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東証ITバブル越えでも「景気回復を実感していない」75%、実質賃金も24ヵ月下落-株価操作に未来なし

2015-06-30 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
日経平均が2000年のITバブルを超えたと報じられても
日本社会においては全く高揚感がない。国民が豊かになっていないばかりか
国民を貧しくして一部の者が儲かっているのだから当然である。

強欲な連中はTOPIXの高値越えはまだだと煽っているが、
まさにそれこそ外国人主導と株価操作による投機的高値の証拠だ。

日経平均も東証の時価総額も膨張しているにも関わらず、
実質賃金は24ヵ月連続で低下し低成長の現実は変わらず、
平均成長率は民主党政権時と大差ない1%程度という惨状。

日経新聞の調査では景気回復を実感している層はたった18%で、
アベノミクス「自滅策」の次元の低さは明白である。

リフレ派や財界の太鼓持ちどもは「あと数年待てば」などと大嘘をつくが、
絶対に信用してはならない。我が国の成長率低迷が
安倍政権になっても全く改善していないのは歴然たる事実である。

金融市場も上海と同様のバブルに過ぎないから、
安倍政権は体質のよく似た中共と仲良く没落するしか道はない。

「所詮アベノミクスとは、国民から大企業への所得移転に過ぎないのだ。
 大企業だけ景気が良く、国民が貧しくなっている(実質賃金と購買力の低下)のは
 見え透いた利益誘導政策の当然の帰結と言える。
 (唯一の成果は失業率低下だが、労働コストを切り下げたのだから当たり前だ)」

とした当ウェブログの警告は、現実によって証明されつつある。
悲しい話だが、政権の「次元が低い」のだから当然の結果である。

▽ 事実、現役世代の貧困率が着実に上昇している

『中間層消滅』(駒村康平,KADOKAWA/角川マガジンズ)


過去の当ウェブログの以下の記述を改めて見て、考え込んでしまった。

「大企業と高所得層が儲かったところで、我が国の経済低迷は変わらない。
 彼らはそもそも労働分配率や消費性向が驚くほど低く、
 少数派の彼らに日本経済全体を繁栄させる力はないし、そうした意思も持っていない。
 彼らの言う「成長政策」の正体は、「自分の利益成長政策」でしかない。
 (発言者の利害関係を詳細に調べればすぐ分かる話だ)」

「その証拠に、家計金融資産は成長率を大きく上回る速度で増加している。
 我が国の経済がゼロ成長である現実から見て、
 高所得層や資産家ばかりが豊かになり、日本全体が逆に貧しくなっているのは明白である」

「株式や投信の価格上昇が我が国の成長率に貢献していないことは、
 今まさに日本で起きている現実が何よりも雄弁に証明している」

「GDPの6割を占める消費を増進させ成長率を改善させるには、
 国内消費増への貢献度の低い大企業や高所得・資産家層にカネを与えるのではなく、
 消費性向が高い低所得層と育児世帯の実質所得を増加させ、
 明らかに男性よりも低い女性就労率を強制的に引き上げることが最優先である」

「歴代自民党政権は選挙で権力を握るため
 有権者の圧倒的多数を占めている高齢層にカネをバラ撒いてきた」

「消費税引き上げの税収は、全てを経済成長に直結する政策に投入すべきであり、
 労働力不足分野での給付付き税額控除と、育児・教育バウチャーに全額使えば良かったのだ。
 確実に消費が増え、今のような経済低迷には陥らずに済んだであろう」

安倍政権の学習能力の低さは、最初から予想できることだったのである。
財界や金融界にバラ撒きを行っても、成長率が改善する筈がない。

▽ 「失われた20年」の経済低迷期において、政策操作により富裕層は金融資産を増やしていた

『「新富裕層」が日本を滅ぼす』(武田知弘/森永卓郎,中央公論新社)


直近の指摘も、実際に起きている事実が立証している。
GPIFが株をいくら買っても消費が増える理由にはならない。
投資家は消費性向が著しく低い上に数が少ないので、成長率を改善する力などない。

「日本社会の醜悪な歪みは、ここ20年で最大の域にまで達したと言える。
 東証一部上場企業の利益はリーマンショックの年を上回り、
 上場企業の株主還元が13兆円と過去最高を記録したと報道されている」

「一方、実質賃金はリーマンショックの年を更に下回る急落で、
 国民が刻々と貧しくなっていく一方で企業と株主だけが儲かっている構図である」

「企業収益と株主還元だけは「バブル」になっている。
 勤勉とイノベーションを生む苦闘によって儲かったのであれば良かろう。
 だが、この収益や株主還元は殆どが円安効果と市場操作によるものであり、
 日本企業の経営革新や体質強化によるものではない。
 (中小企業の収益と比較すれば明らかである)」

「前々から当ウェブログがはっきり書いているように、
 我が国では企業収益と国民所得はディカップリングしている。
 そしてその経済劣化を、自民党政権の次元の低さが更に深刻化させている」

「企業収益や株主還元ではリーマン超えだが、
 一般国民の実質賃金はリーマンショック時を超える下落という始末。
 これが安倍政権の「最低の政策」の必然の帰結だ」

「おまけに、株主還元の急増にはGPIFの日本株買い(=国民のカネで株主利益を増やす)と
 企業の自社株買い(=賃金を上げるのではなく株主を潤す)が大きく寄与している」
 
「異次元緩和に端を発する円安によって一般国民の賃金を切り下げて株価が上昇し
 大企業の収益が大幅改善した訳だから、株主は国民の富を盗んだのである」

「利益誘導が増える腐敗した経済では、格差が急速に拡大し
 OECDが言うように成長が阻害されるのである」

「当ウェブログが予言したように、2015年も日本の成長率の下方修正は確定したと言えよう」

「近視眼の有権者が安倍自民に大量投票した時点で、
 我が国における経済停滞と「貧しい者が更に貧しくなる」状況は確定していたのである。
 これこそが当ウェブログの言う「レミングの鼠」だ」

「御用メディアは不都合な事実を誤摩化し、
 2014年がGDPマイナス1%もの経済縮小に陥ったばかりか、
 急速な円安でドル建てでの日本のGDPの収縮が止まらない現状が見えていない」

数年後、日本人は今のバブルを憎悪と軽蔑の目で見ることになろう。

 ↓ 参考

株主は国富を盗んでいる、株主還元は過去最高でも実質賃金はリーマン時を超える急落 - 醜悪な格差創出
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/83710835164302d893d4619bd1ae2ded

77%の国民が「所得は増えない」と回答、アベノミクスを完全否定 - 利益誘導で喜ぶのは大企業ばかり
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/06d9b5232b4ef4a8ed506c67573e6d42

2015年も実質賃金の下落は確定、70%以上の企業が増税分を補えず - 企業収益は配当とM&A原資に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/2dab93e457c6119343648b9cfe58f55f‎

▽ 富裕層の中に、政治献金で政策を歪めて儲ける「レントシーカー」が確実にいる

『グローバル・スーパーリッチ: 超格差の時代』(クリスティア・フリーランド,早川書房)


日経平均、終値もITバブル突破 2万0868円(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASH6S4F5QH6SULFA00X.html
”24日の東京株式市場で、日経平均株価の終値が、2000年4月のITバブル期につけた2万0833円を上回り、1996年12月以来、約18年半ぶりの高値水準になった。ギリシャの債務不安が和らいだと見て買い注文がふくらんだ。
〔中略〕
 日経平均の終値は前日より58円61銭(0.28%)高い2万0868円03銭。4営業日続けて値上がりし、上げ幅は計877円に達した。東証1部の時価総額も89年末のバブル期を上回る603兆4688億円で、過去最高を更新した。
 米議会で環太平洋経済連携協定(TPP)の合意のカギを握る貿易促進権限(TPA)法案の成立の可能性が高まったことも、市場を安心させた。
〔中略〕
 政府が打ち出してきた政策が、株価を支えている面もある。約137兆円の運用資産を持つ年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、投資先の多様化を理由に株を買い進めている。日本銀行も上場投資信託(ETF)を今年に入って約1兆5200億円買った。6月から始まった金融庁などの新指針では、上場企業が株主をいっそう重視することが求められた。これが企業の配当増などにつながっている。
 背景には、最近の世界的な株価上昇もある。ただ、24日の欧州市場でギリシャ支援の交渉が難航しそうだとの報道が伝わると独仏の株価がやや下がるなど、脆弱(ぜいじゃく)さもある
 甘利明・経済再生相は24日、ITバブルと比べて「今回の経済はバブルではない。実体経済が改善している」と語った。今後について、市場では「売り注文を上回るエネルギーがあり、じりじりと値上がりしていくだろう。ただ、米国や中国など海外の景気の先行きは注視する必要がある」(SMBC日興証券の西広市氏)との見方がある。(山下龍一)”

「バブルではない」とコメントしている閣僚は、不動産関連の貸出を見たのか。
10年前の信用バブルを見抜けなかった閣僚が言っても全く信用できない。
賢人バフェットの見方から言えば今は明白なバブルである。


景気回復「実感せず」75% 優先政策「社会保障改革」最多(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS28H2S_Y5A620C1PE8000/
景気回復を「実感していない」は75%にのぼり「実感している」の18%を大きく上回った。日経平均株価は24日に18年半ぶりの高水準になった。政府は「アベノミクスの成果が反映されてきている」(菅義偉官房長官)とみるが、実感は広がっていない。
 内閣支持層でも「実感していない」が62%で「実感している…〔以下略〕”

官房長官の「大本営発表」とは全く逆に、国民は恩恵を受けていない。
求められている社会保障改革はかなり難易度が高く安倍内閣には到底無理なので
この「景気回復実感せず」は来年も、再来年も確実に70%以上の多数を維持することになる。


4月の実質賃金、確報は0.1%減 速報から下方修正(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H0E_Y5A610C1EAF000/
”厚生労働省が18日発表した4月の毎月勤労統計調査(確報値)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金指数は前年同月に比べ0.1%減った。速報値では2年ぶりのプラスだったが、確報値では正社員に比べ収入の少ないパート労働者の比率が高まる。賃金の伸びが低くなり、24カ月連続のマイナスになった。
 調査は5人以上の事業所が対象。実質賃金は名目の賃金指数を消費者物価指数(CPI)で割って算出する。
〔中略〕
 2日に発表した速報値は0.1%のプラスだった。
 下方修正は賃金の伸びが鈍化したためだ。確報値では従業員1人当たりの現金給与総額が平均27万3873円で0.7%増だった。速報値に比べ0.2ポイント下がった。

アベノミクスの次元の低さは、この指標にはっきり表れている。
直近では原油価格が再び上昇基調になっているので、年後半には更に苦しくなるであろう。
円安に依存した「偽の景気回復」の本性が暴かれる日は近い。
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ギリシャのアクシデンタル・デフォルトの可能性が高まり、東証は内需セクターへのフロー転換

2015-06-29 | 注目対象…譲渡益税分は寄付に廻して下さい
ギリシャ情勢は混迷の度を深めるばかりで、
自らのニューサンス・バリュー(厄介者としての価値)を知悉したギリシャは
自らのデフォルトを交渉材料として最大限の妥協を引き出そうという
恥ずべきだが強力な瀬戸際戦略を開始している。

危険な火遊びを続ける子供と同じで、
その内に大火傷して取り返しのつかないことになろう。
(安倍政権の異常な株価操作政策と全く同じである)

これでユーロの上値は抑制され、東証も今月の高値を奪回するのが難しくなった。
当ウェブログが前回、想定した通りである。

「今まで散々円安を煽っていた黒田日銀が、
 突然に円安を牽制するというブレブレの態度を見せた。
 予想通り、最も評価の低いFRB議長アーサー・バーンズの二の舞になるのは間違いない」

「ドル円と輸出関連の急落を見て、今後それらの上昇速度は低下すると判断した。
 黒田発言は内需セクターへのフロー変化を呼び込む可能性がある」

ギリシャの瀬戸際戦略が最大の効果を発揮するのは市場が油断した時である。
従って、今後もギリシャは少し安心させておいて突然に暴れ出す厄介な行動を取るだろう。
自己利益の最大化のために市場を意図的に振り回す訳である。


EU、ギリシャに最後通告 破綻も視野に協議(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H8U_X20C15A6NN1000/
” 【アテネ=竹内康雄】ユーロ圏がギリシャの債務返済の繰り延べ要請を拒み、事実上の「最後通告」を突きつけたことで、チプラス首相の「捨て身の策」ともいえる国民投票の実現は不透明になってきた。27日招集されたギリシャ国会は深夜にも国民投票の実施の是非を採決する見込み。強行すれば債務不履行(デフォルト)になるリスクが格段に高まる。ユーロ圏はギリシャの財政破綻後のシナリオを真剣に検討し始めた。
 「国民の責任…〔以下略〕”

という訳で、株価を操作する公的マネーは内需関連を買わざるを得ない。
その中でも、円高で輸入原材料価格が低下する食品関連が強い展開となっている。


 リンガーH   2,549   ▼14   材料もなく上に抜けた


 ロックF    2,855   ▼87   典型的な優待銘柄なのに、この奇妙な上昇


バリュエーションでは完全に割高なのだが、
安倍政権の株価操作が理解不能な水準まで水準を押し上げたのだ。
この報いで、いずれ10年以上もの長期に渡って株価の低迷が続く日が必ず来るであろうが、
それは少なくとも今ではない。公的マネーによる市場操作の「弾」はまだ残っている。

▽ そして「優待バブル」もある

『株主優待ハンドブック 2015-2016年版』(日本経済新聞出版社)


※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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日経平均の18年半ぶり高値は、海外スペックの勇み足のため - ギリシャのデフォルト接近で週末パニック

2015-06-28 | 注目投資対象・株価の推移
              ↑ USD/JPY(ZAI) ここまでは何とか踏みとどまってきたが、元の木阿弥か

日経平均がITバブル以来の高値と聞いたら、
「バブルの可能性大」と疑うのが健全な良識というものである。

何しろ2000年当時は今よりも日本の人口動態が若く、
成長率もそこそこの水準で高齢者三経費の負担も今より遥かに軽かった。

成長率が低下し、人口が減少し、高齢化が進んで労働力が恒常的に減少すれば
相当無理矢理に株価を誤摩化さないと同じような高値にできる筈がない。

日本国民を貧しくし、労働力も製品も海外に安売りすることで
大企業を儲けさせ、高値を偽造したに過ぎない。
従って、PERの水準でバブルを否定するのは根本的に誤っている。

バブルの最中は愚民大衆とメディアはバブルであると認識しないものだ。
金融関係者も、バブルを予見できるのはごくひと握りに過ぎない。
バックミラーしか見ていない彼らは、バブルが崩壊して初めて真相を察するのである。
経済リテラシーの低い閣僚が「バブルではない」と言っていること自体が、
現下の市場がバブルであることの明白な証拠である。
(事実、この閣僚はリーマンショック前に全く信用バブルに気づいていなかった)

ロイターが報じているように東証をプチバブルの高値に押し上げたのは海外スペックであり、
その分、ギリシャショック再来で東証が適正水順に向けて押し戻されるのは間違いない。

「NYは停滞、東証とロンドンは下落、上海は急落という嫌な週で
 相変わらず他力本願の東証は海外スペックにより振り回される状況である」

「上海では街中でにわか株式講座や株式談義が盛んになっているとか。
 これは、かつてJFKの父ジョセフ・ケネディが大恐慌の直前に
 街の靴磨きまでが株の話をしているのを聞いて、
 売りを決断したと伝えられる状況と同じである」

「そうした株価操作で今、沈没しそうなのが中国経済だ。
 歪んだ人口動態や官製経済において株価を永遠に上げ続けることはできない」

「国内の景況や各指標が悪いからこそ株価操作で愚民を欺くという、
 近視眼で自ら災厄を招く株価操作に熱心な安倍政権と中共は実によく似ている」

「先月下旬からの東証の急上昇は、全く業績に裏付けのない小型バブルであり、
 公的マネーで株価操作をして経済界の歓心を買おうとする政権の策動と、
 米欧市場の軟調で運用先に困った海外スペックの同床異夢の共同作業に過ぎない。
 理由もなく上昇したのだから、心理悪化だけで下落するのは至極当然の話と言える」

「現下の株価は先走りし過ぎており
 指標が良くても下落する理由は「思惑先行のバブルだから」と言うより他ない」

「GPIFの「弾」はまだ残っているので急に崩壊することは考えにくく、
 FRBの利上げまでは株価操作は相応にワークすると思われるが、
 株価操作の報いで来年以降は凄まじい苦境に陥るのは間違いない」

としてきた当ウェブログの見方は、週明けの市場が裏付けるだろう。

「ダウが1万8000円台を維持できず後退を強いられているのは、
 「悪い金利上昇」になりつつある顕著な兆候である。
 景気腰折れとまでは行かないだろうが、波瀾要因になる可能性はある」

「ユーロ高の進行でまた南欧国の苦境は確定だろう」

「欧米の金利が急上昇しており、政府が株価を操作している東証や中国市場はバブルだが
 基調に根深い不安を孕んだ上昇となっている」

「先月末からの東証の急伸は完全に外国人主導で
 円売り・先物買いの恒例のパターンであったため、
 円高に転じるとあっと言う間に叩き売られる性質のものである。
 GPIFが高値を掴まされる危険性も想定しておかなければならない」

「LTCMの件を見ても分かるように、市場が崩壊する時は市場のプロも悉く予想を外すものである」

と書いた当ウェブログの見通しは的中しつつあるが、
問題は金利上昇ではなくギリシャデフォルトのシステミック・リスクになりつつある。

「日本株が上昇しても国民は豊かにならないことは、
 バブル期においても2006年頃の信用バブルの時期にも
 完全に証明されていたが、健忘症の強欲な連中は相変わらず傍若無人の踊りを踊っている」

「リーマンショック時と同じく、この歪みのツケは一般国民が払わされる。
 恥知らずな強欲人が臆面もなく責任転嫁することも、また繰り返されるであろう」

とした見方も依然として維持している。
矢張り今は「あの2007年とかなり似ている」との確信を深めている。

「決定的な転換点があった。
 ドル円が長らく続いたレンジ圏を突破できるだけのモメンタムを示し、
 まずは125円、次に2001年の水準である135円に向けての進軍を開始した」

「これは古代ギリシャにおけるシチリア遠征のような「亡国の行軍」であり、
 (得意の絶頂にあったアテナイは、国力を弁えないこの自滅策で覇権を失い没落した)
 日本経済が再起不能な打撃を受け、安倍政権が崩壊する「終わりの始まり」となろう」

「当ウェブログの見方は海外ファンド勢に近い。
 米独の金利上昇を起点としイエレン発言で勢いがついた円安に乗じ、
 俊敏な海外勢が大挙して円の売り叩きを開始したと判断する」

「官製マネーで下値を支えるセコい相場ではなく、
 海外から短期資金が大挙して流入する強い相場になる可能性がある。
 (だから今の株高は日本経済の実態を全く反映していないのである)」

「円安に連動する日経平均が次々と高値を更新する度に
 輸入インフレが進行して国民が貧しくなり、
 安倍政権が「一部の金持ちを更に金持ちにし、大多数の国民を更に貧乏にする」ものであると
 誰の目にも明らかになり、消費と経済成長率の数字がそれを完璧に立証する」

とした当ウェブログの想定は的中した。
海外スペックの「売り時」はギリシャデフォルトではない。まだ特大の「売り」が控えている。

「ウォーレン・バフェットに続き、イエレンも米株の割高を指摘した。
 その言葉が発せられた状況や動機はさておき、PEファンドの投資先枯渇、
 JGBの外国人投資家比率の上昇、バフェット・インディケーターの警告と、
 複数の証拠が明白な金融バブルを示唆している」

「勿論、前回の信用バブルの際もリスクが指摘され始めてから
 市場が恐怖に陥るまでかなり時間を要しているので
 全力で売る局面はまだ先であろう。
 (とはいえ、常に市場の一寸先が闇であることは忘れてはならない)」

「欧中銀のQEがかなり効いており、またドル高が米国にとってネガティブだと分かってきたので
 ドルとユーロのシーソー効果で東証が下がり難くなっている」

とした当ウェブログの見方も変更なし。
停滞する日本経済において、金融市場だけが明確なバブルに突入した。
上海バブルと同様に、深刻な打撃を経済に与えることになろう。

「ユーロの高止まりを招いて量的緩和の効果を減衰させる可能性が高い。
 特に観光業への依存度の高い南欧国はまた苦しくなるだろう」

「日本は安倍政権の株価操作政策で一部の連中だけが
 好景気であるかのように吹聴しているが、マイナス成長の現実はびくともしない。
 表面的な糊塗を重ねて誤摩化しを続けるほどこの反動は甚大なものとなろう」

「これは政策要因で突発高になっている香港市場も同様であり、
 今年人口動態においてポイント・オブ・ノーリターンを通過する中国経済は
 日本と同様かそれ以上の長い苦渋の時代を経験することになろう。
 (中国の統計はいい加減極まりないから、日本よりも悲惨な人口動態劣化の可能性が高い)」

「日経平均2万円は偶然と株価操作の産物に過ぎず、
 決して日本経済や日本企業の強さを示すものでは全くない」

「公的年金基金が過大なリスクを取って株価を無理に押し上げても
 その分が消費に全く回らないのは明白だ。
 冷厳な低成長の現実を変えることはできない」

「2015年も2%に満たない低成長は確定である。
 次元の低い安倍政権が真の成長政策を全く行っていないので当然の話だ。
 消費マインドの改善もごく僅か、日経報道が示唆するように
 「実際の消費増」は殆ど見られていないのが実態である」

「長らくリードされていたムンバイに急速な勢いで
 キャッチアップしつつある香港だが、実力かどうかは何とも言えない。
 一時的な政策要因で今年の天井となる可能性もある。
 成長率では遠からず中印逆転となるのは間違いないので「最後のあがき」かもしれない」

としてきた見方も変更しない。
早くも今年、成長率での中印逆転は実現したようだ。
(インデックスでもムンバイが香港を再び抜きつつある)

「当ウェブログが最も警戒しているのは
 巨額の先物を買い込んで相場をリードしてきたスペックの動向だ」

「「バフェット指標」は東証が既にバブルに突入したか、
 或いはかなり接近している状態であることを示唆しており
 今の東証の水準がまともだと思ってはならない」

「官製市場が言われてきても小幅の調整は経ている訳だから、
 今年年初の下落と2月以降の急騰は外国人の売買なくして説明できない」

「日本では、金融緩和によるデフレ脱却という、
 歴史の教訓を完全無視した馬鹿馬鹿しい宗教が金融当局を蝕んでいる。

「黒田日銀は完全にリフレ・ドグマに浸潤されて、
 デフレ脱却という愚劣な目標が自滅的であることに全く気づいていない。
 特定層だけを潤し、日本経済を破局へ追い込む追加緩和に追い込まれるより他に道はないのだ」

「GPIFの巨額買い支えも急ぎ過ぎて今年でほぼ弾切れの可能性があり、
 新規投入される三共済年金マネーもGPIFの4分の1弱の規模である。
 所詮は株価操作でしかなく、信用バブルと同様に持続的に市場を上昇させることはできない」

「GPIFの買い余力は5兆円強だから、
 三共済マネー3.5兆円との「連合軍」でも総計8.5兆円程度、
 2013年の外国人買い15兆円の半分強に過ぎない」

「官が株価操作している今の官製市場においては、
 見せかけの好況では成長率も1人当たりGDPも改善する訳がない」

「安倍政権の中には株価さえ上げておけば何とかなるとあさはかな了見を持つ者がいるのだろう。
 そうした近視眼の輩の愚行の報いで日本経済が危機に陥ることになる。
 歴史は真実を語っており、株価を操作しても実体経済を欺くことはできない」

「「東証がバブルに突入した」と判断した。
 カネ余りで急速にPERが上昇する現象は、2007年にも起きていた。
 業績に直結しないテーマで浮かれた上昇が続出していたのである。
 経験則では、こうした異常事態が起きると2年以内に景況が暗転する。
 2007年ばかりではなく、2000年もそうだった」

「アベノミクスの「三本の矢」は間違いなくインチキだが
 東証を支える株価操作の「三本の柱」は強固だ。
 この株価操作の報いで日本市場は遠からず塗炭の苦しみを味わうことになるだろう」

「米経済は矢張り減速感が強まってきており、楽観視できない。
 インデックスで東証にアウトパフォームされたのは
 日本経済が強い訳では全くない。米経済が想定外に弱いためだ」

「当ウェブログの懸念通り原油安でシェール産業が苦しくなり、
 アメリカの投資と雇用にも悪影響が生じつつある」

「結局ギリシャ問題は何とか峠を越えたものの、
 ウクライナ問題の余波とユーロ安誘導の困難で欧州経済の低迷は変わらないであろう」

「今の世界経済にはドル独歩高の負担は重過ぎる」

としてきた当ウェブログのスタンスは今週も維持する。
「バブル突入」は完全に確認できた。

「RBA(豪中銀)が予想外の利下げを行い、
 資源国の苦境が改めて浮き彫りになっている。
 原油大幅安を受け、今後も資源国の景況下振れのリスクに注意が必要だ」

「外国人投資家からは「日銀緩和しか円安材料がない」との声が上がっており、
 当ウェブログが予想したように今年最大の材料は追加緩和ということになりそうだ。
 今年に限っては米利上げより大きなイベントになり得る」

「原油安にとって最も大きな打撃を受けるのがシェール業界である。
 アメリカ経済の回復に大きな貢献を果たしてきたシェール産業は、
 ハイイールド債市場で大きなプレゼンスを持っているため、
 シェールバブル崩壊の余波で米経済は更なる下振れも考えられる」

としてきた当ウェブログの想定も依然として維持する。
2015年は完全に「我慢の年」ではなく「バブルの年」となった。

「ECBもQEを実行することとなり、市場では効果が覿面に出ている。
 ロイター調査ではQEの効果に懐疑的な意見が多数を占め、
 ずるずると量的緩和策を続けざるを得ないとの見方が優勢である。
 (日銀についても間違いなく同様の結果となるだろう)」

「漸く日銀は、自らの掲げた物価目標が誤っていることを認める路線に軌道修正し始めている。
 物価目標は未達確実、成長率見通しも下方修正なのだから、
 黒田日銀のこれまでの政策そのものが間違っていた訳である」

「追加緩和を行っても日本経済が停滞から脱却する筈がない」

「原油安が続くとの世銀の見通しも重要である。
 エネルギー投資は費用も労力もかかる。そう簡単にV字回復する状況にはない」

「当ウェブログは、日本のGDPを20%近く切り下げて
 国民を大幅に貧しくした張本人である黒田日銀が
 今年前半に更なる追加緩和の愚行に走ると見ている」

「一部の層に収益機会を提供する点で「投資家の神」だが
 経済全体は成長せず「一般国民の疫病神」である黒い日銀は、
 マイナス成長を受けてもまだ目が覚めていない」

「最後には日本財政の救世主になるが、その代わりに経済危機の「A級戦犯」となる。
 概ねそのような結末しか残っていない。
 (因にジム・ロジャーズ氏は2016年から17年頃の危機を予想している)」

東証の「片肺飛行」でも官製マネーで内需関連は続伸した。
GPIFの買いは意想外に大きいことが明らかになり、「バブル」との判断は的中した。

「焦点はエネルギー価格に景況が大きく左右されるロシアだ。
 ロシア経済のエネルギー依存体質は全く変わっていない。
 これほど急激かつ大幅に原油価格が下落すると、
 ロシア経済に甚大な打撃が与えられるのは間違いない」

「為替急落の後は実体経済の悪化が来るのが通例だ。
 原油急落は必ずしもOPEC減産見送り要因ばかりでなく、
 世界経済の減速による需要停滞観測も確実にあるものと言えよう。
 暗い影がかかっているのはロシア経済ばかりではない」

「経済悪化が鮮明になっているだけに
 特に内需関連の急反落を警戒しておかなければならない。
 (輸出関連は結局ドル円次第なので日本経済の好不況とはまた別である)」

「最悪の場合、鼠のレミングのように
 自滅的な集団行動へと向かっているとも考えられよう」

「当ウェブログは黒田総裁が異例の辞任に追い込まれると予想しているが、
 その見通しを補強する会合内容と言えよう。
 ここまで理のある反対意見を押し切って追加緩和を決断したからには、
 これから確実に生じる甚大な副作用の責は全て総裁に帰する以外にない」

「ここ数年、見たことのないような原油価格急落だった。
 OPECの減産見送りの背景には、OPEC内での多極化の進展だけでなく、
 サウジ等の大産出国がアメリカのシェールオイル採掘を牽制し、
 体力勝負に出た側面もあろう。
 それがもって回ってロシアを直撃しつつある状況、
 場合によってはロシア発の危機や地政学リスクの再燃もあり得る」

「今は恩恵が大きいように見える原油大幅安だが、
 デフレ脱却という愚かな宗教に感染した黒田日銀の追加緩和を招くだけでなく、
 コージェネをはじめとする省エネの努力を怠らせて電力利権を延命させる副作用もある。
 決して良い話ばかりではない」

と書いてきた当ウェブログのスタンスも変更しない。

尚、昨年の追加緩和の時点では以下のように想定していた。

「追加緩和の決定は天災と同じような緊急速報で伝えられたが、
 日本国民に甚大な被害をもたらす点でも天災と似ている」

「黒田日銀総裁は市場の裏をかいて追加緩和を行った訳ではなく、
 異次元緩和の効果が出ていない失策を糊塗するために決断したようだ。
 これで任期途中の辞任の可能性が高まったと言える」

「勿論、「悪い円安」は確定である。
 1日で3%以上も円が急落することは、日本のGDPに換算すると
 ドル建てで15兆円以上も日本が貧しくなっていることになる」

「70年代や80年代の教訓から正しく学んでいれば、
 デフレ脱却で日本経済が好転するなどというカルト宗教の虚妄は明白である。
 資産価格バブルが健全な経済をもたらさないことも言う迄もない」

「実質的な円の切り下げは資産家を急速に豊かにし、
 ミドルクラスには資源・エネルギー・食料の悪性インフレをもたらす。
 アンダークラスにとっては最悪の状況で、エンゲル係数の高い家計が行き詰まる。
 軽犯罪が増え、日本の治安は悪化する可能性が高い」

「これから円安倒産が急増し「クロダ倒産」と呼ばれるようになり、
 愚劣な黒田バズーカ第2弾が、庶民の生活を破壊することが明らかになろう。
 昭和恐慌時の団琢磨と同様に、テロの標的とされる恐れすらある」

「投資家の稼ぎは日本が貧しくなった分の付け替えであり、特に為替は所得移転に過ぎない。
 人々の暮らしが苦しくなるのと引き換えに、一部の者に富が転がり込んだのである」

「2015年は安倍内閣が破滅の淵に叩き込まれるだけでなく、激動の修羅場となる。
 「円安=日本株高」という今世紀の常識がどこかで通用しなくなるだろう」

「当ウェブログは、これほど粗暴で破壊的な緩和策を全く予想していなかった。
 今迄の見方を全て転換し、「悪い円安」が急速に接近していると判断した。

「日本経済は危険な激動期に突入しつつある。
 マーケットのボラティリティが急激に拡大するなかで
 一部の者だけが豊かになり、足蹴にされた国民が憎しみの目で彼らを見る」

……当ウェブログが予想した事態は、より速く、より深刻な形で実現しつつある。

「ドル高円安が進行することで日本の輸入物価高・CPI上昇を招き、
 スペックの仕掛けによる自己実現的な円安トレンド定着の可能性も見えてきた。
 2013年前半にジョージ・ソロスが不吉な予言を行ったように、
 「円安が止まらなくなる可能性」を見ておくべきである」

「財務省の法人統計で衝撃的な数字が出た。
 米経済回復でドル高円安が進み輸出業に大きな恩恵が及んだにも関わらず、
 日本企業の自己資本比率は過去最高の水準となったのである。
 投資増の勢いは依然として弱く、人件費に至っては前年比で5%も減少している。
 自民党政権と経済界が結託して労働者の実質所得を減らしていると考えざるを得ない」

「このような内向きの日本企業を優遇したところで、
 日本経済が強く回復する筈がないのは火を見るよりも明らかである。

「成長率が低下しているにも関わらず政策に嘴を挟む大企業と癒着し、
 経営層や株主ばかりに恩恵を及ぼす自民党の旧態依然の体質が露見する。
 2014年に急落するのは間違いなく安倍政権の支持率である。
 2015年にはリフレ派への評価は地に墜ち、アベノミクスは嘲笑の対象となろう」

一方、余計な追加緩和によって「事実上のマネタイズ」との見方はほぼ的中した。

「目先の円安に幻惑され、日本の将来に不吉な影がかかっている」

「当ウェブログが予測していた「悪い円安」が、異様な速度で到来することになる。
 安倍・黒田コンビが市場を軽視したために、財政危機もほぼ確実に接近する。
 「剣によって立つ者は剣によって滅びる」との箴言と同じく、
 金融政策によって立つ者は金融政策によって滅びるのであろう」

「黒田総裁の「次元の違う」量的・質的緩和は、事実上のマネタイズである」

「日本の国債市場は再起不能になり、財政再建を果たす可能性はほぼ失われた」

「黒田バブルに便乗して億単位の稼ぎを得る者が続出するだろうが、
 今から警告しておく。決して調子に乗って騒いではならない。
 ツケを回された国民の強い怒りは決してそのような輩を許さないであろう」

「今年は苦難の始まりの年となるだろう」とした予言が、悲しいことに実現しかけている。
危険な「悪い円安」の時代は「もうすぐそこまで迫っている」のではなく、既に「迎えつつある」のだ。

↓ EUR/JPY(ZAI) ユーロは既に下を向いていた


↓ GBP/JPY(ZAI) ポンドは相対的に強く、週明け以降も逃避先となる可能性あり



暢気な市場関係者が能天気に買い買いと繰り返していていたところで、
週末に痛恨の一撃を受けた週となった。
大きな打撃を受ける理由はただ一つ、市場を侮って油断していたからだ。


企業業績と整合する日本株上昇、一段高には「バブル入口」の声も(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0P40OQ20150624
”日経平均が18年ぶりの高値を付けた。2000年のITバブル時と異なるのは企業業績の裏付けがあることだ。国内勢は依然として慎重だが、海外勢の上値を追う買いが継続している。ただ、第1・四半期も終えてない段階で、15%程度の増益を織り込む動きでもある。これ以上、期待先行の株高が続けば「バブルの入り口」も見えてくる。

 <ITバブル時に比べ1株利益は4倍増>
 ソフトバンクの株価が、現在の26倍に当たる上場来高値19万8000円まで上昇した2カ月後の2000年4月、日経平均は当時の高値2万0833円を記録した。IT関連株が軒並み急騰。日経平均ベースの予想1株利益(会社側予想)は290円で、PER(株価収益率)は71.8倍と、まさにバブル的様相だった。
 日経平均の終値は24日、一時2万0952円まで上昇。当時の高値を更新し、1996年12月以来、18年半ぶりの水準にまで上値を伸ばした。予想1株利益は1230円とITバブル時の4.2倍。株高の裏付けはできている。PERは16倍半ばと、過去のレベルからすれば上限に近いが、バリュエーションからは「バブル」とは言えない水準だ。
 2016年3月期の企業業績が市場予想の15%増益を達成すれば、1株利益は1320円。PERが16倍ちょうどまで低下したとしても、日経平均は2万1120円となる。さらに企業の想定為替レートは1ドル115円程度であり、現状の120円を超える円安が続けば、20%増益も不可能ではない。PER16倍で20%増益なら、日経平均は2万2000円となる。
 ベイビュー・アセット・マネジメント日本株式運用部長の佐久間康郎氏は、ITバブル期高値は1つの通過点にすぎないと強気だ。「配当利回りが長期金利を上回り、かつ増配の可能性もある中で、日本株の上値余地はある」とし、日経平均は9月末までに2万2000円程度が視野に入るとみている。

 <買い主体は海外勢、今後荒れる展開も>
 ただ、現在は6月も終わっていない段階だ。「第1・四半期の結果さえ判明しない段階で、15─20%増益を織り込むのは時期尚早。これ以上の株高はバブルの世界に入ってくる」(ニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジストの井出真吾氏)との声も少なくない。
 18年半ぶりの高値に日経平均を押し上げたのは、やはり海外勢だとみられている。日本企業の業績拡大の確度が高まったというわけではなく、「ギリシャの早期デフォルト(債務不履行)の可能性が低くなったということで、足の速いヘッジファンドなどがショートカバーや新規ロングに動いた」(国内証券)とみられている。実際、過去2日間、先物手口では欧州系証券が目立っていた。
 海外投資家は、5月第3・4週で日本株を現物株と先物合計で1兆7489億円買い越し、日経平均はその間12連騰を記録。その後、6月第1・2週と1兆0674億円売り越し、日経平均は今月18日に2万円を割り込んだ。
 日本経済や日本企業の状況や見通しに、その間、大きな変化があったわけではなく、海外勢の売買が株価の方向性を決めているのが、現状の日本株相場と言える。
 企業業績の裏付けがあるため、日本株相場が崩れる可能性は大きくないだろう。しかし、海外勢の動向次第では、再び荒れる展開を覚悟する必要がある。
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は、今後の相場の焦点はやはり米利上げだと話す。
〔中略〕
 さらに今期の15%増益予想に疑念が生じれば、日本株高の前提が大きく揺らぐ。
 ドル/円は今月初めに12年半ぶりに125円台に乗せたが、輸出は依然として鈍い。日銀が17日に発表した5月の実質輸出は、前月比5.0%低下と大きく落ち込んだ。現地生産化が進んでいるとはいえ、円安効果は計算上の収益上積み以外は明確に表れていない。
 内需は、外国人観光客の急増でいわゆる「インバウンド消費」が国内消費を支えているが、中国の景気減速や株価急落で先行きには不透明感も強まっている。一方、日本の家計は、輸入物価の上昇が圧迫。企業業績は好調でも、実質賃金はようやくマイナスを脱した程度だ。
 16年3月期の企業業績が10%増益にとどまれば、PER16倍で日経平均は2万0200円と、今の株価(24日終値は2万0868円)は割高ゾーンに入る。
〔中略〕
 コーポレート・ガバナンスの改善など成長戦略が実を結ぶのは、まだ相当先のことだ。さらなる円安ぐらいしか、確実な増益要因は見当たらないが、1ドル130円に迫るような円安は、日本経済だけでなく日本企業にとってもマイナス面が大きくなる。
 6月ロイター企業調査(回答は250社程度、資本金10億円以上)では、1ドル130円まで円安が進んだ場合、53%の企業が今期収益にマイナスの影響が出ると回答した。
 17年4月には10%への消費再増税が待っている。17年3月期は駆け込み需要があったとしても、翌期にはその反動があるのは間違いない。トータルでみれば、増税はやはり景気にはマイナスだ。

 日経平均は2万1000円程度までであれば、今期の企業業績の増益期待で説明はできる。しかし、現時点での状況からすれば、それ以上の高値はバブル的な様相を強めていくことになろう。 (伊賀大記 編集:田巻一彦)”

ロイターがいつものように素晴らしい分析記事を出している。
但し「企業業績と整合する」は間違いであり、
円安と株価操作政策によって「水増し」された収益に基づいているため
現下の株価水準は明白なバブルである。(数年後に必ず証明されることになる)


ユーロ小動き、ギリシャ協議停滞で=NY市場(reuters)
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPL3N0ZB5NN20150625
”25日のニューヨーク外為市場では、ギリシャ支援協議が進展せず市場全体が取引を手控える中、ユーロの対ドルでの値動きは限定的だった。25日に開催されたユーロ圏財務相会合でギリシャ支援の詰めの交渉が行われたが合意には至らず。
 ギリシャの債務不履行(デフォルト)回避のために27日に協議が再開されることになった。
〔中略〕
 朝方発表された5月の米個人消費支出は前月比0.9%増で、5年9か月ぶりの高い伸びとなった。自動車やその他高額商品への底堅い需要が支えとなり、米経済の第2・四半期に向けての見通しも明るさを増したが、ドルの動きは限定的だった。
 BNPパリバ(ニューヨーク)の通貨ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「ギリシャに関するニュースを見極めようと、市場の動意がなくなっている」と指摘する。
 一方で「今週市場は、ドルの買い持ちポジションの構築を再開する意欲があり、米指標が回復しドルも上昇するとより強く確信している」との見通しも示した。
 その他通貨では、スイスフランが対ユーロで10日ぶり安値水準に沈んだ。
 スイス国立銀行(中銀、SNB)のジョルダン総裁が「スイスフランは大幅に過大評価されている」と述べ、今後も市場介入を続ける意向を示したことでスイスフランに売り圧力がかかった。
 ユーロ/スイスフランは終盤の取引で0.31%高の1.04945ドルとなっている。
〔中略〕
 アナリストの中には、市場はギリシャ協議が何らかの合意にこぎ着けると期待し、ユーロは対ドルで再びファンダメンタルズ(経済基礎的条件)要因により動くとする見方もある。
 バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(ロンドン)の通貨ストラテジスト、ニール・メラー氏は、合意に至れば、キャリートレードでファンディング(調達)通貨となっているユーロは下落すると予想している。”

米指標が良くとも上値が重い不吉な市況。
この段階で市場がすっかりギリシャリスクを軽視しおり、
足下をすくわれて転倒する条件が整っていたことに注意しておきたい。


ユーロ下落、ギリシャ協議めぐり発言応酬=NY市場(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN0P62R0.html‎‎‎
”26日のニューヨーク外為市場は、ユーロがドルに対して弱含んだ。ギリシャ支援をめぐる折衝を翌日に控える中、同国、債権団が言葉の応酬を繰り広げ、ユーロの重しになった。
 ギリシャのチプラス首相は、脅しは欧州連合(EU)の原則に反するとの認識を表明、債権団を批判した。
 EUのトゥスク大統領は、ゲームオーバーが近づいたとの認識を示した。

 チプラス氏が対決姿勢を鮮明にしたことを受け、ユーロ/ドルは一時、1.12ドルを割り込んだ。その後、3週間ぶり安値の1.1130ドルをつけた。〔以下略〕”

金曜日には楽観が一転し、暴風雨の予感がひしひしと。
ギリシャは好条件を引き出すまではいつまでもゴネる
北朝鮮並みの瀬戸際作戦を続けるだろうと予想している。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄、引き続き食関連の比重を引き上げ。
組み入れ比率は①竹内、②東京建物、③サイゼリヤの順、リンガーとスノーピークをロングに。

 ↓ 食関連(Yahoo.finance) 食品関連は堅調、RFとリンガーが急上昇



 竹内製作所(JASDAQ 6432) 636 → 1593 / 743 → 1,672 / 1,678 → 2,200 /
                2,250 → 2,286 / 1,924 → 2,878 / 1,995 → 2,878
                4,780 → 5,000 / 4,550 → 5,000 / 5,190 / 5,760

 サイゼリヤ(東証一部 7581) 2,014 → 2,390 / 2,585

 カルビー(東証一部 2229)  5,010 

 トリドール(東証一部 3397) 1,591 

 マーベラス(東証一部 7844) 1,577 

 東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277 → 413 / 541 → 615 / 857 → 923
              1,128 / 890 → 801(ショート)/ 945

 ケネディクス(東証一部 4321) 604 →

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215 / 1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526 / 1,341 → 1,752
                     1,906 → 3,160 / 3,410 → 3,650
                     4,025 → 3,345 / 3,780(ショート) / 3,110(ショート)

 ユナイテッド(東証マザーズ 2497)   2,800 / 1,696

 サンフロンティア(東証一部 8934) 61,600 → 114,600 / 77,700 → 154,100 / 88,300 → 154,100 /
                   132,300 (比較のため分割前の換算)

 トーセイ(東証一部 8923) 25,170 → 59,300 / 83,600 → 102,100 / 67,200 → 79,100 /
              82,100 → 64,200 / 75,600 (比較のため分割前の換算)

スノーピークが急伸したので驚いて数日間ホールドしていた。

 ↓ 輸出関連(Yahoo.finance) 竹内が驚くほど強かったが、それを上回ったのはスノーピーク




ギリシャ支援、延長せず=デフォルト濃厚―ユーロ圏会合(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150628-00000002-jij-eurp
”【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)ユーロ圏19カ国は27日、ギリシャへの金融支援をめぐり緊急の財務相会合を開き、現行支援を延長せず、6月末で終了させることを決めた。支援継続の道を断たれたギリシャはデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が濃厚となった。
 ギリシャを除く18カ国は声明で「ユーロ圏の金融の安定を確保するため、必要なあらゆる措置を取る」と表明。ギリシャのデフォルトに備え、危機対策の具体化に入った。
 このまま双方に歩み寄りが見られなければ、ギリシャのユーロ圏離脱も現実味を増しそうだ。
 ギリシャのチプラス首相は同日未明、EUなど債権団の要求受け入れの是非を問う国民投票の実施を表明し、投票までの支援延長を要請する意向を示したが、ユーロ圏は受け入れなかった。同国は30日に15億ユーロの国際通貨基金(IMF)への債務返済を控えているが、極めて厳しい状況だ。〔以下略〕”

周知の通り、全世界が仰天して月曜日を固唾を飲んで待っている状況。
ギリシャにとってはこれも恐らく「交渉」の内、瀬戸際戦略の一種なので
容易な解決は望めず、上値を追うのは暫く難しくなろう。


▽ 日経から面白いガイドが出ているので参考まで

『株主優待ハンドブック 2015-2016年版』(日本経済新聞出版社)


    ◇     ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

ポジション維持。週明け以降の動きを常時モニタリングしたい。

 2015/06/19 194.86 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)

    現在 > 138.27 ユーロ/円(損益129%)← 今年の損益率
         195.06 ポンド/円
         123.85 米ドル/円

 ◎ 2014年の損益率(手数料等除外)> 128%
 ◎ 2013年の損益率(手数料等除外)> 164%
 ◎ 2012年の損益率(手数料等除外)> 142%
 ◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2015/05/20 187.53 GBP/JPY Lev ×1.5
 2015/05/28 135.42 EUR/JPY Lev ×1.5
 2015/05/08 134.41 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2015/04/30 183.38 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2015/02/09 134.91 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2015/04/24 119.71 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2015/03/20 119.97 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2015/02/20 182.89 GBP/JPY Lev ×1.5
 2015/01/22 135.05 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/12/10 187.06 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/10/30 174.99 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/10/24 136.70 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/10/02 175.54 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/09/26 138.76 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/09/19 177.76 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)

 …以下省略…

「ドル100円割れ」はなくなったと判断している。
120円に達する速度が異様に速く、「ドル150円時代」が接近している。
黒い日銀が円を切り下げ、格差が急激に拡大するステージに入った。

リスクオフを警戒すべき局面は過ぎたと判断する。
海外スペックによる円の売り叩きが始まり、
愚かな黒田日銀の異常な緩和策による「悪い円安」が再開されている。

しかし今は無定見な黒田発言・ハト派にやや傾いたFOMCにより円高に戻りやすい状況だったところに
ギリシャのデフォルト懸念でリスクオフ・モードに突入した。
6月で今年の高値となる可能性が上昇しつつある。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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『週刊エコノミスト』6月30日号 - 安倍政権での平均成長率はたった1.1%、アベノミクスは口だけ

2015-06-26 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の財政危機特集は先走り過ぎだが、
かなり切れ味鋭い記事が幾つかある。

P22では大和証券の長内智氏が「長期トレンドから大きく乖離」と題して
安倍政権の実質2%台成長目標がいかにいい加減な数字で
実績値からもかなり離れている点を指摘している。(堂々の正論だ)

消費税増税に責任転嫁する愚劣な衆愚評論家やリフレ・カルトがいまだにいるが、
我が国より間接税が倍以上重いスウェーデンに平均成長率が劣っているのだから、
見苦しい言い訳はやめるべきである。

マイナス成長に陥った真因は、P38で小峰隆夫氏が書いているように
勤労世帯の社会保険料負担増で「影の増税」が進んでいると同時に、
消費性向が低い高齢層への40兆円超の公費バラ撒きで内需を抑圧しているからである。
(困窮している高齢層への支援だけであれば、このような異常な巨額に達する筈がない)

『週刊エコノミスト』2015年 6/30号


甘利インタビューは平々凡々たるものだった。
「高齢層と女性の活用が重要」だと分かっていながら
それを実現できる政策を殆ど打ち出していないのだから、
「下手な考え休むに似たり」でしかない。
配偶者控除を原則廃止し、育児・教育の現物給付に移転する程度のことすらできないのだから。

卓越したスウェーデンの経済政策に及ばないこと遠く、
成長率で日本が大敗しているのも当然である。
(生産性でも女性就業率でも負けている始末)

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊ダイヤモンド』のヅカ特集はファンには良いだろうが
経営やブランディングの観点からはかなり不足感あり。
劇団四季あたりとの「ライバル対決」企画にした方が面白かったかも。
練り直して「エンターテイメント企業ブランドランキング」でも作成して欲しいものだ。

産業としてはブロードウェイに及ばないこと遠い。
経済の地盤沈下が進む関西においては優雅な下り坂で済むのかどうか、
海外展開に希望はあるのか、そうした鋭い突っ込みに欠けていた。

『週刊ダイヤモンド』2015年 6/27 号


一方、サブ特集のブラジル経済分析は素晴らしい。
中国経済の大減速、資源市況悪化がダブルパンチで効いていて、
悪名高い「ブラジルコスト」の問題が再び表面化してきたようだ。
FRBの利上げでトルコとともに危機の再来もあり得る。

資源国は資源価格が上昇するとついバラ撒きやモラルハザードに安住しやすい。
日本も異常な緩和策のお蔭で楽をしている他力本願企業は、ブラジル同様に危険である。
市況が急変すると地べたに叩き付けられることになる。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊東洋経済』大学特集はなかなか良かった。
前書いたように「縮小経済での不毛な椅子取りゲーム」だが、
大学生・受験生の親や当人達にも非常に参考になろう。
マーチは好不況のバッファーにされている」と
企業が隠して言わない本音が剥き出しにされている。

どうせ企業の採用は上から降りてくる数字に従う仕事だ。
採用の質の評価は殆ど為されていないし、リスク回避的行動も多い。

東洋経済も企業に遠慮して見苦しい内定拘束の実態を書かないのは怯懦ではないだろうか。
数年前は彼らは散々若者を使えないだの、なってないだの侮辱していた。
余りにも露骨な節操なきオポチュニズムを毎回毎回繰り返しているのである。

『週刊東洋経済』2015年 6/27号


投資関連ではP110の田中信彦氏の寄稿が素晴らしい。
経済不信で株だけ上昇 「勤勉」消える中国社会」と題して
日本のバブル期以上に歪んでしまった拝金中国社会の現状を報告している。

政府の株価操作の未来にはそのような社会腐蝕しかない。
安倍政権も同様の株価操作に血道をあげている始末だから、
中国共産党とともに没落することになろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は特に注目誌なし、ダイヤモンド特集は小技満載で面白そうだが。。

▽ しかし日本の総合商社は「市況産業」の域を出ていないと思う

『週刊ダイヤモンド』2015年 7/4号


▽ 東洋経済がこのように派手な株特集を組むのは「売り材料」、今回もギリシャ騒動で恒例の展開か

『週刊東洋経済』2015年 7/4号


▽ 内容として最も高度なのはエコノミストだろう

『週刊エコノミスト』2015年 7/7号

サムスン分析も他とは違う本格的なものを期待している。
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相変わらずの経産省の裏工作「小泉講演を報道させるな」- 東電の情報隠しと高浜津波痕跡が発覚し因果応報

2015-06-25 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
予定通りこれまで運だけはあった安倍政権に没落の兆しが見え始め、
来年以降には選挙でとどめを刺されるか経済危機で没落するか
いずれにせよ原子力利権勢力とともに仲良く轟沈するしか道はない。

利権勢力から自民党への薄汚いカネの流れが報道されるようになり、
それに輪をかけて腐敗した情報操作を駆使し原発再稼働を叫ぶ「第五列」が
我が国の原子力利権の腐った本性を国民に知らしめている。

つい最近でも、経産省が小泉元首相の講演を警戒し
メディアに報道しないよう裏で圧力をかけた直後に
東電の文書隠しと高浜原発すぐ近くの津波の痕跡が発見された。

また、電事連会長にして関電社長が原発再稼働で電力料金を下げると公言すると
時を同じくして、電力スポット価格の大幅低下が明らかになった。
(何と1kWhで11円にまで低下したと報じられている)
またしても国民の不信を買うという見事な墓穴を掘っている。

狙いは電力料金の低下などではなく事業者の収益独占であるのは明白で、
有価証券報告書が間違いなくその汚れた動機を立証するであろう。

これから遅かれ早かれ自民が選挙で大敗するのは間違いなく、
安倍政権とともに墓穴を掘った利権勢力は叩きのめされることとなろう。
改心して廃炉と安全技術の向上に注力していれば良かったものを、
過酷事故の賠償を国民に払わせた上に
性懲りもなく再稼働を叫び身内に利益誘導を行ったことは、
永遠のスティグマとして彼ら自身に忌まわしい烙印が押されるであろう。
(これらは全て因果応報なのだから救いようがない)

「再稼働が必要と言うのなら、賛成する連中が
 福島原発事故の賠償金を負担して払うがいい。
 原発で儲けながらリスクは国民に転嫁する薄汚い根性が透けて見える」

「原子力がロシアンルーレットのような投機的電源であり、
 過酷事故が起きたら国民に負担を強いる無責任の塊であることは既に証明された。
 稼働率の数値を見ても凶悪な「不安定電源」であるのは明白だ」

「原子力は「レント」に他ならず、日本経済にとって有害である。
 原子力比率が高まるとともに我が国の成長率は低落し、
 原子力比率が最も高まった時期に日本はゼロ成長に突入している」

「原子力によって日本経済が成長したことなどただの一度もない。
 原発稼働率や原発の発電量と、日本の成長率の推移を比較すればすぐに分かる話だ」

「アメリカのように経済原理が徹底している国では
 経済性に欠ける原子力が排除され続々廃炉に追い込まれているのと対照的であり、
 我が国では経済合理性に背を向けて原子力利権をのさばらせているから成長できないのだ」

「事実、あの電事連ですら原発再稼働によっても
 電気料金の低下は数%でしかないと認めている。
 (これは21基再稼働の前提なので、数基の再稼働では1%下がるかどうかだ)
 つまり電力コスト高騰の主因は燃料高、円安と電力大手の調達下手であると自ら認めた訳だ。
 電力コスト高騰の元凶は、安倍政権の円安誘導と既得権を持つ大企業の殿様体質なのだ」

「また、原発再稼働は省エネ・再生可能エネへの投資を抑圧し、
 我が国に残る数少ない成長分野の妨害になるという副作用も深刻である」

「日本はコスト面で極めて合理的、エネルギー効率でも安全保障でも原子力に圧勝する
 優等生であるコージェネ・風力・地中熱の膨大なポテンシャルを有している。
 利権癒着政党が政権に居座る限り、そうした正しい方向への投資は遅々として進まない」

「「ベースロード電源」も国民を騙すための見え透いた嘘で、
 いかなる汚い手を使っても原発で儲けたいという動機から発したものだ」

としてきた当ウェブログの主張は、彼ら自身が自らの言動で証明している。
彼らは最後の「撤退」の時期を逃したので、もう未来はない。

▽ 利権勢力は骨の随から日本国民と民主主義に敵対しており、隠れて裏工作に奔走している

『東京ブラックアウト』(若杉冽,講談社)


心ある有権者はむせ返るような腐臭に気づいている。
どれほど美辞麗句を並べても、腐敗した体質を隠すことはできない。

「日本国民は健全な意識を持っていると改めて確認できた。
 京都大学とカリフォルニア大学バークレー校が調査した結果、
 日本国民の6割以上が「原発ゼロ」を支持したことが分かった」

「ただ惜しむらくは、薄汚れた「レント」でしかない原子力を撃滅するため、
 利権と癒着した腐敗政権を選挙で叩きのめさなければならないこと、
 (放っておいても経済危機の原因となって自滅するが、そこまで延命させる必要は全くない)
 コージェネ・風力・地中熱の活用により電力不足問題は完全に解決し省エネが進むこと、
 寧ろ投資と雇用が増えて日本経済の成長に資することを充分理解していない点だ」

「原子力維持・推進派のステレオタイプな主張を(飽き飽きしながら)概観すると、
 彼らの殆どが「原発再稼働でカネを貰える」連中ばかりで、
 ごく少数が戦前の「艦隊派」に似た論理の通じないイデオロギストである」

「そうしたカネの臭いが芬々と漂う言説と見え透いた情報誘導が
 余りにも怪しいので、国民の大多数は疑いの目を向けており
 見事に逆効果になっている始末である。(まさに自業自得だ)」

「だから、原発再稼働に対する世論の反発は一向に衰えない。
 再稼働を叫ぶ連中が相変わらず大嘘をついているので
 原発再稼働によっても燃料コストの高止まりは一向に変わらず、
 利害関係者だけに左団扇でカネが流れ込む構図が全く変わっていないのだから
 ごく当たり前の話である。だからナチスばりに「嘘を100回」言うしかないのだ」

「日本の原子力は「関係者の金儲けの手段」に堕している。
 (そうでなければ、どうして安倍政権の閣僚にカネをバラ撒いているのか)」

と当ウェブログは指摘した。
利権勢力の意識が福島事故前とほぼ変わっていない以上、因果応報の没落は不可避である。

 ↓ 参考

日本国民の6割超が「原発廃止」を支持 - 原子力利権勢力の嘘と情報操作が余りに醜悪で、至極当然の結果
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b7366bdb370d565410f588540aa25fe5

原発再稼働で電気料金は5%程しか下がらない、利権勢力の欺瞞は明白 - 巨額のカネで政治を「買収」した
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1e3ddfcf41defe038ec99c82b9c72862

電力各社「事故の賠償は無理、原発費用は消費者に転嫁させろ」-証明された「原子力は高リスクでコスト高」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d121c9b7403f1918e88f81a7dfd7cf43

▽ 我が国の原子力は、政治家にカネをバラ撒かなければ成り立たない腐敗したレントである

『原発利権を追う 電力をめぐるカネと権力の構造』(朝日新聞出版)


小泉元首相の原発ゼロ、政権批判95分講演 経産省が「報じさせるな」と警戒(週刊朝日)
http://dot.asahi.com/wa/2015061000068.html
”6月4日、川内原発のある鹿児島の地で、小泉純一郎氏(73)が講演「日本の歩むべき道」を行った。講演には900人以上が詰めかけ、「原発ゼロ」を安倍政権に突きつける小泉節が炸裂した。
 今回の講演会を主催し、東京から小泉氏に随行した城南信用金庫の吉原毅理事長はこう話す。
「川内原発の再稼働が迫り、地元から小泉さんに講演に来てほしい、という要望が前からありました。
〔中略〕
 当日はお一人で羽田にいらっしゃったので驚きました」
 講演前、小泉氏は地元の企業の経営者ら十数人と昼食を共にし、こんな話を披露した。
「私は子どもの頃、鹿児島の『さつまあげ』が大好きでね。こっちでは『つけあげ』と言うんだよね。鹿児島は焼酎もうまいし、牛や黒豚、魚などおいしいものがいっぱいある。豊かな恵みを原発で失っちゃいけないですよ」
 鹿児島大学の井村隆介准教授(火山学)も小泉氏側から声をかけられ、昼食会に加わった一人だ。
『火山活動が活発だから、いつ何があるかわからない。こういう時に原発でもし事故があったら、大変なことになる可能性がある。原子力規制委員会は、火山灰が降り続くと避難もできないことを想定していない』と説明しました」(井村氏)
 大盛況だったが、講演の詳細は地元以外のメディアではあまり報じられなかった。その理由を経済産業省幹部がこう明かす。
「鹿児島の桜島が今年に入って600回以上も噴火し、もうもうと煙をあげている中、5月末に口永良部島の噴火のニュースを見て、あちゃーって天を仰いだよ。川内原発に影響しますよ、これはきっと。省内で聞いた話ですが、実はけっこう危ない。そんな中、小泉さんが講演に来る。マスコミにあまり報じさせない対策は打ってあります
 原子力ムラからの圧力を感じたことがないか、小泉氏に会場で本誌記者が質問すると、こう答えた。
原発の推進勢力からは『小泉の発言は迷惑だ』と聞いていますが、圧力とは私は感じていませんね
(本誌・上田耕司、古田真梨子)”

経産省の癒着勢力の行動様式は、全然変わっていない。
国民を裏切って汚い利益誘導を行ったスティグマは絶対に消えないものである。
利権擁護により日本経済の低迷をもたらしたという重大な責任を免れることはできない。


東電「津波対策は不可避」=震災2年半前、社内文書で―福島第1・東京地裁(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201506/2015061800775&g=soc
”東京電力福島第1原発事故で、東電の勝俣恒久元会長ら歴代経営陣が津波対策を怠ったとして、株主が起こした株主代表訴訟の口頭弁論が18日、東京地裁(大竹昭彦裁判長)であった。株主側は東電が2008年9月の会議で使った社内文書に「津波対策は不可避だ」との記載があったと指摘。
〔中略〕
 文書は、訴訟に補助参加した東電が提出したもので、東電本社で作成された。08年当時に進められていた国の耐震安全性評価への対応について、本社の担当部署と第1原発幹部との会議で示され、機密性の高い情報として会議後に回収されたという。
 東電は当時、三陸沖巨大津波の可能性を示した政府の地震調査研究推進本部(推本)の予測を受け、独自に検討。08年3月ごろまでに、従来の想定を上回る最大15.7メートルの津波を試算していたことが判明している。東電はこれまで「試算の域を出ず、設計上の対策に使えるものではなかった」と説明してきた。
 社内文書は、推本の予測について「完全に否定することは難しい」とした上で、「現状より大きな津波高を評価せざるを得ないと想定され、津波対策は不可避だ」と記している。株主側は「回収予定の文書だから記載されたもので、東電の本音を示している」と指摘した。
 これに対し東電は、訴訟の準備書面で「安全性の積み増しという観点から、将来的に津波対策が必要となる可能性は否定できないため記載した」と主張。「津波対策として特定の内容を前提としたものでもない」と反論した。”

このように、原子力の利害関係者は表で言っていることと裏で言っていることが全く違う。
基本的に二枚舌ではないかと疑われるのは、こうした体質のせいである。
自業自得という以外にどのような言い方があろうか。


高浜原発そばに津波痕跡 規制委、関電に調査促す(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201506/CN2015062101001431.html
”原子力規制委員会の審査で、2月に「合格」と認められた関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)そばの若狭湾沿岸で、14~16世紀に起きた津波の痕跡とみられる砂層を福井大などのチームが21日までに確認した
 津波の規模は不明で関電は「津波評価や対策に影響を与えるものではない」としている。一方、規制委は取材に対し「安全を脅かす方向につながる情報かどうか留意して、結論ありきではなく検討したい」と関電に調査を促す考えを示した
 若狭湾沿岸では、1586年の天正地震に伴う大津波で大きな被害が出たとの説がある。”

こちらも同様である。リスクに目をつぶってカネを儲けたい事業者の無責任さが露骨に出ている。
原子力規制委が「結論ありきでなく」と言っているのは、
明白にカネ目的で再稼働をゴリ押ししたい関電の姿勢を批判したものだ。


電気料金「早期に震災前水準に」 電事連会長(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO87801910X00C15A6TJC000/
”電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は、政府が2030年度の電源構成で原子力の比率を20~22%と決めたことを受け、「十分な安全性を確保できた原子力プラントから1日も早い再稼働を実現していきたい」と述べた。そのうえで上昇している電気料金について、早期に東日本大震災前の水準に下げる考えを示した。
 国内の原発は現在、全基が停止している
。原発の運転期間は原則40年で、再稼働が進んでも30年度の原…〔以下略〕”

電気料金を下げるためには、粗暴な円安誘導政策で急騰した燃料コストを下げ、
今まで散々サボってきた燃料調達交渉を真剣に行い、
コージェネ推進によってエネルギー効率を高めるのが先決である。
(原発再稼働で助かるのは国民ではなく、湯水のようにカネが流れ込む利害関係者である)

▽ 利害関係者の言う「安全」が全く信用できないことは、これまでの事実が明確に証明している

『原発と大津波 警告を葬った人々』(添田孝史,岩波書店)


電力スポット価格、3割安 燃料安や太陽光発電普及(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO87987290R10C15A6QM8000/
電力のスポット価格が下落している。日本卸電力取引所(東京・港)の取引価格(24時間平均)は前年同期に比べ、3割安い水準で推移する。火力発電所で使われる液化天然ガス(LNG)などの燃料費が下がったうえ、稼働の相次ぐ太陽光発電の普及で余剰となる電力が流入した。節電の意識も浸透し、全体の電力需要も低迷する。
 5月のスポット平均価格(翌日売買分)は1キロワット時あたり11円となり、東日本大震災の起きた2…〔以下略〕”

利害関係者の言葉は、基本的に裏がある。
この凄まじい勢いで低下する電力価格を見れば、
電力コスト低下の最大要因が原発ではなく燃料費であることは疑いようがない。
コージェネを推進すれば更にエネルギーコストが低下し、国民への恩恵は大きい。
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