みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

小沢環境相、国内メーカー8社にバイオ燃料対応車の開発を要請 - E10(10%混合)の登場か

2010-04-30 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
小沢環境相がブラジル並みのE10規格(エタノール10%混合燃料)の
自動車の開発を国内メーカーに要請したそうです。

提案の動機は悪くないのでしょうが、
クリアすべきハードルは余りに多いです。

エタノール混合比が高まるとメーカーの開発費も高まり、
専用設計・専用ラインが必要になります。

バイオエタノール大国ブラジルは、広大な砂糖黍畑を擁しており
安価で大量のエタノール資源を自給できるため
エタノール専用車を開発し販売する合理性があります。

しかし農地の狭い日本はエタノール資源に制約があり、
気候的に砂糖黍を用いた安価なエタノールの生産適地が少ない。

日本の場合は米か甜菜を用いたエタノールになる筈で、
大規模農地を考えても生産量に限界があります。

農業機械やビニールハウス暖房、バス用のBDFなど、
一部の用途で試行した方が賢いのではないでしょうか。
その程度の規模ならガソリン税からも補助金を出せるでしょう。


小沢環境相:バイオ燃料対応車の開発要請 メーカー8社に(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/science/news/20100429k0000m020053000c.html

”地球温暖化対策としてバイオ燃料の利用を促進するため、小沢鋭仁環境相は28日、
 国内の乗用車メーカー8社の幹部と環境省で会談し、ガソリンにバイオエタノールを
 10%混ぜた「E10」という燃料に対応した車を開発するよう要請した。
 バイオエタノールは、原料の植物が成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため
 使用に伴うCO2排出が少ない。海外では20%混ぜたガソリンを導入している国も
 ある。
 環境相は「来年度には排ガス基準などを定めて対応車が販売できるようにしたい。早
 期に市場投入できるよう準備をお願いしたい」と述べた。
 環境省は既にバイオエタノール3%の燃料で実証試験中だが、石油連盟は別方式のバ
 イオ燃料を推進。環境省方式の燃料用にガソリンを供給しておらず、できた3%燃料
 も系列スタンドではほとんど販売していない。メーカー側からは「スタンドでE10
 の供給が進まないと、開発しても無駄になる」と、供給体制整備の要望も出た。”

もう一つの問題は「規格」です。
自動車メーカーよりも石油連盟と協議すべきではないでしょうか。
補助金で懐柔すれば妥協を引き出せる筈です。


▽ バイオエタノール関連の新書出版が待たれる。





『バイオマスは地球環境を救えるか』(木谷収,岩波書店)

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勝間和代、日本の子供向け手当は国際比較で最低水準と指摘 -「高齢者向けの11分の1しかない」

2010-04-29 | いとすぎから見るこの社会-少子化問題
勝間和代女史の予測によれば、
子供手当で出生率は1.4台に回復するのではないかとのこと。
(偶然ではありますが、当ウェブログの主張と一致)
「効果はあるが限定的」というのが妥当な見解となりつつあります。

意味不明な理由で反対している方々もいますが、
その手の論は数値で否定されるので放置しておきましょう。

さて勝間女史は若年層の雇用問題の解決も
同時に主張されていますが、それは無理です。
余りにも政治的障害が大きく時間がかかるので、
限られた予算を育児世帯に集中投入するしか方法はありません。

ですから私は、富裕高齢層の既得権を「適正化」して
その分を待機児童や育児支援に回すことが有効だと考えます。

1000兆円近い個人金融資産を持つ層に盛大な税控除を行い、
医療費負担1割とするのは
正気の沙汰とは思えません
OECD諸国が押し並べて日本よりも高負担であるのを忘れてはならない。


勝間和代:出生率を上げるために若年層の雇用問題を解決しよう!(日経associe)
http://news.goo.ne.jp/article/associe/business/associe-222556.html

”子ども手当の支給がいよいよ6月から始まる。だが、少子化問題を解決するにはそれ
 だけでは足りない。産む・産まない以前に、結婚すること自体が難しくなっているか
 らだ。
 民主党マニフェストの目玉政策の一つである子ども手当法が国会で成立しました。中
 学生以下の子供がいる日本在住の保護者(世帯)に対し、所得制限なく、子供1人当
 たり毎月2万6000円が支給されます。ただし、初年度の2010年度は、半額の月1万3
 000円です。支給総額は今年度で年間2兆2500億円、全額支給される次年度からは5
 兆円にもなります。
 これがどれだけ大きい金額かというと、例えば2008年の日本のGDP(国内総生産)
 である494兆円(名目ベース)の0.46%に相当します。また、2010年度の税収見積
 もりの前提となる2009年度の一般財源の税収は約37兆4000億円に落ち込む見通し
 です。そこから計算すると、税収の6%が子ども手当に使われることになります。
 だから「財源は本当に大丈夫か」という議論が起きるわけです。
 では、この子ども手当、本当に必要なのでしょうか。また、その効果はどの程度で
 しょうか。結論から言うと、私は「子供に対する支援強化は必須である。ただし、
 手当だけでは不十分で、若年層に対する雇用対策と同時に行うべきだ」という考え
 です。以下、具体的な理由を説明します。
 まず、事実の把握からです。下のグラフを見てください。日本は他国と比較した場
 合、子供に対する手当、特に現金支給が対GDP比で明らかに小さい国です。日本よ
 り小さい米国と韓国は高齢者に対しての手当も少なく、高齢者向けの支出と子供向
 けの支出の比を取ると、日本が最低水準になります。高齢者向けに対して、子供向
 けはわずか11分の1しかないのです。

 そして、これが出生率の低下に影響しています。他国と比べると、日本の公的支出
 の少なさが出生率の低下を招いていることが分かります。特に先進国の育児にはお
 金がかかりますから、子供を持つことを躊躇してしまうのです。〔以下略〕”

 → これは有名な事実ですが、
   知らない方もいらっしゃるでしょうから
   ぜひ元記事をお読み下さい。
   素晴らしい図表も付いています。


「子ども手当は貯金」 母親対象ネット調査(共同通信)
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/life/CO2010042301000631.html

”「6月から支給される子ども手当をどう使いたいか」―。インターネットのコミュニ
 ティーサイト企画などを手掛けるデジタルブティック(東京)が、ネット上で母親ら
 に使途(複数回答)を尋ねたところ、56%が「(教育費など)目的を決めて貯金す
 る」と答えた。「目的は決めずに貯金」は28%、「日常の生活費に充当」が20%。
 調査は3月末から4月上旬にかけて実施、643人から回答を得た。”

少子化対策は同時に内需振興でもあることが望ましい。
従って、貯金に回ることを抑止できるよう
期限付きのバウチャーにしなければならない。

同時に強力な待機児童対策を実施して
育児支援部門で雇用を増やさなければならない。

何度も当ウェブログで書いているように、
退職金か年金控除の課税優遇を廃止すれば財源は充分にある。


▽ フランスはそもそも育児支援への熱意が違う。





『フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由』(横田増生,洋泉社)

フランスの出生率の高さは、移民要因ではない。
従って日本でも応用できる施策が多い。
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IHI(石川島播磨)、韓国からの新卒採用 -「安定志向で志望する学生はいらない」

2010-04-28 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
石川島播磨が韓国から新卒を採用しているそうです。
日本に留学した期間が長いと日本人に近くなってしまうそうですが、
(確かに、日本にどっぷり染まってしまう人がいる)
短期留学ならばハングリー精神が強いそうです。

石川島播磨がICU卒を採用したがっているのにも驚いた。

ただ私の個人的な見解では、韓国からの新卒採用は
単に国内で優秀な人材を採れないためではないかと考える。
韓国からなら、為替レートで賃金を高く見せることができる。

もし意識の高い国内新卒の人材なら、三菱重工を選択するだろう。
より優秀な層が向かう先は、恐らく日本では三井海洋開発だ。
多分、IHIではないと思う。

更に懸念されるのは、日本の最優秀層が外資を選択し、
(日系企業よりも数倍は昇進が早いからだ)
体質の古い日系企業には2番手3番手以下しか残っていない事態だ。

IHIのイメージは、「橋梁談合で逮捕者が出て名前を変えた企業」、
「危うく東証を上場廃止になりかけた企業」ではないだろうか。

例えばICUの最優秀層はまずIHIには行かないと思う。
採りたければ早期選抜で大きな権限を与える
特殊なキャリアパスを設定しなければならない。

私は、そのような的確な対処が日系大企業に可能だとは
到底思えないのだが。。
「優秀な順から辞めていく」可能性が極めて高いだろう。


就職パニック2010 安定志向で志望する学生は欲しくない(日経BP)
http://news.goo.ne.jp/article/nbonline/business/nbonline-213923-01.html?fr=rk

”日本経済新聞社が毎年3月にまとめる有力企業の新卒採用計画によれば、来年3月卒業
 者の採用では鉄鋼や造船など重厚長大産業の復権ぶりが際立っている。長年、新卒採
 用を抑制してきたこともあり、不況に突入しても採用には積極的だ。学生の間では安
 定企業として人気も高まっている。重厚長大産業の採用担当者に必要とする人材像や
 採用戦略について聞いた。
 まずは、韓国の大学で新卒採用に動いているIHIの人事部採用グループの水本伸子部
 長に登場してもらう。IHIは来年3月卒業者の採用者数は300人と、日経新聞の調査で
 も42位だ。(聞き手は佐藤紀泰=日経ビジネス編集委員)

 --重厚長大産業の人気が高まっていますね。
 水本 少し高まっているというところでしょうか。それは学生が安定志向を強めてい
 るからです。しかし、そんな学生ははっきり言えば、欲しくないです。
 機動力があり、変化を求めるような意識の高い学生を採用したいのですが、当然のこ
 とながら他社との奪い合いになります。他社の人事担当者と情報交換しますが、求め
 ている人材像は同じですね。
 IHIとしては今、3年生夏のインターンを受ける学生たちをもっと採れるようにしたい。
 ですから、昨年12月にはクリスマスカードを送ったりしています。大学では国際基督
 教大学がなかなか採用できない。国際感覚のある学生を狙っています。

 --IHIは韓国の大学でも採用活動をやっていますが、これはなぜでしょうか。
 2009年春は8人、今年春は4人の韓国人の新卒の学生を採用しました。3月には韓国の
 6つの大学に行き、企業説明会をやってきたところです。
 「就職氷河期になぜ、わざわざ韓国に行って新卒を採用するのか」との批判もあるで
 しょう。ですが、これは重要なことです。
 韓国で採用するのは日本に短期留学した学生とかが対象になりますが、日本に長く留
 学して卒業した韓国人学生よりもハングリー精神が強い
。今回も200人ぐらいの学生
 に接触しました。これから日本に呼んで、面接などをします。

 --日本企業に優秀な韓国人学生が入るのでしょうか。
 もちろん、韓国人学生でもトップ層はサムスン電子など韓国の超一流企業を志望する
 でしょう。ただ、全員が入れるわけでもないですし、海外でキャリアを積みたいと思
 う学生も多い。こうした学生が狙い目です。
 やる気が違うので、入ったばかりでも目立つ
 うちでは技術者だけでなく、文系の事務職でも韓国人大学生を入れている。韓国では
 ソウル大学出身の女子の社員も入社し、活躍しています。技術系では鉄鋼大手ポスコ
 が設立したポステックのような技術系大学の学生を今、狙っているところです。
 やる気が違うので、入ったばかりでも目立ちます。他の日本人の新入社員にも刺激に
 なりますしね。〔以下略〕”

日経BPのサイトでこの続きが読めます。

ただハングリー精神が強いのは間違いないと思う。
彼らを使いこなせる力が日系企業にあるかどうかは別として。

海外に長期留学した日本人留学生はハングリーだろうか??


▽ サムスン関連の本が出ているので研究してみようと思う。





『危機の経営~サムスンを世界一企業に変えた3つのイノベーション』(吉川良三,畑村洋太郎)





『ソニー VS.サムスン』(張世進,日本経済新聞出版社)

韓国の最優秀層の多くはここを目指している筈だ。
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郵政職員による横領等の被害額は20億円超、08年度の約6.8倍と大幅増加 - 最多は郵便局会社

2010-04-27 | いとすぎから見るこの社会-全般
「職員の士気が下がる」との理由で
郵便局の監視カメラが撤去されたことが報じられましたが
本当に完全撤去で構わないのか、考えさせられる事実が明らかになりました。

20億円という額が額ですから、職員の士気よりも
有権者の士気がより下がると言うべきでしょう。

竹中平蔵氏が郵便局のコンプライアンスがどれだけひどいか
雑誌で述べておりましたが、実態を知るとその指摘も尤もです。

これは実直に働いている大多数の職員にとっても
迷惑極まりない話であり、監視カメラよりも寧ろ
有権者の目が厳しくなることの方が重大です。


郵政職員の現金絡む犯罪、被害20億円超す(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100423-OYT1T01203.htm

”日本郵政グループの従業員による貯金横領など、現金が絡む犯罪被害が2009年度
 で計42件、約20億1200万円に上ることが23日、明らかになった。
 08年度と比べて、件数は11件減ったが、金額は5.8倍に増えた。みんなの党の
 柿沢未途衆院議員の質問主意書に対し、政府が答弁書で明らかにした。
 会社別では、郵便局会社の33件、18億5000万円が最多で、08年度より7件
 減ったが、被害額は約6.8倍と大幅に増えている。
 一方、日本郵政は犯罪防止などのため設置された郵便局内の監視カメラを「職員の士
 気が下がる」として、約32億円をかけて撤去・移設することを決めている。”

「士気が下がる」というのは理由にもなっていない。
監視カメラの有効性、設置目的、システム運用の実態、
結果的に抑止効果があったかどうかを検証し明確にすべきだ。

金融は信用の上に成り立っている。
職員の士気をそれに優先させてはならない。


▽ 郵政民営化、郵政改革もまだ未完です。内部に「改革派」がいない。





『未完の「国鉄改革」―巨大組織の崩壊と再生』(葛西敬之,東洋経済新報社)

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『週刊エコノミスト』5月11日号 - 日本国債を国内消化できなくなれば、金利急騰・国債暴落は必至

2010-04-26 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「日米英 同時破産」でした。
本当に日米が同時破産したら中国経済も滅亡するので
今のところは窮地を切り抜ける公算大でしょう。

ただ問題は北海油田の枯渇が見えてきたイギリス、
(ソロスが随分前に不吉な予言をしていた)
そして巨額政府債務を抱えて破滅的な生産年齢人口急減に向かう日本です。
(キッシンジャーもアタリも警告しているのに。。)

『週刊エコノミスト』の内容案内

最新号の内容の確認は、こちらの毎日新聞のサイトの方が正確で早いです。
(定期購読は方式によりディスカウント率が複雑なので御注意下さい)
http://www.mainichi.co.jp/publish/magazine.html

特集冒頭の最後の方に、MUFJの内田和人氏の試算が出ており、
2015年以降に日本国内の銀行預金が減少し始めるとのこと。

長年、低利の日本国債を愚鈍に買い続けた資金源が
遂に下降トレンドに向かい始めて始めています。

「海外資金を引き寄せようとするなら、米国債並みでも
 約4%まで金利が上昇することになる。しかし、1.3
 %の現状からすれば、これは国債暴落である」

悪夢のシナリオですが、今のまま手を拱いていれば
本当に実現してしまうかもしれない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

他にも面白い記事が2つありました。

P44の糸井龍一九州大教授の寄稿によれば、
日本の地熱埋蔵量は世界第3位だそうです。
但し電源立地や開発期間の長さがネックになるとのこと。
(私は長い送電線による電力ロスも問題だと思う)

現状では風力の方が技術革新を期待できるし、
適地の多さでも圧倒的に地熱よりまさっているような。。


巻末P86以降の「いまどきの若者消費」はなかなかの傑作。
シェアハウスやアート、新手のレンタル事業の現況が
興味深く読めます。
多分、他メディアもこのテーマに追随してくるでしょう。





『現代アートビジネス』(小山登美夫,アスキー・メディアワークス)


バブルが弾けた時にこそ、アートも本物が分かるのでしょう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊ダイヤモンド』の特集は「日本のゴルフ」でした。
タイミング早過ぎではないでしょうか。。
せめて景況回復が明確になる夏過ぎまで待たないと!





『週刊ダイヤモンド』2010年 5/8号


P24の樋口美雄・慶應大教授のコラムが惜しかった。
「政府による生産性向上支援とセットで最低賃金の引き上げを」
との主旨は正しいのですが、具体策が何も書かれていなかった。。

私は政治的抵抗の強い最低賃金の引き上げよりも
給付付き税額控除の適用の方が効果的だと思いますが。
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