婚活をテーマとしたドラマも始まっていますが、
山田昌弘教授がこの言葉への誤解に憤っておられます。
個人的には、耳の遠い未婚者たちへ届くように、
もっと明確にメッセージを打ち出すべきだったと思うのです。
でも「高望みを捨てる」くらい難しいものはなく、
半ば自分自身への存在否定に近くなる場合もあります。
現実的には果てしなく困難でしょう。
私の意見としては、ドラスティックな家族政策強化、
つまり非育児世帯へ課税した分を育児世帯へ所得移転して
「片親家庭が生活し易い社会」を構築し、
実質的な一夫多妻制をも容認するのが最短だと考えます。
言わば、江戸や明治の古き伝統への皮肉な回帰です。
非婚化は治療不可能ですが、これで社会保障制度は保持できる。
注:願望ではなく、合理的推論の当然の帰結です
他者への要求と審美眼だけが異様に肥大した
我々現代日本人にとっては最も自然な形態かも知れません。
山田昌弘・中央大学教授「婚活・高望みを捨てて現実を悟れ」(Voice)
http://news.goo.ne.jp/article/php/life/php-20090424-02.html
”二○○二年に二十五~三十四歳の未婚者を調査したところ、青森県では結婚
相手の男性に年収四○○万円以上を期待する未婚女性は全体の五三・四%に
達するのに、当該年齢の未婚男性で四○○万円以上を稼ぐのは、わずか二・
六%にすぎないという現実があった。そして東京都で調査すると、六○○万
円以上を期待する未婚女性は三九・二%いるのに、六○○万円以上を稼ぐ当
該年齢の未婚男性はわずか三・五%という結果を得た(厚生労働省科学研究
費の助成による)。
このギャップは、㈰日本では親同居独身者(パラサイト・シングル)が多く
(十八歳から三十四歳までの未婚者の八割は親と同居)、彼(女)らの生活
水準が高いこと。そして、結婚後もそのような生活を送るのが当然と考える
女性(とその親)が多いこと。㈪女性の専業主婦志向が強く、結婚後は夫の
収入で生活するのが当然という意識が強いこと。専業主婦で豊かな生活をす
るために高収入の男性を求めることになる。㈫格差社会の結果、高収入どこ
ろか安定した収入を得られない若年男性が増え、高収入男性は比較的早く結
婚してしまうので、結果的に収入が低い男性が未婚者に多くなる、という三
つの要因によって説明できる。
だから私と白河さんは、未婚女性に対して、期待水準を下げること、そして、
夫婦共働きを覚悟することを推奨している。つまり現実を見れば、あなたの
思っているような収入が高い未婚男性が見つかる確率はたいへん低いですよ。
そして、共働きの覚悟をすれば男性を広い範囲から見つけることができます
よ。結婚したかったら相手の収入を脇に置いて、趣味が合いコミュニケーシ
ョン力がある男性を見つけ出すことが肝心ですよ。そこで私と白河さんは、
「女性よ、狩りに出よ」といったのである。”
→ 論考の一部の抜粋です。
「三高ではなく今は三低だ」との反論がありますが、
どのみち条件が多く、厳しいことに変わりありません。
このような自らの貪欲で自滅しそうな世代の姿を目撃した
最近の20代前半は、決して同じ轍を踏むまいと
これという相手を発見し次第に即断即決する傾向が
強まっているように私には見えます。
http://news.goo.ne.jp/article/php/life/php-20090428-01.html
”結婚をめぐる状況が変わっているのに、結婚に関する意識は変わっていない
から結婚できない人が増えているということなのだ。変わっていないのは、
「結婚後は主に男性の収入に依存して生活する」という意識である。女性の
専業主婦志向といってもよい。
ここで強調しておきたいのは、専業主婦志向の未婚女性の割合は日本では昔
からほとんど変わっていないということだ。近年は二十代、三十代の若年者
で増えつつある。なぜなら、一生続けたいと思うような仕事をしている女性
は少数派だからである。未婚女性の多くは非正規のバイトや一般職で、こん
な仕事を続けるくらいなら早く結婚したいと思っている。キャリアの正社員
女性であっても、仕事がきつくて辞められるものなら辞めたいと思う女性も
多い。そして、専業主婦志向の女性ほど結婚できなくなっているのだ。
なぜかというと、専業主婦を養って家を買って子供を大学に入れられるよう
な収入を稼ぐ男性が激減しているためだ。高度成長期には、若年男性は中卒
や高校中退であっても、企業に勤めてまじめに働けば将来収入が上がり豊か
な生活が望めた。しかしいまは、非正規社員の若年男性が増え、未婚者の三
割となっており、正社員でさえ収入が上がる保証はない。
もう一つは、日本では理想的な高収入男性が出現するまで、親と同居して待
てるからである。親は自分の娘かわいさに、収入が高い男性に嫁がせて、娘
に楽をさせたいという意識が働く。その意識が娘に伝播し、女性の自立志向
を妨げ、家で高収入の男性と出会うのを待ちつづけるという専業主婦志向の
未婚女性を大量につくりだしているのだ。
私はパラサイト・シングルの親にインタビューしていたとき、五十代の母親
から「私の時代は生活していくために結婚しなければならなかったからこん
なやつと結婚したけど、娘には本当に好きな人が現れるまで家でいくらでも
待っていていいといっている」といわれてのけぞったことがある。
では、このまま未婚状況が続くとどうなるだろうか。未婚でも、自分の収入
があって自立しているならば、大きな問題にはならないだろう。しかし現実
はそうではない。
社会学者として私がいちばん心配しているのは、結果的に結婚できなかった
専業主婦志向女性の将来である。三十五~四十四歳で親と同居している未婚
者は、二○○七年時点で男女合わせて二六四万人いる(当該人口の約一四%)。
うち、約一○%は無職、約一○%が非正規雇用者である。一生独身を覚悟し、
キャリアを積んで収入を確保しながら親と同居している人なら構わない。
しかし親と同居し、収入の高い人と結婚して専業主婦になる予定でキャリア
を積まず、家事手伝いやアルバイトをしながら、親の年金に頼って生活して
いる中年未婚女性の将来は暗い。年金受給者の親が亡くなれば、彼女たちの
生活は破綻する。多少の貯金や遺産があっても、八十歳を超す平均寿命の前
には霞んでしまう額だろうし、家事手伝いや非正規雇用者では年金も不十分
である。親の財産を使い果たして生活保護というのが、今後予想される状況
だろうが、親元で豊かに生活していた元パラサイト・シングル女性にとって
は、耐えがたい生活が待っている。
そして、女性が専業主婦志向を変えず、家で高収入男性を待ちつづけるだけ
では、最終的に安定した収入の男性と結婚できない女性は相当規模で発生す
る。若者を巡る経済状況は悪化しているので、将来はもっと増えるだろう。”
今は姫でもいずれ必ず老婆になります。
生活保護で済めばまだましでしょう。
生産年齢人口が激減して社会保障制度が壊滅していたら、
ほぼ確実に野垂れ死にです。
お願いですから、急激な少子化の恐ろしさを
本当に理解して欲しいと切に願います。
サブプライム・リセッションの何倍ものマグニチュードがあるのですから。
(長期間に渡って衰退するので、気づきにくいだけです)
働いて納税するか、次世代を育てることなしには
この社会を支えることは出来ません。
結婚に価値があろうとなかろうとどちらでも良いので、
税負担して社会保障を支えればそれで立派な社会構成員です。
山田昌弘教授がこの言葉への誤解に憤っておられます。
個人的には、耳の遠い未婚者たちへ届くように、
もっと明確にメッセージを打ち出すべきだったと思うのです。
「婚活」時代 |
でも「高望みを捨てる」くらい難しいものはなく、
半ば自分自身への存在否定に近くなる場合もあります。
現実的には果てしなく困難でしょう。
私の意見としては、ドラスティックな家族政策強化、
つまり非育児世帯へ課税した分を育児世帯へ所得移転して
「片親家庭が生活し易い社会」を構築し、
実質的な一夫多妻制をも容認するのが最短だと考えます。
言わば、江戸や明治の古き伝統への皮肉な回帰です。
非婚化は治療不可能ですが、これで社会保障制度は保持できる。
注:願望ではなく、合理的推論の当然の帰結です
他者への要求と審美眼だけが異様に肥大した
我々現代日本人にとっては最も自然な形態かも知れません。
山田昌弘・中央大学教授「婚活・高望みを捨てて現実を悟れ」(Voice)
http://news.goo.ne.jp/article/php/life/php-20090424-02.html
”二○○二年に二十五~三十四歳の未婚者を調査したところ、青森県では結婚
相手の男性に年収四○○万円以上を期待する未婚女性は全体の五三・四%に
達するのに、当該年齢の未婚男性で四○○万円以上を稼ぐのは、わずか二・
六%にすぎないという現実があった。そして東京都で調査すると、六○○万
円以上を期待する未婚女性は三九・二%いるのに、六○○万円以上を稼ぐ当
該年齢の未婚男性はわずか三・五%という結果を得た(厚生労働省科学研究
費の助成による)。
このギャップは、㈰日本では親同居独身者(パラサイト・シングル)が多く
(十八歳から三十四歳までの未婚者の八割は親と同居)、彼(女)らの生活
水準が高いこと。そして、結婚後もそのような生活を送るのが当然と考える
女性(とその親)が多いこと。㈪女性の専業主婦志向が強く、結婚後は夫の
収入で生活するのが当然という意識が強いこと。専業主婦で豊かな生活をす
るために高収入の男性を求めることになる。㈫格差社会の結果、高収入どこ
ろか安定した収入を得られない若年男性が増え、高収入男性は比較的早く結
婚してしまうので、結果的に収入が低い男性が未婚者に多くなる、という三
つの要因によって説明できる。
だから私と白河さんは、未婚女性に対して、期待水準を下げること、そして、
夫婦共働きを覚悟することを推奨している。つまり現実を見れば、あなたの
思っているような収入が高い未婚男性が見つかる確率はたいへん低いですよ。
そして、共働きの覚悟をすれば男性を広い範囲から見つけることができます
よ。結婚したかったら相手の収入を脇に置いて、趣味が合いコミュニケーシ
ョン力がある男性を見つけ出すことが肝心ですよ。そこで私と白河さんは、
「女性よ、狩りに出よ」といったのである。”
→ 論考の一部の抜粋です。
「三高ではなく今は三低だ」との反論がありますが、
どのみち条件が多く、厳しいことに変わりありません。
このような自らの貪欲で自滅しそうな世代の姿を目撃した
最近の20代前半は、決して同じ轍を踏むまいと
これという相手を発見し次第に即断即決する傾向が
強まっているように私には見えます。
http://news.goo.ne.jp/article/php/life/php-20090428-01.html
”結婚をめぐる状況が変わっているのに、結婚に関する意識は変わっていない
から結婚できない人が増えているということなのだ。変わっていないのは、
「結婚後は主に男性の収入に依存して生活する」という意識である。女性の
専業主婦志向といってもよい。
ここで強調しておきたいのは、専業主婦志向の未婚女性の割合は日本では昔
からほとんど変わっていないということだ。近年は二十代、三十代の若年者
で増えつつある。なぜなら、一生続けたいと思うような仕事をしている女性
は少数派だからである。未婚女性の多くは非正規のバイトや一般職で、こん
な仕事を続けるくらいなら早く結婚したいと思っている。キャリアの正社員
女性であっても、仕事がきつくて辞められるものなら辞めたいと思う女性も
多い。そして、専業主婦志向の女性ほど結婚できなくなっているのだ。
なぜかというと、専業主婦を養って家を買って子供を大学に入れられるよう
な収入を稼ぐ男性が激減しているためだ。高度成長期には、若年男性は中卒
や高校中退であっても、企業に勤めてまじめに働けば将来収入が上がり豊か
な生活が望めた。しかしいまは、非正規社員の若年男性が増え、未婚者の三
割となっており、正社員でさえ収入が上がる保証はない。
もう一つは、日本では理想的な高収入男性が出現するまで、親と同居して待
てるからである。親は自分の娘かわいさに、収入が高い男性に嫁がせて、娘
に楽をさせたいという意識が働く。その意識が娘に伝播し、女性の自立志向
を妨げ、家で高収入の男性と出会うのを待ちつづけるという専業主婦志向の
未婚女性を大量につくりだしているのだ。
私はパラサイト・シングルの親にインタビューしていたとき、五十代の母親
から「私の時代は生活していくために結婚しなければならなかったからこん
なやつと結婚したけど、娘には本当に好きな人が現れるまで家でいくらでも
待っていていいといっている」といわれてのけぞったことがある。
では、このまま未婚状況が続くとどうなるだろうか。未婚でも、自分の収入
があって自立しているならば、大きな問題にはならないだろう。しかし現実
はそうではない。
社会学者として私がいちばん心配しているのは、結果的に結婚できなかった
専業主婦志向女性の将来である。三十五~四十四歳で親と同居している未婚
者は、二○○七年時点で男女合わせて二六四万人いる(当該人口の約一四%)。
うち、約一○%は無職、約一○%が非正規雇用者である。一生独身を覚悟し、
キャリアを積んで収入を確保しながら親と同居している人なら構わない。
しかし親と同居し、収入の高い人と結婚して専業主婦になる予定でキャリア
を積まず、家事手伝いやアルバイトをしながら、親の年金に頼って生活して
いる中年未婚女性の将来は暗い。年金受給者の親が亡くなれば、彼女たちの
生活は破綻する。多少の貯金や遺産があっても、八十歳を超す平均寿命の前
には霞んでしまう額だろうし、家事手伝いや非正規雇用者では年金も不十分
である。親の財産を使い果たして生活保護というのが、今後予想される状況
だろうが、親元で豊かに生活していた元パラサイト・シングル女性にとって
は、耐えがたい生活が待っている。
そして、女性が専業主婦志向を変えず、家で高収入男性を待ちつづけるだけ
では、最終的に安定した収入の男性と結婚できない女性は相当規模で発生す
る。若者を巡る経済状況は悪化しているので、将来はもっと増えるだろう。”
今は姫でもいずれ必ず老婆になります。
生活保護で済めばまだましでしょう。
生産年齢人口が激減して社会保障制度が壊滅していたら、
ほぼ確実に野垂れ死にです。
お願いですから、急激な少子化の恐ろしさを
本当に理解して欲しいと切に願います。
サブプライム・リセッションの何倍ものマグニチュードがあるのですから。
(長期間に渡って衰退するので、気づきにくいだけです)
働いて納税するか、次世代を育てることなしには
この社会を支えることは出来ません。
結婚に価値があろうとなかろうとどちらでも良いので、
税負担して社会保障を支えればそれで立派な社会構成員です。