みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

首都圏マンション市況に漂う暗雲 - 平均価格が全地域で上昇、借入金も増額

2007-03-30 | 注目投資対象・株価の推移
そう簡単に「新価格」に移行してくれない様相です。

新築マンション調査、借入金増+郊外シフト(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/archive/news/2007/03/30/20070331k0000m020059000c.html

” リクルートが30日に発表した首都圏新築マンションに関する調査
 で、購入者の住宅ローンなどの負担が増えるとともに、購入物件
 が都心から郊外に流れるなど条件が悪化していることが分かった。
 〔中略〕
 調査は首都圏1都3県で06年の1年間にマンションを契約した
 3536人が回答。平均年齢は35.7歳で、世帯年収は600
 万~800万円未満が最多だった。
 住宅ローンの平均借入総額は前年比2.1%増の3029万円で
 2年連続で増加。物件の値上がりに対し自己資金の伸びが低かっ
 たためで、ローンの年間返済額も同11万円増の146万円だっ
 た。両親などから支援を受けた割合も同2.9ポイント減の23.
 4%に減った。
 マンションの平均価格は同111万円増の4004万円で全地域
 で上昇。東京23区に住んでいた人のうち、区部で購入した割合
 は69.8%と2年連続で減少しており、都心部の価格上昇から
 郊外に流出する傾向がうかがえる。”

 → 原因は明確で、賃金が余り上がっていないからです。
   ローンを月あたりで計算すると1万円弱の負担増で、
   消費にも悪影響が出そうな予感がします。

   はっきりと景気が上向き、賃金の上昇傾向が出てこないと
   勤労者(=消費者)が財布の紐をゆるめないと思われます。

   非正規雇用の方は、この価格ではなかなか買えないでしょう。
   投資家いとすぎとしては、中古の市況も知りたいところです。

   ◇     ◇     ◇     ◇

今週の市況関連の報道です。

3市場の信用取引現在高、買い残り残高が増加(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200703270079.html

” 東京証券取引所がまとめた3月23日申し込み現在の、3市場
 信用取引現在高(概算)によると、金額ベースでは売りが1兆
 4947億0700万円(前週比4億1800万円増)、買い
 が4兆5037億2400万円(同731億3700万円増)、
 倍率は2.81倍(前週は2.96倍)となった。”

 → 最近はこれを見ておかないといけませんからね。
   ちなみに「株数」では全く違う結果が出ており、
   投資家の素直な判断が伺えて興味深いです。

   依然として「小型株に弱気、大型株に強気」と思われますので、
   今後はそれを踏まえた投資判断が必要でしょう。

東証の売買動向、世界同時株安前に回帰(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/archive/news/2007/03/30/20070330ddm008020047000c.html

” 東京証券取引所がまとめている東証1部の投資家別売買動向によ
 ると、2月第3週まで外国人投資家は7週連続の買い越しで日経
 平均株価の上昇をけん引したが、同時株安後は2月第4週から3
 週連続で売り越しに転じた。売り越し額は3月第1週(5~9日)
 で4029億円に達し、株価下落の大きな要因となった。対照的
 に、2月第3週まで6週連続で売り越しだった個人投資家は2月
 第4週が4874億円の買い越しとなり、その後も2週連続買い
 越した。
 背景には両者の投資スタイルの違いがある。外国人投資家は市場
 の分析能力が高く、株価の上昇局面ではどんどん買い進める一方、
 下落局面になると手持ちの株を放出した後も他の機関投資家など
 から株を借りて売り続ける。安値になったところで買い戻して借
 り株を返せば売った時と買い戻した時の差額が利益となるためで、
 楽天証券の福永博之チーフストラテジストは「短期間に大きな利
 益を得ることも可能で海外のヘッジファンドが多用する手法」と
 いう。
 これに対し、資金が限られる個人投資家は「下落局面では、安値
 で買う好機と見て買い注文が多くなるが、短期間の売買で着実に
 利益を得ようとするため上昇局面では売り越しになる」(福永氏)。”

 → 分析としては現在の状況を最も良く整理しています。
   当ウェブログでも前々から繰り返している通り、
   最近の外国人買いのヘッジファンド比重は無視できません。

   ただ、外国人投資家は「分析能力が高い」と言うよりは、
   資金力と瞬発力が圧倒的に強いのだと思います。
   (最近は特に、「足の速い」資金が多いように感じます)
   また、「大局観に優れている」という面はあるでしょう。

   ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄、トーセイがひとまず回復中です。

  【日立建機(東証一部 6305)の株価推移】

 [9月4日]    [3月30日]
 2,715円 → 3,190円 △ 475(+17.49%)

  【トーセイ(東証二部 8923)の株価推移】

  [9月4日]    [3月30日]
 112,000円 → 129,000円 △ 17,000(+15.18%)

  【シーズクリエイト(東証一部 8921)の株価推移】 ※ 一昨年から継続

 [11月22日]  [3月30日]
 74,500円 → 69,000円 ▼ 5,500(-7.38%)

  【オークマ(東証一部 6103)の株価推移】

 [6月7日]    [3月30日]
 1,202円 → 1,378円 △ 176(+14.64%)

  【丸紅(東証一部 8002)の株価推移】

 [6月7日] [3月30日]
  573円 → 716円 △ 143(+24.96%)

  【新日本建物(JASDAQ 8893)の株価推移】

 [1月12日] [3月30日]
  679円 → 798円 △ 119(+17.52%)

※ 投資判断は投資家各位で行って頂けますようお願い致します。

NY原油先物66ドル台に、昨年9月以来(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/seisaku/news/20070330k0000e020006000c.html

” 29日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場
 は、イランと米国などとの関係緊迫化による先行きの供給懸念
 から急上昇、指標となる米国産標準油種(WTI)5月渡しは
 前日比1.95ドル高の1バレル=66.03ドルで引けた。
 終値ベースでは昨年9月上旬以来となる高水準。〔中略〕 
 イランが英海軍兵士らをペルシャ湾で拘束した事件で、市場で
 は米国とイランの武力衝突の危険性が高まったとの観測が広ま
 った。更に産油国ナイジェリアで大統領選候補者が死亡、投票
 が延期される可能性もあるとの報道も需給逼迫(ひっぱく)感
 をあおり一時、1バレル=66.50ドルをつけた。”

 → おや、いつの間に。
   「政治リスクで原油高騰」の図式が依然として健在です。

   但し、今の状況下でアメリカがイランを攻撃するのは、
   現実的には難しいと思いますがどうでしょう。
   (つい先日、友好国のはずのサウジから批判が出ています)

   原油先物の久々の高値の割には、丸紅の株価の反応が
   弱い気がします。「期末要因」でしょうか。


~~~~~~~~(2006年の注目銘柄)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【三菱商事(東証一部 8058)】 [6月7日]  [1月12日]
                 2,220円 → 2,140円 ▼ 80(-3.60%)

【新日本建物(JASDAQ 8893)】[2月7日]  [9月1日]
                1,200円 → 645円 ▼ 555(-46.25%)
               [4月14日] [9月1日]
                 985円 → 645円 ▼ 340(-34.52%)

~~~~~~~~(2005年の注目銘柄)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【クリード(東証一部 8888)】[12月15日] [9月1日]
                578,000円 → 408,000円 ▼ 170,000(-29.41%)

【東誠不動産(JASDAQ 8923)】[12月9日]  [2月6日]
                 105,000円 → 157,000円 △ 52,000(+49.52%)

【オークマ(東証一部 6103)】[11月2日]  [4月7日]
                 1,000円 → 1,631円 △ 631(+63.10%)

【丸紅(東証一部 8002)】  [10月24日] [4月14日]
                507円 → 631円 △ 124(+24.46%)

【三菱商事(東証一部 8058)】[10月24日] [4月14日]
                2,065円 → 2,740円 △ 675(+32.69%)


※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  譲渡益税の分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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『週刊エコノミスト』4月3日号 - 企業年金連合会の矢野朝水 理事「日本企業の利益率は低過ぎる」

2007-03-29 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「景気と株価」でした。
『週刊エコノミスト』の内容案内

最新号の内容の確認は、こちらの毎日新聞のサイトの方が正確で早いです。
但し、定期購読してもディスカウントされません。
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/economist/

巻頭特集「景気と株価」は素晴らしい寄稿が多く、
諸官庁の役付きの方々や日本企業の経営層だけでなく
経済に関心のある一般の読者にとっても非常に有益な内容です。

P26以降、三菱総研の後藤康雄 主席研究員の分析は鋭く、
日本が製造業と輸出で生きる時代から、金融収入で生きる時代に
今まさに転換しつつあることを、かつて「世界の工場」だった
英国の変貌を例に挙げて論じられています。

投資家の方にとって必見なのはP30で、
ファンドクリエーションの木下晃伸アナリストの寄稿です。

” 投機マネーによる過剰流動性相場の怖いところは、
 企業業績がいくら好調でも下がる時は下がる、とい
 うことである。”

” 世界のマネーがリスク回避に動くと、日本の株式市
 場もその影響を受けざるを得ない。相場を底上げし
 ているM&A期待も、実際は5月に予定されている
 「三角合併」解禁を先取りして、加熱している側面
 がある。”

いとすぎは、木下氏とは違い自民党が参院選に負けたところで
東証に大した影響は出ないと思っているのですが、
(安倍政権が、いかなる面から見ても明らかに経済に弱いため)
それ以外の点では完全に同意できる分析です。

他にも、P32の「従業員への利益分配の後回しは市場原理の必然」
とするクレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストの記事、
(白川氏には、このテーマでぜひ一冊書いて欲しいところです)
P36の「山手線ターミナル駅から10キロ圏、20キロ圏、30キロ圏」
と分類した三菱総研の酒井博司 主席研究員の首都圏の地価分析、
この二箇所は見逃せません。

ちょっと毛色の変わったところでは、P42も面白いです。
ちばぎん総合研究所の額賀信 社長の寄稿「人口減少社会」論で、
過疎地の鉄道会社の没落と廃線化を例に挙げて

人口減少社会では良いとこ取りはできず、ほとんど
常にお金の問題が発生する

と巷で無責任に言われている「人口減少で通勤地獄解消」説を
痛烈に批判されています。
(全くその通りで、なぜ大勢の人がこれを理解できないのか不思議)

記事では輸出製造業と国際観光に活路を見出せと論じられていますが、
ここに金融業とコンテンツビジネスを付け加えるべきでしょう。

ちなみに大前研一氏は「少子化対策は既にもう手遅れになっており、
毎年数万人単位で外国人を日本国内に受け入れる必要がある」と
主張されていることを付言します。

   ◇     ◇     ◇     ◇

今回のエントリーのサブタイトルに挙げたのはP30で、
今年2月に「ROE8%以下の企業」に警告をつきつけた
企業年金連合会の矢野理事へのインタビューが掲載されています。

「日本企業のROE(株主資本利益率)は低過ぎる」
「買収防衛策の王道は企業価値を高めること」

という堂々の主張です。

これは言わば「企業年金連合会のカルパース化」であり、
勿論いとすぎもこの潮流に賛成です。

   ◇     ◇     ◇     ◇

最後になりますが、P62には有機ELの第一人者である
山形大学の城戸淳二 教授へのインタビューが掲載されています。

「有機ELでは必ず世界ナンバーワンを取れます」

と断言されておりますので、こちらもお読み下さい。
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世界に恥ずべき「環境後退国」日本 - 環境アセスメントから発電所を除外

2007-03-28 | CSR(企業の社会的責任)関連
日本がこのような愚かな国だとは思いませんでした。
所詮「環境よりもカネ、目先のことしか考えない」国だったのです。

発電所を環境アセスメント対象から除外、反対を押し切る(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20070328dde041040020000c.html

” 公共事業などの際、計画段階から住民の意見を聞いて環境影響評価
 を行う戦略的環境アセスメント(SEA)の導入を巡り、発電所を
 対象外とするかどうかが注目されている問題で、環境省の「SEA
 総合研究会」(座長、浅野直人・福岡大教授)は27日、SEAの
 手続きを定めた指針に関する報告書をまとめ、発電所を対象外とす
 ることを盛り込んだ。大多数の委員が反対したが、座長一任の形で
 審議は打ち切られた。
 この日、委員からは「発電所だけを対象外にする例は諸外国にない」
 (原科幸彦・東京工大教授)、「研究会の議論と矛盾する」(石川
 義紀・滋賀県立大教授)、「今後も引き続き検討すべきだ」(田中
 充・法政大教授)などと、記述の削除を求める意見が相次いだ。
 〔中略〕
 発電所へのSEA適用を巡っては、経産省が電力業界とともに「導
 入すれば反対運動などで発電所が立地できなくなる」と反対してい
 た。”

住民を説得できない発電所建設であっても、
全く問題ないと思っていることを露骨に示すこの発言は、
経産省と電力業界の傲慢さ、一党独裁政権的な体質を示すものです。

このような体質は、平気で公益を損なう人々を量産するものです。
都合の悪い情報から目を背け、政治的解決を図ろうとする態度こそ、
あの悲惨な東海村の事故や薬害エイズなど深刻な問題を生んだ源泉です。

特に原子力発電において、電力業界は日本国民に信頼されていません。
真摯に反省すべきです。

    ◇     ◇     ◇     ◇

SRIファンドにいくつかの電力会社が組み入れられていますが、
果たして適格なのか、私は強い疑いを持っています。

例えば、原子力発電を「クリーン」「環境に良い」とするのは、
真の動機を隠し、面と向かって国民を欺くものです。

本当は、エネルギー源を分散させる安全保障が第一の狙いであり、
環境に良いから原子力発電、というのは後付けの理屈です。

原子力発電の比率をどうするべきなのか、
風力・太陽光発電など自然由来のエネルギーの現状はどうなのか、
電力コストと環境の関係をどう調整すべきか、
(例えば夏に電気代を上げた方が、地球環境にとって好ましい)
電力消費ピークを抑制する方法はないのか、
提案されないどころか、真剣な検討があったとも思えません。

常に、「もう決まったことだから、国民の意向など無視」
という態度が見え見えなのです。
Comments (3)
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ウォーレン・バフェット氏、米経営者への高額報酬を厳しく批判 -「非合理な慣習」と

2007-03-27 | CSR(企業の社会的責任)関連
「アメリカは○○○だ」と単細胞に断定する論者が日本にも多いですが、
(例えば『国家の品格』の著者が典型です)
それは知性の劣化を自ら証明することと表裏一体でもあります。

米投資家バフェット氏、HF投資と経営者の高額報酬に苦言(ロイター)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200703020074.html

” 氏は、株主らに対し、企業幹部の報酬の改革を要求するよう呼び掛けた。
 同氏は、現在の「非合理な」慣習により、並みの最高経営責任者(CEO)
 に「天文学的な」報酬を支払っている、と批判した。
 同氏は、手数料の高い運用会社で投資して高いリターンを得ようとする
 投資家が増えている、との見方を示した。そのうえで、むしろ手数料の
 安いインデックス・ファンドに投資したほうがよい、などと述べた。”

アメリカの経営者の高額報酬は余りにも有名ですが、
報酬と功績、或いは社会貢献度は比例しません。
当然、その社会の構成員が監視して「最適化」すべきなのです。

このバフェット氏の「行動的な意志」「社会意識」は、
日本の投資家も学ぶところが多いと私は考えます。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ヘッジファンド投資への批判に関しては、
資産配分や運用戦略での賢愚巧拙が個々によって違うはずですから、
一概に同意はしませんが、有力な視点であるのは間違いないです。

間歇的に報道されるヘッジファンド破綻を概観する限り、
或いはヘッジファンドというものは、

「実は全然ヘッジできてないファンド」
の略称なのかもしれませんから。
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『週刊 東洋経済』3月31日号 - 和倉温泉「加賀屋」は育児支援でも日本一!

2007-03-26 | 『週刊 東洋経済』より
今週の『週刊 東洋経済』特集は「経済 超入門」でした。
『週刊東洋経済』の定期購読(レビュー投稿で1,000円券プレゼント付)

最新の記事内容紹介は、こちらの方が早いです。
http://www.toyokeizai.co.jp/mag/toyo/

以前のエントリーに記載を追加しました。

特集を走り読みした印象では、新しい情報よりも
現況の分析が主ではないかと感じました。

配当権利が確定した今となっては、
もう少し踏み込んだ分析があっても良かったかという印象です。

「スリッパの法則」などはかなり以前から耳にしたことがありますし。

この時期に銘柄ランキングを載せても状況的に苦しいのではないか、
と個人的には思うのですが、編集部の皆様いかがでしょうか。

P48からP51までは、やや情報を詰め込み過ぎの印象がありますが、
好悪の両材料、ふたつのシナリオを描いており良心的な内容です。

ぜひ目を通すべきと思ったのは、運用のプロへのインタビューです。
いとすぎの目にとまったのは、田邊経済研究所の田邊孝則 代表と
フィデリティ・ジャパンの蔵本康雄 副会長の両名です。

 田邊孝則 氏 → 成熟経済下のレンジ相場を運用の前提とすべき
 蔵本康雄 氏 → ライバル会社、業界動向まで徹底的に調査する

運用者としてはかなり対照的なスタンスですが、
それぞれ非常に有益な考察だと思います。

    ◇     ◇     ◇     ◇

最初は読み逃していたのですが、P198の「OUTLOOK」は
もしかしたら今週の『東洋経済』で最も重要な記事かも知れません。

今年2月にヘッジファンドがNY市場に上場しましたが、

ファンド創業者が前途の不透明さを感じ取り、
情勢が有利な内にキャッシュアウトを図った

のではないかと梅沢正邦 氏が推測している論考です。

いとすぎは、HFに上場のメリットがあるとは到底思えないので、
この論考でようやく腑に落ちました。本質を衝いた視点でしょう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今回のエントリーのサブタイトルは、山田昌弘 教授の寄稿からです。

石川県 和倉温泉の「加賀屋」は旅行好きな方なら必ず知っている、
「27年連続 日本一の宿」として有名です。
http://www.kagaya.co.jp/kagaya/index.html

こちらは Ameba News より。
http://news.ameba.jp/2007/03/3684.php

石川は温泉に恵まれた土地で、
和倉温泉の加賀屋ようにプロからの評価の高い宿ばかりか、
個人客向けでも山中温泉や湯涌温泉に素晴らしい宿があります。

この山田教授の寄稿は、「もてなし」ばかりではなく、
育児支援でも「日本一」かもしれない、という話です。
何しろ、職場に託児所が併設されているなど
育児中の女性就業者にとって素晴らしい環境になっている、というのです。

「 制度にライフスタイルを合わせるのではなく、
 ライフスタイルに合わせた制度の必要性 」

を主張されているのは実に慧眼です。
ぜひ政府の無能な少子化対策担当者に聞かせたいところです。

山田教授は、サービス業の発達で社会が便利になってくると
必然的に働き方が多様化してゆき、

「土日や夜間に働かなければならない女性が増えているのに、
 保育園は"平日の昼間に働く女性"ばかりを対象としている」

と鋭く問題点を抉っているのです。(素晴らしい)

バングラディッシュに「プルキ」という驚くべき会社があるのですが、
国内百ヵ所余りの工場に託児所を併設・運営しています。

先進的な取り組みという面では、先進国も途上国も変わりません。
民間から生まれて強い支持を受けるイノベーションが、
これからも広がってゆくことに期待します。
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