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幼児教育無償化の本性は「事業者へバラ撒き」、餌に釣られたB層の末路 - ジェンダーも強化されるだけ

2019-11-06 | 少しでも社会貢献
助成金詐欺・定員割れ・質の低下と碌でもない事態が頻発し、
企業主導型保育所の大失敗は誰の目にも明らかである。

希望出生率1.8も、待機児童ゼロも完全に口だけで
嘘ばかり連発して権力の座にしがみついてきた安倍とその取り巻きだから、
幼児教育無償化が税収の壮大な浪費という大失敗に終わるのも
今の時点で既に確定した「末路」である。

早速、「便乗値上げ」が続発しているのがその証左だ。
待機児童が多い都市部で保育の質を確保するためには、
フランス並みの重税で監視コスト(抜き打ち検査などが必須)を負担するか、
評価など情報公開を徹底した保育ママの供給を増やすしかない。

安倍や自民が利権に不都合なこの二策を導入しないのは不思議ではないが、
メディアや識者も保育政策のリテラシーが低すぎて保育利権を寧ろ膨脹させている。

予言しておこう、予算の過半は保育事業者の懐に入り、
幼児教育無償化は就労促進をもたらさず貯蓄に化ける。
出生率は変わらないか寧ろ低下するだろう。
そして消費も経済成長率も悪化する


保育利権の温床であり、経済界とカネで癒着した安倍自民だから
このような惨状に至るのは容易に予想できる話だったが、
日本の有権者はすっかり「B層」化して思考停止したまま、
諸悪の根源である安倍とその取り巻きを放置している始末だ。

こうした事態に至った一因は有権者の側にもあり、
元々ジェンダーが先進国とは思えない程に強固な日本女性は、
高学歴高所得であっても弱者を装ってバラ撒きを要求し、
モラルハザードを更に深刻化させているからだ。

▽ 日本の大卒女性は非大卒女性より高所得だが低出生率、本来なら育児支援負担を増やすべき

『日本の分断 切り離される非大卒若者(レッグス)たち』(吉川徹,光文社)


悲しむべきことに、「日本経済停滞に直結する「死に至る病」」と当ウェブログが予言した通りだ。。

「子供を育てない者も育児を社会的に支えれば良いのである。
 コストを負担しても労力で負担してもどちらでも構わない。
 どうせ老人になれば他人の子供達のお世話にならざるを得ないのだから」

「その意味では、日本生命が契約者に対し行った調査の方が重要である。
 結婚を望まない適齢期の男女の回答として、
 理由の第一位は「1人でいるのが好き」で30%に迫っていると言う」

「婚姻はプライベートな問題で個人の自由であるのは無論であるが、
 この日本では非婚は「育児負担を転嫁するモラルハザード」に直結する」

「どれほど健康な人間でも、老後は政府からカネを受け取ることになる。
 (現状の日本の社会保障制度においては、高齢層は払った以上の給付をほぼ確実に受け取れる)
 非婚を自ら選択した者が、多くの子供達のためにカネを出して支援するなら良かろう。
 それならば老後に政府からカネを貰っても辻褄が合う」

「しかし、そのような殊勝な非婚者は殆どいない。
 カネは自分のために使い、老後は他人の子供にカネを出させて過ごすことになる」

「特に女性は、男性よりも平均寿命が長いのに生涯所得は相対的に低い。
 労働時間も相対的に男性より短く、子供を育てない場合は時間的余裕もかなりある」

「男性並みに納税するか、子供を育てるか、どちらかを選ばないと、
 典型的なフリーライダー(福祉ただ乗り)になり厳しい批判を受けるのは必至である。
 それとも弱者を自称して政府にカネを要求する醜態を見せるか。
 彼女達にそのような最悪の選択肢を選ばせてはならない」

「アメリカは結婚すると露骨に不利になる職場や子育て環境であるが、
 日本のような非婚化は進んでおらず出生率も高い。
 つまり雇用と非婚は完全に別次元の話である」

「また、フランスや北欧諸国のように女性就業率の高い欧州国の特徴は
 国民負担率が高く、働かざるを得ないことである」

「独身志向が強まる真の理由は、日本の税率が低く家族政策や雇用政策がお粗末で、
 苦労して子供を育てるより独身のままで他人の子供のカネを貰って老後を過ごす方が得だからだ。
 つまりこれは典型的なモラルハザードの問題なのである」

「働き方ばかりか少子化とも深い関連を持つことだが、
 現下の「M字カーブ」、つまり女性が結婚出産で仕事を辞めて
 就業率が低下する現象は、決して企業や男性だけの問題ではない」

「女性自身の意識の問題もまた決定的な要因である。
 調査によれば「結婚・出産後も働く」と考えている未婚者は多数派であるものの
 出産後に「豹変」して矢張り子供の傍にいたい、仕事に戻るのは気が進まないとなる」

「自らの立場と置かれた状況によってもがらりと意識が変わるので、
 育児中の女性に厳しいのも、男性よりもキャリア女性や独身女性であることが多い。
 家庭での「産後クライシス」だけでなく職場での「育休後クライシス」も問題なのだ」

「これは、前々から言っているように女性同士でも価値観や立場上での対立が深刻で、
 協力し合ってWLBや育児支援策の改善に努めていないからでもある。
 (電車内でのベビーカーをより厳しく見るのが女性であるのは有名な話)」

「北欧のように税負担を高めて
 特に働かない者への課税を強化し、その分を財源として
 育児支援予算を手厚くしなければ忌まわしい経済縮小のスパイラルからは逃れられない。
 人口動態の劣化により低成長は変わらず、従って所得も増えない」

「配偶者控除や第三号被保険者のような「利権」を維持している限り、
 女性就業率も出生率も低迷したまま、時短勤務の普及も進まないだろう」

「自らのスキルを眠らせて勤労より自己満足を選んでいる向きが多いのだから、
 OECDが日本の女性に関し「人材の浪費」と指摘しているのも至極当然であろう」

「日本では政策で強く動機付けしないと女性就業率は上がらないし、
 ワークライフバランスも牛歩の歩みでしかないし、
 ましてや待機児童問題の解決は遠く出生率も上がらない。
 利己的で他人に無関心な者が多いからだ」

「「マタハラNet」によるマタハラの民間調査の結果を見て驚愕した。
 女性管理職の「マタハラ加害者率」が異様に高いのである」

「ILOの調査では日本の女性管理職は全体の11%に過ぎないから、
 上司のマタハラ加害者は男性:女性がおよそ5:2のようであるので、
 管理職比率を考慮すると女性上司の実質的な「マタハラ率」は男性の3倍を超える。
 同僚からのマタハラも女性からの加害が多いという調査結果が出ているのだから、
 これを異常と言わずに何を異常と言うのだろうか」

「マタハラを抑止する強力な施策としては、
 労働基準監督署の機能強化(公共事業バラ撒きなどより遥かに生産性向上に有効である)や
 労働Gメンのアウトソース、1人当たり残業時間の多い企業の法人税率を引き上げること、
 残業代請求の時効を延長して悪質企業の負担を重くすることなど、
 企業経営陣が顔色を変えて行いを正すような経済メカニズムが必要である」

「マタハラを根絶するのは実は簡単な話で、
 フランスのような社会保障基金を積み立てて産休育休の際に充当すること、
 配偶者控除や第三号被保険者を全廃して育児支援の現物給付に移転すること、
 税率を引き上げて代替要員のため公費を投入することだ」

「出生率のV字回復を実現したデンマークやフランスと比較すれば、
 我が国の政府の低能と無責任は余りにも明白である。
 韓国や香港より少々ましだからと言って、何の言い訳にもならない」

「若年層を対象とした厚労省調査によると、
 将来的に子供を希望しない割合が10年前に比べて大幅に増加している。
 独身男性で約7%、独身女性で約4%もの伸びである」

「こうした人々は将来のフリーライダー予備軍であり、
 老後には他人の子供にたかって生きるモラルハザードの温床ともなる。
 彼ら彼女らをそのように仕向けているのは政策の罪である」

「日本は、モラルハザード予備軍に課税して育児世帯に所得移転し、
 雇用と所得、税収を増やし、我が国の持続可能性をV字回復させなければならない。
 目先しか見ない国民を、フリーライドによる同胞搾取の恥ずべき道に進ませてはならない」

「当ウェブログは、少子化問題の原因は女性にもある、
 マタハラ問題では女性上司や同僚にも原因がある、
 と前々から指摘してきたが、それを裏付ける報道が複数出ている」

「マタハラ加害者に女性が意外に多いこと、
 特にバリキャリの女上司が若い女性に冷たいこと、
 保育所建設に反対している周辺住民の中にかなりの女性が含まれていること、
 (騒音被害は理解できなくはないが、反対派の言い分は「迷惑なので出て行け」と言わんばかりだ)
 ベビーカーに厳しい目を向けるのは女性の方が多いこと。
 これは非常に深刻な自己中心的精神の現れと言えるだろう」

「また、「日本は育児に冷たい」とする当事者の意識にも歪みがある。
 アメリカは日本と同様、育児支援が極めて貧弱な国だが
 日本のように「子育てがしにくい」という声は殆ど出ていない。
 この現象は、「育児は重要」とは言うが負担は拒否する日本国民と合わせ鏡のように酷似している」

「「保育園落ちたの私」騒動の背後には、根本的に間違った認識がある。
 このようなデモが起きるのは日本だけであり、
 日本と同様に育児支援が貧弱なアメリカでは起きていない」

「しかも、アメリカでは日本のように政府へ責任転嫁する声は殆どない。
 日本国民は給付やサービスに見合った税・社会保険料負担をしていないのだから、
 公費をがぶ飲みする保育利権を放置しているのだから、
 日本の待機児童問題が殆ど改善しないのは当然である」

「待機児童が発生しない北欧の国民負担は日本より10数%も重いものだ。
 待機児童問題を解決したければ税と社会保険料を欧州並みに払うべきである。
 また、特に大都市圏で高コストになる認可保育所への公費投入を削減し、
 小規模保育所や保育ママへの公費補助に予算移転させるべきだ」

「デモだけで何とかできると夢想するのは怠惰な精神の証であり、
 政策への無知と自己の負担増を回避しようとする身勝手な発想によるものである」

「そもそもデモの参加者は「落ちたの私」ではなく
 「落ちたの他人」だった時には大多数が無関心で冷淡だった筈だ。
 多くが保育士の低賃金を知っていた癖に何もしてこなかったではないか。
 自らの税負担を高めて保育士の賃金を上げようとする殊勝な考えも持っていないではないか」

「我が国の認可保育所の保育料は、自己負担比率が半分以下である。
 認可外保育所では保育料が月に10万円を超える場合があるが、
 それこそが「保育の真のコスト」に近い」

「明治安田生活福祉研究所による若年未婚男女への調査で、
 2014年から2016年の僅か2年間で結婚願望が「暴落」したことが判明した。
 男性が約19%、女性が約18%という凄まじい暴落ぶりである」

「また、2008年の調査と比較すると、若年男性の「交際相手なし」が倍増している。
 男性の場合、恋愛も婚姻も所得との関連が強いことが分かっているから、
 理由は一つしかない。男性の所得低下が元凶である」

「アベノミクスの大失態は若年層の意識にも甚大な影響を与えており、
 所謂「結婚はコスパが悪い」という意識も急激に増えている。
 若年層の所得が伸びていればこのような意識はあり得ないから、
 安倍政権の「自国民窮乏政策」はこの国の未来までも危うくしているのだ」

「有権者として未熟な親は、
 結婚前に欧州並みの税と社会保険料を払っていないのだから、
 欧州国よりも遥かに手取りの割合が大きいのだから、
 通常の先進国よりも極端に高齢者向け給付が膨張しているのだから、
 北欧ではあり得ない「保育利権」が残っているのだから、
 待機児童問題が解決する訳がないことを理解しなければならない」

「公費をかぶ飲みする認可保育所の利権を打破し、
 小規模保育所と保育ママに使えるバウチャーを導入しなければならない。
 配偶者控除を廃止し、富裕高齢層への給付をカットして
 育児支援の現物給付に回さなければならない」

「小室淑恵・WLB社長と白河桃子女史がプレジデント誌で対談している。
 「長時間労働是正は少子化対策」という自己欺瞞的な論旨で、
 間違いなく日本の少子化は改善できないと確信させられるものだった」

「確かに両者とも有能で優れた実績がある逸材であるが、
 少子化対策についてはジャミングに等しい言説を繰り返して
 我が国の出生率低迷を寧ろ助長している可能性が高い」

「既に、事実によって長時間労働是正が出生率を殆ど向上させないことは立証されている。
 何故なら、労働時間が短く生産性の高いことで知られるドイツよりも、
 育児支援が貧弱で労働時間の長いアメリカの方が遥かに出生率が高いからだ」

「あれだけ育休取得率が高く、育児支援に予算をかけていても、
 ドイツの出生率は日本の出生率より低いというのが「不都合な真実」である」

「高出生率の北欧国(スウェーデンやデンマーク)・フランス・ドイツを比較すれば、
 長時間労働是正が合計特殊出生率とほぼ無関係である事実が実によく理解できる」

「欧州の家族政策の違いを比較研究すれば、
 出生率を大きく左右するのが現物給付であることは明白だ。
 (現物給付の充実こそ、北欧の高出生率国の特徴である)」

「アメリカは現物給付の代わりに(?)格安のベビーシッターを雇えるが、
 安全に重きを置き、高関与型の育児文化を持つ日本は絶対に真似できない」

「だから、配偶者控除の全廃か富裕高齢層への給付カットを原資として
 育児関連の現物給付を一気に増やすのが確実に出生率を上げる正しい政策なのである。
 (あとはバウチャーを大々的に導入して保育ママに使えるようにすれば待機児童は激減する)」

「高学歴高所得層が自己欺瞞の眠りから覚めない間に、
 日本の少子化は益々深刻な状況に陥っている。
 仕事との両立支援と少子化がディカップリングしているのは明白である」

「驚異的な高出生率を記録している長野県下條や岡山県奈義の事例を見れば明白だが、
 日本の高学歴高所得層の多くは負担を嫌って中・下所得の育児世帯を無視し、
 中核から焦点を逸らした議論を展開することで
 我が国の出生率低迷を愈々深刻なものにしているのである」

「これまでの日本政府の失敗や安倍政権の口だけ政策だけではなく、
 日本では政治力の強い高所得・高学歴層の自己欺瞞が出生率低迷を招いているのだ」

「女性から出てくる少子化対策の提言が、悉く功利主義の陰を帯びている」

「これは日本社会では学歴や所得を問わず、同じである。
 自分やその属する社会集団の利害を計算して提言されている。
 より正確に言えば、自分や自分の属する社会集団が利益を得るのが当然と考えている。
 (更に、男性から提言される育児支援が同工異曲なのも問題なのだが)」

「税負担を増やさずに自分が育児支援を受けたい、
 もっと困っている同性の存在は見ないふりをして忘れる、
 自分が支援を受けるのはウェルカムだが、自分が支援するため負担が増えるのは嫌だ。
 本音ではそうしたところなのではないだろうか」

「公費負担の軽い保育ママではなく高コストの認可保育所ばかりを求め、
 公平で平等な現物給付より利権に等しい配偶者控除を求め、
 非正規労働者や低所得層を無視して長時間労働ばかり批判する。
 面倒な親世代との同居を嫌い、支配しやすい夫に負担を押し付ける」

「急速に高齢化する日本では、女性就業率も出生率も北欧並みに高めないと悲惨な未来になる。
 女性の「願望」に基づいて政策を決定したら絶対に少子化も日本経済も救われないだろう」

「高出生率・高成長のスウェーデンでは、女性でも就業を強制され、
 理由もなく働かないでいることは非常に難しい。自動的に働かされる高負担社会だ。
 仕事と育児を両立する者が自動的に恩恵を受ける合理的な社会だ」

「日本は、こうした卓越した社会システムから学ばなければならないのに、
 ご都合主義のつまみ食いで、負担もなく恩恵だけ得ようとする者が多い。
 だからこそ非婚少子化も、日本経済停滞も続いているのである」

「核家族という家族形態には、重大な欠点がある。
 親を指導したり教え諭したりする存在がいないため、
 父親や母親が暴走すると手に負えなくなるのである」

「日本総研の調査で、矢張り日本女性の意識や行動そのものに
 「女性活躍」を阻む要因、少子化問題を招く要因があることが確認された」

「世帯年収の60%以上を妻の年収が占める世帯は
 妻の卒業した大学の難易度が上がっても(つまり、高所得であっても)増えないこと、
 超高学歴女性であっても妻が世帯年収の60%以上を占める世帯は全体の7.7%であること」

「これはハイパーガミー(上昇婚)を自ら選ぶためか、
 日本女性の意識の奥深くに根強いジェンダーが巣食っているためか、
 それとも両者の相乗効果であるか分からないが、
 男性にだけに原因があるのではないことが明確になったと言える」

「男性に全く原因がないとは言わない。
 しかし、女性も行動を改めないのであれば、
 どうして男性側に同じようなことを要求できようか。
 自分だけの利得ばかり要求し、シングルマザーや貧困層を完全無視している自らの利己主義を
 はっきりと認識し、不都合な事実から目を背けて他人に要求ばかりしている自己を反省し改めるべきだ」

「女性は、経済面において男性以上の格差があることが知られている。
 超高学歴女性がジェンダーに囚われていて、上昇婚ばかり選好していれば、
 そして男性と社会にばかり責任転嫁していれば、どうして女性活躍など実現しようか。
 真の意味で男女平等に近い北欧は夢のまた夢である。
 (恐らく日本女性は、そうした厳しい平等を求めず不平を言うだけで、現状維持に協力している)」

「また、予想した通り高学歴・高所得になると子供の数が減っている。
 高学歴・高所得女性は、経済的にも労力的にも育児負担が少ないのだから、
 自らの負担する税や社会保険料を引き上げなければならない。
 その分を、自分の老後を支えてくれる次世代を育てる同性のために供出しなければならない。
 独身であれば、子を育てる代わりに税と社会保険料で次世代育成に貢献しなければならない。
 そうでなければ、自分の老後費用を他人の子供に払わせる「搾取」を行うことになるのだから」

「彼女らの自己欺瞞は、家事育児に全く協力しない時代遅れの男性と酷似しており、
 何を言われても全く自省せず、態度を改めようとはしない点でそっくりである」

「相対的に政治力・発信力のある高学歴女性が
 本音では自立と平等を望まず自家撞着に陥ったままでいれば、
 そうした体たらくでどうして日本社会を変えることができようか」

「「保育園落ちた日本死ね」騒動に関する調査で、ちょっと寒気のする数字が出ている。
 正規雇用の女性と非正規雇用の女性の意見がかなりズレているのだ」

「母体数が少ないのでバイアスはあるものの、
 「保育園落ちた日本死ね」に共感するのは正規女性で55%、
 非正規女性だとがくんと下がって43%になり、半数にすら達しない」

「最も共感するのは子が1人いる女性で69%にも達するから、平均との乖離を見ると
 それ以外の層は正規女性で共感できるのは40%以下、非正規女性では30%以下と推測できよう」

「この調査は育児や少子化に関心のある層を対象としたものと思われるので、
 「保育園落ちた日本死ね」に対する共感は社会全体では更に低いのは確実で、
 日本は待機児童問題に対して極めて冷淡な社会であると考えざるを得ない」

「日本女性の多くは恐らく自分の置かれた立場や状況で意見が変わり、
 自己の利害を超えて少子化問題の解決を図らなければならないとは全く考えていない」

「人件費も不動産賃貸料も高い都内で、保育所に依存したら待機児童が増えるに決まっている。
 機動的な保育ママとシッターの利用を主力としなければ永遠に問題解決はない。
 (それとも、北欧並みの重い間接税を払うとでも言うのか?)
 大した負担もせずに集団保育を望む親こそが「待機児童問題」の元凶である」

「当ウェブログは高学歴・高所得女性に厳しいと思われるかもしれないが、
 男女平等を支持する立場に立つ限り、それ以外の結論はないと考えている」

「だから、「家事育児は夫が手伝うのは当然」だが、
 同時に「夫が家計を担うのが当然」と公然と答える自己欺瞞は
 「男女平等の観点から」批判せざるを得ないのである」

「また、配偶者控除や第三号被保険者のような差別制度を放置することも、
 欧州のような高負担もしていない癖に認可保育所を求めることも、
 先進国の有権者としては根本的に間違っている」

「女性の就業率や生産性が低いのを放置して
 夫の労働時間を短縮させて育児を手伝わせることを望むのも同様だ。
 非婚や少子化がまるで男性の責任であるかのように主張するのも同様だ。
 (結婚は相互の合意によって成り立つものだから、男女平等に「責任」を負わねばならない)」

「本気で男女平等を求めるなら配偶者控除と第三号被保険者を全廃し、
 女性が就労できるように保育の現物給付を増やさなければならない。
 都市部で施設保育を望むなら今の認可の保育料の三倍(=真のコストである)は払うべきだし、
 女性が就労でき一人でも育児が出来るように負担を増やさなければならない」

「ところが実際はそうなってはいない。
 偽の「男女平等」を口実に自分のQOLを高めるため、
 高学歴高所得女性は「夫に家計を担わせ、育児も分担してもらえば良い」
 一般女性は「そんなに働くつもりもないから家事育児をやって貰った方がラクだ」
 と考えているとしか思えない事例が非常に多いのである。
 (その証拠に、他の女性の苦境には本気で同情してはいないことが言葉の端々に滲み出る)」

「エスタブリッシュである高学歴高所得女性が、自らの歪んだジェンダーを自覚せず
 いつまでもその「矯正」ができなければ日本社会が変わる訳がないのである」

「かつて私は、有能な高学歴高所得女性が日本社会を変えると期待していた。
 しかし、名門校で高等教育を受けた女性たちの多くが、徹底してその「有能さ」を
 自らや自らの属する階層の利益のために発揮させているのを目の当たりにして、
 完全に考えを変えるに至ったのである。言葉を信用せず、計量的に本音を洞察する必要があると。
 日本経済や日本社会のため、幾重にも知的武装した自己欺瞞を打破しなければならないと」

「女性の大学進学率が男性を超えてしまった「男女平等」な海外では、
 「高学歴女性に相応しい相手が少ない」という不都合な真実が明らかになりつつある」

「日本ではまだ、女性の大学進学率は男性よりも低い。けれども、当ウェブログは断言しておく。
 日本では日本固有のジェンダーが根深く広がっているので、海外先進国と同様に、
 「相手を見つける努力をしても限定的な選択肢しかない女性」が急速に増えており、
 そうした層は幸福な家庭を築いた同性を強烈な嫉妬の目で見ている。
 次世代育成のために自らも負担を増やすというアイデアには怒りすら感じて反対するだろうと」

「衆院選前に、衆議院会館で「みんな♯保育園に入りたい」という集会が開かれたそうだが、
 その内容を仄聞して余りにも酷過ぎるので愕然とさせられた」

「その集会には世田谷区長や大学教員、元自治体幹部が入っているのに、
 誰一人としてまともな待機児童対策を唱えず、ただバラ撒きを求めるだけだった」

「まず保坂・世田谷区長は、「財源には限りがある」(=国民負担か利用者負担が足りない)と言いつつ、
 「企業は何をやっているんだ」などと無責任な責任転嫁に走っている。
 北欧やフランス並みの育児支援予算のためには高負担が必要という「常識」が欠けている。
 区長を含めた自治体幹部の給与を一律で三割ほどカットすれば待機児童を減らせるだろうに。
 (事実、長野県下條は自治体職員の人件費を減らして育児世帯への現物給付を増やし、出生率を上げた)」

「欺瞞的な発言しかできない区長は、どうしてフランスのように
 「認定保育ママ」を導入して都市部でのコストを抑制した対策ができないのか、
 はっきり説明すべきである。(あの重税フランスですら、保育園に預ける親は半数以下)
 己の無策を棚に上げて企業のせいにするなどとんでもない。
 フランスより劣る政策を、フランス以下の低負担で行うのだから失敗するに決まっている」

「最も仰天させられたのは、一橋大でマクロ経済を学んできた筈なのに
 「保育園が足りないのは政府の努力が足りないから」と平然と言い放つ治部発言である。
 自身の納税額がいかに重税の北欧・仏に比べて少ないか、全く分かっていない無責任さに驚愕した。
 (いつまでも不公平な配偶者控除や第三号を廃止しない努力不足、という意味でも全くないのだから!)
 このような高所得層には北欧並みに課税して育児支援予算に充当するのが当然であろう」

「元横浜副市長は待機児童対策への「市民からの反発」を認めている。
 待機児童を悪化させているのは決して安倍政権や政府、自治体だけではなく、
 とんでもなく虫のいい要求を図々しく叫ぶ利己的な市民自身でもある」

「調査では、未婚女性の半数以上が結婚に「経済力」を求め、
 既婚女性のほぼ半数が「経済的安定」をメリットとして挙げている。
 「独身税」炎上の件では、既婚女性が「独身者に負担をお願いできないか」と図々しい本音を漏らしている。
 (自分が独身だった時にもっと税金を払ってから言うのが、有権者として当然である)
 そうした層が待機児童問題に対して考えるのは「他人に負担してもらいたい」しかない」

「本来は、高学歴高所得のエスタブリッシュはそうした利己主義を諌める立場ではないのか。
 どうして一緒になって自己中心的な「カネよこせ」発言を行っているのか。
 貧困層の自己欺瞞は、生活が苦しいから仕方が無いかもしれない。
 しかし、高学歴高所得層の自己欺瞞は絶対に許されない筈である」

「そもそも「限られた予算」なのだから、フランスに学んで「認定保育ママ」の導入を求め、
 より多くの母親が子を預けられる制度に変えるべきである。
 どうしてその程度の良識が持てないのか、全く理解できない」

「高出生率のスウェーデンでは既に、事実上の「独身税」が課せられている。
 だからこそ育児サービスが手厚く、女性は就業するしかなく、日本より高成長で豊かなのだ」

「矢張り懸念していた通りの結果だ。
 日本女性自身に根深く残るジェンダー意識が少子化の原因の一つであることが、
 統計的に確認された。下降婚の比率が世界的に見て極めて少ないのだ」

「日本の下降婚の比率は約16%で、低出生率の中国や台湾に近い。
 (より下降婚の割合が低い韓国が日本より低出生率な事実とも整合的だ)」

「高出生率のフランス(31%)やスウェーデン(37%)では下降婚が日本の倍はあり、
 婚姻相手の学歴や所得を重視する日本とはまるで違う観点で
 パートナーを選んでいることが数字の上でも証明された」

「こうしたジェンダーが心の中に深く深く巣食っているからこそ、
 自分でも意識できない程に根深くジェンダーに支配されているからこそ、
 日本女性が婚姻後に強い不満を抱くことになるのであろう」

「だからこそ、日本女性は上昇婚を強く志向し、
 しかも多忙で高所得の夫に家事育児の分担を求めるのである。
 (「ワタシは対等平等なパートナーではなく、夫に大切にして貰える側」と信じているのだ)」

「だからこそ、自分が北欧やフランスより遥かに低負担なのに
 巨額の公費を使う認可保育所を利用させろと平然と要求するのである」

「だからこそ、自分よりも苦しい立場にあるシングルマザーを無視するし、
 第三号被保険者や配偶者控除に固執するのである」

「日本女性のジェンダーの強さ、特に高学歴高所得でも
 日本特有のジェンダーが強いと当ウェブログは指摘してきたが、
 恐れていた通りの数値が示されたことになる」

「日本女性のジェンダーに反する政策を断行しない限り、
 日本の少子化問題が明確に改善することはないであろう」

「明治大学の藤田結子准教授の寄稿を定期的にウォッチングしているが、
 それは大変役に立つ内容だからである。何が役立つかといえば、
 「日本型ジェンダーの心理バイアスが露骨に表れている」ためだ」

「世帯年収1000万円を超える高所得世帯も認可保育所を利用できること、
 高収入の夫が育児に協力するのが当たり前という驚くべき感覚である」

「北欧のように、手取りが日本より10%は低い高負担社会なら、
 それなりの負担をしているのだから短時間労働で
 時間的余裕の生まれる夫が家事育児に参加できよう」

「しかし北欧より遥かに負担の軽いこの日本で、
 しかも高所得女性の殆どがハイパガミーという歪んだ日本社会において、
 高所得女性が補助金がたっぷり投入された認可保育所を利用して
 しかも多忙な夫に手伝わせるというのは正気の沙汰ではない。
 一度、北欧の税制を自分自身で体験しないと理解すらできないらしい」

「また、「高キャリア・高収入女性がいる夫婦でも、保育園に関することはたいてい妻の役割」なのは
 夫が育児に協力しないからなのだと言う。(協力が困難な多忙な夫と結婚した事実は無視)」

「夫が育児に協力しないことが原因で、「男女のキャリア上の格差はなかなか縮まらない」、
 「女性のリーダーも増えにくい」といった弊害も生じるのだと言う。
 (では独身女性ならキャリア上の格差が縮小するのか、リーダーが増えるのか、実証すらない)」

「「高収入世帯の話になると、ベビーシッターを雇えばいい」との意見に対しては、
 「日本では「母親が愛情を込めて子育てをするべき」という規範がいまだに根強い」
 「周囲の視線や自身の罪悪感によって、ベビーシッターに子どもをまかせることをためらう」
 という男性では絶対に許されない言い訳に終始していることから、
 基本的に男女不平等の価値観を前提に喋っていることが明白である」

「是非、日本の高学歴高所得層の女性の心理バイアスがいかに歪んでいるか、
 「主に家計を支えるのは男性」「高所得でも補助金が欲しい」という、
 男女平等の北欧では絶対にあり得ない未熟で利己的な姿勢であるか真面目に研究して欲しいものだ」

「しかも、下の階層の女性がいかに苦しんでいても完全無視で、
 本来ならば男性以上に所得格差、生活水準の格差があるのだから
 「高所得層が負担して平等な育児支援を」となる筈なのに、
 自分が真っ先に認可保育園に申し込もうとして政府に文句を言い、
 家計の殆どを支える多忙な夫が家事育児を手伝うのを当然視するのだから、
 自らの財政的無責任も、下の階層の女性を見殺しにしている事実も
 全く自覚していない冷酷さには仰天するしかない」

「勿論のこと本当の弱者ではなく、本当の弱者の5倍以上は所得水準が高いのだから、
 昔マリー・アントワネットが「パンが無ければブリオッシュを食べれば」と言ったのと
 よく似ている、残酷なほど無邪気な感覚なのであろう」

「最近になってある事実に気付いて驚愕した。
 かつてフェミニストと言えば意志的に独身を貫く女性も多かったわけだが、
 現代版フェミニスト(?)、より分かり易く言えば男女平等派の女性が、
 余りにもハイパーガミー(上方婚)ばかりで、しかもそれを世間に伏せている例が多い」

「明白な言行不一致だから表に出すのはまずいと無意識に感じているのか、
 それとも一般女性の嫉視と妬みの直撃を受ける危険性が高いと自覚して
 言論市場での損得を第一にして「不都合な真実」を隠しているのか、
 一体どちらなのかは分からないが、自家撞着であることに変わりはない」

「メディアが「育休世代のカリスマ」と売り出した中野女史が東洋経済オンラインに
 寄せた論考が、まさにそうした矛盾を明瞭に示しているので大変興味深い研究対象である。
 日本型ジェンダー特有の意識や思考構造を解明するのに好適と思う」

「中野女史は夫の転勤でシンガポール行き、(やむなく?)専業主婦をされているとのことなので
 矢張り前々から推測していたことだが「高学歴高所得でかつハイパーガミー(上方婚)」確実だ」

「日本より遥かに生活費の高いシンガポールで専業主婦ができるのだから、明白であろう。
 (シンガポールは共働きが常識で、それでも中間層は子供が持てないほど生活費や教育費が高額)」

「中野女史の長い力作論考を勝手ながら纏めると、以下のようになる。
・弊害もある専業主婦コミュニティができる理由は「専業主婦前提の社会」だから
・夫がまともな時間に帰ってこないから妻が孤独になる
・専業主婦が子供を預けられる場所が少ないのが問題
・主婦でも働ける仕事の在り方が必要
・育児の社会化が必要(←いつもの通り、仏や北欧の高負担には言及なし)
・幼稚園や学校は専業主婦が井戸端会議しなくても良いように連絡を
・専業主婦も共働き主婦も四苦八苦している(←片親世帯を排除?)
・専業主婦とワーママの対立は社会構造のせい
 つまり、女性が苦しむのは全て社会構造のせいだという結論である。
 (関係者の方々は、以上の纏めに誤りがあれば是非指摘して欲しい)
 …北欧の専業主婦率が2%かそこらだという事実を、知っているのだろうか?」

「中野女史は、以前取り上げさせて頂いた藤田明大准教授とともに、
 「日本型ジェンダー」を体現している興味深い存在で、
 欧米の男女平等度の高い社会には存在しない「ガラパゴス」のようである」

「家族社会学的な観点から今後も貴重な研究材料が提供されると考えており、
 研究者の方々も注目しておきたいところではないだろうか。
 「医者の不養生」のような、学術的に注目すべき現象が見出されよう」

「皮肉なことに社会学の統計調査の結果は中野女史の主張とはかなり違っていて、
 女性の方が幸福度も生活満足度も高いという数値が出ているのだが……
 (阪大の吉川教授は「不平等の国の幸福な女性たち」と印象的な表現を使っている)」

「新刊は、大規模な社会学調査の最新結果をいち早く紹介しており、
 大卒女性の出生数より非大卒女性の出生数の方が1.5倍ほど多いこと、
 (つまり、育児支援では大卒女性から非大卒女性への所得移転が必要ということ)
 加えて大卒女性の方が非大卒女性よりも正規雇用率が1.5倍ほど高いこと、
 (即ち、雇用形態と少子化の相関性はかなり疑わしいという結論になる)
 若年大卒女性はイクメン(育児分担)に4割ほどが否定的で中高年女性と大差ないこと、
 若年非大卒女性に至っては中高年女性よりもイクメン否定の傾向が強いこと、
 (大卒の若年女性は意外に保守的で、しかも更に保守的な非大卒女性との「分断」がある)
 中野女史や藤田教授が知ったら絶句するような剥き出しの事実が書かれており興味深い」

「女性が一方的に被害者なのであれば、続々と亡命して日本から脱出する筈だが、
 寧ろ生活至便で文化的に豊か、少子化の進んだ都市部に集まっているから
 事実に照らして考察すれば「女性自身が現状を望んでいる」ように見えなくもない」

「「会社の都合で無理強い」と猪熊教授が主張するのは自由だが、
 育休制度が充実した独仏や北欧の社会保険料負担の重さを考慮しているのだろうか?
 アメリカ(日本同様に低負担)で女性の職場復帰が非常に早いという事実を知らないのだろうか?」

「矢張り待機児童は日本政府だけの責任だけではない。
 認可保育所「落選狙い」が相当数存在する事実が確認され、
 各自治体がその対策に手を焼いているのが現状だ」

「厚労省は申込書に新たなチェック項目を設けるようだが、
 例によってまた根本的な問題を見落としている」

「それは、育休延長を狙う労働者が明白なフリーライダーだという点だ。
 育休延長により所得は低下し(納税額も減る)、給付は増える」

「これはドイツや北欧のように高負担でなければ正当化できない。
 日本のような税率の社会では、他の労働者の勤労所得を奪って生活することになる」

「元々、経済的に見れば日本の認可保育所の利用者自体が「シロアリ」であるから、
 認可保育所を利用しても「シロアリ」、落選狙いでも「シロアリ」である」

「年間1人当たり100万円以上も公費を蕩尽する都市部の保育所は公益に反し、
 モラルハザードの塊であるから正当なコスト負担がない限り存在を許してはならない」

「認定保育ママ制度を導入しないと出生率も向上しないから、
 日本の不平等で高コストな保育システムは二重三重の意味で問題の温床である」

「北欧や英仏独の重税をよくよく見るがいい。
 重い税・社会保険料負担なくして手厚い育児支援はあり得ない。
 日本国民として他人から収奪する行為は今すぐ止めるべきである。
 こうした自分のことしか考えない偽の弱者がこの日本を醜く歪めてしまったのだ」

「今夏には漸くメディアが真相を報じ始めた。
 待機児童は決して弱者が困っている問題ばかりではない。
 負担もせずにたっぷり公費を受け取ろうとするモラルハザードと、
 他人の積み立てたカネを他人より多く受け取って子供の傍にいようと図る
 醜い利己主義の発露も間違いなく相当の規模で存在するのである」

「現下の日本が何故、深刻な少子化に陥っているか、
 公表されている数値だけで容易に判断できる」

「自分の利得のための婚姻を求める傾向が強まり、
 当然それは叶えられないから多くがドロップアウトしているのだ」

「女性の側から見れば、配偶者に対して経済力を求める傾向は以前より強まり、
 同時に育児参加を求める傾向も強まっている。「注文の多い配偶者選び」である」

「結果、2000年生まれの女性の31.6%は「子なし」になると予想されている。
 (日本は事実婚が極端に少ない特徴を持つので、大多数が非婚であろう)」

「自由な選択の末にこうなるのだから、非婚少子化の原因は政府にだけあるのではない。
 また、政府はこうした自己中心的で功利主義の者が多い国民なのだと認識して
 経済的インセンティブを主軸とした政策を選択しなければならなかったのだ」

「しかし不幸なことに首相はリテラシーの限りなく低い安倍、
 内閣府はヒラメだらけ、厚労省は失敗を繰り返してきた「敗軍の将」」

「おまけに政府に近く政策に影響を与えうる高学歴高所得の日本女性は
 欺瞞的でジェンダーが強固、自らの階級に好都合な政策ばかり求めている」

「本来ならばノブレスオブリージュに基づき、
 世帯所得が高いのに出生率の低い彼女等がより重い負担を甘受し、
 より所得の低い同性の育児支援へと所得移転を行い、連帯を示すべきなのだ」

「従って、安倍や厚労省だけでなく日本の高学歴高所得女性も非常に責任が重い。
 深刻な日本の少子化は、彼女等が自ら招いたものでもあるのだから」

「出生数が90万人を割り込み戦後最悪を更新するのは確実と報じられ、
 日本社会に動揺が走っている。幼児教育無償化が決まってからの数値だから、
 早くも幼児教育無償化が非効率なバラ撒きであることを立証したと言えよう」

「当ウェブログは10年以上前から日本の少子化問題を研究し続け、
 安倍の少子化対策は口だけで非効率、選挙向けのバラ撒きと厳しく批判してきたが
 残念ながらその警告は完璧過ぎる程に当たってしまったようだ」

「既に、安倍を支持するB層は日本の少子化を深刻化させる「戦犯」確定である。
 盛大な予算の無駄を続けて日本社会を老化・衰退させる安倍を「延命」させているからだ」

「安倍は、日本社会の「岩盤」とも言うべきガラパゴス・ジェンダーを強化する点でも罪が深い。
 無償化ではなく保育ママへの公平な補助と育児関連費用の税控除という正しい政策を行えば、
 出生率は上昇し、雇用も労働投入も増え、所得も成長率も改善しただろうに、
 政策リテラシーが果てしなく低い安倍は就労抑制に拍車をかけ、日本を衰退させているのだ」

「過大な年収を求める一因は、日本に特有の「家庭・プライベート重視」である。
 主に家計を担うのは夫、自分は仕事より家庭重視という意識が強いから
 経済的平等・経済的自立を最初から放棄している訳である」

「『貧困専業主婦』は今年最も衝撃を受けた本で、日本女性のジェンダーの特殊性を鮮明に示している。
 この本には国際的に見て日本女性のジェンダーが突出していること、
 就労抑制が生活満足度と幸福感に直結していること、夫の所得への依存度が高いことが示されている。。
 (驚くべきことに、働いている日本女性は夫の所得と幸福度が正の相関であることも判明している!)」

以上の、当ウェブログによる不吉な指摘も今まさに証明されつつあるのだ。。

▽ 日本は大卒女性の出産退職率の高い、ジェンダー強固で特殊な社会(準専業主婦が多数派)

『貧困専業主婦』(周燕飛,新潮社)


当ウェブログの批判する「岩盤」は、日本女性の中に意識すらできないほど深く根付いている。

「育休取得率の向上とは逆相関で出生率が低下し、
 経済成長率の低迷(≒消費低迷)も続いている」

「余程の馬鹿でもなければ育休取得に政策効果は殆どなく、
 単に一部の労働者の待遇改善にしか繋がっていない事実を理解出来る筈だ。
 しかも低所得層を排除しているから最低最悪の政策と言っても過言ではない」

「「口だけ無償化」の幼児教育無償化も同様であり、
 少子化対策としても経済政策としても劣等な「悪政」である」

「悲しいことにフリーランチ(ただ乗り)のバラ撒きを好む
 B層は騙されたまま何も気が付かず経済危機への道を驀進している。。」

「自民・公明が選挙目当てのバラ撒きで有権者を欺いているから
 目先のカネに釣られている有権者にもはっきり言っておかなければならない。
 自民公明のあさましいバラ撒きこそ反社会的で、日本を衰退させているのだと」

「育休自体は別に反対しないが、日経が報じているように社会保険料を引き上げ、
 公的機関や企業が代理要員を確保するための原資にしなければならない」

「また、本質的には就労抑制に直結する育休ではなく
 家事育児の外注を促進しなければ不公平でかつ経済にもマイナスである。
 (アウトソースならば一人親など不利な状況にある世帯を排除しない)」

「自民党が打ち出している公務員の男性育休の義務化などとんでもない話で、
 正規雇用ばかりを優遇する「差別政策」で、相対的に高所得の正規公務世帯に
 より所得の低い一般庶民の負担によって休暇を取らせるという最低の政策だ。
 正規公務が育休取得なら社会保険料を引き上げないと只のモラルハザードにしかならない」

「これは「男性と女性がともに子育てをしやすい環境」では全くない。
 「一部の特権的な男女が庶民の犠牲によって子育てを行う環境」である。
 論より証拠、手厚い育休制度のあるフランスや北欧の重税高負担を見るがいい。
 (しかも育休が長く現金給付の多いフィンランドは成長率も出生率も悪化しているのだ!)」

「自民党がリベラルで改革政党だと思っている愚かな若いB層がいるらしいが、
 これこそまさに「亡国」だ。自民党の「改悪」こそ日本経済を衰退させ、
 出生率を低迷させてきたのである。統計が明々白々に語っているではないか!」

「日本型ジェンダーの心理バイアスは、育児支援の「公益」を自らへの利益誘導へと劣化させている」
とも当ウェブログは指摘したが、不吉ながら完璧に的中してしまったようだ。。

 ↓ 参考

男性育休義務化には負担増が必須、出生率と経済成長率の悪化も不可避に - 果てしなく愚昧な自民党
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/8d63981e54f6d2ed6b7731d0a2d4680c

「経済力も育児参加も両方必要」、日本女性の特殊性が浮き彫りに - だから「31%が子なし」になる
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/2d545aac21ff73a72b4aa77d91fc0cdd

「仕事と家庭の両立のため無理を通す傲慢さと欲深さ」- 超高学歴女性でも家計補助、仕事はクオリティ低め
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/15a3f45fa807cae06eb6ac32d53a9840‎

異常に多い女性の「マタハラ加害者」、男性よりも比率が高い - 女性上司は男性上司の「3倍以上」か
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b01a92daabb8fb8d0f449a64d4a5b34b

若年女性の34%が専業主婦を希望、「仕事は嫌い」「夫の収入で生活できる」との声も - 厚労省調査より
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a6b038e07ff6793e047c28f6b0250319

▽ 男女平等なスウェーデンは重税で第三号も配偶者控除もないが、手厚い育児支援で高出生率





『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)


値上げ不服なら「退園しても」 幼保無償化、募る不信感(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles//ASMC1519PMC1UTFL006.html
”10月からの幼児教育・保育の「無償化」で、利用料が減免され、恩恵を受けているはずの保護者から、制度への不信の声が上がっています。原因は、まるで無償化開始にあわせたような、子どもを通わせる園からの「値上げ」通告。政府は「質の向上を伴えば」と許容していますが、そもそも検証する仕組みがないことが浮き彫りになっています。
 岐阜県の私立幼稚園に子どもを通わせる男性は昨秋、授業料の値上げを知らされた。昨年11月、それまでの月額4万6千円(バス代込み)から、授業料4万6千円+バス代5千円に。さらに今年4月に授業料が5万円、10月に6万円になった。この1年で計1万9千円上がった計算だ。
 月2万5700円まで無償化されたため、支払う額は昨秋までより減った。しかし、男性は「納税者として納得できない。私立を選んだ時点で、ある程度の負担や、園の裁量で値上げがありうることは承知しているが、この時期の値上げは『便乗』と見られても仕方がない」と不審感を抱く。
 園側は、人件費と園児の減少が経営を圧迫していると説明し、「受け入れられないなら、やめてもらっていい」という発言もあったという。取材に対し、園の職員は「保護者には園舎の建て替えのためと説明し、納得してもらっている」と話した。
 無償化スタートと前後して、全国の幼稚園や認可外保育施設などで利用料の値上げが相次いでいることを報じた10月の朝日新聞記事には、100通以上の投書が寄せられた。
 「無償化対象の『保育の必要がある』と認められた子の家庭だけ、月1万円値上げされた」(東京都の認可外保育園)、「教材費が月2千円から1万円に」(神奈川県の私立幼稚園)、「月8500円の『教育充実費』が新設」(大阪府の私立幼稚園)……。
 また、「紙切れ一枚で一方的に値上げが通告された」「保護者の負担が増えるわけじゃないので、値上げの理由を説明する義務はないと言われた」など園側の説明不足を訴える声も目立った。
さらに、「国や自治体に相談しても取り合ってもらえない」「声をあげてしまうと、子どもが退園を迫られるのではと恐れている」など、園の方針に納得いかない場合の行政の相談体制の不備を挙げ、不信を解消できる手段がないと訴える声も目立った。

■国は第三者評価機関の設置を
 国は、質の向上を伴わない保育料の引き上げを認めていない。
〔中略〕
 しかし、日本総合研究所の池本美香・主任研究員は「そもそも、『質の向上』を客観的にチェックする機能がないまま、無償化を始めてしまったことが問題」と指摘する。
 「公費を投じている以上、国は第三者評価機関を設け、値上げした園の運営状況を公表するなど、『質の向上』が確実になされる仕組みをつくる責任がある」と断じる。(栗田優美、伊藤舞虹)”

はっきり言って、賃料も人件費も高い大都市部で
庭付きの保育所を低コストで利用したいという虫のいい利用者は、
便乗値上げを食らっても事業自得である。リテラシーが無さ過ぎる。

特定保育所に需要が集中し、膨大な公費を食い潰しているのが問題の本質であり、
悪質保育事業者を排除したければ保育ママの供給を増やして淘汰するしかない。
それともフランス並みの重税を負担するつもりなのか?


出生数過去最低、子どもを産まない理由は? 保育代月20万円を払ってキャリア継続のため働く女性も(careerconnection)
https://news.careerconnection.jp/?p=81168
”2018年の出生数は91.8万人で過去最低となりました(厚生労働省調査)。1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率の政府目標は1.8ですが、現在1.42と3年連続の低下となっています。
 人口の減少に加えて、晩婚化・出産年齢の高止まりが大きな原因と言われています。現に1年間で25~39歳の女性人口は2.5%減、第1子出産は平均30.7歳で過去最高水準となっています。
 家族や結婚の形も多様化してきていますが、やはり「子育てにお金がかかりすぎる」ということを日々感じている人も多いでしょう。そして、共働き社会で負担が大きくなりがちな母親は「働きながら子育てをするのには無理がありすぎる」と感じています。
 1人目で予想以上にしんどかっただけに、2人目も欲しいけど二の足を踏むという声もよくあがります。そのために仕事を諦めて退職する人もまだまだいます。(文:時短ママ戦略活用アドバイザー谷平優美)

■微熱時に3時間だけシッター利用で約1万3000円、家計に痛手
 お金の話としては、まず保育園やシッターもなかなかの負担です。私も待機児童を経験し、子どもを認証保育園に通わせている時期がありました。月数万円の行政補助が出てもお金が結構かかるので、立ち上げ時の自営業としてはとても割に合いませんでした。
 認可保育園に入れた後も、自治体によりますが乳児だと毎月6万円近くが保育園代としてかかっていました。キャリア継続のため、シッターにも月10万円近く支払い、合計で20万円近くかかったという人もいます。
〔中略〕
 最近では、登録すれば月額制で当日依頼でも100%対応してくれる病児保育のサービスもできてきましたが、利用するにせよ本当に大変なやりくりです。
 わが家は今まで、基本は私が調整し、難しい時は実家や夫と調整して何とかできていました。でも、正直それらの家族サポートがなければ今の働き方も断念して専業主婦かパートを選択していたことでしょう。
 どうしても誰もピンチヒッターがおらず、微熱時に3時間だけシッターを手配した際もなんと約1万3000円かかりました。家計に痛手です。しかも仕事のための必要経費なのに、経費として認められなくモヤモヤ。シッターを使える福利厚生がある企業勤務ではなく、パート・アルバイトや自営業等だと、休む以外の選択肢を取りにくいと思います。
 柔軟に休めない職場や重い職責は、子どもが小さいうちはためらいます。そのため安易にチャレンジできず、キャリアとしては昇格も受けにくい停滞期に入ってしまいます。実家をいくらでも頼れるワーママと比較されて、「個人としてやる気がない」と評価されるのは大変つらいものです。
〔中略〕
 人生100年時代、思っていたより数十年分の貯蓄も考えておかないといけないし、子どもが成長したら習い事に、高校大学進学に、と意外とお金がかかっていく……。そんな漠然した不安から、子どもは1人だけにして生活や教育水準を保つほうがいいかな、という話になるのは残念なことです。
 フランスは人口減と出生率低下を色々な家族政策や支援で乗り越えました。被傭者やその配偶者を主な対象とした家族給付から、フランスに居住し子を扶養するすべての人を対象にした支援まであります。
 ほかにも認定保育ママ制度、保育所整備に対する家族手当金庫の支援、多様な働き方を可能とする柔軟な育児休業制度など仕事と家庭の両立支援施策を多く設けています。日本でも学べる点があれば参考にしていきたいですね。
 日本企業でも施策が進んでいるところもあります。とはいえ経営者は、妻が専業主婦の世帯もまだまだ多いのではないでしょうか。だからこそ、共働きという生き方を選んでいる社員家族をサポートする制度を作ってほしいです。
 子育てについて色んな想いをもっている父だけでなく、今の仕組みでは葛藤をかなり抱えている母もいるという想像力をぜひ持って、制度と文化をつくっていただきたいなと感じます。
 子どもたちは日本の宝。将来の私たちや日本を支えてくれる存在でもあります。
〔中略〕
【筆者プロフィール】
谷平 優美 時短ママ戦略活用アドバイザー/株式会社ルバート代表取締役。早稲田大学商学部卒業後、総合人材サービス会社で新規事業立上げ・執行役員を経て、 株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。WEB企画・マーケティング、法人営業を経て退職。出産前後には専業主婦やフリーランスも経験。サロン講師、就職講座講師やキャリアカウンセリングをしながら、無理ない子育て中の働き方を模索するも待機児童となり認証保育園を利用しながら活動。転職支援・キャリア教育に関わった経験と、出産後に感じた様々な社会への違和感に何か発信をしたいと2012年にママハピを創業。2018年、社名変更後は時短ママのジョブシェア体制で事業運営。J-WAVEやフジテレビライブニュースα、東洋経済、NewsPicksなどメディア実績多数。2児の母。”

当ウェブログは日本の大卒女性のジェンダーを批判してきたが、
高学歴高所得でジェンダーが強固という事例は寧ろ増えているようだ。

こうしたジェンダーガラパゴスの特徴は決まっていて、
①世帯所得・生活水準が一般庶民よりかなり高いがそれを見せないようにする
②ハイパガミー(上方婚)で家計は主に夫が担っているがそれを開示しない
③家計と生活を支える夫の多忙さを強調して自分への支援を要求する
④大卒で同類婚・上方婚の層にとって利益ある施策を公益であるように語る
⑤片親家庭はほぼ無視、育児外注よりも男性育休と時短に固執する
⑥育児支援は欲しがるが、北欧のような高負担は拒否する
⑦子供の貧困や非大卒層には関心薄く、自分の損得にばかり敏感

といったものが挙げられる。この人物がそうでなければ良いのだが。。
英米だったら当然のシッター月10万円や病児ケア時給4000円に対し不満が強い点、
「していただきたい」と完全に他人事にしている点からすると
かなり嫌な予感がするのだが。。

まともなリテラシーを持っているなら
配偶者控除を廃止して保育ママの現物給付や育児費控除に切り替えるべきと、
政府に求めるのが「良識」なのではないだろうか?


陳情、今の主役は子育て 時代移り薄まる公共事業 民主主義の現場(2)(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49300160S9A900C1PP8000/
”「今日もお子さん、元気ですね」。自民党の辻清人氏は秘書とともに地元の保育園に足を運び、子どもを送り迎えする保護者らにあいさつする日々だ。国会議員の辻立ちといえば通勤客の行き交う朝夕の駅前が定番だったが、その風景は変わりつつある。
 辻氏の選挙区は台東区など全国有数の入園激戦区と重なる。保護者からは「兄弟で同じ保育園に行かせたいのに入れなくて……」と…〔以下略〕”

こちらもバラ撒きの誘因となる悪しき傾向である。
地価や人件費の安い地方に行けば兄弟で同じ保育園に行ける、
区内に住みたいなら園庭を諦めパリのように保育ママに預けるべきなのだが。。


医療費の伸び、子どもが75歳以上の4倍に エコノフォーカス(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48482870R10C19A8NN1000/
若い世代の医療費が伸びている。1人当たりの年間費用の変化を2000年度から16年間でみると、65歳以上の高齢者は10%増だった一方、65歳未満は24%増えた。特に子どもは4割も伸びており、地方自治体の助成によって受診回数が増えたとみられる。医療費の公的負担の膨張を抑えるには、高齢化以外の要因についての詳しい分析も必要だ。(新井惇太郎)
 自己負担を含む医療費を年齢層別に示した厚生労働省の統計による…〔以下略〕”

バラ撒き安倍が延命できているのは、
バラ撒きにたかるB層との「結託」もしくは「癒着」があるためだ。
医療費の急増(明白なモラルハザードである)にはっきりと示されている。
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「おのくん」高額転売は、日本のミーイズムと利己主義の強まりの証左 - 経済だけでなく心も貧しくなった

2018-12-23 | 少しでも社会貢献
被災者の作った人形「おのくん」が暴利で転売されて問題視されている。
これは単に日本社会の一部の不心得者の問題ではなく、
日本社会全体の劣化、ミーイズムと利己主義と他者への無関心が生んだ現象だ。

日本の寄付金市場を継続的に見ていると、2011年の東日本大震災時に急増したが
その後は大幅に減り、アメリカに遠く及ばない低迷状態が続いている。
従って2011年が「例外的な年」だったと考える他になかろう。

決してアメリカのように顕示的消費が当たり前とされ、
顕示的寄付・顕示的チャリティも多い社会が健全とは思わないが。。

以前は日本社会は「陰徳」のように善行を人に見せない傾向が強いのが
寄付金の増えない原因と推測する見方があった。それも修正を迫られよう。
何故なら、傍証が他に幾つもあるからだ。

・日本の富裕層は、アンダークラスの苦境を無視して資産を増やし続けている

・日本の中高所得層は、MQOLと我が子にばかりカネを使って増税を嫌っている

・日本の有権者の多くが、日本の貧困化を放置し自分にバラ撒いてくれる政党(自民)に投票

・所謂「女性活躍」は、高学歴高所得層のジェンダー温存とMQOL向上に変質してしまった

・アンダークラスと反貧困勢力は、負担を拒否し給付ばかり求めるモラルハザードに陥りつつある

・意識調査では、海外に対する関心が減少、自分の生活を最優先する傾向が強まっている

以上の傾向をより露骨に、醜悪に示したのがおのくん高額転売問題である。
そう考えるのが妥当であろう。だから「日本社の劣化」なのだ。


…それを踏まえて「おのくん」には今後、三つの道がある。
一つは事情を明記し転売を禁止して転売サイトへの取り締まりを要請すること。
これは不快であるが、現状の制作活動を続ける限り避けられないだろう。

もう一つは「気仙沼ニッティング」路線への転換である。
「おのくん」が転売・偽造される最大の理由は、
入手困難なのに価格が安く、技術的に容易に模倣出来るからだ。

同じ宮城県の気仙沼ニッティングにはそのような問題が原理的に生じ難い。
入手困難でも価格が高く、技術的に模倣が難しいからである。
事業モデルを転換すれば高額転売・偽造を抑止する決定的な手段となる。
具体的には「詳細な要望を踏まえた高単価の受注生産に転じる」といったものだ。

▽ 気仙沼ニッティングはビジネスモデルとしても震災復興としても完璧

『気仙沼ニッティング物語:いいものを編む会社』(御手洗瑞子,新潮社)


 ↓ 日本人は、注目され難いものの良い活動をアジア地域で行ってきた

「日本からの支援に恩返ししたい」- ネパール大地震への支援を忘れず、熊本地震で炊き出し活動
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/47ba44ef66e756c242a770e885b0720d

日本発の「イブラ・ワ・ハイト」でシリア難民を支援 - 受け入れ以外にも選択肢はある
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d0775edeec86098b0d96900c3d8ba18e

最近の国際貢献活動あれこれ - 故伊藤和也さん両親「アフガンに寄宿舎を」、地雷原を綿花畑に、他
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/f6c618d188e481f4a3d28c4aa274cddf

▽ テロやジェノサイドの大きな要因は「若者の急増」、日本が平和なのは単に人口動態が原因

『自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来』(グナル・ハインゾーン,新潮社)


<おのくん>高額で転売、偽物出回る 「趣旨に反する」作り手苦慮(河北新報)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201812/20181209_13009.html
”東日本大震災後、宮城県東松島市のプレハブ仮設住宅で作り始めた手縫いの靴下人形「おのくん」が、転売されたり偽物が出回ったりして作り手が対応に苦慮している。定価1000円の商品がインターネット通販などで数千〜1万円で販売されるケースが頻発。プロジェクト共同代表の新城隼さん(47)は「おのくんを通じた交流を大切にする趣旨にも反しており、やめてほしい」と訴える。
 フリーマーケットアプリで「おのくん」を検索すると、新品や中古品がずらりと並ぶ。2体6000円の出品者は「可愛(かわい)いのでぜひどうぞ」と宣伝。「注文して半年待った正規品です」と堂々と転売する書き込みや、「福島 復興支援」との間違った表記もある。
 おのくんは被災した女性の内職として現在も作られている。新城さんは「作り手のお母さんたちの思いや人とのつながりがないがしろにされ、金もうけに利用されている」と指摘する。
 新城さんによると、仙台市などのイベントで、別の人が作ったとみられる靴下人形をおのくんとして販売する事例もあった。本物を買いに来た人からは「1体5000円で売っていた」と聞いたという。
 おのくんは2012年4月に誕生。小野駅前仮設住宅の集会所で米国発祥の靴下人形「ソックモンキー」を作り始めたのがきっかけで、名称は仮設住宅の名前にちなんだ。ボランティアらに口コミで広まり、東松島市の拠点施設の来訪を「里帰り」と呼ぶなど、ファン同士で交流を深めている。
 14年に商標登録された。ソックモンキーを作るのは自由だが、おのくんを名乗って無断販売することは禁じられる。
 新城さんは「本物は○の中に『お』の字が入ったタグが付き、販売価格は1000円と決めている。偽物には気を付けてほしい」と呼び掛ける。”

こちらが問題の顛末。
今後は少なくとも「転売」も禁止条項に入れなければなるまい。
おのくん人気を悪用する連中が間違いなく相当数いるからだ。


おにぎり写真、投稿すれば世界の子に給食 企業が寄付(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASLCD61YBLCDULZU00Q.html
”おにぎりの写真を投稿して、アフリカやアジアの子どもたちに学校給食を届けませんか。食料問題に取り組むNPO「TABLE FOR TWO International」(TFT)が呼びかけている。
 名付けて「おにぎりアクション」(https://onigiri-action.com/)。インスタグラム、ツイッター、フェイスブックなどで、自ら撮ったおにぎりの写真に「#OnigiriAction」とつけて投稿すると、1投稿あたり原則給食5食分(100円)を企業が寄付する。20日まで開催中だ。
 2015年から毎年秋に1カ月半、開いてきた。おにぎりを選んだのは、温かい思い出を持つ人が多く、シンプルでメッセージが伝わりやすいから。写真は、作ったり食べたりする様子、市販のおにぎり、おにぎりのおもちゃなど、おにぎりにまつわるものなら何でもOK。昨年までに計27万枚の投稿があり、200万食をアフリカ5カ国とフィリピンに届けた。
 寄付金の負担や、イベントへの協力をする協賛企業・自治体は40ある。最初は食品関係の企業が中心だったが、いまではほかの業界の企業も増えてきた。

〔中略〕
 国連が15年に採択した「持続可能な開発目標」(SDGs(エスディージーズ))への関心の高まりも追い風だ。SDGsは「飢餓をゼロに」「人や国の不平等をなくそう」など17分野の目標を掲げる。
 TFTは、先進国の人々が食べ過ぎで肥満や病気になる一方で、途上国で飢餓に苦しむ人々がいるという食糧の不均衡の問題に取り組んできた。SDGsとも密接に関連するという。
 日本航空は昨年から、SDGsの取り組みの一環として協賛を始めた。指定した就航先の国・地域(現在はインド)をイメージしたおにぎりを投稿してもらえば、寄付をする。
 おにぎりを「食べたつもり」になるだけで寄付をする企業もある。指でおにぎりの形をつくった写真に、健康管理アプリ「Finc」で記録したその日の消費カロリーなどを添えて投稿すると、アプリの運営会社が寄付をする。
 TFTで企画を担当する大宮千絵さん(35)は、「昨年ごろから、協賛のご相談の際にSDGsについてお話しされる企業が増えました。社内で協賛を検討する後押しになっているようです」と話す。(高重治香)”

日本の非営利組織の活動は、アメリカに比べ停滞している。
アメリカのようにNGOに高給で優秀な人材をと主張していたTFTも
どうやら最初に想定していた方向とはかなり外れており、
テーブルクロスのようなビジネスベースの事業に急速に追い上げられている。


アフガンへの情熱、脈々と=進む農地再建、道徳教材にも―伊藤和也さん殺害10年(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2018091600284&g=soc
”アフガニスタンで2008年、NGO「ペシャワール会」(福岡市)のスタッフ伊藤和也さん=当時(31)=が殺害されてから10年。現地では伊藤さんらが手掛けた農地再建が着々と進む一方、日本でも活動が道徳の副読本に掲載されるなど、伊藤さんがアフガン復興に傾けた情熱は、今も脈々と引き継がれている。
 伊藤さんは03年、「アフガニスタンを本来あるべき緑豊かな国に戻すことをお手伝いしたい」として入会。同年12月、日本から6000キロ離れた現地に赴き、東部ジャララバード近郊のダラエヌール渓谷で水路建設や農業支援に取り組んだ。現地の言葉を覚え、丁寧な指導と優しい人柄で村人に愛された。しかし08年8月、武装勢力によって拉致され、夢半ばで凶弾に倒れた。
 伊藤さんらの活動は、着実に実を結んできた。アフガンではこの10年間で、新設・補修した用水路で潤う土地の面積が約1500ヘクタールから10倍超の約1万6000ヘクタール(東京ドーム約3400個分)に拡大。
〔中略〕
 「生き方を知ってほしい」。小中学生用の教材を編集する静岡県出版文化会(静岡市)は3年前から、中学3年の道徳副読本で伊藤さんを紹介。担当者は「海外の貧しい国で懸命に活動した姿を知ることで、生徒には命の大切さや働く意義について考えほしい」と話している。
 伊藤さんの活動を記録した写真展も、同市内で開かれている。写真展に協力した父正之さん(70)=静岡県掛川市=は「アフガンの復興に全力を尽くした和也の存在や、和也が行ったことを多くの人に知ってもらいたい」と望んでいる。
 写真展は静岡市駿河区の料理店「丁子屋」で25日まで開かれている。〔以下略〕”

前々から指摘してきたように、日本発の素晴らしい活動は多い。
しかし日本国内から資金を得ようとする限り、成長性の壁が大きいのが事実だ。
ペシャワール会の活動は本当に尊敬しているが、日本社会ではその質に比して注目されない。
アフガニスタン全体の状況も改善しているかどうか、冷静な分析が必要である。

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「日本からの支援に恩返ししたい」- ネパール大地震への支援を忘れず、熊本地震で炊き出し活動

2016-05-04 | 少しでも社会貢献
熊本地震には世界各国から温かい支援が届いており、
使命感に溢れる日本の若い世代の活躍ぶりにも頭が下がる。

時事通信は、大阪でネパール料理店を営むネパール出身の店主が
昨年のネパール大地震に寄せられた日本の人々の支援に感謝し、
恩返しに熊本で炊き出しを行ったと報じている。

欧州で移民・難民が重大な政治問題となっている現在、
真の意味で良い関係を構築できた例として挙げておきたい。

日本社会は今、不可避に進むグローバル化と
国内での生産年齢人口減少を放置した重大な不作為のために
外国人を国内に受け入れざるを得ない状況である。

自民党政権がつくりだした、低賃金で差別的な研修生制度の問題や、
人権意識の低さによる人身売買への鈍感さの問題も確かにある。

しかし、それは国内問題であるというだけでなく、
外国や異文化圏、海外人材といかに良好な関係性を築けるかという問題でもある。
他国の情勢を注意深く観察し、日本への信頼と評価を高めてゆくことは可能だし、
そうでなければならない。政府だけでなく、日本人一人一人に課されている課題でもある。

▽ 欧州では移民二世がホームグロウン・テロリストとなり、反移民・反難民受け入れ勢力が台頭している

『イスラム化するヨーロッパ』(三井美奈,新潮社)


イスラム圏やムスリムとも、注意深く良好な関係を保つことができれば、
現在の親日感情をより強めることができ、日本外交や日本経済の貴重なリソースとなるだろう。
日本の民間団体の、アジア地域での活動においても同様である。

 ↓ 日本は、注目され難いものの良い活動をアジア地域で行ってきた

日本発の「イブラ・ワ・ハイト」でシリア難民を支援 - 受け入れ以外にも選択肢はある
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d0775edeec86098b0d96900c3d8ba18e

最近の国際貢献活動あれこれ - 故伊藤和也さん両親「アフガンに寄宿舎を」、地雷原を綿花畑に、他
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/f6c618d188e481f4a3d28c4aa274cddf

▽ テロやジェノサイドの大きな要因は「若者の急増」であり、警戒すべき地域は殆どがイスラム圏

『自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来』(グナル・ハインゾーン,新潮社)


1年前の地震支援に「恩返し」=ネパール男性のカレーに笑顔―熊本・益城町(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016042600746&g=soc
”熊本地震で震度7を観測した熊本県益城町で26日、ネパール出身のディワカル・タパさん(41)が被災者のためにカレーの炊き出しを行った。死者が約9000人に上ったネパール大地震から1年。「日本からの支援に恩返ししたい」と本場の味を振る舞い、避難所に「おいしい」との声と笑顔が広がった。
 17年前に来日したタパさんは2005年、大阪市でネパール料理店を開業した。順調に営業を続けていたが、昨年4月25日にネパール大地震が発生。出身地で、震源に近い同国中部のゴルカも激震に襲われた。
 家族は幸い無事だったが、実家や周辺の建物は軒並み倒壊。発生直後にネパールに帰国したが、その際、日本の知人らが支援物資の調達や募金に協力してくれた。「つらい経験だったが、日本人の優しい思いに触れた」と振り返る
 地震の教訓から、避難所となる体育館を知人らとネパールに造ろうと計画していた矢先に熊本地震が発生。大きな被害を受けた被災地の状況が、1年前のネパールでの光景と重なった。
 「困ったときはお互いさま。早く元気になってほしい」と、復興への願いをカレーに込めるタパさん。自宅が被災し、町立飯野小学校で7歳と4歳の娘とカレーを口にした飯村綾美さん(33)は「不安もあるけど、温かい物が食べられほっとした」とほほ笑んだ。〔以下略〕”

最近、日本在留が急速に増えていて注目されているネパール人であるが、
熊本の震災ではこのような心温まる話も出ている。
俚諺の通り、「情けは人のためならず」である。


ブータンで有機キノコ生産へ=農業協力、日欧輸出も視野(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016042900285&g=eco
岐阜県で有機キノコを生産・販売する企業が、ヒマラヤの王国ブータンでシイタケやキクラゲの栽培事業を始めることが29日、分かった。4月にブータン国営企業との間で、合弁会社設立に向けた意向書に署名。
〔中略〕
 ブータン進出に向けて準備を進めているのは、岐阜県郡上市のハルカインターナショナル。国際協力機構(JICA)が世界の貧困改善に役立つビジネスを支援する「BOPビジネス連携促進」事業の下、現地でシイタケやキクラゲなどの栽培実証実験を行い、高品質のキノコ生産に成功した。
 「国民総幸福(GNH)」政策を掲げるブータン政府は、全ての農産物を化学肥料なしで生産することを目指している。そこで、キノコの有機栽培技術を持つハルカ社に協力を求め、国営企業との合弁会社設立を打診した。
 ブータンではインド産キノコの安全性への懸念が強く、有機キノコは通常の1.3~2倍の価格で販売できる見通しだ。ただ、井上九州男会長兼社長は「当面は利益を考えず、貧しい農家を支援するつもりでやっていく」と話す。
 まずはブータンの農業従事者を日本に招き、技術を指導する。「本格的な栽培開始は1年ほど先になる」と井上氏。「ヒマラヤに囲まれたブータンのきれいな水と空気の中で育てたキノコであれば、日本や欧州でも売れる」と自信をのぞかせている。(ティンプー時事)。”

震災時の支援は、平時の協力関係に支えられており、
経済・経営面でのアジア支援は、企業の進出によっても実現できる。
この時事通信の報道が非常に良い例だ。


熊本地震:台湾、義援金6400万円に増額(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160417/k00/00m/030/117000c.html
”台湾の馬英九総統は15日、安倍晋三首相にお見舞いの書簡を送った。外交部(外務省)は16日、日本側に合計で義援金6400万円を贈ると発表。前日に1000万円を寄付すると発表したが、被害拡大を受け、馬総統の指示で大幅な増額を決めた。
 5月に新政権を発足させる民進党も16日、100万台湾ドル(約340万円)を寄付すると明らかにした。
 熊本県や熊本市と交流がある南部・高雄市は16日、市民からの寄付を受け付ける銀行口座を設けた。陳菊市長は、自身の1カ月分の所得約19万台湾ドルを寄付すると表明した。
 柯文哲・台北市長は「台湾は過去に何度も災害に遭い、日本の友人は常に最大の協力をしてくれた。支援の思いを表明したい」とフェイスブックに書き込んだ。
〔中略〕
 2011年の東日本大震災では、台湾から世界最大規模となる200億円以上の義援金が寄せられた。【台北・鈴木玲子】”

さて最後にこちら。
台湾からの支援には、毎度のことながら頭が下がる。
尖閣問題や慰安婦問題では日本と鋭く対立する馬英九も当然ながら、震災となると話は別だ。
(とはいえ、この後に沖ノ鳥島のEEZの漁場を狙って中国に同調する声明を出しているので油断禁物である)

猶、元記事には台湾・高雄市の陳菊市長のフェイスブックの写真も掲載されている。
記事のヘッドラインを見て「まさかあの馬英九がこんな好感度高いイラスト載せるとは」と驚いたが、
案の定、馬英九が載せたイラストではなかった。

台湾は韓国と対日感情において対照的で、それは勿論、歴史的経緯によるものだが
日本の外交資源として極めて有効であり、経済面においても重要な地域である。
(ただ惜しいことに人口が2000万程度で韓国の半分以下なのが非常に残念)

特に、直近の「台湾ナショナリズム」の高まりは日本にとって有利に働く。
もし日本版グリーンカードが創設されたら台湾人が殺到する筈だ。
中国本土とは完全に分けて対処する必要がある。

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日本発の「イブラ・ワ・ハイト」でシリア難民を支援 - 受け入れ以外にも選択肢はある

2015-10-12 | 少しでも社会貢献
日本でもリベラル系の人々がシリア難民受け入れを主張している。
日本のような差別的な労働市場を持つ閉鎖的な国で
その難しさを理解せず原理主義的に難民受け入れを求める勢力は
本当にその後の問題を粘り強く解決していく覚悟があるか疑問である。

しかも仄聞するところによると受け入れてもせいぜい1000人程度とか。
これでは国際社会に後ろ指さされないためのアリバイでしかあるまい。

また、日本のリベラルの弱みとしてシリア情勢への見方が甘く、
自分達の自己満足を満たす安易な方法論に飛びつく傾向も気になる。
難民受け入れに慎重な政府を批判しても問題は殆ど解決せず、
一部の人の正義心を狭隘な範囲で動員するだけで終わりかねないからだ。

難民としてドイツに殺到している人々の多くはシリアでも恵まれた層だ。
シリアやトルコ等の周辺国にとどまっている人々を支援することが優先事項である。

また、難民を生み出す根本原因はシリア内戦が泥沼化していることだ。
中でも最大の原因となっているシリア政府軍が攻撃を停止しなければならない。

そのためには、少なくともアメリカとロシア、できれば湾岸諸国とトルコを
話し合いのテーブルにつかせて停戦もしくは休戦を図らなければならない。

かつて深刻な内戦で国土が荒廃したレバノンは、今見違えるほど繁栄している。
難民受け入れは緊急避難でしかなく、シリアがレバノンのように再興するために
内戦を沈静化させ、シリアの人々が平和に暮らせるようにしなければならないのだ。

佐藤優氏は、ロシアのアサド政権擁護・シリア反体制派攻撃の理由として、
ロシア国内のチェチェン人等がISへ合流すること、
シリアからロシア国内へテロ勢力が浸透することを防ぐ狙いがあるとしている。

つまり、ロシアの支援するアサド政権を屈服させることはできず、
ロシアと交渉してISを食い止めつつ、内戦を収束へ向かわせる「政治」が必要なのだ。

▽ こちらを参照のこと

『週刊東洋経済』2015年 10/03号


それには時間がかかるから、難民受け入ればかりに拘泥せず、
シリア国内やトルコ等にいる難民も支援してゆかなければならない。
日本企業が中東でシリア人を雇用するという方法も提案されて良い。
いずれにせよ、難民受け入れは様々な選択肢の一つに過ぎないのは間違いない。


  ↓ 日本では、良い活動があってもなかなか知られない現実がある

最近の国際貢献活動あれこれ - 故伊藤和也さん両親「アフガンに寄宿舎を」、地雷原を綿花畑に、他
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/f6c618d188e481f4a3d28c4aa274cddf

▽ テロやジェノサイドの大きな誘因は「若者の急増」であり、シリアとイラクはその条件に当てはまる

『自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来』(グナル・ハインゾーン,新潮社)


シリア女性:経済面で支援…帰国の日本人が刺しゅう商品化(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20150930k0000e040252000c.html
”内戦で生活基盤を奪われたシリア人女性を経済的に支援し、生きがいを持ってもらおうと、21年間同国で暮らした考古学者、山崎やよいさん(57)=東京都=が、シリア人女性の刺しゅう作品を買い取っている。作品は色彩豊かで、花やモスク、「平和」といった言葉を縫ったもの。山崎さんは「世界の人々は嘆くだけでなく、行動してほしい」と「第二の古里」への支援を訴えている。【鈴木敦子】
 山崎さんは1989年にシリアに入った。紀元前5000~3000年ごろのユーフラテス川流域を研究し、北部の都市・アレッポで大学教員に就いた。現地の考古学者と結婚して暮らしていたが、2010年の一時帰国中に、戦況が悪化して戻れず、12年に夫が病死した。
 都内の友人とともに13年春、アラビア語で「針と糸」を意味する「イブラ・ワ・ハイト」活動を開始。シリアやトルコの信頼できる友人を介して材料や道具を無償で送り、現地の伝統的な刺しゅうを自宅に送ってもらう。山崎さん側で刺しゅうをバッグなどに縫い付けたり、ボタンの表面を覆った「くるみボタン」などに加工したりし、商品化している。
 これまで首都ダマスカスや、避難先のトルコにいる女性約40人が携わった。そのうち2人は爆撃などで死亡し、夫や子供を失った人も少なくない。現地の女性からの手紙に「どんな時も針と糸を持って逃げている。絶対に続けたい」とつづられているのを読んで山崎さんは胸が熱くなった。
 欧州を目指すシリア難民が注目されているが、高額な渡航費を用意できず国外に抜け出せない女性も多いのが現状だ。
〔中略〕
 商品は、くるみボタン(1個500円)▽小型額装刺しゅう(同1500~2000円)など。フェイスブックのページ(https://www.facebook.com/iburawahaito/)や古代オリエント博物館(東京都豊島区)▽国立民族学博物館(大阪府吹田市)▽岡山市立オリエント美術館で販売している。”

非常に良い活動で、毎日新聞の素晴らしい報道である。
ただ単価が安いので、企業がマーケティングで協力した方が良いように思う。
子供用の服やランチョンマットなどもっと単価を上げられる製品開発は可能な筈だ。


露、シリア北西部に最新兵器を続々投入(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150929-00000090-san-eurp
”ロシアは、シリア国内の権益を保持するためアサド政権の後ろ盾となり、現地に新鋭戦闘機や戦車を送り込むなどして軍備を増強させている。最新の衛星画像に基づく分析によれば、ロシア軍はシリア政府軍の基地がある北西部ラタキア周辺に9月初旬から兵器や兵員を集結させているという。
 ラタキアはアサド政権と関係が深く、イスラム教シーア派の一派とされるアラウィ派の一大拠点。衛星写真などによれば、現地の基地には、露空軍が導入を進めている、高い対地攻撃能力を備えた新鋭の多用途戦闘機「スホイ30」など28機や軍用ヘリ26機などが展開している。

 また整備・拡張が進むラタキア周辺の基地2カ所を守るため、T90などの主力戦車や地対空ミサイルなども配備されている。
 英紙フィナンシャル・タイムズによれば、露軍は現在、2千人の兵員を派遣中で、西部タルトゥースにあるロシアの海軍基地も増強している最中だという。
〔中略〕
 ロシア軍の動向に詳しい軍事評論家は「シリアへのロシア軍の展開は、プーチン大統領が国連で行う対シリア戦略の演説と連動している。演説が行われれば、すぐにでもイスラム国を攻撃する態勢を整えている」と指摘している。(佐々木正明)”

一方、シリアでは更に難民が増えそうな状況になってきている。
アメリカの求めるようにアサド政権を転覆させることはまず不可能で、
アサド政権の背後にいるロシアを説得して介入を抑制させなければならない。

兵器輸出大国ロシアは今回、恐らく兵器のテストを行って
売り込みに活用する思惑を持っていると思われるので、
交渉は簡単ではないが、日本を含む西側諸国にとって他に選択肢はない。


米露首脳、シリアめぐり応酬 オバマ氏「アサド政権の限り安定はない」 プーチン氏「拒絶は大きな間違い」(産経新聞)
http://www.sankei.com/world/news/150929/wor1509290021-n1.html
”【ワシントン=青木伸行、ニューヨーク=黒沢潤】オバマ米大統領とロシアのプーチン大統領は28日、ニューヨークで行われた首脳会談と国連総会の一般討論演説を通じ、シリア情勢をめぐり激しい応酬を繰り広げた。
 米政府高官によると、約1時間半にわたる会談でオバマ大統領は、ロシアのシリア介入は内戦でのアサド政権支援が目的だと主張。プーチン大統領は政権を、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対する「防波堤」と位置づけた。
 オバマ大統領はまた、「アサド(大統領)が政権を維持する限りシリアの安定はない」と伝えた。
政府高官は、政権の処遇と役割をめぐり「根本的な見解の相違がある」としている。
 米露両軍の衝突を回避するため、国防当局間で対話を行うことは確認した。
〔中略〕
 これに先立つ一般討論演説でプーチン大統領は、イスラム国掃討で「シリア政府、軍の協力を拒絶することは大きな間違いだ。アサド政権とクルド人の部隊以外に、イスラム国と戦うことは不可能だ」と述べた。
 その上で「真に広範な国際有志連合を創設しなければならない」として、米国主導の有志連合にロシア、アサド政権、イランなどを加えた「大連合」構想を公式の場で提唱した。
 さらに、大連合構想を念頭に、30日に開かれる安全保障理事会の会合で議長国として、各国軍の共同行動を規定する決議採択を目指し討議する意向を示した。
 一方、オバマ大統領は 「紛争解決に向けイラン、ロシアを含むいかなる国とも連携する用意がある」と述べた。ただ「アサド(大統領)から、新しい指導者への(政権)移行が必要だ」とクギを刺した。”

このように、プーチンのアサド政権を守り抜く意志は明確だ。
かといってオバマもプーチンも米ロ戦争を戦うつもりは全くない。
だから、停戦・休戦しか出口はあり得ないのである。


シリア領空爆:露、中東での復権狙う 大統領が即断(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20151001k0000m030156000c.html
”【モスクワ杉尾直哉】ロシアが電撃的にシリア空爆に踏み切った。プーチン露大統領が28日に国連総会の演説で、過激派組織「イスラム国」(IS)などと戦う「反テロ連合」の創設を訴えてからわずか2日後。
〔中略〕
 だが、今回、空爆を受けたのはISではなく、米国などが支援してきた反体制派武装勢力の支配地だったとの情報がある。子供を含む多数の民間人が犠牲になったとの情報もあり、米露関係の悪化を招く可能性がある。ロシアの空爆が紛争鎮静化にどれほど効果をもたらすかも不透明で、プーチン大統領は大きな賭けに出たといえる。
 プーチン氏は28日にニューヨークで国連総会に出席した際、オバマ米大統領との会談後の記者会見で、シリア空爆について初めて「検討中」であることを明らかにした。29日、モスクワに帰着したプーチン氏は主要閣僚や上下院議長らによる安全保障会議を開き、「テロ、過激主義との戦い」(ペスコフ大統領報道官)について協議した。この場で空爆計画について説明したとみられる。翌30日に上院に軍派遣を求め、即決で承認された。
 プーチン政権は、アサド政権を「正統性を持つ支配者」として支持してきた。だが、空爆実施後、プーチン氏は「シリアの長期的かつ最終的な正常化には、国内のすべての健全な勢力の対話しかない。アサド大統領が柔軟性と妥協姿勢を示してくれると期待する」と述べ、反体制派との対話を促した。
 一方、ロシアは、米国などが支援してきた反体制派を「テロリスト」として敵視してきた。最近、ロシアがシリアで本格的な軍事介入を準備していると報じられたことから、米政府が「シリア内戦を混乱させる」としてロシアに懸念を表明した。ロシアが反体制派を攻撃すれば米側との利害と衝突するためだ。
 今回の空爆対象がISでなかったとすれば、米側の懸念が現実となったことになる。ロシアは今後もしばらく空爆を続けるとみられるが、反体制派への空爆が続けば、米露の激しい対立は避けられない。
 28日の首脳会談で、プーチン、オバマ両大統領は、シリアで米露軍間で連絡を密にし、両軍間で衝突が起こるのを防ぐことで合意していた。今回の空爆は、目標の選定などで米側と協議せず、ロシア側が事前に一方的に通告した。
〔中略〕
 ただ、今回の空爆について、ロシア側は「シリア側の要請を受けており、合法的」と訴えている。「米、オーストラリア、フランスによるシリア空爆は、アサド政権や国連安保理の承認を得ておらず国際法違反」(プーチン氏)との主張を強調し、ロシアの軍事行動の正当性を訴える狙いがある
 第二次大戦中には当時のソ連軍がイランを一部支配し、戦後、ソ連はエジプトやシリア、イラクに軍事援助をしていたが、1991年のソ連崩壊後、ロシアは中東への影響力を低下させていた。プーチン政権のロシアは、シリアからの化学兵器搬出に貢献するなど一定の存在感を示していたが、空爆による軍事行動でさらに存在感を高めた。”

ロシアの立場としては毎日新聞が巧みに整理している。
ロシアも経済制裁と原油安で長期戦は避けたい筈である。
アフガンの二の舞を避けるには、アメリカとの交渉に応じて矛を収める必要があり、
それが欧米側にとって唯一の突破口になる。

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プラン・ジャパンの一般プロジェクト(2014年版)― 12月は寄付の月

2014-12-23 | 少しでも社会貢献
今年もこの時期になりました。
途上国の子供たちも良いクリスマスを迎えられますように。

…9年前から書いているメッセージです。


このウェブログを見て「自分も寄付してみようかな」と考えた方、
12月中に寄付することをお薦めします。(領収書を忘れずに)

2月から3月に確定申告で寄付金控除を申告すると、
3月中旬か4月中旬に還付金が戻ってきます。
(所得控除もしくは税額控除となります)

投資家としてはなるべく寄付から還付までの時間を短縮しなければなりません。
(良い運用をしていれば、時間が収益をもたらすから)
そこで、12月が ”寄付の時期 ”となるわけです。


注 : クレジットカードでの寄付は、証明書発行が1年遅れる場合があります。

寄付金控除の仕組みは最近より複雑になっているので
下のページを参考にして頂くのが良いかと思います。

寄付金控除(プラン・ジャパン)
http://www.plan-japan.org/deduction/

    ◇     ◇     ◇     ◇

昨年と同様、プラン・ジャパン(旧名フォスタープラン)で行っている
「一般プロジェクト」の内容(※)を今年もご紹介します。

 ※ 特定の支援プロジェクトに寄付するもの。
   寄付者がどのような活動に寄付するか選択できるのが特徴。

今年もプロジェクトを絞り込んでいて、中南米の選択肢がなくなったようです。
   ↓    ↓
http://www.plan-japan.org/join/priority/

下にもプロジェクト内容を転載しておきますが、
詳細な地図や写真もあるプランのサイトを直接見ることをお薦めします。

[1]ベトナム/少数民族地域における教育改善プロジェクト

[2]エチオピア/栄養改善と食糧確保プロジェクト

[3]ミャンマー/安全な水を確保するプロジェクト

[4]シエラレオネ/母子が安心して迎える出産プロジェクト

今年からコンビニ決済の寄付も受け付けているようです。
[1][3]は2年目のプロジェクトで、
この他に女性支援者向けのプロジェクトもあります。


プランジャパンは、支援プロジェクトの説明が詳細で
貧困を改善しようとする熱意を感じます。
他にもある同種NGOよりも情報公開・発信に力を入れているのも好評価。


ところで、プラン・ジャパンの寄付プログラムの付いたストラップでは新顔がありました。

▽ 何とこれ、パレスチナです。

世界の国旗ストラップ(パレスチナ)【全部集めて208カ国世界一周気分が味わえる】【途上国こども支援】【1個お買い上げにつき10円を国際NGOプラン・ジャパンに寄付】【ナショナルフラッグ/National Flag】


▽ ウェールズって、知っていますか?

世界の国旗ストラップ(ウェールズ)【全部集めて208カ国世界一周気分が味わえる】【途上国こども支援】【1個お買い上げにつき10円を国際NGOプラン・ジャパンに寄付】【ナショナルフラッグ/National Flag】


▽ 今年発見したのは、こちら

「幸福の黄色い折鶴」 復興支援 携帯 ストラップ (単品) 【被災者の方々にこちらのストラップの制作をお願いし、売上金の50%を工賃と支援金に充てます。】


被災地支援に持続性があれば良いのですが、実際はどうなのでしょうか。
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