材を一気に買い求める消費者によって打撃を緩和させることが出来、
 より独創的な活動としては経営難に追いやられた飲食店が受注して
 低所得世帯に食事を届けるスキームをNPOが編み出した」

「ただ残念なのは、最近の選挙でのは日本の民度は明らかに低下しているので
 事態を改善させるどころか悪化させる愚かな政治家が権力を握ってしまうことだ」

「感染者の出ていない地域は分散登校にすれば良かったものを。。
 安倍は無意味な食品ロスを大量に生んだ点でも愚かで、恥晒しだ」

「悪しき官邸主導で政策を歪め、官僚機構を意気沮喪させ、
 社会を腐蝕させる政治が行われるのはそれが元凶なのである」

「悲しいことに、東日本大震災や豪雨災害での失政、
 地方創生の失敗と同じ様な現象がまた再び起きている」

「人口流出が進む被災地の現状は明白な復興の「失敗」を示している」と当ウェブログは警告した。
豪雨災害でもコロナ禍でも学習能力ゼロの与党と腐敗政治家が日本社会を深く蝕んでいる。

▽ 政策面での「民度」はこの通り、政治主導での巨額の公共事業は確実に失敗する運命

『震災復興 欺瞞の構図』(原田泰)


「東日本大震災での「復興」の失敗は、西日本の豪雨災害でも繰り返されることとなろう」
とも当ウェブログは予言したが、悲しいことに予想通りの惨状である。

「「国土強靭化」という虚名の下で進められた復興は失敗に終わり、
 立派なインフラや急拵えの建物・住宅ばかりが残って
 高齢化と人口流出は相変わらずである」

「嘘つき安倍の言う「復興を加速」の実態はこのザマだ。
 脱税した除染会社の有り様からも分かるように
 加速したのは政策にたかる便乗主義と腐敗だ」

「他方、復興の中で素晴らしい人間力、人材力も発揮されたが
 殆ど全てが民間発であり、国会議員は時折申し訳のように来て
 自分の手柄であるかのように自画自賛するだけなのである。
 (空疎な嘘と欺瞞を垂れ流す安倍がその典型)」

「コロナ対策の件でも明らかになっているが、
 日本社会は「政官は形だけ、民間発の活動の方が優秀」である。
 震災復興でもありありとその病弊や民間活動の質の高さが示された」

「南三陸で震災後に質の高い牡蠣養殖を実現させた事業者は
 「若者はやりがいと誇りがあれば集まる」と語っている」

「安倍自民が、若者にやりがいも誇りも与えられないから
 被災地から若年人口が流出し復興が失敗し続けているのである」

安倍や菅の「戦略上の大失敗を、戦術の巧妙さで取り返すことはできない」ということだ。
太平洋戦争は昔の話ではなく、今も完全に同じ構図である。

 ↓ 参考

土建ばかり先行した復興の虚妄、人口は流出し人が戻らない被災地 - 安倍の「利益誘導強靭化」政策の帰結
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e9521b01ca0a6bc70805de87f101b733

被災地に戻らない若者、安倍の言う「復興加速」は土建業だけ - 政府や霞が関は予算をバラ撒くのみ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6f3779a1f9e6fed9b76d02dd6cd76e19

国交省の想定は外れてばかり、「国土強靭化」は予算の無駄と実証 - 命を守るのは住民主導の対策と訓練だ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a4a243e2925114b2cdeba8f29cd1b1ec

復興予算6兆円増額して人口減少が止まらず、安倍政権はもはや害悪 -「復興進んでいない」が住民の54%
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d54f95e8d21729902e8ae49c5c25d54a

被災地の女性の貧困が深刻化、自営業者・パートの約7割が失業中 -「国土強靭化」で復興できる筈がない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/af4ca12c6b88a24beb5dfa856ad6ee5f

▽ 腐敗政党による空虚な「地方創生」が失敗したまま、令和に突入した日本。。

『地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減』(増田寛也,中央公論新社)


震災10年、空前のインフラ増強 予算37兆円超 東日本大震災10年 検証・復興事業①(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF281Z70Y1A120C2000000/
”3月11日で東日本大震災発生から10年となる。地震と津波に加え、原子力発電所事故まで起きた未曽有の複合災害に対し、政府は37兆円超の予算を投じ復興を進めてきた。前例のない手厚い支援は功を奏したのか。復興事業を検証する。
 青森と福島をつなぐ東北の大動脈が21年度に完成する。国が2兆円を投じて整備する復興道路・復興支援道路だ。全線開通すれば、車で8時間半かかった八戸―仙台間を5時間余りで結ぶ。釜石港(...〔以下略〕”

政府は巨額の予算を浪費して衰退を加速させた。
結論としてはそうならざるを得ないであろう。


かさ上げ地区の人口44%減、宅地の34%は空き地のまま…読売調査(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/shinsai311/news/20210308-OYT1T50012/
東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県で、津波から街を守るため、土を盛って地盤を高くする「かさ上げ」を行った地区の人口は、震災前より44%減ったことが読売新聞の調査でわかった。事業が長期化するなどし、ほかの地区に移転する住民が相次いだためだ。再生された宅地の34%は活用されず、空き地となったままだ。
 3県でかさ上げを行った市町村を取材し、15市町村の33地区について集計した。商業地だけをかさ上げした地区や、人口が不明な地区は除いた。震災前に計4万3061人だった人口は、2万4193人に減少していた。かさ上げした宅地の面積は422ヘクタール、うち144ヘクタールが未活用だった。
 かさ上げ後の街の再生には、土地区画整理事業が多く使われた。特定区域を再開発する際、道路や公園を作るため、宅地の位置を変えたり、面積を減らしたりして、元の土地と造成後の土地を交換(換地)する。
 住民の財産にかかわるため、自治体は地権者一人一人から承諾を得る必要がある。この作業が、復興を長期化させる一因になった。
 33地区のうち、人口が減ったのは26地区。減少率が91%で最も大きい岩手県宮古市田老地区は、1400人から130人に減った。高さ10メートルの巨大防潮堤が津波で破壊され、181人が犠牲になった。県と市は防潮堤を14.7メートルにし、平均1.6メートルかさ上げした。一方で移転を望む住民のため、近隣の高台を造成した。
 市は600人が戻ると想定したが、再び浸水する不安から高台を選ぶ住民が多く、4割は空き地だ。
〔中略〕
 人口が増えたのは5地区、同数は2地区だった。福島県新地町の新地駅周辺地区の15ヘクタールは、4割弱が空き地だが、人口は187人から240人に増えた。近くに液化天然ガス施設ができ、同地区に関連会社の社員寮などが建ったためだ。
〔中略〕
 被災自治体の復興計画の策定に携わった東北大の増田聡教授(地域計画)は「自治体は震災後の街のあり方をどうするか、事前に住民と話し合っておくべきだった。復興に時間がかかっても、将来の展望があれば、住民は戻りやすくなる」と指摘する。”

どのような復興を目指すべきだったのか、
詳細な検証はまだ為されていないが、
人口の大幅減少から見て明らかに「失敗」である。


縮む沿岸部、ひとり勝ちの仙台圏 浮かぶ被災地の不均衡(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP3B7V0KP37UTIL029.html
”死者・行方不明者、関連死を含め2万2192人が犠牲になった東日本大震災から、11日で10年を迎える。被災地は、持続可能な地域社会をどうつくるのかという課題と向き合いつつある。
 津波被災地では、人口減少が「再加速」する沿岸部と、人・モノ・カネが集中し続ける仙台圏との不均衡な姿が浮かび上がる。
 東北は震災前から人口減少期に入っていた。震災直後、大きな被害を受けた沿岸部は急激な人口減に見舞われる。多数の犠牲者が出たことに加え、住まいや仕事を失った被災者の多くが都市部に移った。

 復興事業が本格化するといったん減り方は緩やかになる。
〔中略〕
 様相が変わるのは17、18年ごろだ。前年からの人口減少率は再び上がり始め、震災前のペースを上回る自治体が増えている。朝日新聞の調べでは、岩手・宮城の27の沿岸自治体のうち、18年の減少率が10年を上回ったのは23自治体にのぼる。
 要因の一つは沿岸部で高齢化が進み、死亡数が出生数を大きく上回るようになったこと。加えて転出者が再び増え始めたことだ。両県で建設需要がピークを過ぎたのは16年ごろ。一方で国の補助金を受けた被災企業のうち、売り上げが震災前の水準以上に回復したのは、20年時点でも4割強だ。復興特需が終わり、産業再生も不十分な沿岸部から、働き手が流出していることがうかがえる。
 岩手県大槌町の平野公三町長は「仕事を求めて町外に出たり、避難先のまちにそのまま住んだりする人が多い」と嘆く。震災前は1万6千人余りがいたが、現在は1万2千人を切るまで縮んだ。
 この間、膨張を続けたのが仙台市だった。東北唯一の政令指定市・百万都市で、震災前も人口は伸びていたが、この10年で3・9%、4万人近く増やした。このうち3万1800人が転入超過による社会増だ。仙台を除く26自治体の10年間の転出超過合計は4万6800人。沿岸部の流出人口のかなりの部分を吸収したとみられる。
〔中略〕
 仙台は震災被害からの復旧も早く、被災地全体の復興事業の拠点機能を果たした。また、東北太平洋岸を結ぶ高速道路網が復興財源で一気に拡充され、仙台圏には物流系の企業も集中している。(大西英正、仙台駐在編集委員・石橋英昭)”

そして仙台だけが膨張した。
仙台は元々低出生率であるうえに育児支援が凡庸だ。
被災地からの人口吸収により後々の高齢化による負担が重くなるであろう。


東日本大震災10年 検証・復興事業(3) かさ上げ造成、3割空き地 まち再建、定石のその先に(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68992370Q1A210C2MM8000/
”「176平方メートル、795万円」「217平方メートル、990万円」――。岩手県大槌町の「空き地バンク」のサイトに載った町役場周辺の区画図に、売却・賃貸物件の赤い印が30個近く並んでいる。町は土地取得や住宅建設に200万円以上の補助金を出すが「住宅再建のニーズは一段落し、空き地はなかなか埋まらない」と担当者はこぼす。
 2011年の東日本大震災で町の中心部は高さ10メートルを超す津波にのまれ、壊滅状...〔以下略〕”

日経は空き家バンクの機能不全も伝えている。
そもそも自民党政権が産業面での復興に失敗しているのだから
移転補助金でどうにかできるものではない。


被災地に芽吹く新産業 夏イチゴ・巨大顕微鏡 東日本大震災10年(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB04BN60U1A300C2000000/
東日本大震災の被災地から新たな技術や地域の特性を生かした次世代型の産業が立ち上がっている。高い効果が期待されるがんの治療が始まり、物質を原子レベルで分析できる研究施設も具体的な構想が進行中だ。夏でも冷涼な気候を生かしたイチゴ栽培も規模が拡大。被災地を活性化する推進役として注目を集めている。

イチゴの通年産地に
 岩手県沿岸部で洋菓子向けに需要の大きい夏イチゴの通年栽培・出荷が軌道に乗り始めている。夏...〔以下略〕”

勿論、新しい産業の萌芽はある。
素晴らしい活動も(一部に)存在する。
しかし規模が小さく、被災地全体を支えることは出来ないのである。


ワイン完成、5年越しの夢 一時全村避難の福島・川内村 東日本大震災10年(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB03B5Z0T00C21A2000000/
東京電力福島第1原発事故で全村避難を経験した福島県川内村産のブドウを使ったワインが3月、完成する。2016年に苗木を植えてから足かけ5年で初の醸造にこぎ着けた。21年度には村内に設けたワイナリーも稼働。原発事故で居住者が3分2に減った村の活性化に期待がかかる。
 ワインは村の第三セクター「かわうちワイン」が製造する。20年秋に村の畑で収穫したブドウを使い、山梨、新潟県の2業者に醸造を委託。3月にボト...〔以下略〕”

期待できるのはこちらだ。
日本の醸造技術は(経済沈滞とは対照的に)年々向上しており、
人が戻るかどうかは何とも言えないが潜在力は高い。
(無能な安倍や菅、自民党による癒着政策とは違い、付加価値が地元に残る)


大震災10年 アイリスオーヤマ会長「我々は強くなれた」(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ190490Z10C21A2000000/
” 11日で東日本大震災の発生から10年となる。日経産業新聞は震災を経験した各地の企業を取材し、この10年間でどのような変化を遂げ、事業の継続やサプライチェーン維持などの面で進化を果たすことができたか聞いた。連載企画「震災10年 進化の軌跡」第1回は、地震と津波に遭遇した当事者である東北企業の経営者の「生の声」を届ける。

震災がなければ今のアイリスはない
東日本大震災を経験しなければ、当社が家電メーカーになることはなかった。今でも生活用品の企業だっただろう」...〔以下略〕”

アイリスオーヤマは基本的にデフレ・ビジネスではあるのだが
この低成長下で成長を遂げ顧客のニーズに応えた素晴らしい企業になった。
それ自体は良いことだが、それでも被災地の衰退は止まらないという現実も鮮明である。
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医療界が自粛に拘ると、大勢の失業者が生み出され命が失われる - 失敗を繰り返す厚労省も責任は取らない

2020-05-06 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
コロナ対策についてはっきり分かってきたことがある。
最善策は国内にコロナを入れないことで、
入国制限が俊速で判断が的確だった台湾が最優秀、
この点で無能な安倍とヒラメ・キャリアは給与を返上して辞任すべきだ。

次に、無能な安倍だけでなく厚労省も大きな判断ミスをしている。
感染者の減少で大きな成果を挙げたドイツも韓国も検査数が多く、
日本のPCR検査数は少な過ぎるという声は前々からあったが安倍・厚労省は馬耳東風、
遅れに遅れてやっと増やさなければならない、との話になったのがつい最近だ。。
(安倍と同じで果てしなく無能、かつ無責任である)
岡江さんをはじめコロナで亡くなった方々の遺族に
安倍も厚労省も平身低頭して謝罪すべきであろう。

そして、今後も日本でのコロナ被害を拡大させかねないもう一つの要因が浮上してきた。
医療界における自粛・ロックダウンへの固執である。これは極めて弊害の大きい方策で、
欧州のような堅固な社会保障制度のない日本では甚大な被害を生むであろう。
即ち、医療界の求める施策が日本国民の失業と自死を更に増やして生命を失わせるだろう。

医療界は感染者を大きく減少させてコロナ封じ込めに成功しつつある
ドイツと韓国において医療への国の強制的な関与が強い事実を直視すべきである。
ドイツには日本のような自由開業など不可能で、夜間や休日の診療も義務化されている。
(そして勿論のこと国民負担率は日本より大きく医療関係者の税・保険料負担も重い)
韓国は徴兵制があるので若年医師は国の指示で動かざるを得ない、だから封じ込めが出来たのだ。

▽ 医療界は欧州並みの医療予算増を求めるが、欧州並みの情報公開や開業規制は嫌がる

『失われた「医療先進国」』(岩本聡,講談社)


悲しいことに、当ウェブログにとって驚きはない。
かなり前から以下のように指摘してきたからだ。

「適切な医療なのか不適切な医療であるかは
 利害関係のある当事者が判断すべきものではない。
 高等教育を受けた者なら当たり前過ぎる常識である」

「利害関係者は公共政策を誘導するのではなく要望にとどめ、
 情報を開示して有権者の判断に委ねなければならない。
 まともな民主主義国なら当然であろう」

「医療界は業界への株式会社の進出に強い警戒感を表明するが、
 残念ながら行動原理において株式会社と医療界はよく似ている。
 同類だからこそ互いに憎み合っているとさえ言える」

「情報の非対称性を武器とし、不都合な情報は隠そうとすること、
 公益性を前面に押し出してプロパガンダを振り回すが
 実際の行動を見ると利害でほぼ全ての行動が説明できること、
 自らの縄張りへの侵入者に対しては敵意を剥き出しにすること。
 考えれば考えるほど両者は共通点が多い」

「北原茂実氏は「日本の医療は関係者の利害が絡み合って動きが取れなくなっている」
 と総括されており、日本医療の変革を事実上諦めている」

「医療については誠実な議論が成り立っていないために、
 利害関係者に対する根深い不信がある」

「医療界が情報公開に積極的でないという事実は、
 企業の不祥事と全く同じ構造で「不都合な事実」の存在を強く示唆する。

「何か不都合な報道があると「医者叩き」とレッテルを貼る
 程度の低い医師も残念ながら存在するようである。
 それは日本の医療への信頼を深く傷つける行為でしかない。
 本当に過労で倒れそうな医師であればそのような裏工作をする暇はない筈だ」

「週刊ポストが素晴らしい仕事をしている。
 ジャーナリストと共同でお馴染みのバリウム検査を調べ、
 効果が殆ど期待できないにも関わらず関係者の利権となっている実態を暴いた」

「それによれば、殆ど無意味に近いバリウム検査が続けられる理由は
 厚労省のガイドラインの関係者が研究費というカネで「汚染」されていることであり、
 天下り元公務員がこの利権で給料を貰っている実態も明らかになったのだ」

「果敢な突撃取材は週刊誌の独壇場であり「誤爆」も当然あるが、
 今回の件では週刊ポストの功績は大きい」

「医師の方々は一般の水準から見れば真面目で誠実であるが、
 こと経営や利権に関わる問題になると怖いほど「人が変わる」時がある。
 性善説で成り立っている医療界において、医師免許制度の欠陥を強く感じさせるところだ」

「医療界は基本的に「タコツボ」なので自浄力を期待するのは間違いであろう。
 情報公開を進め、外部の識者や第三者の意見を踏まえて改革を進めなければ、
 医療界への信頼そのものが損なわれ、予算や人材育成においても締め付けが厳しくなってしまう。
 利害関係者による現状維持の試みは、いずれ自らに深刻な打撃を与えることになる訳だ」

「東京医大問題は只今も盛大に「延焼」中で、
 また他にも大問題が発覚するかもしれないが、
 女性差別問題や不正入試以外にも興味深い現象が起きている」

「それは、赤枝前衆院議員や高須院長のような著名医師が
 ついうっかり口を滑らせて本音を喋っている点だ」

「両者とも、今回の問題を「不正ではない」と明言している点で共通する。
 つまり、客観的な公平性など無視して独善的に判断するのを当然視しているのだ」

「若い世代の医師が上の世代の「体質の古さ」に辟易しているとは
 よく聞く話であるが、上記の両者が図らずも自らの言動でそれを証明したと言える」

「医師の方々は総じてクレバーでよく勉強されているが、
 それでも自分の利害が絡んでくると自己の正当化や弁明に
 その賢さをフルに活用する通弊があるように思える」

「他の医療職から「子供みたいなことを言う」と囁かれたり、
 家庭では「自分からは何一つやらない」と言われたりするのも道理であろう」

「ただ、問題は日本の医療システムを改善しなければならない時に、
 そうしたクレバーさが自己弁護や自らの損失回避に活用される点だ」

「病院と診療所の差別的な診療報酬の格差には何ら合理的な根拠はなく、
 自由開業の特権も医療現場の崩壊を促進するものとなり果てている」

「また、医療予算を増やしたいなら一般国民より高所得な医師世帯が
 一般国民よりもその原資をより多く負担するのが当然であるし、
 勤務医の苦境が続いているならドイツのような開業規制と
 休日夜間の診療義務化を受け入れるべきであろう」

「フリーアクセスが問題なのは理解出来るのでアクセス制限は必要だろうが、
 アクセス制限したら医師の労働時間を合理化だけでなく賃金も合理化が必要だ」

「女性医師が増えて勤務医の労働環境が過酷になってきたら
 自由開業を廃止して開業規制する以外に国民の納得する方策はない」

「診療科や地域によって忙しさも違うので、診療報酬も機動的に「調整」すべきだ。
 女性医師の産休育休に備えて医師の負担を引き上げて社会保障基金を運用し、
 産休育休の際の代理人員確保に支出することも必要である」

「女性医師の育成にも男性医師同様に数千万円の国費が投入されているから、
 合理的な理由なくして労働時間の短い医師には国費を「返納」させる制度が必要だ。
 その代わり、育児家事の外注は経費として税控除しなければならない」

「……どれも至極当然の話なのに、物凄く嫌がる医師がいるのは確かだ。
 医大や医学部では「公共」の概念を全く教えていないのだろう」

「医療界からは政府や行政を責める声は日常的に出るのに、
 ガラパゴスな日本の医療界の特殊性を指摘する声、
 日本の医療を自らどう変わるべきかは殆ど語られない」

「厚労省の調査では、日本の医師数は増えているのに
 医師偏在は逆に深刻化しているのが実態だ」

「事実に即して言えば「医師数を増やしても偏在が酷くなるだけ」。
 それは通常の先進国ではあり得ない「開業自由」が元凶であるし、
 ドイツのような規制がなければ医師偏在が深刻化するに決まっている」

「また、男性医師に比べて統計的に診療時間の短い女性医師が増えているので
 (日本では女医もジェンダーが強く、就業意識に強く影響している事実が確認されている)
 勤務師の労働環境は以前よりも悪化している筈である。
 それに対しても政府や行政を責めるばかりで自らの責務には沈黙している」

「フィンランドのように女性医師を増やし、公平にしたいのなら、
 フィンランド並みに医師にも課税し、可処分所得が大幅に減ることになる。
 (それで予算を増額し、代理要員も手厚い育休も実現できる)」

「欧州のような医療予算が必要なら欧州並みの租税と社会保険料を払わねばならない。
 一般国民よりも平均的に高水準の医師の場合は手取りが数百万円は減るだろう」

「社会保障においては「フリーランチはない」のが常識なのに、
 日本の医療界においてはどうもその「常識」が抜けた言動ばかり目立つのだ」

「人不足の診療科があるなら需要を測定して診療報酬で「調整」すれば良い。
 (その場合、人が足りている診療科から人不足の診療科へ報酬を移転する)
 人を増やしたいなら医療予算から給料を得ている医療職の税負担が増えないと
 一般庶民が納得する訳がない。その程度のことがどうして理解できないのか」

「厚労省は徳島や高知の医師数が相変わらず多い(医療費も突出して多い)のに、
 「都市部の人口増加」などと頓珍漢なコメントをしている。
 これでは大学のゼミですら「不可」だろう」

「本田氏は医師数が増えても偏在が深刻化している事実を全く理解しておらず、
 国に責任転嫁しているようだ。是非とも欧州並みの納税を行い、
 医師数増に反対している日医に対して公開質問を行って欲しいものだ」

「救急医療の現場が大変だということはよく理解できるので、
 本田氏は自ら税負担増を申し出て救急の診療報酬引き上げを求めるか、
 薬価や診療所の報酬分を救急に移転するよう申し入れるのが良識というものだろう」

日本の医療界は、他の先進国に比べて異様である。
勤務医の労働環境も異様だが、実質的な世襲制や
医療界が「階級社会化」し、自民党を通じ政策に干渉しているのも異様だ。

▽ しかも日本の医師免許は、アメリカ等に比べて相当甘いと従前より指摘されていた

『市場原理が医療を亡ぼす―アメリカの失敗』(李啓充,医学書院)


医療界のガバナンスが「お手盛り」で信用できないという事実は、
東京医大問題だけでなくそれを巡る医師自身の言動からも証明されているようだ。。

「現下、新型コロナ問題で医療崩壊を何としても
 防がなければならないことは自明の理だが、
 医療界から出てくる提言は公益を損ないかねないものが多い」

「我が国では医学部の教育が専門性に偏頗しており、
 初歩的な社会科学すら理解していないような痕跡が
 そうした提言の随所に見られることは寒心に堪えないところだ」

「まず、今の医療崩壊危機の直接原因は勿論政策の失敗であるが、
 その根源は医療界が固執する自由開業や依然として続く医師偏在にあり、
 更に言えば我が国の高所得層(医師の圧倒的多数がここに含まれる)の
 税・社会保険料負担が欧州に比べて余りに軽過ぎる(10%ポイントを超える)点が
 医療財源の不足・巨額財政赤字の根本的な原因となっているのだ」

「日本がドイツ並みの高負担、そしてドイツ並みの医療規制を採っていたら
 (ドイツでは自由開業は不可能で、開業医も休日夜間の診療が義務化されている)
 コロナ対策は今よりも遥かに容易に実施できたであろう。
 それは日独のコロナ検査数の絶望的な差にも明確に出ている」

「そもそも、「生命」と「経済」はトレードオフの関係ではない。
 経済が急激に悪化すると自殺が急激に増えるのは、統計的に確認されているのだ。
 生命と経済の一択ではなくどちらも守るべきもので、問題はその巧拙なのである」

「休校休業や都市閉鎖、自粛の徹底を唱える医療関係者が異様に多いが、
 そのようなモラルハザードを公言する者には欧州並みの課税を行うべきだ」

「それを原資としてコロナ対策、並びにコロナによる経済被害を受けている
 国民の窮状を救うことこそが社会正義に適う施策なのである」

「医療関係者でもコロナの深刻な脅威を受けているのは一部であり
 大多数は一般国民と大差はない(診療科によっては以前より受診が減っている)」

「必死でコロナ治療に立ち向かっている医師や看護師の方々は全力で支援せねばならないが、
 それ以外の医療関係者は寧ろ人員や財源の面で支援に回るのが責務であろう」

「しかし、実際の行動としては政府への要求、
 遠隔診療への反対、自分達の関心の強い働き方改革にばかりフォーカスと、
 公共性の高い職種にしては疑問符の付く本音が隠せなくなっている」

「医療界でも公共性や他の国民の生活をよく考えている良識派は少ない。
 コロナ感染が拡大して医療界の負担を懸念する層が多数派と推測できる。
 「働き方の見直しが強制的に進んだ」などという寝言は最悪で、
 いま一般の労働者がどのような目に遭っているか黙殺した冷酷な本性が露呈している」

「オンライン診療がそれほど有効とは思えないが、
 新たな施策が実施される際に、強力な政治力を駆使して
 医療界が「業界」の利害を踏まえて政策を左右する現実は相変わらずだ。
 コロナ対策も、医療界にとって不都合な施策は排除されていると考えなければならない」

「前々から余剰が指摘されている歯科や
 コロナ禍で需要が急減していると思われる美容整形などは
 コロナ治療の支援に回るべきではないのか。
 医療界でも予算要求だけでなく医療界内で人員の移動を提言すべきではないのか。
 就労抑制している女医や、潜在看護師が相当数いるは公然の事実であろうに」

「医療界が目先のコロナ対策ばかりに拘っている今、
 まさに日本経済が急激に悪化し実際に生命の危機すら近付いている。
 倒産や失業が急増したら、コロナ感染がなくとも多くの生命が失われるであろう」

「医療関係者の多忙さはよくよく理解しているが、
 それはそもそも全員では全くない。
 そして、非正規労働者が給料カットや失業の憂き目に遭っているのに
 更に経済的打撃を与える施策を平然と口にする医療関係者は貧困を加速させる元凶となりつつある」

と当ウェブログは指摘したが、矢張り「自浄力を期待するのは間違い」だったという結論になるのか。。

 ↓ 参考

医師数が増えても偏在は却って深刻化、欧州並みの規制と課税が絶対必要 - 日本の医療界に自浄力なし
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/4f21d68383e3c2a3fac28d5cb896ecfe

東京医大問題で露呈した医療界の特権意識、「卒業生の親族優先は当然」- 問題は男女差別だけではない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1a7c8e4e1b9cb82a2b15db5c28fee557

医療事故により日本で毎年5万人が死亡か、自殺者数より多い - 医療機関は依然として情報公開せず
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/27b999746aa8b688981c0c5cdff8b285

日本医師会、巨額の医療扶助をも「適切」であると主張 - 政治的主張ではなく情報開示を
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/3ba7efdb299dbd664ec14dcd58099575

▽ 統計的に「世襲による所得格差」が明確なのは政治家、そして医師である

『世襲格差社会 - 機会は不平等なのか』(橘木俊詔/参鍋篤司,中央公論新社)


「正直オリンピックなんてどうでもいい」医師1200人調査で見えた本音(週刊朝日)
https://dot.asahi.com/wa/2020042200060.html
”本誌は、医師専用のコミュニティーサイトを運営するメドピア社の協力で、1200人を超える医師に緊急アンケートを実施。アンケートでは、政府と現場の危機感の温度差が大きいことがわかった。「政府にどんな対策を期待するか」「新型コロナウイルス感染症全般について」の問いに、「緊急事態宣言」「ロックダウン」「医療崩壊」といった言葉などで危機感を表した回答が計300超あった
 今回のアンケートは、政府が東京や大阪、福岡など7都府県に対して最初に緊急事態宣言を出した4月7日以前に実施したが、すでに多くの医師が「すぐに出すべきだ」との考えを示していたわけだ。
 また、ロックダウン(都市封鎖)し、自粛要請ではなく、法改正などで外出を規制するのが望ましいと考える医師も多く、「手遅れになる前に、早急にロックダウンを」(群馬・40代・一般内科)、「厳しくロックダウンを維持する」(福岡・40代・その他)といった回答があった。
〔中略〕
「国の動きは遅いし、要請はゆるい。もっと強く外出制限をするべきで、海外のように罰則を設けないと」
 大阪の3次救急を担う四つの医療機関が救急診療を休止するなど後がないなか、医療崩壊を防ぐための対策として考えられている、軽症者や無症候性感染者は隔離し、重症者を医療機関で診るべきと訴える回答も、全体の1割にあたる約130件あった。「軽症者を受け入れる宿泊施設を確保する」(東京・50代・血液内科)、「軽症者の隔離を速やかに実行する」(北海道・60代・消化器内科)などだ。
 世界的に見て実施件数が少ないと言われている日本のPCR検査。日本感染症学会などが共同で、軽症者には推奨しないとする考え方を示した。現場からは、
「PCR検査の体制の基準をもう少し緩くしてほしい」(愛知・60代・耳鼻咽喉[いんこう]科)、「PCR検査数を他国並みに増やす」(東京・50代・皮膚科)などの回答があった。

 薬の使用やワクチンの開発を望む声も強い。
「なぜこの緊急事態でアビガンを使わないのか理解できない。国は治験を始めているが、待っていられない。適応外処方なので医師の裁量だけでなく、患者やその家族の同意も必要にはなるが、それでももっと多くの医療機関で使えるようにすべきだ。また、使う人は重症者ではなく早期の感染者。それにより重症化を防ぐことができる」(E医師)
 福岡の50代医師の「政府の対策は緩くて遅すぎ。経済はいつか立て直せるかもしれないが、人は生き返らない」という言葉は重い。
◇   ◇
 来年に延期が決まった東京五輪・パラリンピックについても聞くと、もっとも多かったのは「開催できない」という回答で46%。「開催できる」が35%だった。
〔中略〕
 本心は「ここまで死者が増え、深刻な状況で、正直オリンピックなんてどうでもいい」(神奈川・30代・整形外科)のかもしれない──。(本誌・山内リカ、吉崎洋夫)”

視野狭窄の医療界の本音が実によく分かる。
「経済はいつか立て直せるかもしれないが、人は生き返らない」という
尊大で思考停止した言葉はその象徴で、日本の医学教育の専門性重視の弊害である。
正しくは「経済を立て直さないと大勢の死者が出てしまう」なのだ。


失業者100万人、病院倒産…コロナ禍長期化で迫る深刻な危機(女性自身)
https://jisin.jp/domestic/1853413/
”外出自粛期間が続き、すでに人々の間では“コロナ疲れ”“コロナうつ”といった言葉も広まっている。コロナ禍長期化は今後、日本にどのような影響を及ぼすのだろうか? NPO法人「医療ガバナンス研究所」の上昌広理事長は言う。
おそらく5月の連休明け以降も、緊急事態宣言は継続されると思います。さらにハーバード大学の研究グループが指摘するように'22年まで、外出自粛要請が断続的に続くのではないでしょうか。感染をおそれて病院での診療を敬遠する方も増えています。たとえば私がチームでやっているナビタスクリニック・グループも、3月は昨年に比べて患者数が4割減です。今後は倒産する医療機関も増えていくと思います
 病院ですら倒産すると、上理事長が指摘するように、経済の専門家たちによれば、コロナ禍長期化の日本経済への打撃はかなり深刻なものになるという。
「景気ウォッチャー調査で特に影響が顕著となる順番としては、(1)旅行・交通関連、(2)百貨店、(3)飲食関連、(4)レジャー施設、となります。旅行業界でいえば3月に日本を訪れた外国人旅行者数は、前年同月と比べて93%減です。また'08年のリーマン・ショックの際は1年間で失業者は113万人増加しました。当時に比べて非正規雇用者が増えていますので、今回の失業者数はそれを上回る可能性があります。リーマンのときに最も大きな影響を受けたのは大企業製造業でした。しかし今回は中小のサービス業が影響を受けていますので、倒産件数もリーマン時を上回る増加になるかもしれません」(第一生命経済研究所首席エコノミスト・永濱利廣さん)
〔中略〕
 さらにコロナ禍長期化は私たちの日常生活も直撃するという。各国で続けられている移動制限が農業従事者の移動や食料品の流通も妨げ、生産や流通にも影響を及ぼす可能性があるというのだ。4月1日には世界保健機関や世界貿易機関のトップたちが世界的な食料不足が発生する恐れがあるとも、警告している。資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫さんはこう語る。
「国内の食料を確保するため、ロシアやカザフスタンのように、すでに輸出規制に踏み切っている国も出ています。たとえば日本は小麦の9割を輸入に頼っており、輸入元はアメリカ・カナダ・オーストラリアなどです。どの国もコロナ問題を抱えており、今後、輸出規制を採択する可能性も出てきます。するとこれらの国から思うように輸入できなくなり、日本国内での食料品の不足や値上がりも目立ってくることになるのです」
 すでに日本の食料輸入量には陰りも見え始めているという。
〔中略〕
 1人の油断が、地域そして国内での新型コロナウイルス拡大感染を許し、ひいては国際的に悪影響を……。コロナ収束のめどがたち、緊急事態宣言が1日も早く解除されるためにも、一人一人の自覚が求められている。
「女性自身」2020年5月5日号 掲載”

「一人一人の自覚が求められている」という太平洋戦争末期のような
精神論を展開してしまうところが衆愚的であるが識者のコメントは重要だ。

当ウェブログはコロナ治療の現場で奮闘している方々は
医療関係者の中の半数にも満たないと指摘してきた。
他は寧ろ診療が減って時間的余裕が生まれている筈だ。

そうした方々の中には完全に他人事で胸を撫で下ろしている者も確実に大勢いる。
費用を負担するか、自らがコロナ対策のために現場の支援に回るべきではないのか。
収入激減したり失業の憂き目に遭っている庶民を無視して安逸の日々を送ることは
職業倫理に反するものであり、多額の公費に支えられている立場としても大問題だ。


PCR躊躇しまくった日本がこの先に抱える難題(産経新聞)
https://toyokeizai.net/articles/-/347364
”新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。安倍晋三首相は4月7日に7都府県に緊急事態を宣言し、同16日には全国に対象を拡大した。
 私は幾つかのメディアの取材を受け、「政府の判断をどう思うか」と質問された。
 私は「(新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判別する)PCR検査をしていないので、国内の状況がわからない。何とも判断できない」と回答した。

■人口1000人あたりのPCR検査数は1.4
 いろいろ議論はあるだろうが、日本はPCR検査の数を絞ってきたと言われる。4月18日現在、日本の人口1000人あたりのPCR検査数は1.4で、イタリア22.1、ドイツ20.9 (4月12日現在)、韓国10.8、アメリカ11.2、フランス7.1 (4月14日現在)と比べると、相対的に見て明らかに少ない。
 PCR検査はウイルス感染の標準的診断方法だ。PCRをしなければ診断できない。最近になって感染者数が増えたのは、PCRの検査数が増えたことによって、感染していると診断される人の数が増えたことによる可能性がある。
 文字が小さくて恐縮だが、下図にPCRの検査数の推移を示した。東京五輪の延期が決まった3月24日以降、検査数が急増していることがわかる。特に保健所、国立感染症研究所などの公的機関での検査数が増加している。
 保健所はPCRの検査数を絞ってきたことが知られている。3月23日、埼玉県は保健医療部長の名前で埼玉県医師会などに「新型コロナウイルス感染症に関する今後のPCR検査の考え方等について」という文書を配付し、規制を緩和している。これは厚生労働省からの指示だろう。
 保健所の関係者も、このことを認めている。西田道弘・さいたま市保健所長は「病院が溢れるのが嫌で(PCR検査対象の選定を)厳しめにやっていた」と公言した。
 一方、厚労省や専門家会議は、「クラスター戦略」という自らの主義主張にこだわった。


■院内感染の致死率はケタ違いに高い
 PCRを抑制したことで、少なからぬ人たちが命を落とした。4月11日現在、東京の永寿総合病院(東京都台東区)で感染した入院患者20人が死亡している。院内感染の致死率は20%を超える。今後も院内感染に端を発した感染者の死亡は相次ぐ可能性がある。ますます、致死率は高まってしまいかねない。市中で若者が感染したときの致死率は1%以下。これでも決して低いとは言えず、死者も一定数出てしまうので市中の感染対策ももちろん不可欠だが、はるかに致死率の高い院内感染対策がいかに重要かわかるだろう。
 ちなみに4月14日時点の国内の死者数は162人。院内感染の死者は36人で、高齢者施設を入れると64人となる。実に死者の4割にも及んでいる。日本の致死率を減らすのは高齢者施設を含む院内感染対策にかかっていると言っても過言ではない。
 超過死亡の数字をみれば、このような形での死亡は、2月から起こっていた可能性がある。
 専門家会議は院内感染には関心がないように見受けられる。4月15日の記者会見で、対策がなければ最悪の場合、40万人以上が死亡するというシミュレーション結果を発表し、「感染拡大の防止には人との接触を減らすことが有効だ。外出を極力控えて人との接触をできるかぎり避けてほしい」と求めた。
 彼らは感染者数から重篤化する患者数、および死者を推計している。その際、「人工呼吸器が足りず、必要な治療が受けられなくなり、中国でも重篤患者の半数が死亡しているという研究」の存在を考慮したようだが、都市機能が崩壊した湖北省と日本を同列に議論するのは適切だろうか
 また、院内での高齢者の感染と市中の若者の感染を一緒くたにしている点にも疑問がある。4月24日現在の中国の感染者数は8万4338人で、死者数は4642人。人口規模が10分の1の日本で、どうやったら40万人の死者が出るのだろう。私は医学的な見地から大いに問題がある解析と考える。本来、1つの仮説として、医学会で議論すべきレベルのものだ。
 ところが、このようなレベルの推計が国策を決める根拠となっている。感染状況に関する前提条件が曖昧ななか、緊急事態が宣言され、飲食店経営者など多くの国民が塗炭の苦しみを味わっている。

〔中略〕
 専門家会議が認識を示しているように、新型コロナウイルスの特徴は無症状の人が多く、彼らが周囲に感染させることだ。致死率は低いが、感染者が多いため、死者数は増える。かつて、日本は、このような感染症と対峙したことがない。
〔中略〕
■「クラスター対策」で対応できた過去の伝染病と違う
 このような法律が念頭においてきたのは、コレラやチフスなど古典的な感染症だ。このような伝染病は潜伏期が短く、下痢など特徴的な症状を呈する。患者の診断は容易で、見落とすことは少ない。感染者を隔離し、周囲をスクリーニングするという「クラスター対策」で対応できた。
 この方法は新型コロナウイルスには通用しない。クラスターをいくら探しても、すべての患者を網羅することなどできないからだ。

 厚労省は1月28日に新型コロナウイルスを感染症法の「2類感染症並み」に指定した。感染症は、感染力と罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点から見た危険性によって、「1類感染症」から「5類感染症」までの5段階に分類される。〔中略〕
 新型コロナウイルスはSARS(重症急性呼吸器症候群)と同じ2類感染症に分類された。新型コロナウイルスは感染力が強く、感染者の2割前後が重症化するため、隔離するのが望ましいとの判断からだろう。
 一方で、やっかいなことに8割が軽症・中等症あるいは無症状とされる。その点について1月24日には、香港大学の研究者たちが英『ランセット』誌に、無症状の感染者の存在を報告していたが、厚労省が明確な認識を表明したのは1月30日。武漢からの帰国者の中に無症状の感染者がいることが報告されたのを受けて、緊急記者会見を開き、「新たな事態だ。潜伏期間にほかの人に感染させることも念頭において、対策をとらねばならない」と説明した。
 にもかかわらず、従来の法的措置を杓子定規に当てはめたことで、感染症法で規定していないPCR検査の拡大や、自宅やホテルでの療養のハードルを上げた。
たとえ無症状であっても、PCR検査で感染が判明すれば、強制的に入院させるしかなくなる。それ自体はいいが無症状者・軽症者で病床が埋まってしまうと、重症者・重篤者への対応が難しくなる。
 専門家会議が「PCRの検査を抑えているということが、日本がこういう状態で踏みとどまっている」と主張するのは、このような背景があるからだ。ただ、これはあくまで厚労省の都合だ。
 当初の判断には疑念が残る。ところが、このことはほとんど議論されない。日本の経験不足によるものだがこれを糧にしなければ、また同じことを繰り返す

 韓国が早期からPCR検査を実施したのは、同じコロナウイルスであるMERS(中東呼吸器症候群)の感染を経験しているからだ。知人の韓国政府関係者は「PCR検査をしないと対応できなくなる」と早期から言っていた。
 では、どうすればいいのか。新型コロナウイルスに対応するには、病院や介護施設を守りながら、一般人が免疫を獲得するのを待つ「集団免疫」作戦か、緊急事態宣言を出し、早期に感染を収束し、ワクチンの開発を待つ「ロックダウン」作戦しかない。
 この発言を、清水勇人・さいたま市長は問題視し、西田氏を注意した。さらに、清水市長は「決められた基準に沿ってやっている」「(西田氏が)医師としての裁量のある部分でケース・バイ・ケースで判断した面はあるかもしれない」と弁明したが、額面通りには受け取れない。西田氏は元厚労省医系技官だからだ。彼らの本音が透けて見える。

 私は、最近の感染者の増加はPCRの検査数を増やした影響が強いと考えている。
 ちろん、それだけが理由ではない。3月後半に大学病院など医療機関の検査数が増加したのは、院内感染が増えたからだ。例えば、4月4日現在、東京都では779人の感染が確認されていたが、このうち154人(19.8%)は院内感染だった。
 院内感染と市中感染の対策は全く違う。院内感染を抑制するために、緊急事態を宣言し、都市機能だけを抑制しても意味がない。
 緊急事態宣言が有効なのは、市中感染が急増している場合だ。本当に、今になって日本で市中感染が急増しているのだろうか。都市の活動を抑制しなければならないのだろうか。

 下図は日本、台湾、韓国の新規感染者数の推移だ。韓国と台湾はすでにピークアウトしていることがわかる。いずれも新型コロナウイルスが生まれた中国に近く、欧米のような極端な都市封鎖は実施していない。韓国は4月15日に国会議員選挙を行ったくらいだ。
 私は、日本でも今、発表されている数字よりもはるかに大きな数の新型コロナウイルス感染者が市中にいる可能性があると考えている。このことを検証するうえで参考になるのは、国立感染症研究所が発表しているインフルエンザの超過死亡推定データだ。
 下図は国立感染症研究所のホームページから拝借した。東京においては、昨年末、さらに今年に入り第8、9週で超過死亡を確認している。
 超過死亡とは、世界保健機関(WHO)が提唱したインフルエンザ流行による死亡数を推計するための指標だ。非流行時の場合に発生すると考えられる死亡数(悪性腫瘍や心疾患などによる)をベースラインとし、実際の死者数と比較する。超過死亡は予測死亡数の95%信頼区間の上限値との差で示される。超過死亡が存在するということは、何らかの感染症の流行がなければ、死亡者の増加は説明できないことを意味する。


■インフルエンザの流行を見てみると? 
 昨年末の超過死亡の存在は、インフルエンザの流行で説明が可能だ。下図をご覧いただきたい。東京都感染症情報センターのホームページから借用した。昨年末は例年になく、インフルエンザが流行したことがわかる。
 ところが、今年の1月半ばよりインフルエンザの流行は勢いを失い、2月以降は昨年の4分の1以下だ。ところが、8、9週には超過死亡が確認され、例年以上に多くの方が亡くなっている。
 2月と言えば、4日には、タイ保健省が、1月下旬に日本に旅行した夫婦が新型コロナウイルスに感染していたと報告した時期だ。この夫婦は日本滞在中に体調が悪くなった。
 また、WHOは2月12日に発表した「コロナウイルス・シチュエーション・レポート」において、韓国で日本から持ち込まれた感染があったと報告している。
 いずれも極めて重要な情報だが、日本ではほとんど報じられず、厚労省も無視したと見られる。このころから日本国内で感染が蔓延し始めていたと、私は推測している。
 その後、厚労省は一貫してPCR検査を抑制してきた。当初から政府の専門家会議は、「すべての感染者を見つけるのではなく、クラスターさえ見つけていれば、ある程度の制御ができる」「PCRの検査を抑えていることから日本は踏みとどまっている」という認識を示してきた。
 しかし、偶然みつかった患者に接触した人をいくら検査しても、そこから一般化して流行状況を推測することはできないし、「本当にすべての感染者を見つけよう」などと誰も求めていない。

 そもそも、そんなことは無理だ。多くの医師は「発熱して、新型コロナウイルスの感染の可能性がある人は検査をさせてほしい」と希望しただけだ。院内感染が起こってからは、「すべての医療スタッフと患者に検査を受けさせてほしい」と希望が拡大した。
 これはおかしなことではない。感染症対策の基本は検査と隔離だからだ。3月16日、WHOが「疑わしいすべてのケースを検査すること。それがWHOのメッセージだ」と発信したのは、このような背景がある。
 前者の代表はスウェーデン、後者は中国だ。前者は経済的なダメージは小さいが、感染管理は難しい。後者はその逆だ。
 民主主義の伝統が根付く北欧で「集団免疫」作戦が採択され、当初、イギリスやドイツもこの方針を採ったのは、欧州の歴史が影響しているのだろう。一方、共産党一党独裁の中国は「ロックダウン」作戦を採りやすかった。
 日本の対応はどうか。クラスター対策に固執し、PCR検査を抑制して、病院や高齢者施設を守らなかったため、市中に新型コロナウイルスを蔓延させてしまった。


■これまでの感染者数の推移もどこまで正確なのか
 問題は、これだけではない。PCR検査を十分に実施できていないので、これまでの感染者数の推移も正確にはわからない。クラスター対策班のシミュレーションは、もし、前提が間違っていれば、全く意味がなくなってしまう。このような推計を基に、緊急事態を宣言するのは危険ではなかったか。また、検査が十分ではないのだから、緊急事態の効果の評価についても、額面通りに受け止めていいのか疑問は残る。
 新型インフルエンザ等対策特措法が改正され、新型コロナウイルス対策の司令塔が官邸と厚労省の二頭立てになると、メディアの関心は官邸へと移った。厚労省は、それまで否定してきた抗体検査やドライブスルーPCRなどを推し進めている。
 このような対応は国民にとって結構なことだ。ただ、改正特措法以降、感染者が急増し、緊急事態宣言となった。これが本当の患者増なのか、見かけ上なのか、あるいは両方の影響があるのかは、もはや誰も判断できない。ところが、このような議論は誰もしない。
 新型コロナウイルスの蔓延を声高に叫ぶことで、官邸は権限を強化でき、厚労省にも予算がつく。割を食うのは、失業する国民だ。これでいいのだろうか。
上 昌広 :医療ガバナンス研究所理事長”

医療関係者の中でより広い視野から的確な指摘を行っている
数少ない例として、上氏の論考が注目される。

初期に入国制限が大幅に遅れてコロナの国内侵入を許した無能な安倍の罪は重いが、
その後にPCR検査を意図的に絞り込んだ厚労省と官邸、そして
判断を誤った視野狭窄の専門家会議の責任もまた重大である。
医療界も衆愚的な視野狭窄から脱し、経済状況を直視して国民の命を救い、
同時に厚労省と官邸、専門家会議の責任を追求して院内感染対策に注力すべきである。
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「十年周期位で大規模な感染症が流行」、パンデミックを予見した地方企業-コロナ対策でも{民>官}の構図

2020-04-29 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
コロナ対策で台湾に惨敗したばかりかドイツにも韓国にも大敗し、
まるで太平洋戦争に続く「第二の敗戦」のような惨状になりつつある日本政府だが、
(愚かな判断がなされて犠牲者が続出してもトップが開き直り居座るインパール作戦と酷似)
他方では民間で政府を遥かに超える優れた活動が見られるのはせめてもの慰めだ。

かつての大規模感染症における教訓から学び、まるで今日の事態を分かっていたかのように
地方の企業が高機能のマスクや医療用陰圧テントを生産拡大している。

「民高官低」は何度も繰り返された日本のお家芸とも言うべきもので、
寧ろ民度が高いことで安倍のような口だけ政治家が助けられ延命してしまう弊害すらある。

それは経済界でもそうで、非常事態になるとその組織の本性が出るものであり、
株主しか見ていない銭ゲバ企業は周章狼狽し政府に泣きついて支援を要請するが
良品計画は政府や官庁が動く前から花卉農家の支援を始め、
稲盛財団はいま最も苦しい分野の一つである劇団など芸術・美術への支援に乗り出した。
公演が中止になったり自粛での「被害」を受けた団体に3億円を拠出するそうだ。

地球上の誰しもがコロナ問題で不安になり苛立っている状況下で、
自分が良い行いをしていないのを棚に上げて他人に文句を言ったり罵倒する日本人も少なくないが、
彼らは反面教師に過ぎない。見習うべき、学ぶべき日本の個人や法人からこそ学びたいものだ。
それでこそ政府の愚行も正されてゆくと考えるべきなのだろう。

コロナ対策も地方創生も既に失敗に終わってしまったが、
日本には優れた人材が多数おり、日々自らを高めて行動し続けている。

▽ 政府の愚かな方針に逆らう地域が個性を発揮し輝く、地方創生の失敗は過去の事実から容易に予想できた

『反骨の公務員、町をみがく---内子町・岡田文淑の町並み、村並み保存』(森まゆみ,亜紀書房)


安倍と自民党の組み合わせは、「バラ撒き」しかもたらさない。
最初から分かり切った、大失敗必至の組み合わせであるから地域間格差が開くばかり。

「「地方創生」と聞いてすぐ思い浮かべるのは、
 バブル期に自民党政権が行なった愚劣な「ふるさと創生」である。
 1億円をバラまいて今は寧ろ不良債権のようになっている自治体も多い」

「今回の「地方創生」も所詮は同じである。
 支持率が下がっている安倍内閣の人気取り、姑息な地方選挙対策が本質である。
 ふるさと納税の税制優遇拡大や地方企業の税負担軽減などが挙がっているが、
 これまでの「ふるさと創生」や地方振興策がことごとく失敗に終わったという
 「不都合な事実」を直視し真摯に反省することなしに成果が出る筈はない」

「本気で地域経済の梃入れを行なおうと考えるなら、
 大企業正社員や公務員の退職金の税控除を大幅縮小し、
 その全額を育児世帯への現物給付に移転するのが最も効果的である」

「また、原子力発電を半永久的に凍結し、環境税を引き上げて
 税収を全額コージェネ推進と木質バイオマス熱利用に投入すべきである。
 エネルギー需要地では一気に熱利用が進み、
 化石燃料の輸入は大幅減少、その分は内需に還流する」

「農業では日本版AOC(原産地呼称)の導入、
 漁業では漁獲枠の大規模導入、林業では国産材建築の推進、
 木質バイオマス・コージェネの発電分の固定価格買い取り、
 食産業ではMOF(国家最優秀職人章)の導入、
 我が国の政府も官庁もこうした必要な施策を全く実行していない」

「非常に豊かな田舎がある欧州では地域資源の磨き方が巧みだし、
 自らの地域の良さをよく理解しているし活用法も優れている」

「うまくいった活性化策に「視察者が殺到」するのは結構だが、
 視察した後、何らかの成功に結びつけた事例が皆無に等しい。
 公費を使った視察に明確な成果がなければ、行政訴訟の対象とすべきである」

「「地方創生」なるバズワードは、政治感覚の鋭い者ならすぐ分かるように、
 自民党政権による有権者を丸め込む地方統一選向けのプロモーションに過ぎない」

「関係閣僚は「バラ撒きにはしない」などとほざいているが、
 安倍内閣の「国土強靭化」そのものが明白な業界バラ撒きなのだから、
 最初の第一歩から間違っている、もしくは有権者を騙そうとしているかのいずれかだ。
 (自民党の体質から見て、その両方である可能性が極めて高い)」

「直近では「地方創生」と称して東京23区の大企業の本社機能を
 地方に移転すれば税優遇という、シャープ亀山工場の失敗から全く学習していない
 「次元の低い」政策案を大真面目で出してきた」

「確かに企業経営の観点から言えばリスク軽減のために地方移転も必要だが、
 それは「地方創生」ではない。自分を安売りする租税競争の国内版でしかない」

「「地方創生」に寄与するのは、地域の実態や特性に根づいた
 付加価値創造に長けている多様な中小企業の存在である。
 そのような中小企業を政府が生み出したり育てたりすることはできない」

「ただ補助金や税軽減だけで釣られてくる大企業は
 自治体からいくらカネを貰えるかしか考えず、すぐに出てゆく厄介者だ」

「エリック・シュローサーはアメリカの大企業が州政府を脅し、
 移転をちらつかせて州政府から更なる恩典を脅し取る実態を書いている」

「ふるさと納税の上限引き上げは悪くないが、
 この程度の軽減では大した効果がないだろう」

「どうせまた、「人口減や地方経済の衰退に歯止めをかけ」るのに失敗しても
 政府も与党もキャリア官僚も、誰一人として責任を取らないのは間違いない」

「「ベンチャー企業への投資優遇税制」も、これまで死屍累々の政策だ。
 これまでの失策を全く反省せず有権者のカネをバラ撒きに使う
 政府や与党らしい腑抜けた政策案だ」

「投資庁によって対内投資を積極的に募るスウェーデンや、
 観光プロモーションが巧みな欧州国から学ぶ能力が根本的に欠如している」

「日本財団の18歳意識調査では、安倍の地方創生が
 「うまくいっている」と考える者が5%にも満たない。
 安倍は碌な政策を行っていないのだから、当然の帰結と言えるだろう。
 (それどころか菅が「ふるさと納税」バブルと大混乱を引き起こす始末)」

「しかも若者は安倍政権下ですっかり「劣化」しており、
 魅力ある大学がない、経済的メリットがない、
 官庁が移転してくればいいと我が儘放題、言いたい放題である」

「公立大学としては驚くべき成功を収めた国際教養大学で
 地元出身者の比率が激減して大問題になっている事実すら理解していないのだ。
 国際教養大学ができて、秋田県の人口流出が止まったとでも考えているのか?
 かつてのバングラディッシュのように、自らの惨状を誇張して援助を乞うのは間違っている」

「ただ、地方の若者を責めるのは正しくない。若者達は
 利己的で無責任な自民党議員の悪影響を受けて歪められただけであり、
 都市圏でホテルが急増しただの、経団連に調査を求めるだの責任転嫁する片山や、
 若者は高齢者のために地方に行って雪かきしろととんでもない暴言を放つ自民党政務官など
 真に批判されるべき対象は自民党議員であり、無責任の元凶である安倍なのである」

「周知の通り、東京圏への人口流入は23年連続で転入超過。
 転入が転出をおよそ14万人も上回るという状況で、
 安倍の「地方創生」は予算の無駄、役立たずという結論になろう」

「文科省の官僚のクビを握った官邸は
 大都市圏の大学定員管理厳格化を強行させたが、
 加計学園のような地方私大の経営陣を潤すだけで人口流出は変わらず、
 矢張り腐敗した安倍らしい「利益誘導政策」の一つに過ぎなかった訳である」

「おまけに地方創生担当相の片山はこの惨憺たる結果を
 「東京圏でのホテル急増」のせいだとすぐさま責任転嫁し、
 経団連など経済団体に「実態調査を求める」と言い放った」

「自民党の鈴木外務政務官に至っては「雪国で若者の就農を促し」
 などと若年層を将棋のコマか何かのように扱う始末。
 (このような増長議員の歳費をカットして予算に充当すべきであろう)」

「中共のように国民を思い通りに動かせると勘違いしているのか、
 安倍自民はまさに「頭から腐る」状況になっていることがよく分かる」

「腐った頭からは腐った政策と予算の無駄しか生じない訳で、
 大失敗した安倍や菅をクビにして権力の座から駆逐するのが信賞必罰なのだが
 惰眠を貪るB層が保守退嬰のため日本を衰退させる現況を延命させてしまっている」

「その結果、「地方の中小企業で働いたらカネを払う」
 「AIやIoTで地方創生」という碌でもない政策案ばかり出てきており、
 日本の政策の劣化は太平洋戦争時と同じ様な壊滅的状況に陥っている。。
 (大失敗した参謀の責任を問わず使い続けた大本営と全く同じである)」

「「地方創生」は惨憺たる失敗で
 選挙でB層を騙すための売り文句に過ぎなかった、ということだ。
 14万人の転入超を13万弱に減らしたところで手柄になどなるわけがない。
 予算効率・費用対効果から言えば「役立たず」以外の何ものでもない」

「大学の定員厳格化は、受験生を散々犠牲にして地方私大を助けるだけ、
 人口流出は変わっていないのだから「小手先」「糊塗策」である。
 人口減が予想されていたのに大学を粗製濫造した自民党が責任を誤摩化しただけの話」

「B層を騙すための案を手を変え品を変え繰り出す様は
 特殊詐欺グループの手口とそっくりである。
 何一つ検証せず責任も取らない詐欺政党が政権に入るとこうなるのだ。
 技術を活用すること自体は結構だが、政府が音頭をとって寧ろ失敗する例は余りに多い。
 (過去の経産省の大プロジェクトが死屍累々であるのがその証拠)」

「地方でも驚くべき成功を収めている自治体は複数ある。
 しかし、その共通点は「地域主導」であり「政府主導」ではない。
 だから政府の詐欺的な「地方創生」は常に失敗する運命なのだ」

安倍政権下で少し進んだのは日本版AOCぐらいで、他は論外という状況だ。

▽ 自治体がカネを出しても、企業は「税金を安くしなければここから出ていく」と言うだけの話

『ファストフードが世界を食いつくす』(エリック・シュローサー,草思社)


▽ 海外事例の研究が足りない評論家は、地方企業に法人減税すれば出生率が上がると机上の空論

『日本の生き筋ーー家族大切主義が日本を救う』(北野幸伯,扶桑社)


矢張り「「地方創生」と僭称する次元の低い政策案しか報じられず、
当ウェブログの指摘した通り、さもしい選挙対策に堕してしまうのは間違いない」結果となった。

「所謂「瀬戸芸」効果で香川県直島への移住者が増加、
 商業地地価も上昇したと日経が伝えているが、香川全体で言えば微々たるものだ」

「寧ろ日経記事の素晴らしいところは、高齢化や少子化の影響が大きく、
 観光客増の効果を打ち消してしまったと指摘している点である」

「地方創生は、真に効果があるのであれば勿論異論はないが、
 安倍と自民の「地方創生」は完全に口だけのバラ撒きであり
 実態は「地方衰退加速」でしかないのは厳然たる事実だ」

「これは勿論、保身と腐敗の塊である安倍自民の程度の悪さが主因だが、
 政府が関わると必ずと言って良い程に地方振興策は失敗すること、
 成功例を見ると悉く「政府や省庁が関わっていない地域主導型」であることから、
 地方創生が失敗した理由は「政府や省庁が余計な政策で邪魔したから」なのだと言える」

「例えば日本ワインの隆盛は営々と品質改善を続けた生産者の努力と工夫のお蔭であり、
 インバウンドで高い評価を受けている地域も全てボトムアップ型の成長である」

「ただ、そうした成功事例のある地域でも少子高齢化・社会減に苦しんでおり、
 真の地方創生には長野県下條のような強力な人口政策が不可欠であることも
 既にして明らかになっていると言えよう」

「甲州ワインは以前はお世辞にも品質の良いものとは言えず、
 生産者が熱心に栽培法や醸造法を研究し続けてから品質が急に良くなった。
 (政府や省庁が余計な邪魔をしなかったことも重要である)
 日本食が世界に広まっている現在、益々需要は高まるであろう」

「奥尻島は被災の後の公共事業投資と逆相関で人口流出が進んだが、
 産業振興に成功したのはこのワイナリーだけではないか。
 歴史が浅いのにコンクールで受賞して一躍名声を高めている」

「観光でも、程度の低い安売り政策を展開する安倍や菅とは違い、
 付加価値の高い事業は民間から始まっている」

「観光で成功すること自体は良いのだが、
 観光客は通常、住民よりも消費額が圧倒的に低い。
 納税においても地域貢献度は低いのである」

「インバウンドでの成功例に挙げられる京都や高山の人口動態を見ても明らかなように、
 人口政策なくして地方創生の成功はあり得ない」

地方衰退はそもそも自民党政権と地方自治体に原因があるのだから、
失敗に終わるのは最初から分かり切った話で、戦略的にも戦術的にも「必敗」である。

 ↓ 参考

「高齢化や人口減が観光客の増加を打ち消している」- 安倍の「地方創生」は大嘘、地方衰退が鮮明に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/699090e435b39e67e95634d1e3f98c10

「地方創生はうまくいっている」僅か4.8%、安倍は嘘と失態ばかり - 自民党議員は責任転嫁に必死
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/63c62f00163729bbe3847305bbc2a024

地方への本社機能移転による法人減税は「地方創生」ではない - カネに釣られる企業はカネで裏切る
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/aebad340bdf41ec0850b538d7d31331a

本社移転の税優遇でも大学定員管理でも徒労に、地方創生を唱えて人口流出 - 安倍の政策は死屍累々
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9f7064201ab6c145f6e4df28e7eec6e6

「奇跡の村」下條の出生率回復は住宅等の現物給付が主因、行政改革でも卓越 - 低次元の安倍政権と大違い
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/08bd9d382dd2624bd567b845d473189

▽ 長野県下條など卓越した自治体は、土建や公務人件費の予算をカットして次世代育成の財源とした

『奇跡の村 地方は「人」で再生する』(相川俊英,集英社)


医療従事者の感染防げ=防護具、陰圧テントの供給急ぐ―新型コロナ(時事通信)
http://medical.jiji.com/news/31113
”新型コロナウイルスの医療従事者への感染拡大を防ごうと、身近にあるクリアファイルを使って飛沫(ひまつ)から顔を守るフェースシールドが開発された。医療用陰圧テントの生産体制も強化されており、院内感染防止に向けた動きが加速している。
 フェースシールドを開発したのは、大阪大大学院の中島清一特任教授(消化器外科)らで、眼鏡メーカー「シャルマン」(福井県鯖江市)の協力を得て、3月下旬に完成させた。
 3Dプリンターで作ったフレーム部分にクリアファイルを装着する仕組みで、制作費は一つ100~300円程度。
個人で作れるよう3Dデータも無料公開した。
 中小企業による量産に向け20日からインターネットで資金を募るクラウドファンディングも開始。今後、全国の医療機関にフレーム10万個の無償配布を目指す。
〔中略〕
 駐車場などに設置できる医療用陰圧テントの生産体制を強化しているのは、東京ドームの屋根も手掛けた大型テントなどのメーカー「太陽工業」(大阪市)だ。
 太陽工業によると、陰圧テントは床や天井部分が一体構造で密閉性が高く、フィルターでろ過して外部へのウイルス飛散を防ぐ。新型インフルエンザや中東呼吸器症候群(MERS)の流行時にも、国内外の医療機関に計約300基を納入した。
 今回も、欧米やアジアを含め問い合わせが相次いでいる。
担当者は「これまで受注生産で昨年の販売は数基だったが、生産体制を見直し、年内に1000基を目指し迅速に供給できるようにしたい」と話した。”

今回のコロナ禍は日本企業の技術力を見直すきっかけになるかもしれない、
そう予感させる動きは各地で始まっている。それを促進する日本社会でありたいものだ。


社長もビックリ 旧マスク工場を再稼働 鳥取の農機具販売会社、非常用に設備保管(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20200311/k00/00m/040/107000c.html
新型コロナウイルスの感染拡大によるマスク不足を受け、農機具を取り扱う鳥取市の販売会社が、倉庫として使っていた旧マスク工場設備の再稼働を始めた。この施設を獲得した際に前所有者から非常時に備えて生産設備を残すよう要望を受けており、そのまま保管していたのだという。
 工場を再稼働させた「大志(たいし)」(鳥取市)は2017年11月、近くの工場を倉庫として取得。谷口健二社長によると、購入時に持ち主や技術者らから「10年周期くらいで大規模な感染症が流行するので、設備を残しておいてほしい」と言われ、需要があればマスクを再生産できるように設備を保管していた。
 現在は当時の従業員らの協力も受け、1日数千枚の試験生産を続けている。3月第3週の前半に同2万~3万枚の生産力を確保し、月末には同7万5000~10万枚にまで増産させる計画。
〔中略〕
 谷口社長は「(保管を提案された時は)まさかと思ったが、中国の感染拡大を見て1月後半から準備をしてきた。早く県民の手元に届くようにしたい」と話した。販売価格は1枚あたり約330円とやや高めだが、市販の安価なマスクより層が多い4層式で性能も高いという。
 10日には鳥取県の平井伸治知事が工場を視察。「大変頼もしい。性能もいいマスクとのことなので、皆さんが安心して暮らせるようになれば」と述べ、県や国の助成制度などで同社を支援する考えを示した。【野原寛史】”

矢張り、人口流出の続く地方においても人材はいるものだ。
この事例のように民間が創意工夫によって先導し、
政府・自治体がそれを支援するのが理想であり本道でもある。


余ったビール、クラフトジンに 木内酒造が飲食店支援(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO58076730V10C20A4L60000/
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で余った生ビールの廃棄が増えつつある中、木内酒造(茨城県那珂市)が飲食店向けの支援に乗り出した。飲食店で余った生ビールを受け入れ、同社の施設でビールを蒸留して作った「クラフトジン」にし、瓶詰めして返送する。廃棄するしかないと悩む店主らから相談をうけ、無償での協力に踏み切った。
 事前相談の上で同社の東京蒸留所(東京・千代田)へビールを送ると、瓶詰めしてラベルを貼っ…〔以下略〕”

よく考えたものだと感心させられたのがこちら。
確かにジンにすれば長期保存できるので利点が大きく、
流行りで魅力的な作り手も増えているクラフトジンにするのは大正解だろう。
(ただ、無償ではなく出世払いのようなスキームにすべきだったのではないか)


「こんな時だからこそ、花を」=県庁ロビーにフラワーアート―群馬県〔地域〕(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2020032700708&g=jfn
”群馬県は23日から、県のキャラクター「ぐんまちゃん」を県産のバラの花で描いたフラワーアートの展示を県庁1階ロビーで始めた。新型コロナウイルスの影響が広がる中で、県農政部蚕糸園芸課は「こんな時だからこそ、花を飾ったり花を贈ったりして、おうちの中を明るく心を豊かにしませんか?」と呼び掛けている。
 同課によると、新型コロナの感染拡大に伴う行事やイベントの自粛で、本来なら需要が伸びる年度末の花の消費が低迷。結婚式や歓送迎会で多く使われるバラも、市場価格が2~3割下がっているという。
 フラワーアートは高さ約2メートル、幅約1.2メートル。県産のバラ約600本を使って「ぐんまちゃん」を描いた。花の消費拡大を願って、「こんな時こそ 花を飾ろう 花を贈ろう」とのメッセージも掲示した。
〔中略〕
 子どもに人気の「ぐんまちゃん」だけに、同課担当者は「県庁を訪れた家族連れに、写真を撮るなどしてもらえたら」と期待している。”

政府も、政治家の思惑や利害に翻弄されしがらみの多い中央政府や省庁よりも
小回りの利く地方政府(自治体)の方が良い試みを実行できている。
惜しむらくは子供を分散登校させて豊富な素材でアートを嗜んで貰わなかった点。
良い教育になっただろうに。。


南房総の生花、無印良品が販売支援 コロナで需要急減(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO58278180Q0A420C2L71000/
良品計画は東京都内の「無印良品」の店舗で、千葉県南房総市で生産されている生花の販売を始めた。千葉県は全国有数の生花産地だが、新型コロナウイルスの影響で式典やイベントの中止が相次ぎ、需要が落ち込んでいる。販売先を失った生産者を支援しつつ、外出を控える顧客に生活の彩りとして提案する。
 短縮営業中の「無印良品 銀座」で17日から販売し、25日から他の都内6店で扱う。
〔中略〕
 複数の生産者から直接仕入れ、各店に宅配で納品してもらう。
 同社は鴨川市に農産物の直売所なども備えた店舗があり、今回仕入れ先となる生産者と交流があったという。「久保田バラ園」の久保田紘一さんは「都内の生花店の休業などで廃棄も多く、販売いただけるのはありがたい。花全体の消費拡大につながれば」という。
 良品計画は首都圏のカフェでも、休校や観光低迷で需要が減った千葉県産の牛乳やイチゴを仕入れ、24日から「いちご牛乳」(税込み350円)などで提供する。

より良いスキームは良品計画の方だ。
これなら所謂「三方よし」で民間企業の手本のような動きである。
(株主ばかり気にするファーストリテイリングと大違いだ)


稲盛財団、公演中止の劇団など支援 活動継続へ資金援助(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO58585240Y0A420C2000000/
公益財団法人の稲盛財団(京都市、金澤しのぶ理事長)は28日、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて公演中止などを余儀なくされている劇団などの実演芸術団体に資金援助すると発表した。文化芸術活動の担い手に対し、活動継続のための資金を提供する。総額は3億円。財団のホームページを通じ、5月17日まで募集する。
 資金援助は公益財団法人の日本芸能実演家団体協議会(東京・新宿)の協力を得て実施する。5月27日をめどに1000万円10件、500万円40件の支援先を決める。
〔中略〕
 支援の条件は3~4月に公演の自粛や中止などで500万円以上の機会損失が生じたことなど。実演芸術団体のほか、プロダクションや企画制作会社、舞台美術や音響、照明などを手掛ける会社も対象にする。
 稲盛財団は京都賞を主催し、最先端の科学者や技術者と並んで、思想・芸術の発展に貢献した人物の業績にも賞を贈っている。

権力に媚び諂って利得を求める腰巾着のような経済人が多いが、
経済界でも心ある人材はそれを苦々しく思っている。
そして今のような非常事態において鮮明な違いとして顕現するのである。
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土建ばかり先行した復興の虚妄、人口は流出し人が戻らない被災地 - 安倍の「利益誘導強靭化」政策の帰結

2020-03-11 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
今年もこの日が来た。9年もの歳月が流れたが、「復興」の実態は相変わらずである。
「国土強靭化」という虚名の下で進められた復興は失敗に終わり、
立派なインフラや急拵えの建物・住宅ばかりが残って
高齢化と人口流出は相変わらずである。

嘘つき安倍の言う「復興を加速」の実態はこのザマだ。
脱税した除染会社の有り様からも分かるように
加速したのは政策にたかる便乗主義と腐敗だ。

他方、復興の中で素晴らしい人間力、人材力も発揮されたが
殆ど全てが民間発であり、国会議員は時折申し訳のように来て
自分の手柄であるかのように自画自賛するだけなのである。
(空疎な嘘と欺瞞を垂れ流す安倍がその典型)

コロナ対策の件でも明らかになっているが、
日本社会は「政官は形だけ、民間発の活動の方が優秀」である。
震災復興でもありありとその病弊や民間活動の質の高さが示された。

南三陸で震災後に質の高い牡蠣養殖を実現させた事業者は
「若者はやりがいと誇りがあれば集まる」と語っている。

安倍自民が、若者にやりがいも誇りも与えられないから
被災地から若年人口が流出し復興が失敗し続けているのである。

▽ 政策面での「民度」はこの通り、政治主導での巨額の公共事業は確実に失敗する

『震災復興 欺瞞の構図』(原田泰)


当ウェブログの厳しい警告は、令和元年の陶酔が冷めた後に必ず浮上してくるであろう。

「元々、東日本大震災の被災地は過疎に苦しんでいた地域が多く、
 多くの識者が当該地域からの人口流出が起きると予想しており
 「復興」どころか「復旧」すら困難であることは予想されていた」

「加えて原発事故による壮烈な風評被害で
 福島とその近隣の第一次産業・観光業が凄まじい打撃を受けており、
 深刻な影響は後々まで残ることになる」

「知られているように被災地支援の熱意と活動は漸減するものである。
 被災地での日常回復も個々の状況や資質によって「まだら模様」となり、
 被災による打撃が甚大であった人々、復興の動きに取り残された人々は
 経済的にも心理的にもより苦しい状況に追い詰められつつある」

「寄付金でも「買って応援」でも彼らの苦境は改善されない。
 まして、自民党が票田にカネをばら撒き、選挙に勝つための方便である
 「国土強靭化」では復興が永遠に不可能なのは明白である。
 (せいぜい彼ら利益共同体の「利権回復」でしかない)」

「陛下が震災の影響が色濃く残っている被災地の現状に心を痛め、
 深い気遣いをされているのを聞いてしみじみと心打たれた後に、
 安倍首相のいつもの空々しい言辞を聞いて猛然と怒りが込み上げてきた」

「復興が進んでいる一部の見た目の良い場所だけで物見遊山し、
 震災が「新しいステージ」に入ったなどととんでもない嘘を吐く政治家は、
 天皇陛下のお気持ちを踏みにじる叛逆者に限りなく近い」

「今、被災地は復興どころか復旧も不可能になりつつある。
 それは様々な理由に基づくものだが、最大の理由の一つは安倍政権である」

「「国土強靭化」などと愚劣なプロパガンダを展開して
 公共事業予算を全国津々浦々にバラ撒いたために
 被災地に向かう筈の資材も労働者も一気に分散し、コストも高騰した」

「自民党のお家芸である業界買収策の余波で、
 ただでさえ困難な復興が遅れに遅れ、
 自民党と癒着している建設業界が優先するのは「ハコモノ」である。
 生活再建は業界に及ぼす恩恵が少ないので後回しにされる」

「このようなことは、自民党の通弊として、
 これまでの「実績」から見て分かり切った話だった」

「権力の監視どころか「権力の犬」になっている御用メディアは恥さらしである。
 こうした被災地の実情を知っていたら、「新しいステージ」が嘘八百である位はすぐ分かる筈だ」

「口ではいいことを言うが、相変わらず中身が伴っていない安倍首相。
 状況がかなり良い場所ばかり視察し、子供と一緒に写真に収まって
 自分のイメージだけ良くしようとする魂胆が見え見えである」

「あのバラ撒き民主党よりも自民党は6兆円の予算を上積みしていた。
 この巨額予算が、人口流出した被災地の巨大な建造物に化けたのである」

「震災復興がうまくいかなかったことは、この速報を見れば明白である。
 安倍政権による「被害」はこれにとどまらない。
 建設業ばかりに労働者が集中した被災地は、二度と立ち直れなくなる。
 自前の産業を失い、産業が空洞化する。政治家に予算を求めて生きるしかなくなる」

「被災地には穏和な人が多く、支援を受けて感謝している。
 だからはっきりと言わないのだが、本音は以下の通りだ。
 「安倍首相は大嘘つきで、「新しいステージ」になど入っていない」
 「安倍政権や自民党は、被災地よりも建設業界のために行動している」
 「震災復興は失敗しており、復旧すら不可能になった」」

「口だけ安倍政権が、経済ばかりか震災復興でも成果に乏しく、
 寧ろ復興を妨害している様相が明らかになってきた」

「「被災地の復興に向けた取り組みを加速する」などとまた空々しい美辞麗句を語るが
 映りの良い子供と一緒に御用メディアのテレビに映ってばかりで、
 震災復興が思うように進んでいない苦い現実を誤摩化そうとしている」

「その見え透いた小細工も道理であり、人の少ない場所に巨大な土木工事ばかり進み、
 自民党の票田である建設業界ばかりが儲かっているのが現実だからだ。
 自民党の国土強靭化こそが震災復興を妨げる根源なのだから、誤摩化すしかない」

「国勢調査によれば、被災地の人口流出は加速している。
 確かにインフラが失われてしまえば生活が困難になるから仕方のない面もあるが、
 福島の深刻な人口減少をみれば、「復興に向けた取り組みを加速」などと大嘘をつくのは
 とんでもない話であるばかりか、政権の重大な責任を認識すらしていない事実を示すものだ」

「また、岩手・宮城の人口減少トレンドは全く変わっていない。
 「取り組みを加速」したつもりだけで、成果は乏しい低能の証拠であるのは明白だ」

「「復興を加速」と称した安倍首相の発言は嘘で、
 投入した兆円規模の予算にもかかわらず
 東日本大震災の被災地復興ははかばかしくない」

「矢張り「復興格差」が進んでおり、特に福島原発事故の悪影響が甚大である。
 2020年に日本国民が東京五輪に束の間の熱狂を見せる時にも、
 多くの被災地自治体は今と左程変わらない現実を痛感せざるを得なくなる」

「これも大方の予想通りであろう、
 カネをいくら投入して公共事業を行っても、かつての生活が戻ってくる筈がないし
 被災地には元々人口流出・減少が続いていた地域が多いこと、
 そして福島原発事故は不可逆的かつ長年に及ぶ悪影響を与えていることから、
 復興が容易でないことは初めから分かっていたことなのだが」

「軽々しく大言壮語した安倍首相と、
 社員に対して「高く評価されている」と豪語する東電社長の言葉が、
 かつての暮らしを取り戻せない被災地の現状の前で
 白々しく響くだけなのは至極当然のことと言える」

「このままだと、建設業への降って湧いた特需と
 仙台など一部の震災バブルに終わってしまいかねない。
 多くの人々の命が失われ、コミュニティと生活が破壊された末に
 そうした結果しか残らないのなら、「復興」という言葉に対する深い不信ばかりが残る」

「西日本の豪雨災害により、改めて確認できたことがある。
 日本は「民度一流、議員三流以下」の国である」

「名もなき一般国民が、自前でボートを出して被災者を助けて廻ったり、
 自らも被災しているにも関わらず真っ先に炊き出しを始めたり、
 今回もまた諸外国が讃歎を惜しまない驚くべき事例が複数ある」

「しかし、この前例のない豪雨災害において一般国民の示した「民度の高さ」と、
 与党議員の示した自己中や「程度の低さ」が真に驚嘆すべきコントラストだ」

「「赤坂自民亭」炎上の件も醜悪だが、それは実は本質ではない。
 腐敗した自民党議員が大勢の犠牲者や被災者を「利用」して
 「国土強靭化」と称した業界バラ撒きの謀略を巡らせているのが最悪なのだ」

「死者を利用して予算を出させ、自分の票に繋げるという
 人間として最低最悪の行動と言っても過言ではない。
 (勿論、議員としても最低最悪であるのは言う迄もない)
 こうした「反社」議員の歳費を大幅カットして復興予算に投入すべきであろう」

「腐敗したこの連中の「業界バラ撒き」が地方自治体を衰退させ、
 地方からの人口流出と高齢化を加速させてきたのである」

「論より証拠、東日本大震災でも今回の豪雨災害でも、
 安倍の口だけ「国土強靭化」は殆ど効果を発揮せず、
 防災・減災に役立った予算の方が遥かに少ない位である。
 政策リテラシーが果てしなく低い安倍が何もしていないのは想定内だが、
 自民党議員も国交省も防災の費用対効果や検証を碌に行っていない」

「腐敗している上に大勢の国民を無視し、
 自分の選挙と票田への利益誘導しか考えていない
 自民党議員はまさに「国賊」と言うべきなのだが、
 こうした「国賊」を議員として選んだのが「民度」の高い国民なのだから不思議だ」

「考えられる結論はただ一つ、「日本国民の最悪の資質を反映したのが自民党議員」で、
 日本国民の自己中心的で利益誘導ばかり求める体質が国会議員に集中的に体現されているのだ。
 (実績や日頃の行動から見てそれ以外の結論は出ない)」

「国交省が治水計画の見直しに着手するとのことなので、
 矢張り国交省も自らの見通しが役に立たず、想定が外れている事実を
 認めざるを得なくなった訳である」

「しかし悲しいことに「業界」との関係が余りに深過ぎる官庁だけあって、
 「堤防の高さやダムのかさ上げ」等という旧態依然の対処しかない」

「相変わらず、防災の実効性や費用対効果を無視して
 防災事業の焼け太りのような非効率的状況を脱する見込みがない」

「諸先輩方に逆らえない組織というものは、正しい方向へ舵取りすることが非常に難しい、
 そうした深刻な現実をまた改めて証明してしまったと言える」

「安倍自民の国土強靭化(という名前の選挙対策のバラ撒き)や省庁の防災対策の
 非効率性を嘲笑うように、住民主導の防災対策と訓練で「一人の犠牲も出さなかった」
 奇跡的な団地が広島にあるが、安倍も自民も霞が関の組織人間も何も学ばないのだろう」

「その「奇跡の団地」の合言葉は「自分の命は自分で守る」であり、
 災害においては業界バラ撒きに必死の安倍や自民など信用してはならず、
 緊急時には官庁や自治体が住民を救ってくれる訳ではないと教えてくれているのだ」

「それを理解できずに国土強靭化などという欺瞞的な標語を信じる地域住民は、
 これまでの口だけ「復興」事業と同様に、故郷を衰退に向かわせることとなろう」

「自民党や政府の「復興」事業など信じてはならない。
 これまでの被災地での「復興」の実態が明々白々に証明している。
 奥尻島は地理的条件において著しく不利という点はあるものの、
 東日本大震災の被災地でもそっくりの状況になっているのが何ともやりきれない」

「国土強靭化よりもハザードマップ、それに加えて住民の意識と行動だ。
 災害の危険性の高い地域ではそれしかない。
 また、国交省は自らの見通しが外れている事実を直視し、
 機動的に社会インフラの復旧を行える仕組みを整えるべきであろう」

「東日本大震災から8年。追悼式で安倍は「復興を加速していく」と豪語したが、
 実態は被災地の方々や殆どの国民がよく理解しているように、真逆である」

「「復興は加速していない」「ハコモノ等のインフラだけ(=土建だけ活況)」
 「若者が戻って来ない」「政治家の言葉は空疎」が偽らざる真実なのだ」

「当ウェブログは公共事業や「国土強靭化」で復興を加速させようとしてはならない、
 それはこれまでの震災を見れば明白であり、重要なのは人材であると指摘してきた」

「全く学習能力も自浄能力もない安倍と霞が関は、過去から学ばず
 東日本大震災の被災地にインフラばかり整えようとし、
 被災地からの若者の流出を招いているのである」

「人口統計から、「復興が加速」などしていないことは明白である。
 ペースは緩慢で、二度と元には戻らない被災地も多いのだ。
 特に困難に直面しているのは、若年層が流出して戻らない地域である」

「特に、安倍が国会で非常用電源を失うことはないと豪語したにも関わらず
 (この劣化二世は、10年以上前から軽薄で嘘つきで無責任だったことが実証された訳だ)
 実際は全く逆の結果となり歴史に残る過酷事故の直撃を受けた福島の被災地は深刻である」

「こちらは政策で対処しようとしても条件的に厳しいところではあるのだが、
 エネルギー政策の転換をサボって福島の潜在エネルギー資源を活用せず、
 大規模な除染事業で腐敗が黴のように広がっているのは間違いなく安倍の責任である」

「「日本は「民度一流、議員三流以下」の国である」と当ウェブログは指摘した。
 安倍は三流以下なので(B層を騙す能力だけは一流)勿論例外はあるが、
 残念ながら東日本大震災からの復興においては完全に正しかったと言える」

「三陸海岸の地理的条件を活かした「南三陸わかめ羊」や
 三陸の陸前高田でしか養殖できない「エゾイシカゲガイ」のように
 見事に復興に貢献している素晴らしい例はある」

「それらは皆、例外なく民間発の事業である。
 安倍の手柄でも霞が関の貢献でも全くないのは言う迄もない」

「恐らく20世紀の世界でも有数の英明な君主であった昭和天皇。
 満州事変勃発の際には軍需物資禁輸の恐れを予見し、
 226事件では若い天皇を軽んじて日和見する陸軍幹部に決然たる姿勢を見せ、
 終戦時の的確な見通しも人間宣言の決断も常人の遠く及ばないところだった」

「その余りに偉大な父から天皇の地位を引き継がれたこと自体が
 筆舌に尽くし難い程に大変なことではなかったかと推察する」

「雲仙へ、神戸へ、東北へ、中国・九州へ。
 そして沖縄へ、サイパンへ、ペリリューへも。
 象徴天皇の新たな規範を陛下が築かれたと言っても過言ではない」

「陛下のお言葉は「国民に寄り添って」というものだったが、
 「災害の時代」だった平成に被災地を見舞われる両陛下は
 国民の方こそ自ら寄り添い申し上げないとと思わせる存在だった」

「国民の側も災害時において世界一と言っても過言ではない
 「民度」の高さを随所で示しており、災害支援への恩返しや
 過去の水害の伝承による迅速な避難など、改めて感服させられる例が複数見られる」

「政策面ではすっかり保守退嬰になっても
 災害時になると高い倫理性が必ず示されるのが不思議だ」

「令和は経済面では殆ど良い話がないと運命付けられているが
 (即位式に便乗して自己アピールに走った劣化二世のせいである)
 日本社会自体は決してその高い資質を失うことはないだろう」

「災害大国日本では、過去の災害の教訓を生かして
 驚くべき防災や避難を成功させた地域が必ず出てくる。
 今後も貴重な教訓を無にしないよう、先進例から学ばなければならない」

「人口流出が進む被災地の現状は明白な復興の「失敗」を示している」と当ウェブログは警告した。
豪雨災害でもコロナ禍でも学習能力ゼロの与党と腐敗政治家が日本社会を蝕んでいる。

▽ 地方で重要なのは人材の「質」であり、政府の頭ごなしの施策で再生する自治体などない

『奇跡の村 地方は「人」で再生する』(相川俊英,集英社)


「東日本大震災での「復興」の失敗は、西日本の豪雨災害でも繰り返されることとなろう」
とも当ウェブログは予言したが、悲しいことに予想通りの惨状だ。。

「台湾よりも遥かに劣る「後進国」並みの「全国で休校」という愚かな措置が行われ、
 判断力に劣り実行が遅い泥縄な日本政府の体たらくが全世界に知れ渡っている」

「安倍が碌に効果のない一斉休校で見え透いたパフォーマンスするから、
 民間事業者が凄まじい打撃を受けている。
 愚かで利己的なトップがいる国はえてしてこうなるのだ」

「しかし震災時も豪雨災害時もそうだったが、非常事態においては
 日本国民は驚くような民度の高さを示すものであり、今回も同様である」

「程度が低過ぎて寧ろ悪影響をもたらしている政治家とは違い、
 民間では俊敏に、困っている人々を助ける活動が始まっている」

「愚かで空疎なパフォーマンスしか芸のない首相が一斉休校を宣言すると、
 すぐさま保護者を助けるために子を預かる活動が始まっている。
 静岡などでは学校に子の居場所をつくり、学童では必死の防疫対策の上で受け皿を作ろうとしている」

「また、劣化二世の愚劣な判断で大打撃を受けた給食業者は
 食材を一気に買い求める消費者によって打撃を緩和させることが出来、
 より独創的な活動としては経営難に追いやられた飲食店が受注して
 低所得世帯に食事を届けるスキームをNPOが編み出した」

「ただ残念なのは、最近の選挙でのは日本の民度は明らかに低下しているので
 事態を改善させるどころか悪化させる愚かな政治家が権力を握ってしまうことだ」

「感染者の出ていない地域は分散登校にすれば良かったものを。。
 安倍は無意味な食品ロスを大量に生んだ点でも愚かで、恥晒しだ」

「悪しき官邸主導で政策を歪め、官僚機構を意気沮喪させ、
 社会を腐蝕させる政治が行われるのはそれが元凶なのである」

「悲しいことに、東日本大震災や豪雨災害での失政、
 地方創生の失敗と同じ様な現象がまた再び起きている」

安倍の「戦略上の大失敗を、戦術の巧妙さで取り返すことはできない」ということだ。
太平洋戦争は昔の話ではなく、今も完全に構図である。

 ↓ 参考

静岡で休校中の子どもを学校に受け入れ、大阪では保護者と飲食店を同時支援 - 政府より民間の方が賢い
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/88e447841597b64bcf896f0623e104814

被災地に戻らない若者、安倍の言う「復興加速」は土建業だけ - 政府や霞が関は予算をバラ撒くのみ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6f3779a1f9e6fed9b76d02dd6cd76e19

国交省の想定は外れてばかり、「国土強靭化」は予算の無駄と実証 - 命を守るのは住民主導の対策と訓練だ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a4a243e2925114b2cdeba8f29cd1b1ec

復興予算6兆円増額して人口減少が止まらず、安倍政権はもはや害悪 -「復興進んでいない」が住民の54%
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d54f95e8d21729902e8ae49c5c25d54a

被災地の女性の貧困が深刻化、自営業者・パートの約7割が失業中 -「国土強靭化」で復興できる筈がない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/af4ca12c6b88a24beb5dfa856ad6ee5f

▽ 地方創生が失敗したまま、令和に突入してしまった日本

『地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減』(増田寛也,中央公論新社)


福島の営農再開わずか3割 避難指示区域、帰還進まず 国の目標達成困難に(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20200305/k00/00m/040/245000c.html
東京電力福島第1原発事故により、福島県内で営農を休止した農地のうち、再開した面積は約3割にとどまることが各市町村への取材で明らかになった。帰郷する住民が少ないことが理由だ。国は2020年度末までに6割の目標を掲げたが、達成は難しくなっている。
 毎日新聞は2月、避難指示が出された福島県12市町村にアンケートを実施し、いずれの自治体からも回答を得た。
 この結果、営農を休止したのは、国や自治体が避難指示を出した12市町村1万7298ヘクタール。このうち19年度までに再開したのは10市町村5487ヘクタールで、全体の32%にとどまった。再開率が最も高かったのは12年春に避難指示が解除された広野町の72%。19年春まで全町避難が続いた大熊町と、4日に全町避難が一部解除された双葉町はゼロ。両町を除き、最も低かったのは、17年春に解除された富岡町と浪江町の3%。
 再開が進まない理由について「帰還した人が少ない」(富岡町、葛尾村、飯舘村など)という声が多かった。実際に、避難指示が出された区域の住民登録者数は事故当時7万4395人だったが、20年2月1日現在の居住者は1万6880人と23%に過ぎない。解除が遅れた市町村ほど再開率の低い傾向にある。
 原発事故後、国は原発から30キロ圏内を中心に稲の作付けを制限。国や自治体は放射線量が高く、立ち入りが制限されている帰還困難区域を除き、18年3月までに内陸部を含む農地約3万9500ヘクタールを表土を入れ替えるなどして除染した。
 国や県は帰還する住民が少ない中、避難指示解除から原則3年間、営農再開に備えた除草など農地の保全管理に補助を出しているが、楢葉町や葛尾村など4市町村で19年春までに一部を除いて期限が切れた。南相馬市や富岡町など5市町村では20年春に一部を除いて期限が切れる。
〔中略〕
 福島大の林薫平准教授(農業経済学)は「農地保全の助成が終了しつつある中、少数の担い手で農地を保全管理しきれない実態が顕在化しつつある。営農再開のモデルを確立し、広げていくことが重要だ」と話している。【渡部直樹】”

何が「復興を加速」なのか、いい加減にしろと言いたい。
確かに震災復興のため多くの人が尽力したが、与党政治家はその中に入らない。
こうした不都合な事実を無視して自慢話をするしか能がない輩だ。


長く住めない「ついのすみか」 岩手・宮城復興住宅、居住継続5割強 岩手大調査(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20200301/k00/00m/040/313000c.html
”東日本大震災後、岩手、宮城両県に建設された大規模災害公営住宅(復興住宅)で、今の住宅に住み続けると明確に決めている人は5割強にとどまることが、岩手大学三陸復興・地域創生推進機構の船戸義和特任助教らによるアンケートで明らかになった。国の基準で政令月収(控除後の所得)が15万8000円を超え、入居3年を過ぎると、割り増し家賃を取られることが背景にある。
〔中略〕
 調査は2019年12月から20年1月、コミュニティーの実態や課題を探るため、両県の集合型復興住宅で実施した。福島県は原発事故被災地への将来的な帰還を望む人も多いため、対象から外した。このうち、毎日新聞が整備戸数の多い上位3団地ずつ、計6団地を抽出して分析した。6団地では、13歳以上の入居者計2114人に配布し、半数近い988人から回答を得た。平均年齢は62歳で、約3割は1人暮らしだった。
 「今の公営住宅に今後も住み続けるか」との問いに「住み続ける」と答えたのは56%。「分からない」は36%、「転居を考えている」は7%で、合計43%だった。
働き手世代の15~64歳に絞ると60%に上昇する。「住み続ける」とした人の平均年齢が68歳であるのに対し、「分からない」「転居を考えている」を選んだ人を合わせた平均は53歳で、若中年層で永住意識が低かった。
 生活の不安や課題を選択式で三つまで答える質問では「家賃・生活費」を選んだ人が46%で最も多く、「健康・運動」34%、「仕事・収入」23%と続いた。
 国は19年12月、復興住宅の家賃を安く抑えるために自治体に出してきた特例的な補助を、21年度以降に見直す方針を示した。国の担当者は「毎年のように大災害が起き、公平性を保つ意味もある」と説明する。
〔中略〕
 復興住宅で自治会の設立・運営を支えてきた船戸特任助教は「現役世代の永住意識が薄くなると、復興住宅が老人ホーム化する懸念が現実味を帯びてくる。コミュニティーの活性化につなげるため自治会活動への参加を条件に家賃を減免するなど、現役世代に住み続けてもらうための制度を作るべきだ」と提言する。【中尾卓英、三瓶杜萌】

 ◇災害公営住宅(復興住宅)
 災害で自宅を失った人のために、都道府県や市町村が国の補助を受けて整備し、安い家賃で貸し出す住宅。集合型と一戸建て型がある。東日本大震災では岩手、宮城、福島の3県に約2万9000戸が建てられた。”

復帰住宅はコミュニティ再生に失敗し、まさに「老人ホーム化」している。
ここから教訓を汲み取ろうとする動きはいまだにない。


戻らない住民多く、目立つ空き地…「遠い復興」震災9年(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200310-OYT1T50328/
”東日本大震災から11日で9年となった。岩手、宮城、福島県では住宅再建が進んだものの、復興事業の長期化による人口流出は深刻で、再生された街に空き地が目立つ。東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島は、避難指示の解除が遅くなった地域で住民帰還の動きが鈍い。政府が復興の総仕上げとする「復興・創生期間」の終了まで1年。
〔中略〕
 高台や内陸部への集団移転事業は、残る16戸の宅地が今月内に完成予定で、計画された8389戸の造成が終わる。災害公営住宅も計画した約3万戸の99%が完成。最大約12万戸あった仮設住宅は、新年度中に原発避難者向けを除いてなくなる見込みだ。ただ、津波対策で大規模なかさ上げを行った中心市街地は、商店や住宅が戻っていない
 被災地の鉄道は今月、すべて復旧する。福島のJR常磐線富岡―浪江駅間は14日に運転を再開。昨春の復旧後、台風で再び被災した岩手の三陸鉄道リアス線も20日に運行再開となる。
 一方、福島の苦境は続いている。避難者はいまだ4万人超。この9年で避難先での定住が進み、帰還意欲は低い。復興庁の調査で「戻らないと決めている」と答えた住民は、今月に避難指示が一部解除された双葉町や大熊町で6割に上る。
 漁業は原発事故後、魚種ごとに安全性を確認しながら試験操業を続け、本格的な再開を目指してきた。しかし、原発の汚染水を浄化した処理水の処分方法を巡り、政府の有識者会議が海洋放出を含む2案を提言。漁業者の間に風評被害を懸念する声が広がっている
 政府は、復興庁の設置期限を10年延長して2031年3月末までとした。福島で避難者の帰還促進や風評被害対策に取り組む一方、岩手、宮城では5年をめどに産業振興などを支援する事業の完了を目指す。”

安倍は福島原発事故の甚大な影響について申し訳のように言及するが、
福島での影響の大きさは安倍が口先で謝ったところで1ミリも改善しない。
そして「国土強靭化」という名の下の土建依存の復興事業は福島以外でも大失敗している。


被災地発、次世代のカキ養殖=「過密」避け味向上、時短も―東日本大震災9年(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020030401014&g=soc
宮城県南三陸町の戸倉地区にあるカキの養殖場が、東日本大震災後、養殖いかだを7割減らす画期的な方法で復活を果たした。成長と環境保護の両立が評価され、2016年に国内で初の水産養殖管理協議会(ASC)認証を取得、19年には農林水産祭の天皇杯も受賞した。主導した後藤清広さん(59)は「震災を経験したからこそ挑戦できた」と語り、若手への継承や地域的な広がりにも手応えを感じている。
 県漁業協同組合の志津川支所戸倉出張所では、津波で船や養殖設備などを全て失い、12年、いかだを震災前の約1000台から約270台まで減らして養殖を再開した。当初は、いかだの所有権を手放さなければならない漁師からの反対が根強かったという。
 仲間の説得に奔走した後藤さんを支えたのは、11年8~12月、試しに育てたカキが驚くほどのスピードで育ち、味も良くなったという結果だ。
従来は、出荷の目安となるむき身の重さ約15グラムに達するまで2~3年かかっていたが、稚貝が減ったことで1年で30~40グラムまで成長。出荷サイクルを短縮できた。若いカキは甘みが強く、生食用に高値で売れるという。
 後藤さんによると、志津川湾一帯は震災前もたびたび津波被害に見舞われた。その都度、養殖設備を強化して生産量を増やすことを繰り返した結果、約1000台がひしめく過密養殖となり、成長は遅く味の評価も下がっていたという。後藤さんは「何十年もやってきたが、自然の回復力に初めて気付いた。品質を上げれば、生産量を減らしても収入は増やせると思った」と振り返る。
 いかだを減らして3年ほどたつと、機材が十分に整い、船の燃料代などの経費削減や労働時間の短縮と共に漁師たちの平均収入は伸び、現在では震災前の1.5倍に。ASC認証を受け対外的な評価が高まると、30代以下の就業者が震災前の2倍以上に増えた。
 後藤さんの長男伸弥さん(35)もその1人。養殖の将来に希望が持てず、一時は別の仕事に就いたが、「味の違いにびっくり」し復帰。若手で試食イベントを企画するなど、地域の盛り上げにも積極的に取り組む。
〔中略〕
 後藤さんは「若者はやりがいと誇りがあれば集まると痛感した。どん底を経験した戸倉でできたのだから、どこの地域でもできる可能性がある」と力を込めた。 ”

この通り、真の復興を果たすのは民間の人材だ。
過剰漁獲を繰り返して資源を蕩尽した今の日本漁業への警告ですらある。

安倍官邸は乗っかって自画自賛するだけの醜悪な存在で、
寧ろ衰退を加速させているのである。
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