みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

驚異の蓄電池、価格は4割安で電気代も半分になる! - 秘密は「ハイブリッド車の電池リサイクル」

2013-01-31 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
池田信夫氏や藤沢数希氏は蓄電池の利用を批判し、
コスト的に見合うような便益が臨めないと決めつけていたが、
どうやら敗北するのは彼らの方になりそうだ。

何故ならトヨタ自動車が革新的な蓄電池システムを開発したため、
初期投資費用が大幅に低下する見通しが立ったからだ。

当ウェブログでは蓄電池はPHV(プラグインハイブリッド)の蓄電池を
家庭用に転用して使うのが主力になると予想してきたが、
思いも寄らぬところから強敵が出現してきた。

トヨタの開発した革新的なシステムは、ハイブリッド車の使途済み蓄電池を転用して
家庭用の蓄電池として用いるというものである。
これならハイブリッド車を所有する家庭や機関はタダ同然で蓄電池を入手できるため、
イニシャルコストが大幅に低下する。コロンブスの卵のような素晴らしい発想である。

 ↓ 参考

走りながら発電するEV、住宅に電力供給できるPHVが登場! - 蓄電池の本命市場はEVとPHV
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a8b5dd1f32b62da9e828f93b63ba522d

 ↓ 蓄電池の採算性が飛躍的に改善する可能性が高くなった

蓄電池で電気代2割カット、燃料電池+太陽電池で9割カット! - 原発停止で飛躍的に進歩する省エネ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/c873aaf8e7f3193e34c687904e0c6915

▽ また、世界に誇る日本の省エネ技術が進歩しそうだ

『ニッポンの環境エネルギー力 ―IT産業立国からエコ産業立国に大変身を遂げる「日本の底力」』


シャープ、家庭用蓄電池へ参入 20年以上使用可能(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013011601001469.html
”シャープは16日、家庭用蓄電池事業に本格参入すると発表した。開発した大容量蓄電池と同社の太陽電池を組み合わせてエネルギーを効率的に使うシステムとして提案し、不振の太陽電池事業のてこ入れを狙う。容量が4・8キロワット時と2・4キロワット時の2種類の据え置き型のリチウムイオン蓄電池を17日に発売する。充電と放電を毎日繰り返しても劣化による容量低下が少なく、20年以上使用できるのが特長。

太陽光発電と組み合わせるシステムは以前より開発されていた。
これは寿命が長く何度も使えるとのことなので、採算性の改善が期待できる。
但し時間帯別の電気料金制度でないとメリットがないので注意。


HV使用済み電池:再利用で蓄電池システム開発…トヨタ(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20130124k0000m020126000c.html
”トヨタ自動車は23日、ハイブリッド車(HV)の使用済み電池を再利用した蓄電池システムを開発し、4月から全国のトヨタ販売店向けに販売すると発表した。将来的にはコンビニエンスストアや一般家庭への販売も検討している。
〔中略〕
 高価なリチウムイオン電池を使った蓄電池システムに比べ、価格を6割程度に抑えられるという。蓄電容量は10キロワット時で、一般家庭の1日分の電力量に相当する。販売店での実証試験では、従来よりエネルギー使用量と料金をほぼ半減することができたという。太陽光発電や省エネ空調などと組み合わせた利用を想定している。
 使用済み電池はこれまで砕くなどして新しい電池の材料にされるのが一般的だった。【米川直己】”

価格が40%も安い上に、電気料金もエネルギー使用量も半減するという、
本当に素晴らしいシステムである。文句の付けようがない。
間違いなくトヨタ以外のハイブリッドメーカーも先を争うように開発を進めるだろう。

▽ 太陽光発電が昼のピークロード以外にも対応できるため普及が進みそう

『エネルギー進化論:「第4の革命」が日本を変える』(飯田哲也,筑摩書房)


▽ 「蓄電池は高価でコスト高だから普及しない」との広瀬隆氏の主張は時代遅れになりそう

『原発ゼロ社会へ! 新エネルギー論』(広瀬隆,集英社)

技術進歩だけでなくシステム革新もイノベーションの一種だ。
オール電化のマンションや、子供がいてガスを使いにくい世帯には大変な朗報だろう。
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経済界も明言した「アベノミクスで賃金は上がらない」- 経団連会長も同友会代表も賃上げの意向なし

2013-01-30 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
池上彰氏は夏あたりから給与が上がり始めると迂闊にも口を滑らしてしまったが
当ウェブログはそれを否定し、今よりも遥かに円安だった2006年頃の状況を挙げて
所得増はまずないと指摘した。健忘症でなければ当然の話である。

金融緩和やインタゲごときで所得が増えると妄想する方がおかしい。
それを本気で信じるような不思議の国の住人の戯言は相手にする必要もない。

丁度、今週の週刊ダイヤモンドが2000年以降の12年間の名目GDPと為替水準、
雇用者報酬を比較した図を掲載しているから、真実は一目瞭然である。
「企業収益が拡大しても賃金上昇には結びつかず」
「円安期に伸び悩んだ賃金」
とダイヤモンド誌でもはっきり書いてある。
まともな経済リテラシーがあれば至極当然の結論である。

▽ こちらを参照のこと

『週刊ダイヤモンド』2013年 2/2号


2003年から2007年の円安期に何が起きたかを直視すれば結論は明白。

「残念ながら池上氏の指摘よりも状況はもっと悪い。
 製造業は好況時に内部留保を厚くして労働分配率を引き下げる習性がある」

「製造業は収益が改善してもまず非正規労働者の採用増加を図り、
 賃金引き上げのペースは「苦痛なほど」鈍重なものになる」

「結局はアベノミクスを囃して市場の波に乗っかった者によって
 上澄みを持っていかれることとなるであろう」

というのが当ウェブログの主張である。

↓ 参考

池上彰氏より賢い国民世論「安倍政権では生活は良くならない」- 62%が否定的、無党派層では75%も
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/f8198f91677f1197bb0d16356f22f58b

2013年は「悪い円安」の始まる年になる - 国民所得も税収も低迷し、高齢層・土建バラマキ止まらず
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/727bef17a79caabd88b4c5d3443a0bc0

▽ 企業収益が伸びても所得増には繋がらない時代になった

『国債・非常事態宣言 「3年以内の暴落」へのカウントダウン』(松田千恵子,朝日新聞出版)


雇用の確保・安定が最優先=春闘で連合けん制―経団連会長(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_date1&k=2013012800297
”2013年春闘の前哨戦となる経団連主催の「労使フォーラム」が28日、都内で2日間の日程で始まった。経団連の米倉弘昌会長は講演で「厳しい経営環境下では、何よりも雇用の確保と安定を最優先することが重要」と強調。先の交渉指針に盛り込んだ「ベースアップ(ベア)実施の余地なし」との姿勢を強くにじませた。
 米倉会長は、安倍政権が打ち出した大胆な金融緩和などの効果で円安・株高が進行する現状を評価しつつも「今後の(日本経済の)見通しは極めて不透明」と指摘。その上で「現在の極めて困難な状況をしっかり踏まえ、率直に議論したい」と述べ、連合が要求する「1%の給与総額引き上げ」を暗に批判した。”

経営者として卓越した名声がある訳でもなく、出身企業が経団連の重鎮でもない。
(同一業界では信越化学の方が明らかに高く評価されている)
身内の利益を真面目に全力で図っているというところであろう。
それ以上でもそれ以下でもない。


独首相の日本批判は「異常な反応」…経団連会長(時事通信)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130128-OYT1T01170.htm
”経団連の米倉弘昌会長は28日の記者会見で、ドイツのメルケル首相が、円安の進行を受けて日本の経済政策に対する懸念を示したことに対し、「異常な反応だ」と批判した。
 その上で「(現在の)円安は行き過ぎた円高を修正するものだ」との見方を示した。
 また、「日本経済の見通しからすれば、デフレの解消ができそうだなという感じもある」と述べ、将来的な賃上げの可能性について、「これからの景気次第だが、早いところで来年ということも考えられる」との認識を示した。”

ドイツの首相に「異常」と言ってしまうところで器が分かってしまう。
せめて「過剰」にすれば良かったものを、適切な表現が思い浮かばなかったのだろう。
昨年のドイツの輸出増を挙げて、そのダブルスタンダードを皮肉るような知性もあるのかどうか。

賃上げが「早いところで来年」というのは、殆どやる気がないという意味である。


同友会代表幹事「新税制で賃上げ進まず」(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS16026_W3A110C1EE8000/
”経済同友会の長谷川閑史代表幹事は16日の記者会見で、2013年度税制改正で浮上している、従業員の平均給与を増やした企業の法人税を減税する新制度に「それで賃上げが進むとは思えない」と批判した。長谷川氏は「賃金は一度上げれば下げられない」と指摘。そのうえで「減税は一時的なものと考えると減税があるから賃上げしようとはならない」とした。”

同友会は桜井前代表の時代よりも保守化して経団連との違いが不明確になってきた。
しかしアベノミクスの法人減税で賃上げが進まないという認識は正しい。
上場企業はそもそも資金需要が乏しいのだから、減税しても殆ど意味がない。
まして労働者の賃上げになど繋がらない。せいぜい非正規を少し雇う程度である。

もし本気で所得増を狙うのであれば、財政危機を招く陳腐な「3本の矢」ではなく、
労働投入を増やすとともに省エネと再生可能エネ分野に注力することである。
同時に対日投資と高度移民受け入れを促進し、出生率を引き上げねばならない。

何のことはない、合理的な北欧の政策を学習してアジャストすれば良いのである。
それでこそ口先だけではない「次元の違う」経済政策となるのである。
「次元の違う」非効率と財政危機を招く「3本の矢」など言葉遊びに過ぎない。

▽ 経済政策の「次元」が低レベル過ぎる日本とまるで違う合理主義





『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)

労働生産性でも一人当たりGDPでも日本が負けるのははっきり言って当然である。
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米ヘッジファンド4年連続市場平均に敗北、「レバレッジが不充分」- ガラパゴス化する「いつかはゆかし」

2013-01-29 | 株式・為替マーケット全般
最近、当ウェブログは「ゆかし 怪しい」「ゆかし 詐欺」といった検索ワードで
訪問されることが多くなっており、どうやらアブラハムが新しいサービスを開始し
テレビ広告を打っているため、不審に思って検索している人が多いようだ。

当ウェブログは詐欺ではなく単に自己利益の追求に過ぎないと見ているが、
確かにテレビ広告を見ると不審に思うような出来ではあると思う。
あれでは質の悪い顧客ばかり増えるであろうと他人事ながら気の毒ではある。

まず金融サービスに必要な品格や信頼感が醸し出されていないし、
(実際は必ずしもそうではないが、そうした印象を重視する業界である)
知性を漂わせてもいない。広告代理店に払う分をケチったのだろうか?

アブラハムは最初に富裕層向け広告本を出した翌年にリーマン・ショックが起き、
社長が週刊ダイヤモンドで日本株投資を嘲笑した直後にドル円が大反転し東証が急騰した。
余程運が悪いのか、もしくはマーケットに対する先見力に欠けるのかもしれない。

▽ こちらが証拠

『週刊ダイヤモンド』2012年 10/20号


社長以外にどのような人物が幹部なのか分からないが、
どうも企業理念と言うか倫理面において大いなる課題があるように思えてならない。
テレビ広告を見る限りでは以前と殆ど進歩がない印象を受ける。

 ↓ 参考

ゆかし(YUCASEE)は一体どうしたのか - ブランディング戦略があさっての方角に大暴投
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b439a8ee9262d34cc9aa77d62967cbfa

最近は海外ヘッジファンドへの直接投資を大発明であるかのように宣伝しているようだが
金融リテラシーのある者にとってはそれは素人同然のプロモーションであろう。

▽ 例えば有名どころではこちらを参照

『ヘッジホッグ―アブない金融錬金術師たち』(日本経済新聞出版社)


▽ 金融業の内幕はこちらも良い

『なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか―信用バブルという怪物』(チャールズ・エリス,日本経済新聞出版社)


上掲書の著者の調査では、リーマン前でもファンドの平均パフォーマンスは凡庸で、
キャリートレードによる金利差益分でしかなかったと言う。


「いつかはゆかし」で文明開化の音がする(ゆかしメディア)
http://news.livedoor.com/article/detail/7117949/
” ■「いつかはゆかし」の衝撃
 日本最大の海外投資助言会社のアブラハム・プライベートバンクは10月22日、海外積立投資支援サービス 「いつかは ゆかし」の提供を開始した。日経ビジネスに掲載された「世界トップファンドに月5万円から積立をして、老後の1億円を貯める」というコンセプトに、世間は騒然となった。
 このサービスが話題を呼ぶのには理由がある。世界には年利10%以上の実績のある海外ファンドが豊富にあることを知っている日本人が少ないため、「驚き」をもってこのサービスがむかえられているのだ。インターネット上では、「10%はありえない」などという驚きの声が圧倒的だ。
〔中略〕
 週刊文春によれば、アブラハム・プライベートバンク株式会は日本で唯一、個人投資家でも海外ファンドを直接購入できるようにサポートするビジネスモデルを確立したパイオニアとされ、既に数千人の顧客がいる。

■世界ファンドランキング第100位でも、年利16%の実績
 実は、日本人が投資助言会社を通じて海外ファンドを直接購入できるようになったのはほんの5年前から。では、どんな海外ファンドがあるのか?海外の著名金融専門誌バロンズによると、第100位のファンドですら16%以上の年利を出している。
〔中略〕
 その状況に対して、アブラハム・プライベートバンクの「いつかはゆかし」は、いままで日本人が甘んじていた低金利状態が実はガラパコス環境であったことを公衆の目にさらしてしまった。いうなれば、金融鎖国の日本人の目の前に「海外ファンド」をダイレクトに持ってきた「黒船」といえる。週刊ダイヤモンド2011年10月号(「日本を見捨てる富裕層」)によると、アブラハム・プライベートバンク社の会員の投資助言実績は年率13.94%と報じている。

■「いつかはゆかし」の中身とは?
 海外投資コンサルティングでは助言会員に年率13.94%実績のファンドを提案してきた同社だが、「いつかはゆかし」の顧客には年利10%程度の実績のあるポートフォリオを同社は提案していく模様だ。
 ただし、年利10%以上はあくまで過去の実績であるため、将来の年利が保証されるわけではないが、アブラハム・プライベートバンク株式会社は富裕層を中心に400億円以上の助言実績があり、そのノウハウを一般投資家に提供していきたいとの考え。
〔中略〕
 同社HPのQ&Aの「世界トップファンドの選び方について教えてください」にはこのような回答がある。
----------------------------------------------------------------------------
  「私たちは「アブラハムだけが目利きで優良ファンドが分かる」という主観的な立場を取っていません。
 私たちが特に重視しているのは、世界で著名なファンド・ランキングやファンド・アナルシスなどの世界的な評価機関の客観的な結果です。
 私たちは、「私たちだけが知っている秘密のファンドを紹介する」というスタンスではなく、「プロ(機関投資家)の間で評価が高いけれども、今まで個人投資家はアクセスできなかった有名海外トップファンド。それに小額から投資できる仕組みを作ることで、 個人投資家を豊かにしたい」というスタンスでファンド選別をしています。従い、世界ランキング上位のファンドへの投資を中心に助言をしています。
----------------------------------------------------------------------------
 ここにあるとおり、世界トップランキングのヘッジファンドの運用次第ということになる。もちろん会社員が仕事の片手間で自分で相場をいじるよりも何万倍も勝率が高く、安心であることは間違いないが、いくら天才運用会社でも損をすることはある。
 この点、同社資料によると「10年以上安定してリターンを出した実績のあるファンドを選び、過去実績が出てないファンドは選ばない方針」と回答している(ソース:ガラパコス資産運用からの脱出) 将来を予測できない「神ならぬ人間」としては、過去実績しか頼るものが無いのが事実。
 そういう意味では、過去実績が劣悪な日本の金融商品を買うよりも、確率論的に言えば、過去実績の高い海外ファンドを購入する方が合理的であるとはいえるだろう。
〔中略〕
 週刊文春によると、一部の海外ファンドは人気が高いため、日本の大手証券会社も取り扱っている。ただし、海外ファンドは通常、日本で投資信託の形にされる。その過程で日本の証券会社(販売会社)の手数料が乗るため、最終的に投資家の手元に残るリターンは減ってしまう。具体的にはある海外ファンドを買おうとすると日本の証券会社に4%。間に入る外資系証券会社に2%を取られてしまうという。
 逆に、アブラハム・プライベートバンク株式会社のような投資助言会社を活用して直接海外ファンドを購入すれば、販売手数料をカットでき、投資助言手数料0.945%のみの負担ですむ。この差は大きい。
〔中略〕
■日本人の老後不安をなくすことで、日本を明るくしたい
 アブラハム・プライベートバンク株式会社の高岡社長は、「国や企業に頼れない時代。1億円は富裕層だけのものではなく、すべての日本人があたりまえに手に入れるものであって欲しい。老後の不安をなくすことで日本人を明るくしたい。」と語る。「いつかはゆかし」のメインターゲットは、団塊ジュニア世代の1,000万人。高岡社長もおなじく団塊ジュニア世代で、「自分と友達に必要なものだから創った」とのこと。
 アブラハム・プライベートバンク株式会社は、「いつかはゆかし」発売にあわせて、平日は夜8:00まで、土曜日も営業日にするなど、業務時間を変更した。「日本の銀行は15時に閉まるので、会社員には使いづらい。でも、当社は仕事帰りの会社員が相談しやすいように営業時間を拡張した。日本の金融の常識に挑戦していきたい。」とのこと。
 この世に確実なものはないが、日本よりも格付けの高い国で、日本の金融商品よりも実績の高い商品に、毎月リスクを抑えた海外積立投資をしていくこの「いつかはゆかし」。「いつかはゆかし」がガラパコス化した日本人の資産運用の常識を変えることだけは、間違いないだろう。

初出 海外投資新聞
編集委員:琢磨 武裕
東京大学卒、米ミシガン大学MBA。三菱銀行(現 三菱UFJ銀行)入社後、ロサンゼルス支店長・執行役員などを歴任。
編集委員:松室 哲生
元ダイヤモンド社代表取締役専務。「週刊ダイヤモンド」編集長などを歴任。”

平然とヨイショ記事を出してしまう神経が実に素晴らしい。
銀行の窓販で「このファンドはいかがですか?」と言っているのと同じである。
末尾を見ると、うまい具合に持ち上げてくれる書き手を実質的に雇ったようだ。
それでも所詮「過去の実績に頼っている」限界は隠せないが。

昨年であれば当ウェブログを見ていれば20%~50%程度は出ている筈なので
何故「10%はありえないなどという驚きの声が圧倒的」なのかさっぱり分からない。

記事の内容から見ると前よりは少し進歩しているような感じはあるものの、
矢張りCSRや企業倫理を根本から研究した方が良いのではないだろうか。


米ヘッジファンド苦戦 金融緩和強化を予測できず 12年の投資収益率6%どまり(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1201X_S3A110C1FF8000/
”【ニューヨーク=川上穣】金融市場で存在感を誇るヘッジファンドの不振が続いている。2012年の投資収益率は約6%と、米国株の市場平均の上昇率(約13%高)の半分以下にとどまった。日米欧の金融緩和や、米国の「財政の崖」問題などに伴う変化を読み切れなかったのが原因だ。高い収益を求めてファンドに振り向ける資金を増やしてきた年金基金の思惑も外れ、予定利回りの引き下げなど対応を迫られている。
 ヘッジファンドの運用成績が市場平均に届かないのは、09年から4年連続。
米調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によると、12年に苦戦が目立ったのが世界の為替や株式、債券に資金を投じる「マクロ戦略」のファンドだった。運用成績は通年でマイナスに沈んだ。「米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和強化を予測できず、その後の株高に乗り遅れた」。米西海岸に拠点を構えるファンド大手のトップはこう反省する。
 ヘッジファンドにはかつて、1990年代の英ポンド売りで大もうけした著名投資家ジョージ・ソロス氏のように大胆なポジションで高い収益を上げる「巨頭」がいた。一般に買いと空売りを組み合わせ、どんな環境でもプラスの収益を目指す姿勢が注目を集めていた。
 だが今は「(収益の源泉である)レバレッジ(借り入れ)も十分にできず、ファンド間の競争も激しい」。ソロス氏と並ぶファンド業界のスターだったジュリアン・ロバートソン氏は昨年、米メディアに後進の世代が直面する問題について語った。
 一般に投資家から年率2%の運用手数料と、20%の成功報酬を受け取ることで知られるが、運用不振が長引き「法外な手数料はもはや正当化できない」(米プリンストン大のバートン・マルキール名誉教授)との声も漏れる。
 ファンドの不振は巨額の運用資金を振り向ける年金マネーの苦戦に直結する。年金運用の助言を手がけるタワーズ・ワトソンの調べによると、米年金基金ではヘッジファンドや不動産など「代替投資」の運用比率が11年時点で約25%。5年前の06年から9ポイント上昇。一方で株式は44%と、同16ポイント低下し、ファンドへの比重を高めてきた。全米最大の公的年金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は代替投資の比率が3割に迫る。
 米年金基金が、毎年想定する予定運用利回りは約7~8%。08年の金融危機後は米国など先進国で金利が歴史的な水準まで低下し、債券など従来の伝統資産だけでは安定した収益の確保が難しくなった。こうした中で、運用手腕の高さが評価されてきたファンドに頼らざるを得なくなっていた。
〔中略〕
 カルパースでは09年に1億ドルだったインフラ投資が11年には7倍に増えた。ただこうした投資先は、株式のように好きなときに売買できない流動性リスクを抱える。一定の運用利回りが見込めても、周縁の投資にとどまらざるを得ない。
 運用成績の低迷を受けて、米イリノイ州教職員退職年金基金など予定利回りの引き下げに動く基金もある。この場合は年金加入者に積立額引き上げなどのしわ寄せが及ぶ。年金基金にとって避けたいシナリオだが、低金利やファンド不振で思い切った決断を迫られつつある。”

「いつかはゆかし」が持ち上げているヘッジファンドだが、現状はこの通り。
「ゆかしメディア」もこの程度の話は取り上げるべきでは?

レバレッジを失ったヘッジファンドはただの高コストファンドでしかない。
仕組みそのものの不透明さもあり、はっきり言って全く投資する意欲が湧かないのだが。


「いつかはゆかし」の問題点~海外ファンド積立で1億円を目指す?(ホンネの資産運用センター)
http://genuinvest.net/?eid=1880&PHPSESSID=2d172a19015c73a391514379c0f645c8
”アブラハム・プライベートバンク株式会社が「いつかはゆかし~海外ファンドお取り寄せ長期積立」というサービスのテレビCMを放映していたので、ウェブサイトを見てみた。
「いつかはゆかし」のウェブサイトによると、月5万円の海外ファンド積立という手法で、年利10%で30年間運用し、金融資産1億円を「目指せる」とのこと。しかし、実際は、コンスタントに年利10%の運用をするファンドを事前に選択することは不可能だと思われる(結果的に一定期間に渡って10%を生み出したファンドはたくさんあるだろうが)。
「いつかはゆかし」の最も大きな問題は、海外ファンドが国内ファンドよりも優秀であるという幻想をふりまいている点だ。
ウェブサイトでは、「海外には年利10%以上の優良ファンドが豊富に存在しています。第100位のファンドでも16%の好成績というデータが出ています」と書かれているが、単純にファンドの数が多ければ、年利10%以上のファンドの数も多いのは当然だろう。
「いつかはゆかし」は、投資助言を得るだけで入会金(19800円)や投資助言料(資産の0.945%)という高額な料金が請求されることになる。1800万円プレゼントキャンペーンやテレビCM放映を行えるのも納得だ。

しかも「ホンネの資産運用セミナー」に鋭く突っ込まれている。
全くその通りですね。もっと厳しく言ってやった方が向こうのためになると思う。
結局テレビ広告の料金は「いつかはゆかし」にカネを払う顧客が負担しているのだ。
コスト面の指摘も重要で、「ゆかしメディア」では全く触れられない。

更にコメント欄ではこのような秀逸な指摘もあった。(素晴らしい)

>上記「15.84%の実績」は「ポートフォリオの一例」のようですね。こういう時は、「一例」ではなく、すべての提案ポートフォリオの「平均」を出さないと説得力はないですね。
> * ゆうき
> * 2013/01/01 12:56 AM

テレビ広告を打つ前にこの辺りの「不都合な真実」をディスクローズして欲しいものだ。
そうでなくてもアブラハムは綺麗な数字やうまい話しか表に出してこないので、
リアリストの立場としては何か隠しているのではないかと疑いたくなるところがある。

誰か、「いつかはゆかし」に加入して積み立てると同時に、
各種の海外ETFの積み立ても同時に行い、パフォーマンスを比較してくれないものか。
(勿論、コスト的に有利な後者にウエイトを置いた方が良いのは言う迄もない)
Comments (2)
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突出して多い埼玉の「駆け込み退職」教職員 - 労組は事前に駆け込み退職も当然と示唆していた!

2013-01-28 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
例の「駆け込み退職」問題であるが、誰もが不審に思うのは
異様に教職員の「駆け込み比率」が高いことである。

更に、埼玉県だけでなく千葉県でも教職員の駆け込み退職が懸念されること、
同じ埼玉県でも警察関連職員では駆け込みが発生していないこと、
栃木県では同じ教職員でも駆け込み退職が発生していないことが分かってきた。

何故これほど数値の偏りが出るのであろうか?
埼玉県の不手際だけではこの現象を説明できない。

その中で毎日新聞の報道を見てピンと来た。
埼玉県の職員労組は年度途中の退職金引き下げ問題に抗議し、
「1月末の退職希望者が生じる恐れがある」と申し入れていたと言うのだ!

よく知られるように労組加入者内では待遇に関する情報が頻繁にやり取りされる。
埼玉県の教職員の問題に関しては、労組が問題を深刻化させる媒介となったのかもしれない。
つまり意図的かどうかは別として「1月末に退職した方がトクである」と
機関紙等で暗に広報した可能性があるということだ。
もしその通りだとすれば、これは大変な問題になる。

「予言しておくが、この問題は確実に「延焼」する」
と当ウェブログは一週間前に書いたが、その確度は更に高まった。

少なからぬメディア関係者が当ウェブログを訪問していることを知っている。
是非とも埼玉県の教職員労組の機関紙等の調べ上げを行って欲しい。
隠された不都合な事実が出てくるかもしれない。

 ↓ こちらが以前のエントリー

地方公務員に毎年3兆円超の退職金給付、なぜ課税強化しないのか - 今後20年間で62兆円以上に達する
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ae4eaf97d3de716d5616acc0aacc8d8c

労働運動総合研究所「国家公務員の給与削減でGDPが約3兆円減少する」- 有権者不在のプロパガンダ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/c408ba771156536b2ede62af99cbe8ed

▽ 佐賀県が現業の民営化を進めた際は、全国から労組が集まって妨害活動を行った

『なぜ、改革は必ず失敗するのか-自治体の「経営」を診断する』(木下敏之,WAVE出版)


▽ タイトルは不穏当だがカネまみれの公務員組合の政治活動の実態が分かる

『ドロボー公務員』(若林亜紀,ベストセラーズ)


あと上掲書のアマゾンレビューを見ると、利己性に凝り固まった連中の本音が分かる。


駆け込み退職:職種でばらつき 埼玉県見通し甘く(毎日新聞)
http://mainichi.jp/feature/news/20130125mog00m040026000c.html
”埼玉県内の公立学校の教員が退職手当減額前の1月末での退職を希望している問題。警察職員は減額対象となっているものの、退職希望者は出ておらず、職種によって大きなばらつきが出ている。退職手当の関連条例を改正した経過を振り返ると、年度途中での退職者の発生を考慮してこなかった県側の見通しの甘さが浮かび上がる。人件費の抑制を優先した結果、教育や行政に大きな混乱を招く形となった。【木村健二、林奈緒美、田口雅士】 
 ◇人数は教員が突出
 県教育委員会とさいたま市教委によると、今年度の定年退職を予定している教員は計1290人。1月末で退職を希望しているのは108人で、このうち学級担任が23人、小中学校の教頭が3人に上る。また県によると、知事部局の職員の定年退職予定者172人のうち、1月末の退職希望者は約30人という。
 一方、県警職員の定年退職予定者は185人いるが、1月末での退職希望者はいない。県警警務課の担当者は「最後まで職務をまっとうしようという気持ちを持っていてくれたのだろう」とみる。
 ◇なぜ2月施行に
 国家公務員の退職手当の引き下げが昨年11月16日の関連法改正で決まったのを踏まえ、県は同12月7日、県議会に条例改正案を提出。議論はほとんどないまま、同21日の本会議で賛成多数で可決、成立した。条例案を審議した総務県民生活委員会の岩崎宏委員長(自民)は「国から流れてきた改正で、委員から細かい意見は出なかった」と振り返る。
 県は昨年11月、連合系の職員労組でつくる「県地方公務員労働組合共闘会議」と交渉。具体的な制度改正の内容を提案した県側に対し同会議側からは「1月末に退職者が出る恐れがある」などとの懸念の声が上がっていた。
 引き下げを2月にした理由について、上田清司知事は22日の定例記者会見で、条例施行を4月にした場合、人件費が約39億円増加する点を挙げた。上田知事は「いつもより増えるかなと思っていた。でも、自分なりの想像からいうと3倍くらい」と述べ、認識の甘さを事実上認めた。
 ◇混乱回避に懸命
 「児童生徒の動揺に対応できるようにしてほしい」。24日の県教委定例会では、委員から注文が相次いだ。
 県教委などは、退職した教員の後任を臨時で任用するなど対応を急ぐ。また、さいたま市は小中学校の教員を除く職員の退職手当を4月から引き下げる方針を決めた。
 県教委によると、1月末の退職を希望していた県立高校の教頭1人は撤回した。〔以下略〕”

毎日新聞の報道は県知事の認識の甘さに責を帰しているが、
それだけでは絶対にこの駆け込みの「教職員比率の高さ」は説明できない。


教員らの「駆け込み退職」仕方ないのか 公務員モラル巡って議論沸騰(j-cast)
http://www.j-cast.com/2013/01/24162623.html
”退職金引き下げで地方公務員に駆け込み退職者が続出したことを巡って、議論が盛り上がっている。ネット上では、政治家が余裕を持って制度改変をしなかったことが悪いという声も多いようだ。
 論争が起きたのは、埼玉県が2013年2月からの退職金引き下げを決め、100人以上が1月末で辞めることが発覚してからだ。
〔中略〕
 これに対して、駆け込み退職をすることについて、職場放棄だとの批判が巻き起こった。下村博文文科相が1月24日、クラス担任らもいるとして、「決して許されない」と会見で憤る事態になった。
 ネット上でも、識者らからの発言が相次いでいる。
 自民党の片山さつき参院議員もブログで、「公務員の矜持は何処へ?」と疑問を投げかけた。「生徒を放り出したと言われ、周りから、あるいはマスコミからも批判されうるであろうことは、普通の常識があればわかるでしょうに」と嘆いたのだ。
 そして、NHKのキャスターが「こういう現象を生むような引き下げのやり方が悪い」といったニュアンスの発言をしたと疑問をぶつけた。それでは、退職金を引き下げるべきでなかったと言いたいのか、という批判のようだ。
 駆け込み退職については、現場のトップからも異論が出た。
 神奈川県の黒岩祐治知事は、23日の定例会見で、「退職金ということで、生徒たちを置き去りにし、ポイと辞めてしまうというのはやりきれない。生徒たちがかわいそうだ」と苦言を呈したのだ。
 相次ぐ批判について、ネット上でも、「確かにこういう見方もあるなー」などと共感の声はある。しかし、現場の地方公務員だけに責任をなすりつけることへの疑問は多い。
〔中略〕
 担当者は、「校長からの慰留はあったはずで、最後までやってほしかったという思いはあります」と言う。ただ、「辞める先生にも、個々に事情があると思いますので、強くは言えません」と漏らした。
 ちなみに、埼玉と同じく2月から退職金を引き下げる栃木県では、駆け込まなければ140~150万円も退職金が減ってしまう状況は変わりがないとしたが、1月末の退職予定者はゼロだそうだ。人事課の担当者は、「理由はよく分かりませんが、影響を考えて辞めないと思ってくれているのでは」と言っている。”

ネット上では匿名の利害関係者が「教職員の労働環境が悪い」とほざいているが
その手の虫のいい情報操作はいい加減にすべきである。給与が割り増しされていること、
それが全員でないことは関係者が最もよく知っている筈だ。

仕事上の負担を減らしたければ割り増しをカットし年功賃金をフラットにして
人員増を交渉するがいい。それこそが教育の質向上に繋がり、正しい判断である。


駆け込み退職予備軍? 問い合わせ相次ぐ 「2月で辞めたらいくらもらえる?」 退職金減額で千葉県(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130125/chb13012520180004-n1.htm
”制度改正による退職手当の減額を前に、全国で相次ぐ地方公務員の“駆け込み退職”。3月以降に同手当の減額を予定している千葉県では24日までに、担当課や労働組合に定年間近の職員から、相談や問い合わせが計20件以上寄せられた。家計の窮状を理由に、2月末までの退職を検討する職員もいるという。
 県によると、3月末の定年退職予定者数は1763人で、うち教員など公立学校関係者が1157人。県は、国家公務員の退職手当減額を受け、3月から段階的に職員の同手当を引き下げるため、条例改正案を2月定例議会に提出した。
 条例案によると、3月末で定年退職する勤続35年以上の一般的な教員のケースでは、現行の制度と比べ約150万円減の2571万円となる。知事部局の副主幹級職員では約140万円減の2402万円。12月と来年9月にもさらに減額を予定している。
〔中略〕
 県や県教育庁の担当課、労働組合には「2月に辞めたらいくらもらえるのか」「住宅ローンを抱え、大幅な減額は痛手」などの声が寄せられているという。県職員労働組合の片山敦史書記長は「背に腹は代えられず、2月末までに辞める人もいるだろう」とみる。
〔中略〕
 一方、県警内ではこうした相談などは寄せられていない。だが、近く予定している人事異動により、2月末までに仕事に区切りがつく職員もいるとみられる。県警幹部は「職員の士気に影響しないよう、不公平感のない対応を検討している」としている。”

「2月に辞めたらいくらもらえるのか」という発言に本音が露骨に出ている。
一体いくらの住宅ローンを組んでいるか分からないが、
民間企業では住宅ローンを理由にゴネることなど通用しない。
民間の労働者からは特権的立場の無自覚と見なされるであろう。


駆け込み退職:手当減額前退職希望 「無責任」発言で労組が知事に抗議 /埼玉(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20130124ddlk11040457000c.html
”県内の公立学校で100人以上の教員が退職手当減額前の1月末での退職を希望している問題で、連合系の職員労組でつくる「県地方公務員労働組合共闘会議」は23日、上田清司知事が「無責任のそしりを受けてもやむをえない」などと発言したことに抗議する申し入れ書を県に提出した。
 同会議によると、退職手当の減額を巡っては昨年11月に計4回の交渉があり、今年2月から引き下げれば1月末の退職希望者が生じる恐れがあることを指摘していたという。申し入れ書では「年度途中での大幅削減を強行した責任を棚に上げ、『無責任』発言で応えるとは本末転倒。責任を転嫁しないよう強く要請する」と主張している。【木村健二】”

この通り、労組は駆け込み退職の増加を予想していた。
機関紙等でこの損得を詳細に明らかにした可能性が高いと言わざるを得ない。

労組は梨下に冠を正すような疑惑を招く情報発信をやめ、
不都合な情報も公開しなければ有権者からの不信の高まりを避けることはできない。
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アジア中銀による円売り・ユーロ買いか、急騰するユーロ円 - ユーロ圏PMIも独IFOも意想外の好転に

2013-01-27 | 注目投資対象・株価の推移
              ↑ USD/JPY(ZAI)今度は91円前後のオプションバリアを突破した

市況が良いのはアベノミクスのお蔭とほざいている馬鹿者がいるがとんでもない話だ。
遠からず冷厳な事実を見せつけられる迄、思考停止しているつもりか。

先週木曜以降の市場反転は明らかに欧州要因である。
欧州危機を受けてユーロ売り・円買いを強いられていたアジア中銀等が
欧州国債の急騰を見て慌てて円売り・ユーロ買いに奔走している構図である。
先週はあのソロスまでもが局面転換、日本株に注目するコメントを出した。

円と同様に避難先となっていたドイツ連邦債も急落しており、
欧州指標の好調も相俟って急激な圧力となって市場を動かしたのだ。

従って、追い風が消えれば円や東証はすぐに急反落する。
何年ぶりかの今の市場活況の足下が脆弱であることを銘記すべきである。

ユーロ危機のため自国通貨が減価し輸出産業が活況を呈したドイツですら
3%成長を持続できなかった。まして比べるまでもなく輸出比率の低い我が国は
通貨安誘導だけでは2%程度の成長率で止まるしそれすら持続できない。

欧米経済への懸念が大きく、円が逃避通貨として利用されたため
何度も繰り返し為替介入を強いられたのはつい最近のことではないか。
モメンタムが強いからと言って浮かれている者は痛撃を食らうだろう。

週明けには欧米の重要指標が並んでいる。
トリガーに指をかけながら注意深く監視しておく必要がある。


……今週も当ウェブログの見解は変わらない。

「年末に向けて緩やかな円安株高を予想してきたが、
 自民総裁が戦前の悪しき前例を想起させる粗野な発言をし始めたので
 海外スペックが大挙して動き、上昇の先食いとなる危険性が高まった」

「外国人の東証買いは本格化する」

「インデックスであれば中国株に勝つのは難しくない。
 勝手知った日本株にレバレッジをかければいいだけの話」

「金利差拡大がすぐに見込めないとしても、それを先取りして
 ドル円が大きく動き出す可能性があることは、認識しておいた方が良い」

「維新の会の戦略失敗が衆院選での自民の地滑り的勝利に繋がった。
 「悪い円安」の可能性が著しく高まったと言わざるを得ない」

「年明けに急激な円安と日経平均急伸が起きた理由は
 全くアベノミクスと関係ないことが明らかになった。
 田中泰輔氏の指摘されるように円は既に割安にオーバーシュートしている」

「今年の東証のピークが一気に前にずれてきており、
 セル・イン・メイがまた今年も有効になりそうな気配である。
 今の円安が急激であればある程、春以降の東証が厳しくなる筈だ」

「「今年は猿でも勝てる相場に」と騒ぎ始めた軽躁な者もいるようだ。
 はっきり言っておくが、今年に関してはそれはあり得ない。
 能天気なことを言っていると今年の半分以上を棒にふることになろう」

「為替も株式も見通しが悪かったところに米指標好転・米金利上昇が重なり、
 日本の金融緩和期待にユーロ圏の国債金利反転が重なった結果に過ぎない」

「西国債や伊国債の利回りが低下していることこそ現下のユーロ高の主因である」

目先の円安に幻惑され、日本の将来に不吉な影がかかっている。


以下の当ウェブログの見解はほぼ的中と言えるだろう。
ユーロ大反転はほぼ確定した。

ここで言うゴールドはドル建ての想定であり円建てでは高値だが、
金利も配当も付かないゴールドを持つ理由は全くないので修正する必要は感じない。

「ゴールドは「完全に終わった」と断言して良い」

「香港や上海市場を見ても分かるように、
 今の中国では内需主導で高成長を持続するのは不可能である」

「円安は明確に日本経済にとってポジティブである」

「ユーロ大幅下落は遠ざかったか、もしくは消えたと考える」

「ユーロ圏は深刻な経済悪化ではないだろうが停滞は必至」

昨年の予想通りドル円、ユーロ円が反転した。
今年は慌てさえしなければ豊穣の年となるだろう。


↓ EUR/JPY(ZAI)先週後半の主役、劇的な急騰を見せている


↓ GBP/JPY(ZAI)矢張りユーロよりもモメンタム弱い


水曜までは重苦しい市況だったのが、木曜日に突然大転換した。
その局面をロイター報道で振り返ってみたい。


円が対ドルで2年半ぶり安値、要人発言の影響続く=NY市場(reuters)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE90N06G20130124
”24日のニューヨーク外国為替市場では円が幅広い通貨に対して下落。ドル/円は終盤の取引で2%上昇し、2年半ぶり高値をつけた。
 オーバーナイトで西村康稔内閣府副大臣が円相場について、1ドル=100円でも問題ないとの認識を示したと伝わったことを受けた円売りの流れが続いた。
 ドル/円は終盤の取引で2%高の90.36円。ロイターのデータによると、ドルは一時2010年6月以来の高値となる90.54円まで上昇。21日につけた90.25円の水準をいったん上抜けると、上昇が加速した。
 日銀が21、22日に開いた金融政策決定会合で決めた無期限の資産買い入れが2014年からとなったことなどへの失望感から、ここ数日は円を買い戻す動きが優勢となっていた。
 GFTの市場ストラテジスト、ニール・ギルバート氏は、このところの失望売りによってドルへの押し目買いが入りやすくなったと指摘、「安倍政権は1ドル100円を目指しているもようで、そこに到達するまで今後も口先介入が予想される」と述べた。
 またHSBCの首席通貨ストラテジスト、ボブ・リンチ氏は、口先介入による円安効果はいずれ薄れるだろうが、現時点ではまだそうした状況にはないとの見方を示した。
 2012年の日本の貿易収支が過去最大の赤字となったことや、米新規失業保険週間申請件数が5年ぶり低水準となったことも円売り・ドル買いの動きを強めた。
 ユーロ/円は2.5%高の120.91円。ロイターのデータによると、一時1年9カ月ぶり高値となる121.06円をつけた。市場筋によれば、アジア中銀筋による円売り・ユーロ買いが目立った。
〔中略〕
 この日発表された1月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は市場予想を上回り、10カ月ぶりの高水準に達した。国別ではフランスが2009年3月以来の低水準となる一方、ドイツは1年ぶりの高水準となった。
 バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏はPMIの改善について、ユーロ圏経済が安定化しつつあることを示していると指摘し、難局は脱していないものの、経済・金融情勢は明らかに昨年より改善していると述べた。
 欧州中央銀行(ECB)は、長期資金供給オペ(LTRO)を通じて銀行に供給した資金について、銀行による初回の返済計画を25日に公表する。一部のアナリストは、これがユーロの支援材料になる可能性があるとみている。”

副大臣発言はただのきっかけに過ぎず、
アジア中銀の売買に加えて欧米経済指標の改善が主因であることは明らかだ。
アメリカとユーロ圏が同時に好転したら市場心理が劇的に変わるのも当然である。


独連邦債が下落、欧州銀行株とユーロ上昇(reuters)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE90O00F20130125
欧州中央銀行(ECB)が期間3年流動性供給オペ(LTRO)の返済予定額を発表したことを受けて、欧州市場ではドイツ連邦債が下落、銀行株とユーロが上昇している
 ECBによると、278行が計1370億ユーロのLTRO資金を来週30日に返済する。
 ECBの発表を受け、ドイツ連邦債先物は約20ティック下落、142.62をつけた。2年物ドイツ連邦債利回りは5ベーシスポイント(bp)上昇し、0.23%。
 ユーロ/ドルは0.5%高の1.3461ドルと、11カ月ぶりの高値を更新した。〔以下略〕”

これが先週にユーロ主導でクロス円が急騰した真因だ。
ユーロの為替水準とブント(ドイツ連邦債)の利回りとの相関性の強さは
ドイツ証券の田中泰輔氏が既に指摘してきたことである。


円が一時91円台、LTRO早期返済計画でユーロ上昇=NY市場(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR201301260021.html
”25日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続落し、対ドルで一時、2010年6月以来の円安・ドル高水準となる91.19円をつけた。
 12年12月の日本の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI)が前年比0.2%低下の99.4と2カ月連続で下落したことを受け、日銀がデフレ脱却に向けて一段の緩和に動くとの観測が強まった。
 終盤の取引でドル/円は0.6%高の90.88円。一時、90.75円と91円水準にあるとみられていたオプションバリアを突破し、91.19円までドル買いが進んだ。
 日本の通貨政策をめぐっては、海外からの批判が目立ち始める一方、日本の高官からはこうした批判は当たらないとする発言が出ている。
 BNPパリバはリサーチノートで、円安のモメンタムは依然強いものの、海外の政治家と日本の当局者の間でのこうした応酬が相場をいっそう不安定にする可能性があると指摘した。
 ユーロは幅広い通貨に対して上昇し、対ドルでは11カ月ぶり高値を、対円では1年9カ月ぶり高値をつけた。欧州中央銀行(ECB)による期間3年の流動性供給オペ(LTRO)の初回返済予定額が市場予想を上回る1372億ユーロに達したことを受け、少なくとも一部の銀行で資金繰りが改善しているとの見方が広がった。
 1月の独IFO業況指数が12年6月以来の高水準となったこともユーロの追い風となった。

 ユーロ/ドルは0.6%高の1.3453ドル。一時、12年2月下旬以来の高値となる1.3479ドルをつけた。
 スコシアバンクの首席通貨ストラテジスト、カミラ・サットン氏は、ユーロが対ドルで1.3486ドル、1.3492ドル、1.3500ドルという3つの抵抗線に迫っていると指摘し、いずれも射程圏内にあるとの見方を示した。
〔中略〕
 ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア通貨ストラテジスト、ウィン・シン氏は「今のところ、『円売り・ユーロ買い』取引が働いているようだ」と語った。”

週末の報道。木曜金曜とユーロが主役であったことが明白に分かる記事だ。
このモメンタムが果たしてどこまで続くか。
週明けは連日のように欧米の重要指標が目白押しである。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄。木曜の急騰を受けて再びレバレッジ拡大、マツダ等のポジション増。

 ↓ 富士重工(Rakuten.sec) 円安のお蔭で1300円台が見えてきた


 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587
             542 → 608 / 494 → 577 / 540 → 577
             541 → 602 / 529 → 602 / 489 / 518

 三菱商事(東証一部 8058) 1,970 → 1,931 / 1,622 → 1,931
               1,534 → 1,837

 竹内製作所(JASDAQ 6432) 636 / 743 → 1,672

 トーセイ(東証二部 8923) 25,170

 東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277

 富士重工(東証一部 7270) 467 → 670 / 573

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215
                     1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526
                     1,341 → 1,752
                     1,906

 マツダ(東証一部 7261)  232 / 178 / 87 / 130 → 217

 昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966
                  716 → 723 / 688

丸紅が2011年の高値を2年ぶりに更新しそうだ。

 ↓ 丸紅(Rakuten.sec) 700円台へ向け力を溜めている状態



英有力紙が円高是正に理解=独連銀の「戦争」警告批判(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30;k=2013012400973
”【ロンドン時事】英有力紙フィナンシャル・タイムズは24日付の社説で、ドイツ連銀(中央銀行)のワイトマン総裁が日本政府の日銀に対する金融緩和圧力を懸念し、「通貨戦争」の誘発を警告したことについて、「誇張だ」と批判、その上で日本側による過度な円高の是正に理解を示した。
 同紙は、円は依然として金融危機以前よりも「高い水準にある」と指摘。最近のユーロ高は、「日銀の(金融緩和による)近隣窮乏化政策よりも、欧州中央銀行(ECB)がユーロ崩壊のリスクを除去する措置を施した結果だ」と強調した。”

ソロスだけでなく、何とFTが円安を容認し日本経済を側面支援している!
ともに外国人投資家へ与える影響は少なくない。
(と言うか、無力に等しい日本国内のメディアとは歴然と影響力が違う)
週明けの欧米指標次第で東証の上値余地が拡大しよう。

『日経会社情報 2013-I 新春号』


    ◇     ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

週初めの下落でポンドロングを決済し、
水曜以降の急騰に驚いて久しぶりのユーロロングに転換。
定石通りにレンジブレイクに乗っかった形。

 2013/01/24 120.99 EUR/JPY Lev ×1.5

    現在 > 122.32 ユーロ/円(損益105%)← 今年の損益率
         143.60 ポンド/円
         90.88  米ドル/円

 ◎ 2012年の損益率(手数料等除外)> 142%
 ◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2012/12/26 136.78 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/12/21 136.36 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/12/12 132.76 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/29 131.44 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/11/09 126.37 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/02 83.12 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/25 128.91 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/18 127.47 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/08/29 81.23 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/09/12 125.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/27 81.86 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/08/15 123.83 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/20 95.50 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/07/13 123.21 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/06 97.98 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/29 125.19 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/06/21 100.82 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/14 123.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/06/07 99.03 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/01 120.02 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/05/23 100.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/05/14 102.44 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/05/11 128.50 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/04/27 106.60 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/04/19 130.30 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/04/13 128.88 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/04/06 84.02 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/03/30 132.57 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/03/22 85.75 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/03/13 128.51 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/03/13 83.48 CAD/JPY Lev ×1.5

 …以下省略…

「資源国通貨は底打ちしました。
 豪中銀は政策金利を引き上げ始めており、
 豪ドルは緩やかな上昇トレンドに入っています」

豪ドルは上に抜けた。新しいレンジ圏に入ったと想定。

クロス円もドル円も米金利上昇に加え、ユーロ大反転で新しいステージに入った。
完全な底打ちと判断できる。まだ頭を押さえられておらず、レンジ圏が見えてこない。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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