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個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊エコノミスト』11月25日号 - コモディティ厳冬期か、未熟な商品投資家とロシア経済は断崖の上

2008-11-18 | 『週刊エコノミスト』より
今週号で絶対に投資家が読まなければならないのは、
P79以降の「原油50ドル時代」です。
さすが週刊エコノミスト編集部、反応が速い!

『週刊エコノミスト』の内容案内

最新号の内容の確認は、こちらの毎日新聞のサイトの方が正確で早いです。
(定期購読は方式によりディスカウント率が複雑なので御注意下さい)
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/economist/

アストマックスの江守哲FMが直近の商品市況を分析し、
商品先物価格の下落による手仕舞い売りの増加、
投資資金の流出が起きていることを指摘されています。

「価格が高くなれば需要減少の形で価格調整が起きるのが
 コモディティ市場の特徴であり、原油市場も例外ではな
 かったということだろう」

と氏は総括し、市況反転のひとつのきっかけとして
「石油関連ビジネスの大幅な縮小」を予測されています。

氏が不吉ながらも重要な指摘をされていますので、
2点ここに引用しておきます。


”この数年の内にコモディティ市場に参加した新た
 な投資家層は、コモディティ相場の本格的な下落
 や低迷の局面を経験していない。”

”ロシアは資源分野で外資排除姿勢を強めており、
 これが国内の石油探査や生産・輸送設備の建設を
 妨げている。原油価格が50ドル以下で推移すれば、
 1990年代の経済低迷が再来する可能性が高まろう。”


    ◇     ◇     ◇     ◇

P86では第一生命の永濱利廣 主席エコノミストが
「原油50ドル水準で7.5兆円コスト削減」と題して
経済成長率・経常利益・家計に対し原油価格急落の
及ぼす影響を試算されています。

「日本経済は恩恵を受けやすい」との結論ですが、
実は永濱氏は今週のダイヤモンド誌にも登場されていて、




『週刊ダイヤモンド』2008年 11/22号

2008年度の企業収益は2桁減、
2009年度の勤労者年収は1%減少、失業率が4%へ上昇

という試算を紹介されています。

いとすぎはこちらの方が真実に近いと思いますが。。

微々たる額の原油安メリットなど、
企業収益の急減で軽々と吹き飛ばされます。

ダイヤモンド誌はP61で
ワーキングプアどころか単なるプア
というシビアかつ正確なひと言を掲載しています。

    ◇     ◇     ◇     ◇

さて最後にP38。
農林中金総研の清水徹郎氏が
日本の酪農の経営危機を分析されています。

非常に質の高い論考ですので興味のある方はどうぞ。

酪農は大規模化が進んでも経営悪化が止まらないこと、
その主因は輸入する飼料価格の高騰であること、
(牛乳の生産コストの46%が飼料費だそうです)
加えて国内の生産者の交渉力の弱さ。

清水氏は稲の飼料化に助成金をつけることを提言し、
またEU圏において粗放型の酪農に助成金を出していることを
紹介されています。(環境保護型の酪農、ということでしょう)

確かにミネラルウォーター並みの牛乳価格は安過ぎです。
それは「消費量が増えていない」事実の裏返しですから、
生産量を引き下げて付加価値を高めるしかないのでは?

生産者は木次乳業や吉田牧場を見倣った方が良いでしょう。
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