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みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『エコノミスト』8月26日号 - かつて日本は低い物価上昇率で高成長だった、「デフレ脱却」は暗愚の証

2025-08-20 | 『週刊エコノミスト』より
エコノミスト合併号はインバウンド特集、
先週「「黄金時代」でなく「大迷惑時代」が正しい」と書いたが
極めて真っ当な内容でありこの合併号特集の冒頭は
スイスに倣って客数を制限し単価を上げるべきとの正論だ。

全く以てその通りで、暗愚な安倍・菅が推進したビザ緩和はやめ、
富裕層や高所得層以外をインバウンドから排除すべきである。
特区民泊と違法民泊は徹底的に排除しなければならないし
迷惑行為には罰金を科し悪質な外国人には罰則を定めネットで公表すべきだ。

高額な伝統工芸品がインバウンド客に売れ始めていること、
台湾からもワインツーリズム参加が出つつあること、
一部ではあるが良い兆しも見えるようになった。

『週刊エコノミスト』2025年8/26・9/2合併号


エントリーのサブタイトルは98頁、市川繁男氏の連載から。
氏は日本の長期金利上昇を警戒しているのではあるが
50年間の長期金利とCPI上昇率を掲載しているので
日本の場合CPI上昇率と経済成長率は相関すらないという
極めて重大な事実が一目瞭然になっているのである。

つまり暗愚な安倍らが主張してきた「デフレ脱却」は大嘘で
日本は寧ろ物価が上昇すると70年代のようにスタグフレーションになることが分かる。

    ◇     ◇     ◇     ◇


東洋経済の保険特集はやや内向き、業界ものと言ってもよい。
矢張りサブの「80年目の戦争経済 総決算」が重要だった。

先週、「インチキ・アベノミクスと高橋財政は全然別物だから」と書いたが
日本経済をV字回復させた高橋財政は財政拡張も短期間であり
金融緩和でも、口ほどにもない黒田と違って買い入れた国債を市場売却している。
いまだにアベノミクスを信奉している愚か者はこの記事を熟読すべきだ。
いま財政拡張で景気回復すると妄信しているB層有権者が増殖しているが
そういう視野狭窄と独善こそ高橋是清の命を奪ったテロリストの本質なのだ。
(高橋是清は放漫な財政拡張に反対して凶弾に倒れた、というのが史実である)

『週刊東洋経済』2025年8/23号 (保険 大転換)


佐藤優氏の連載は戦後の先鋭化した左翼の話になってきた。
まさか参政党に媚びているのだろうか?

AERAでは自分が大学で教えていて資本論を輪読させたら
学生が哲学書も読めるようになったと自画自賛を展開しているが
「どの程度」「どれほどの人数が」という肝心の点はぼやかしており
まるで全員が読めるようになったかのような自慢話として読者に受け取られるだろう。
社会科学を学んでそれこそ氏が重視する数学を用いた計量分析で実証すべきであろうに。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドは恒例の資格特集、「切り口を変えてきた」と
先週書いたが、士業支援AIツールの紹介は興味深い。
学歴ロンダなど相変わらずの記事もあるが
頑張って工夫した跡が見られ読者各位は詳細に読み込んでみても良いかも。

サブ特集の「マンション 最強の管理第2弾」は前回ほどではなかったが悪くない。
管理を考えると矢張りタワマンはどうも不利な条件が揃っているな。。

『DiamondWEEKLY』2025年8/23 (資格&学歴 裏ワザ大全) 週刊ダイヤモンド


さて佐藤優氏の連載、選挙に無関心な層を動員した参政党とみらいに注目しているそうだが、
かつての民主党への政権交代の時と今回の参院選の投票率はほとんど変わらなかった。
無関心層の動員はこれがピークに近いと考えた方が妥当ではないか。
氏の見通しはこれまでの実績として精度が著しく低かったので
個人的には参政党とみらいのどちらか、或いは両方が失墜すると予想している。
参政党はいま勢いがあるように見えるが党首も議員もウソとデマカセが多すぎる。
古代ギリシャで言うところのデマゴーゴスであり政権を担う能力も資格もない。
実際にはばら撒きポピュリズムだがまだしも良識のある国民民主にすら負ける可能性があろう。

ところで氏は、公明党は大丈夫と言っておきながら大幅に議席を減らした事実をどう考えているのか。
参院選では議席を失い党勢は後退したが公明党は大丈夫という詭弁を弄するのだろうか?

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンドに注目、勿論メインではなくサブのホテルランキングの方である。

▽ コラム「2024年の国別AIランキングでの日本の順位」も重要

『DiamondWEEKLY』 2025年8/30号 (ガンダム ジークアクス) 週刊ダイヤモンド


▽ 大袈裟なタイトルの多い東洋経済、本当に大変革なのかどうか。。

『週刊東洋経済』2025年8/30号 (鉄道 大変革)

重要なのはせいぜい不動産関連だけだと思うのだが。
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『エコノミスト』8月19日合併号 - 日本は3年連続で消費エネルギー減少、生産年齢人口減で経済衰退に

2025-08-14 | 『週刊エコノミスト』より
エコノミスト合併号はトランプ特集、
「期待以上ではなかったが期待通りではあった」
と先週に書いたような内容ではあった。

特集ではそれほどはっきり示された訳ではないが
アメリカ経済の斜陽は間違いない。
もはやかつてのような3%成長はできなくなり
堅調な人口増加と世界を動かす金融市場だけが取り柄だったのに。
とは言え中国経済がそれ以上に衰退するので日本としては
米国市場をある程度、当てにしないとやっていけないのが悲しい現実だ。


良記事としては46頁を挙げる。
「健康寿命を縮める「所得格差」」というタイトルで
慶大総合政策学部の佐藤豪竜氏の寄稿である。
これ自体は疫学研究で実証され、広く知られた話なのだが具体的には、
ジニ係数が0.05上昇(悪化)するごとに国内の総死亡率が8%悪化する、
日本の研究では自分より所得が高い住民の多い地域で暮らすと
高齢者の要介護リスクが最大1.2倍になる、
米国の研究では、自分より所得が高い住民の多い地域で暮らす男性は
同程度の住民の多い地域でクラスよりも死亡率が57%高くなる

といった寒気のする研究結果が紹介されており必見である。

個人的に、団塊世代の雇用を守るため犠牲にされた氷河期世代は
平均寿命が悪化するだろうと思っていたのだが悪い予感が的中しそうだ。。
ただ、今の楽々就職の劣化バブル世代も格差拡大による健康度悪化は不可避だ。
政府の少子化対策の大失敗により外国人単純労働力の大量流入は必至であり
格差拡大はあらゆる国民の健康度を損ねるからだ。(米国人の寿命の短さを見よ)

『週刊エコノミスト』2025年8/12・19合併号


エントリーのサブタイトルは90頁より。
市岡繁男氏の連載で、世界のエネルギー消費が増えているのに
日本だけは主要国で唯一、三年連続でエネルギー消費が減少しているのだ!
15歳〜64歳人口とエネルギー消費のピーク(2000年代半ば)が一致していることから
氏は人口動態要因と見ているようだ。
生産年齢人口の増加が止まったのはまさに
日本の成長率がガタ落ちしたあの90年代後半
だから、
そしてゼロ成長が恒常化したリーマンショックの頃から
生産年齢人口が一気に減少に転じているのだから
財政出動も金融緩和策も人口動態には勝てない
のである。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はエコノミストに注目、但し「黄金時代」でなく「大迷惑時代」が正しい。

▽ 最低賃金引上げ論争ですっかり馬脚を現した、アトキンソン氏の主張も批判的検証が必須

『週刊エコノミスト』2025年8/26・9/2合併号


▽ 東洋経済はメインよりサブの「80年目の戦争経済 総決算」が重要では、インチキ・アベノミクスと高橋財政は全然別物だから

『週刊東洋経済』2025年8/23号 (保険 大転換)


▽ ダイヤモンドは恒例の資格特集だが、切り口を変えてきた

『DiamondWEEKLY』2025年8/23 (資格&学歴 裏ワザ大全) 週刊ダイヤモンド

サブ特集の「マンション 最強の管理第2弾」は前回が良かったのでこちらも目を通したい。
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『エコノミスト』8月5日号 - 米短期国債の増発による米株バブル、FRBの金融引き締め効果を上回る

2025-07-31 | 『週刊エコノミスト』より
エコノミストは世界経済特集、
国際秩序が変質してしまった現代を捉えた。

世界経済における米国GDPのシェアが減少しているの象徴的だが
同時期に日本のGDPシェアに至っては4分の1程にまで激減、
5倍近くになった中国経済と対照的である
。この間、
アベノミクスという愚かな経済政策でゼロ成長を続けた報いであり
これこそ参政党が街頭で言っていた日本の国力衰退の本質なのである。
参政党とそのB層支持者がいくら反グローバルを叫んでも
グローバル経済の中で日本の地位の急低下が起きた現実は微塵も揺るがない。
財政出動で何とかできるかのような寝言と(小渕政権がこれで失敗している)、
B層有権者を自己催眠にかけるエコーチェンバーは有害である。


期待できる記事としては世界でガス資源が新たに発見されているという36頁、
アフリカ南部のナミビアで石油・ガス田が発見されたという70頁である。
旧ソ連圏に依存しなければならない核燃料より遥かにましであろう。


星野リゾート代表へのインタビューも悪くなかった。
地方に誘客してオーバーツーリズムの抑止をという妥当な論旨で
開発中の山小屋リゾートも概ね賛成できるのではあるが、
本来なら日本は単価の低い国々のビザを制限し富裕層優遇に舵を切るべきで
そのあたりのインバウンド政策の改革においては星野リゾートには期待はできない。

『週刊エコノミスト』2025年8/5号


エントリーのサブタイトルは90頁、市岡繁男氏の連載より。
FRBが金融引締めを続けても株価が上昇してきた理由として
氏は米短期国債の増発により流動性が拡大してきたことを挙げている。
その結果、米国の株式時価総額と債務総額の比が
ITバブル崩壊の2000年とほぼ同じ数値になっている
ということだ。
今のところ米株は妙に好調だが、安定が崩れる際の反動は大きくなるかもしれない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドは定番の恒例特集。
そう言えば編集部、過去の特集の検証していないような。。

個人的に贔屓にしている丸紅が住商と順位逆転するなど
幾つか注目すべきところはあるが、メイン特集は概ね想定の範囲内かな。。


サブ特集のマンション管理の記事の方が質が良いのではないか。
特にダイヤモンド得意の匿名座談会は読んでおいた方が良い、
突然ブランド物を持ち始めた管理会社の高齢社員の件や
「ブラックリスト」の話など居住者にはかなり重要、
また地方のタワマンの補修は都市部以上に厄介でまさに「負動産」になりかねない。
タワマンは大都市部ですら大規模修繕が至難なのだから、「触らぬ神に祟りなし」である。

『DiamondWEEKLY』2025年8月2日号 (5年後の業界地図) 週刊ダイヤモンド


最も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
マスクはトランプに勝てないというごく一般的な見解のみ、
氏でなくとも書ける話のように思えるが。

氏はかつて、トランプとプーチンが握ったと断言していたが
現在のところそれは大外れとなっており
トランプが完全にロシアから舐められているのが現状であるが
(メラニアから文句を言われてトランプがウクライナ支援を打ち出す始末)
過去の見解が何故ここまで大きく外れたのか検証すべきだろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済のメイン特集は色々と事例を入れているが。。
日本企業の低成長と売り手市場での若手劣化の証左
と先週書いたように、小粒感が否めない。

寧ろ、HRテックで苦境の管理職を支援するICT・AIサービスが
様々リリースされていて日本企業に売り込む好機と見た方が良いかも。
日本企業のデジタル投資は国際比で低水準であることが知られているから
内部留保で貯め込んだり株主還元で益々国富が流出し格差拡大するより
こうした分野に投資して頂いた方が少しは日本経済のためになるだろうに。

『週刊東洋経済』2025年8/2号号 (脱・管理職罰ゲーム)


佐藤優氏の連載はチェコの話が続く。
例のニヒリズムの話は一介の神学者の説に過ぎず矢張り論拠薄弱で
氏は自らは懐疑的なスタンスであるかのように書いているが、
恐らくこの筆致だと氏自身も一理あるように思えて来たというように
微妙なニュアンスで肯定する方向に持っていきたい意図を感じた。

ところで氏はAERAでは、僅かな議席しかないチームみらいを持ち上げ期待している。
しかしチームみらいは今週、ABEMAで早くも政策議論の未熟さを露呈しており
氏の観察眼の確かさを疑わざるを得ないような事態になりつつある。。

以前、氏は池田大作氏の亡き後も公明党は大丈夫だと断言していたが
今回の参院選で公明党の敗北と支持層の高齢化が鮮明になっている。
こうしたところでも自らの言説が大外れになっており
チームみらいの件で益々失態を重ねるという状況に陥りかねないのでは。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンドに注目、全誌が合併号だが日本の大企業が「化ける」としたらこれだろう。

▽ 何故かIWONの話がどこにもなさそう、サブ特集の「社外取バブル」の方が面白いかも

『DiamondWEEKLY』2025年8月9・16日合併号 (大NTTの野心) 週刊ダイヤモンド


▽ 東洋経済は里帰りの時期を狙った特集、それだけに新しい情報が乏しい印象

『週刊東洋経済』2025年8/9-16合併号 (知らないと損する 相続)


▽ エコノミストは流石のトランプ特集、「国力の過大評価」というのはまさにその通り

『週刊エコノミスト』2025年8/12・19合併号

所得格差が健康格差につながる、という実証研究
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『エコノミスト』7月29日号 - 政府債務が膨張しても名目GDPは伸び悩み、以前の成長率の4割程度

2025-07-24 | 『週刊エコノミスト』より
エコノミスト株式特集は幸運と言うべきか、
合併号の2週間の後半に日米関税交渉が概ねポジティブな形で妥結し
東証が急騰するという展開を迎えて結果的にタイムリーだった。
勿論、これが今年の高値で終わるという可能性も十分あるので
判断は暫定的なものに過ぎないにしても、である。

ただ特集内容は概ね常識的なものと思われる。
中国依存から脱却した9984も掲載されているし
好調でバブルが続くNYの銘柄も紹介されており、
マネー誌よりはきちんとした分析が為されている。

『週刊エコノミスト』2025年7/22・29合併号


エントリーのサブタイトルは106頁より。
この16年で世界のGDPは債務の3分の1しか伸びず
と題した市岡繁男氏の連載で、直近の16年で家計債務は2倍弱、
企業債務は約2倍、政府債務に至っては2.4倍に拡張したにも関わらず
名目GDPは伸び悩んで政府債務と企業債務の増加額の半分以下の伸びだった。
その分の恩恵を最も受けたのは株式市場であり
政府と企業の債務増加額の和と、株式時価総額の増加額97兆ドルとが
ほぼ数値が一致する
という驚きの数字になっている!

これこそ、当ウェブログがアベノミクスの失敗として指摘している
企業収益と国民の豊かさが乖離してゆく「ワニの口」なのである。
当ウェブログは安倍をはじめとする自民のプロビジネス政策に警告し、
国民を貧困化させて企業が儲かり株価が上がることを厳しく批判してきたが
BISの公表数値によってその正しさが証明されたと言える。

猶、氏は米金利5%が危険水域としている。
名目GDPに比して推定利払い費がピークを付けたのが
2002年のITバブル崩壊と2008年のリーマンショックの時で
実はいま、その水準まであと僅かに迫っている状況である。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の地政学特集も概ね常識的な内容だった。
「地政学特集はネタ切れの結果な気もする。
 新しい情報としてはトランプ政権内の内輪もめ、だけかも」

としたが、そうは外れていないように思う。

ロシアのウクライナ侵攻については
ロシア軍の死傷者が増加して戦線が膠着している様を
冷静に記している。(ロシア経済の苦境についてはいま一つ)


サブ特集でPPIHの好調さを取り上げているが、こちらの方が良い特集かも。
ただPPIHがいくら儲かってもマクロの日本経済としてはほぼ無関係だろう。
薩摩藷をアセアンで売り込んだ功績は認めるが、無印の国内投資の方が
日本経済にとってはより重要で波及効果が大きい。

『週刊東洋経済』2025年7/26号 (解読 地政学)


佐藤優氏の連載はチェコへの批判が続き、
国家に依存するチェコの教会についてニヒリズムと放言している。
勿論のこと何ら根拠のない恣意的な主観論に過ぎないものだ。

氏は、イスラエル政府から公費を受けているユダヤ教の超正統派も
ニヒリズムと断定しなければならないことになるのではないか。
戦前の国家神道の神職もニヒリズムということになるのではないか。
本当に、よくよく考えて書いている内容なのだろうか?

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済に注目、とはいえメイン特集よりアンモニア発電の高コストや米卸などの記事がより重要。

▽ メイン特集は、日本企業の低成長と売り手市場での若手劣化の証左

『週刊東洋経済』2025年8/2号号 (脱・管理職罰ゲーム)


▽ ダイヤモンドは定番特集、内容は読み込んでみないと何とも

『DiamondWEEKLY』2025年8月2日号 (5年後の業界地図) 週刊ダイヤモンド


▽ 矢張りエコノミストが最も本格派

『週刊エコノミスト』2025年8/5号 2025年

星野リゾート代表へのインタビューに期待。
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『エコノミスト』6月21日号 - 日本企業は低迷している、だから国内投資が伸びるわけがない

2025-06-19 | 『週刊エコノミスト』より
今週のエコノミストは防衛産業特集、
他の主要国と比較すると確かに日本の防衛費は対GDP比でかなり小さい。
(サウジアラビアの軍事大国ぶりには改めて驚き。。)
ESG投資で防衛関連への投資が許容されるかという
まっとうな疑問が案の定ではあるが出てきている。
ロシアのウクライナ侵攻を見ればそれも致し方のないことであり、
プーチンの愚行かつ暴挙によってもたらされた変化の一つだ。


エントリーのサブタイトルは94頁の市岡繁男氏の連載より。
ドル建てで見ると日本企業の収益はどう見ても伸び悩んでいる、

日本企業は円安とインフレ由来の増益でと分かっているから
国内投資が増える訳が無い
、という非の打ち所のない正論である。
ただ氏がドル円が2年御暮れでゴールドに連動している事から
株価が来年、予想外の高値を付けるのではとしているのはどうだろう。
ドル円は既にして移動平均から大幅に乖離しておりオーバーシュートの領域だ。
しかも年老いて益々思考力の衰えたトランプは執拗にFRBへ利下げを求めている。
ウクライナ侵攻はロシアにとって益が少なく消耗が大きい戦争だから停戦は近い。
円高に回帰する材料ならこのように幾らでも揃い過ぎているのだが。。

『週刊エコノミスト』2025年6/24号


他誌に先駆けた「令和の米騒動」レポートだが、大いに期待外れ。
飼料米は牛には向かないという愚かなことを書いている識者がいるが
飼料米によって肉質が改善し付加価値が高まるのは豚である。
(脂身の質が、成分としても食味としても明らかに変化する)
鶏卵も同様であり、飼料米の利用法を全く分かっていないのではないか。
まともな説を出しているのはメディアでお馴染みの大泉氏のみであろう。
コメ農家は大規模化が必須という正論である。
(但し、円安で生産コストが上昇した際に生産者へ政府が補填すべきという点は指摘しないと!)

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の特集「喰われる自治体」はそれなりに良かった。
流山市は言われる程に凄くはなくTX沿線は押し並べて住民が増えていること、
コンサルが自治体を食い物にする背景として少子高齢化・若年人口減少があり
(特集では触れていないが、ふるさと納税と道の駅も業者の食い扶持になっている)
その点では日本全国どの都道府県でも程度の差はあれ深刻な状況であること。

とはいえ、そうなると東洋経済が取り上げている三つの自治体も
特集で書かれているほど素晴らしい事例ではなく
(事実、住民の増え方を見ても大した数値ではない)
日本中で若年層を奪い合っているだけに過ぎないのではないだろうか?
レアケースを褒め称えてそうした実態を書かない東洋経済も同類ではないだろうか?

都道府県の幸福度ランキングは大変興味深く見ることができたが
これは住民の社会増減と相関度が低い気がしてならない。
着眼点の良い特集ではあったが切り口と掘り下げの方向性に再考を促したい。

『週刊東洋経済』2025年6/21号 (喰われる自治体 ー告発ー)


佐藤優氏の連載は、氏らしい内容だった。
チェコの成り立ちが人造国家であるというのは正しいが
「ソ連の方が政治的に自由」と言い切るのが粗雑なところで
社会科学の素養が欠けているのではないか。
「自由」と言うのと「自由な側面がある」は全く別の話であり
そうなると「どこが、どの程度に自由か」という分析が不可避の筈だ。
この辺りは神学部出身の限界が露呈したと言えるのかもしれない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドの公認会計士特集はやや業界向けか。
日本経済へのインパクト、経済のダイナミズムへの寄与となると
かなり怪しい気はする。業界の方々や志望する層は熟読するにしても。

『DiamondWEEKLY』 2025年6/21号 (公認会計士ランキング) 週刊ダイヤモンド


今週のダイヤモンドで最も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
ロシアの停戦条件は、1現状維持、2NATO非加盟、3非ナチ化と試験を披露しているが
これははっきり言って多くの識者の見方と大して変わらない内容である。
1と2はウクライナの反攻が奏功しなかった以上、米国が支援強化しない限り当然の結果で
問題は3がどの程度か、ロシアがゼレンスキー政権を崩壊させ親ロ政権に交代させる
当初の狙い(既にして大失敗しているが)をどこまで貫くか、なのである。
かつて氏は「降伏に近い停戦」をウクライナが強いられると断言した筈で
状況の推移が怪しくなったから少しずつ持論を修正し始めたと見える。

しかもウクライナをキューバ危機と比較しているのがお粗末なところで
核戦争の瀬戸際まで行ったキューバ危機と同じわけがない。
ウクライナは核を保有しておらず、状況がより近いのは明らかに朝鮮戦争である。

氏はAERAでもトランプとマスクの不仲をカノッサの屈辱に喩えているが
類比として不適なのは明白で(中間選挙を気にするローマ教皇などいる訳がない)、
短慮なマスクが「恩知らず」と言ったのはトランプの勝利が危うかったのを
マスクが巨額の献金で救ったという厳然たる事実があったからである。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済に注目、メインよりサブの「企業と政治献金」がより重要。(日本経済衰退の一因である)

▽「東証グロース「上場ゴール」ランキング」には大いに期待している

『週刊東洋経済』2025年6/28号 (上場企業クライシス)


▽ ダイヤモンドは明らかに割高なマンション市場特集、中古ランキングもお馴染みになった

『DiamondWEEKLY』2025年6/28・7/5合併号 ( マンション 最強の売買) 週刊ダイヤモンド


▽ エコノミスト合併号は宗教特集、注目はイスラム市場とロシア正教会か

『週刊エコノミスト』2025年7月1・8日合併号

エコノミストリポートは「ASEANを席巻する中国IT」、日本企業はうかうかしていられない。
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