みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

北海道の電力不足懸念は原発が原因、コージェネと風力で解決可能 -「人命に関わる」は再稼働プロパガンダ

2012-10-31 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
エネルギー問題へのリテラシーがあれば明白であるが
北海道で泊原発を再稼働させて厳冬期に備えるのは愚の骨頂である。

それは一部の原子力利権勢力を潤わせこそすれ、
北海道経済にも日本経済にも利益にならない。

厳冬期の家庭や企業では膨大な給湯需要がある。
家庭や飲食店がホンダのガスコージェネで発電し、
ホテルや工場が川崎重工のコージェネ・システムを導入すれば
そもそも電力不足になどなる筈がない。
寧ろコストの安い熱利用が可能になって地域経済の便益は大きい。

もともと北電は風力の発電分を抽選で決めるという
風力普及の妨害としか思えない方式で風力を買い叩いていた。
原発停止で収益が悪化しても自業自得と言われるであろう。
何故あれほど恵まれた風を活かしてこなかったのか、
有権者と株主に対し納得できるような説明が必要ではないのか。

原発停止は「人命に関わる」のではなく「電力大手の収益に関わる」
或いは「電力多消費型大企業の収益に関わる」が事実であり、
有権者は見え透いた利益誘導には絶対に欺かれてはならない。

何度も当ウェブログで繰り返し主張しているように、
日本経済が内需主導で成長するためには
コージェネと風力発電が絶対に必要である。

 ↓ 参考

ガス会社が原発を抹殺し、東電を圧倒する日 -「2030年には1000万kW分のコージェネ導入」と宣戦布告
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/416259413bd719c5f3987882f1720897

関西電力、追い詰められ電力融通・風力発電増強を決める - 北陸電力と四国電力から電力受け入れ拡大へ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/f9969ddff79d2b77e2e4d695fed7efb5


▽ コージェネに熱心な北欧諸国はエネルギー消費を減らして経済成長している

『欧州のエネルギーシフト』(脇坂紀行,岩波書店)



泊原発再稼働を…経団連会長「人命にかかわる」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20121023-OYT1T01202.htm
”経団連の米倉弘昌会長は23日、札幌市のホテルで記者会見し、今冬の北海道の大規模停電を避けるため、泊原発(泊村)の再稼働を政府に強く求めた。
 米倉会長は「寒さが厳しい中で停電が起こると人命にかかわる。安全性が確認された原発は再稼働すべきだ」と訴えた。
 再稼働の判断を巡っては、政府と原子力規制委員会で役割を押しつけあう混乱が生じている。米倉会長は「責任のなすりあいをする事態ではない。政府がちゃんと判断していくべきで、委員も活動を加速させていただきたい」と批判した。〔以下略〕”

寒さが厳しければコージェネによる膨大な省エネ余地と
設備投資需要があるのは明白である。日本経済のためにも
一部の者の利権となっている原発は縮小されるべきだ。

泊原発の再稼働を強く唱えているのが北電・経団連・道経連と
(道経連の首脳部には北電の関係者が複数いる)
相変わらず利害関係者ばかりという政治臭のきつい構図である。

▽ 石川一郎・初代経団連会長は日本の原子力黎明期から関与、安全性を軽視していた

『レベル7 福島原発事故、隠された真実』(東京新聞,幻冬舎)


断層判断「不十分」=事前会合で専門家ら―大飯原発・規制委(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/q?g=eqa_30&k=2012102300904
”関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内で、岩盤の亀裂(破砕帯)が活断層と連動する可能性が指摘されている問題で、原子力規制委員会が専門家らを集めて11月初めに行う現地調査の事前会合が23日、東京都内で開かれた。これまでの関電の調査や、旧原子力安全・保安院の審査が不十分だとの指摘が続出した
 保安院や関電は敷地内の破砕帯について、含まれている岩石などから活動の時期が古く、動く可能性はないと判断していた。
 現地調査のメンバーで、産業技術総合研究所の重松紀生主任研究員は「飛躍があり、これだけで判断するのは難しい」と指摘。信州大の広内大助准教授も、破砕帯の上にある地層と同じ地層を広範囲に調べ、形成時期を把握する必要性があると訴えた。
 東洋大の渡辺満久教授は、原発周辺の熊川断層などが、関電の推定より長距離にわたって連動する可能性を挙げ、従来の判断に疑問を投げ掛けた。
 規制委の島崎邦彦委員も会合後、報道陣に「もう少しきちんと調査をしていれば、さらにはっきりと分かったはずだ」と述べ、これまでの調査が不十分だったとの認識を示した。

これが「安全が確認された原発」の実態だ。
これまで利害関係者に籠絡されたインナーサークルで
いい加減な審査を行ってきたツケが回ってきたのである。


冬の電力消費が4.9%減 家庭、節電意識が向上(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201210/CN2012103001002139.html
環境省は30日、今年1~2月の一般家庭での電力消費量が東日本大震災前と比べて、1世帯当たり平均で4・9%減ったとの調査結果を発表した。冬に節電を意識した家庭が大震災前よりも増加した結果と同省はみている。調査は沖縄電力を除いた9電力会社の管内を対象に実施し、インターネットを通じて約8200世帯が回答。今年1~2月と、昨年同時期の電力消費量を比較した。”

国民は心から原子力利権を嫌っている。
今冬も原子力利権が必死になって醜く叫べば叫ぶ程、
国民は憎悪の目を向けて電力大手の電気を買わなくなるであろう。
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高齢層の労働者は「職を選ばず」若者に手本を示すべき - 大企業より中小企業の方が高齢層活動に積極的

2012-10-30 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
少し前に格差問題や新卒雇用状況の悪化が論じられていた時に
「職を選ばなければ仕事はある」「若者に忍耐力がなくなった」
という裏付けに欠ける若年層批判があった。

今、実に好都合なことにこうした若者批判が正しいのかどうか
絶好の社会実験が行われようとしているので注目したい。

日本経済新聞の報道によれば、65歳までの雇用延長に積極的なのは
大企業よりも人不足の中小企業であるという。

日本の尊敬すべき高齢層労働者の皆様は、必ずや
「職を選ばずに」若者に率先垂範して下さると確信している。

通常、若年層は吸収力が高く社会からの影響を受け易い。
上の世代の振る舞いこそが最も強く若年層のあり方を決定する要因である。

当ウェブログでも何度か取り上げたように、
雇用分野では中高年層の労働者に幾つかの疑惑がかけられている。
疑惑が何ら根拠のないものであることを証明する好機ではなかろうか。


 ↓ 参考

日本企業の強烈な危機感 -「高年齢層の賃金水準が高く、若年層のモチベーション低下を招いている」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6689a996150bf42b91745b5a961687e8

民主党政権と官公労は新卒を見殺しにした - 採用を大幅に減らし、中高年層公務員の既得権を死守
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1edffbb45978a543c9953a667e250769


▽ 因に、1950年代~80年代は今より失業率が明確に低かった

『世代間格差:人口減少社会を問いなおす』(加藤久和,筑摩書房)


▽ 正規公務員や大企業労働者の場合は、労組の問題の方が大きいかもしれない

『なぜGMは転落したのか―アメリカ年金制度の罠』(ロジャー・ローウェンスタイン,日本経済新聞出版社)


「65歳まで雇用」は48% 大企業は24%どまり 厚労省調査(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1802E_Y2A011C1PP8000/
”厚生労働省は18日、2012年の高年齢者雇用に関する調査をまとめた。65歳まで希望者全員が働ける企業の割合は48.8%で、前年に比べ0.9ポイント上昇した。比率は上昇傾向にあるが、大企業は24.3%にとどまり、中小企業は51.7%だった。厚労省によると、中小企業は人手不足感が強く、高齢者の活用が大企業よりも進んでいる
 調査には31人以上の社員が働く約14万社が回答した。対象の企業で、この1年間で定年になった社員は約43万人。このうち企業に再雇用されたのは31万7000人で、全体の73.6%を占めた。
〔中略〕
 今年成立した改正高年齢者雇用安定法は、来年4月から希望者全員が65歳まで働けるよう企業に義務づける。今後は大企業を中心に早急な対応が求められる見通しだ。高齢者の雇用が増えるのは確実な半面、若者の採用にしわ寄せが及ぶと懸念する声も出ている。
 厚労省は現在も定年を過ぎた60歳以上の雇用を確保するため定年の廃止、定年の引き上げ、継続雇用制度の導入のいずれかを求めている。ただ労使協定などを結べば再雇用の基準を独自に決められる。65歳まで希望者全員が働ける企業は全体の半分に届いていない。
 会社員が入る厚生年金の支給開始年齢は13年度から25年度にかけて段階的に65歳まで上がる。高齢者の雇用拡大が進まないと「年金も仕事もない」空白期間を抱える人が増える可能性がある。”

さてこちらが日本経済新聞の記事、整理されていて素晴らしい。
7割以上が再雇用されているのは結構なことである。
(元記事にはより詳細に記されている)

はっきり言って、大企業で働く労働者はごく少数派なのだから
(せいぜい全体の10%程度だろう)中小企業で活躍して貰えれば全く問題なかろう。
無論、これまでの経験や実績・人脈を活かして起業したり
非営利組織を立ち上げる等の社会活性化に踏み出す方々は更に歓迎である。

但し、雇用延長が決まっている公共部門の場合は話が別で、
労組が圧力をかけて全力で年功賃金利権を維持しようとする可能性がある。
有権者が厳しく監視しなければならない。


トヨタ再雇用、勤務時間半分に 生産部門で来春試行(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201209/CN2012092201001552.html
トヨタ自動車が60歳の定年後の再雇用制度として、工場の生産部門で労働時間を半分に短縮する「ハーフタイム勤務」の活用を検討していることが22日、分かった。来年4月から試行する方針。円高など厳しい収益状況の中、高年齢者が働きやすい環境を整え、国内雇用を確保する。給与水準引き下げに伴う人件費の削減も念頭にあるとみられる。トヨタが高年齢者の労働時間短縮に乗り出せば、他の企業にも広がりそうだ。”

トヨタがいち早く面白い工夫をしている。
どうしても大企業に残りたい労働者はこのような方法も悪くない。
製造業だと技能継承の観点からも好ましい試みと言える。

日本の労働者は一般に高齢になっても勤労を続けていた方が
健康や医療費支出の面でポジティブであることが分かっている。
年金制度も高齢就労を促進する制度に改め側面支援すべきである。
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電力大手6社、風力発電の買取量を意図的に抑える策動 - 諸悪の根源は原子力利権への固執にある

2012-10-29 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
日本のエネルギー問題を理解している者にとっては常識だが
この日本において風力発電が拡大しないのはポテンシャルの低さではない。
原子力利権勢力が必死にプロパガンダを唱え政治工作するからである。

その証拠に、強硬に風力発電拡大に反対しその欠点を喧伝する者は
原子力によってカネを稼いでいる連中か原理主義的な原発擁護派である。

「風力発電は安定しない」「陸上では風力に適する立地が少ない」と
事実に反する寝言を言っているのは殆どそうした人間である。

我が国ではそもそも電力供給が不安定になるほどの風力発電を行っていない。
おまけに既に送電網が近くまで整備されている風力の適地が数多く残っている。
(下北、福島、御前崎、能登、敦賀、佐多岬、玄界灘など)
安定性の議論は風力発電のシェアが5%~10%に達するまで必要ない。

「送電網への投資に巨額負担が必要」との見え透いたプロパガンダも
所詮は原子力予算に依存している勢力が予算削減を恐れている証左だ。

風力発電は夜も発電し続ける点で原子力発電と似ている。
風況が良ければ発電コストもガス火力並みに安く、
(現状でも効率の悪い石油火力よりコストが安い)
原子力発電の利権維持にとって唯一と言ってよい強敵なのである。

これこそ、原発で安定的にキャッシュを得たい電力大手が
強硬に風力発電の拡大を妨害している最大の理由なのだ。

▽ 電力大手の首脳は「僭越」との罵言を浴びせてまで風力拡大策を批判した

『総力取材! エネルギーを選ぶ時代は来るのか』(NHK出版)


原子力利権勢力の執拗に唱えるプロパガンダが真っ赤な嘘で、
風力の成長余地が大きいことは火を見るよりも明らかである。

 ↓ 参考

電力中央研究所、GEから痛撃 - イメルトCEO「原発はコスト高」「多くの国がガスと風力か太陽光に」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/645498b37bd90d9b10859bbdb80eae12

原発30基分の洋上風力発電投資、英国の総電力の3割を賄う計画 - 日本でも5MW級の巨大風車開発へ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d3f0f93629c0fe73dad015335aea17fe


風力購入、過少に設定 電力6社、全原発稼働が前提(朝日新聞)
http://www.asahi.com/business/update/1023/TKY201210220644.html
”【渡辺淳基、上地兼太郎】北海道、東北、北陸、中国、四国、九州の6電力会社が、買い取れる風力発電量を少なく見積もっていることがわかった。原発を使えば使うほど風力を取り込む余地が小さくなるという特徴があるため、全原発のフル稼働を前提にして買い取りを抑え、結果的に風力の普及を妨げている。
 朝日新聞の取材に対し、九州、中国の2電力は原発稼働率を数割減らして見積もれば、3割ほど風力発電の枠を増やせることを認めた。ほかの4電力はどれだけ増やせるかを明らかにしていないが、原発フル稼働を減らして見積もれば風力発電が増える見通しだ。
 風力は風の強さに応じて出力(発電量)が上下する。このため、火力発電と組み合わせ、風が強い時は風力を増やして火力を減らし、風が弱い時は火力を増やすという出力調整が必要になる。〔以下略〕”

公式に認めているのは九州電力と四国電力であるが、
間違いなく他の電力会社も同じである。
何としても原発再稼働させ事業独占体制に戻りたい
関電や北電は、頑としてこの事実を認めないだろう。

▽ 風力発電を妨害してきたのは原発を持つ事業者とその利害関係者だった

『エコ・ウオーズ 低炭素社会への挑戦』(朝日新聞特別取材班)


今、北海道で電力不足懸念が叫ばれる根本的な理由は、
豊富にある風力資源を放置して原子力利権に固執してきたためである。

風力発電の導入余地もコージェネの導入余地も膨大に残っている
北海道や東北が電力不足に陥ることは本来あり得ない。
寧ろ今は、省エネ再生可能エネ投資で活況を呈している筈である。

地域経済のため、ひいては日本経済のためにも、
人命に関わるからと嘘をつき原発再稼働を唱える利権勢力を許してはならない。
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ヘッジファンドが決算前に円安に動かそうと躍起になっている - 日本株ショートで慌てて買い戻す負け組も

2012-10-28 | 注目投資対象・株価の推移
           ↑ USD/JPY(ZAI)注意信号が出始めている。水準も高い。

先週は世界中の市場関係者の耳目が日銀の動向に集まり、
天下のFRBを殆ど無視して日経新聞の緩和報道に飛びつき
日銀緩和を先取りして動くという、実に爽快な展開であった。

欧米市況・景況の小康状態という環境要因に過ぎないが気分は良い。

今や先見性のない馬鹿な東証悲観論者が誤りなのは明白である。
彼らがどう言おうが、上がる時は上がる。政治が停滞しても上がる。
しかも予想しにくいタイミングで急激に上昇する。

海外市場が軟調なのを後目に、先週の東証が日銀緩和観測と円安圧力を背景として
中国での反日運動・不買運動にも動じず独歩高の様相を見せていることからも
明白ではないだろうか。(但しこれが長く続かないから困るのだが)

「日銀の追加緩和期待もあり、方向は上だろう」

「苦戦を強いられた東証の我慢もあと少しで終わりだ。
 来月には中南海の権力闘争もひとまず収まり、
 年末にはかなり良い水準まで達するだろう。

 ただ週末の米失業率好転の後の市場の反応は弱かった。
 一気に上に抜けるパワーはまだない。
 少しずつ波を描いて上に向かうと予想できる」

としてきた当ウェブログの見通し通りの展開となった。
先週に続き、特に追加することはないと考えている。

多少のセル・オン・ザ・ファクトがあっても大勢は上である。

以下の当ウェブログの見解は今週も維持する。
ユーロ大反転はほぼ確定した。

「中国が半年余りの間に3度目の預金準備率の引き下げを決め、
 中国経済の減速が疑いようのないものとなっている」

「遅くとも4月中に今年前半のピークを付けるだろう」

「各市場とも完全にモメンタムを失ってしまった。
 心理的にこの打撃は大きい。初秋まで高値を奪回できない可能性が高い。
 当然、短期的な戦略はショート中心となろう」

「市場の動きから見てセリングクライマックスはまだ先ではないかと思うが、
 米指標から見て晩秋までじりじり嫌な下げが続いた昨年の二の舞はない」

「ゴールドは「完全に終わった」と断言して良い」

「香港や上海市場を見ても分かるように、
 今の中国では内需主導で高成長を持続するのは不可能である」

「香港の市況停滞も明確になってきた。
 原油価格が下がればムンバイにアウトパフォームされるかもしれない」

「円安は明確に日本経済にとってポジティブである」

「米経済の回復が日本経済や中国経済にも恩恵を与え、
 今年は矢張りささやかながら良い年になりそうだ」

「今年のNY市場の勝利は確定した」

「ユーロ大幅下落は遠ざかったか、もしくは消えたと考える」

「ユーロ圏への輸出依存度が高いロシアと中国。
 それにユーロ圏の守護神であるドイツ、
 自国の金融機関を守ろうとするアメリカ、
 円高ユーロ安を避けたい日本の5国が共同で
 ユーロ圏支援に踏み切るシナリオもあり得るだろう」

「結局ドイツも追い詰められてユーロを防衛せざるを得ないだろう」

「仏独の合意にはまだまだ遠い道のりで、
 11年前のユーロ危機の水準(100円割れ)にならないと
 本格合意には至らないと見ている」

「ユーロ圏は深刻な経済悪化ではないだろうが停滞は必至」

「ユーロ圏の根源的特質として果断な危機対策はできない。
 市場に催促されながら後手後手で防御策を小出しにするだろう」


さて概況は変更なし。予想より市況の落ち込みは深刻で急回復は望み薄。

「米経済の回復ペースが鈍化しているのは間違いありませんが
 当ウェブログで書いたように大勢は上です。それは揺らぎません。
 問題はどの地域、どの企業、どのセクターの回復が早いかです」

との見方も引き続き変わりません。
ユーロが下落トレンドから脱却しつつあります。


↓ EUR/JPY(ZAI)頭を押さえられた


↓ GBP/JPY(ZAI)大きく押し戻され、ユーロよりも脆い


ロイター報道では日銀緩和期待を背に
ファンド勢が活発に動く様が示唆されている。
これこそ中国懸念で値が重かった東証が動いた理由である。


ドル79円後半、3カ月半ぶり高値から反落(reuters)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE89M02T20121023
”東京外為市場正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点と比べ若干ドル安/円高の79円後半。ドルは一時80.02円と3カ月半ぶり高値を付けたが、80円台の滞空時間は短く、ジリ安の展開となった。
 市場の関心は無風で通過するとみられる米連邦公開市場委員会(FOMC)より、むしろ30日の日銀金融政策決定会合に向いているという。
 ドルは80.02円と7月6日以来3カ月半ぶりの高値を付けたが、上昇モメンタムは長続きしなかった。ユーロ/円は一時104.59円まで上値を伸ばしたものの、切り返して反落した。この日は輸出勢の小規模な売りが散見されたが、このところのドル高/円安を受け、「輸出勢は強気になり、(ドル)売りターゲットを引き上げたもようだ。79円台で焦って売らずに80円台で淡々と売る構え」(邦銀)だという。
 決算を目前に控えたヘッジファンド等投機筋の動きが、為替市場や株式市場を揺さぶっている。
 多くのヘッジファンドは11月末までにポジションを閉じ、利益・損失を確定する。「採算が上がっていないファンドが本決算の数字を作り込むため、逆転ホームランを狙って円売りで勝負に出ている」(ストラテジスト)との声や、「今年は為替でパフォーマンスの悪いファンドが多く、彼らが中心になって円売りを仕掛けている」(外銀)、「理由はともあれ、ボラが低下したドル/円を動かしたい」(同)とのインセンティブが背景となっている可能性がある──などの指摘が聞かれた。
 こうしたファンド勢には、日銀の追加緩和観測や貿易赤字など材料がそろっている。
 一方、株式市場では、前週末から今週にかけて「米株ロング・日本株ショートの手仕舞いが出ていた」(外銀)とされる。こうした取引はほぼアルゴリズムによって執行され、取引時点では人的判断が介在していない。このため、「売られた(または買われた)原因を後付けで説明しようとすると、現実離れしたチグハグなものになりやすい」(同)という。
 一方、ドル/円の追い風となってきた日銀の追加緩和について、複数の関係筋が22日に明らかにしたところによれば、日銀は早ければ30日の金融政策決定会合で、資産買入基金の残高を長期間にわたって維持することを検討する見通し。目標である80兆円の残高を達成する2013年末以降も、物価上昇率1%が展望できるまで残高を維持することで、米量的緩和第3弾(QE3)同様に事実上の無期限(オープンエンド)緩和に近づける。日米緩和策の違いから進行する円高を防ぐ効果も期待できる。〔以下略〕”

恒例の決算シーズンを控え、少しでも稼いでおきたいファンド勢の思惑が
如実に分かる優れた記事だ。比較的先が読み易かった今年に、
為替部門でパフォーマンスが悪いのは自動売買のせいだろう。
何事も楽をしようとしてはいけない。

記事の末尾にはFOMCについても言及されているが、
最初からノーアクションだろうと予想されていた。
市況にも景況にも切迫感が乏しいので当然だろう。


自動車大手決算で改善見えない中国、堅調な米国・東南アジアでばん回(reuters)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTK053744520121025
”自動車大手の2012年4─9月期決算発表は、下期に中国販売がどこまで落ち込むか、米国など他地域でどこまで盛り返せるかが焦点になる。
 上期はエコカー補助金による国内需要の底上げや米国市場の回復、拡大が続く新興国需要などが貢献し、前年同期比で増益となる見通しだが、下期にとりわけ注目されるのは中国依存度の高い日産自動車など大手3社とマツダ。一方、インドに強いスズキ、米国の比重が大きい富士重工業は堅調に推移するとみられている
  <トヨタは中国への輸出動向もポイント>
 日本メーカーは中国への依存を強めており、中国販売が全体に占める割合は、日産自が25.8%、ホンダが17.2%、マツダが15.9%、トヨタ自動車が10.2%となっている。9月中旬には尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる反日運動が直撃。今のところ日中関係が改善に向かう兆しはみえておらず、10月以降も苦しい販売が予想される。
 東日本大震災やタイ洪水が発生した際は、供給力の復活に伴って従前の状況を回復したが、今回は消費者の購買意欲低下に起因するため、各社とも問題がいつまで長引くか読み切れていない。日産自の西川廣人副社長は10月中旬、中国での販売状況が「2カ月ぐらいの間に正常に戻ってくれればと思っている」と述べたものの、独立系調査会社アドバンスト・リサーチ・ジャパンの自動車担当アナリスト、遠藤功治氏は「来年1─3月くらいまでは非常に厳しい」と悲観的な見方を示す。
 業績動向が注目されるのは、中国販売比率が最も高い日産自。複数のアナリストが、今回の決算発表で通期の業績予想を下方修正する可能性を指摘する。トムソン・ロイター・エスティメーツによると、日産自はアナリストの通期営業利益予想(過去90日間)が6523億円で、会社予想(7000億円)を下回っている。マツダも中国での販売減少が響き、アナリスト予想は会社側の計画を100億円近く下回る。
〔中略〕
 一方、中国以外に収益源をもつ企業は評価が高まりつつある。売上高の3割弱をインドで稼ぐスズキは、現地子会社のマネサール工場で発生した暴動から3か月経過し、10月末までにほぼ通常稼働に戻った。国内では全面改良した主力の軽自動車「ワゴンR」が下期の収益を下支えする見通し。また、富士重は総販売の4割を占める米国が好調に推移。すでに12年4─9月期の営業利益見通しを従来予想から3割以上も上方修正した
 トヨタなど大手3社も、米国や東南アジアの需要の一層の取り込みがカギになる。米国ではローン金利の低下と消費者心理の改善が追い風となり、リーマンショック後の落ち込みから安定的に回復してきた。メリルリンチ日本証券の中西氏は「中国とはまったく違って安楽な地域」と話す。事実、前年の東日本大震災から回復もあって9月の米国販売はトヨタが4割増、ホンダが約3割増と大きく伸ばした。
 日本車のシェアが高いインドネシアも販売環境は良好。インドネシア自動車工業会によると、9月の自動車販売台数は前年比27.9%増加した。新たに導入された自動車ローンの頭金規制の影響は限定的で、楽観論を覆す懸念材料は現時点で見当たらない。タイも高水準の新車販売を維持する見通しだ。
 アドバンスト・リサーチ・ジャパンの遠藤氏は、中長期的に中国市場で失った台数を補うのは「米国、日本、タイ、インド、インドネシア、ブラジルなどになるだろう」と語る。”

自動車は富士重工が独歩高となっている。当然の結果だろう。
だからこそ当ウェブログは北米市場の重要性を強調してきたのである。
こちらは本当に重要な記事なので熟読されたい。

日産のゴーン会長は原発再稼働につべこべ言う前に
チャイナリスクを直視しリスク分散すべきだったのだ。
経営上のリスクを軽視し政策に嘴を挟んだツケは高くつくだろう。
これも結局は因果応報である。


ドル80円前半、日銀決定会合控えいったん利食い売りが先行(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201210260106.html
”午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点と比べ小幅ドル安/円高の80円前半。輸出企業の売りに加え海外短期筋の売りに押され一時80円ちょうど付近まで軟化した。
 市場の関心は来週の日銀金融政策決定会合に注がれているが、追加緩和期待で78円台からドルを買い上がってきた短期筋は、実際のイベントを目前に控え、いったん利食い売り(円買戻し)を先行させている
 この日は、シンガポールが休場のため、大口のフローは観測されていないという。
 アジア株安でクロス円の上値は重く「これまで出ていなかった輸出企業の売りがきょうはクロス円で出ている」(大手信託銀行)との声がきかれた。
 ユーロ/円は103半ばで高値104.05円から下落。
 豪ドルは82円半ば、前日につけた2カ月ぶり高値83円47銭から大幅下落した。クロス円では短期筋による週末を控えた利益確定売りが先行しているもよう。
 ドル/円について、大手信託銀行の関係者は「ポジションがロング気味であることに加え、週末でもう少し利益確定売りが出る可能性がある。79.80―79.90円を切れてくるとストップが控えている可能性がある」と話した。
〔中略〕
 市場では、日銀が30日に開く金融政策決定会合で資産買入基金を10兆円増額させることがほぼ織り込み済みとなっており、追加緩和策発表後の円買戻しリスクを警戒する声が多い。
 「日銀の追加緩和期待は既に市場で高まり、それを見越した円売りも相当程度出ているので、実際の緩和があれば『セル・オン・ファクト』(期待の現実化を受けたドル売り)になりやすい」とJPモルガン・チェース銀行・債券為替調査部長の佐々木融氏は予想する。
 大手証券の関係者は「来週の日銀会合に向けて(追加緩和の具体的な内容について)ハードルが上がっている。追加緩和をしたとしても、サプライズ的な緩和にはなりにくく、決定内容の発表後の(ドル/円の)ラリーは限定的で利益確定の売りが先行しそう。ただ、緩和が期待通りでなかった場合にドル/円が調整するようであれば、引き続き政治圧力が掛かるだろう。その意味で、79円台が押し目買いのチャンスになってくる可能性がある」と話した。
 日銀決定会合の先を見通せば、11月2日に予定される10月の米雇用統計が弱い内容になるとの見方が多く、「手放しで81円、82円とドルを買い上がれる地合いでもない」(米銀)という。”

こちらは週末を控えて動きが変わってきた金曜昼の状況。
材料出尽くしを予想する市場関係者の警戒感が色濃く滲む。

先週は余りにも日銀緩和を市場が先取りし円安方向に走り過ぎていた。
思惑が先に出過ぎてしまうと必ずその反動が来るものだ。
当ウェブログもセル・オン・ザ・ファクトを強く警戒するスタンスである。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄。竹内製作所も富士重工も上方修正、順当である。

 ↓ 富士重工(Rakuten.sec) 水準が高くひとまず反落の可能性も


 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587
             542 → 608 / 494 → 577 / 540 → 577
             541 → 602 / 529 → 602 / 489 / 518

 三菱商事(東証一部 8058) 1,970 → 1,931 / 1,622 → 1,931
               1,534

 竹内製作所(JASDAQ 6432) 636

 トーセイ(東証二部 8923) 25,170

 東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277

 富士重工(東証一部 7270) 467 → 670 / 573

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215
                     1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526
                     1,341 → 1,752
                     1,906

 マツダ(東証一部 7261)  232 / 178 / 87

 昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966
                  716 → 723 / 688

UAは既に中間決算発表前に上方修正している。

 ↓ UA(Rakuten.sec) 急反発で上方トレンド復帰に向かうか



米GDP、2.0%増に加速=オバマ氏に朗報か―第3四半期・大統領選後の課題残る(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012102600941
”【ワシントン時事】米商務省が26日発表した2012年第3四半期(7~9月)の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比2.0%の増加となった。個人消費、住宅投資などが拡大して前期の1.3%増(確定値)を上回り、12年第1四半期に並んだ。再選を目指すオバマ大統領にとって、大統領選直前のGDP加速は朗報と言えそうだ。
 ただ、財政見通しの不確実性などを背景に、設備投資がマイナスに転落。着実な景気回復につなげられるか、オバマ氏、ロムニー共和党大統領候補のいずれが勝利しても選挙後の課題となりそうだ。
 GDPの約7割を占める個人消費は2.0%増で、前期の1.5%増から加速。物品分野では自動車など耐久財が8.5%増(前期は0.2%減)と2四半期ぶりにプラスを回復、衣料など非耐久財は2.4%増(同0.6%増)。サービス分野は0.8%増(同2.1%増)となった。”

当ウェブログの主張してきた通りの展開。
米経済は(よろめきながらも)緩やかな回復を続けている。
株式市場が堅調になるとともに余力の出てきた上流層の消費から回復する、
いつもながらの回復パターンである。

『日経会社情報』2012-IV 秋号


    ◇     ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

週初から円安圧力が強まっていたのでポンドショートはすぐロスカット、
128円前後からロング転換、木曜にショート転換と忙しい週だった。

 2012/10/25 128.91 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)

    現在 > 103.24 ユーロ/円(損益136%)← 今年の損益率
         82.59  豪ドル/円
         79.62  米ドル/円

 ◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2012/10/18 127.47 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/08/29 81.23 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/09/12 125.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/27 81.86 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/08/15 123.83 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/20 95.50 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/07/13 123.21 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/06 97.98 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/29 125.19 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/06/21 100.82 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/14 123.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/06/07 99.03 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/01 120.02 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/05/23 100.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/05/14 102.44 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/05/11 128.50 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/04/27 106.60 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/04/19 130.30 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/04/13 128.88 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/04/06 84.02 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/03/30 132.57 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/03/22 85.75 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/03/13 128.51 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/03/13 83.48 CAD/JPY Lev ×1.5
 2011/07/11 80.40 USD/JPY Lev ×1.5
 2012/02/17 125.76 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/02/10 102.33 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/02/02 81.42 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/01/27 101.79 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/01/25 77.71 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/01/20 99.72 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/12/16 77.65 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/12/28 101.49 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)

 …以下省略…


「資源国通貨は底打ちしました。
 豪中銀は政策金利を引き上げ始めており、
 豪ドルは緩やかな上昇トレンドに入っています」

豪ドルの中長期的な見通しは変わりません。72円が当面の底になりそう。

「90円から72円のレンジ圏を想定」

ユーロ円は予想通り頭打ちの形になりつつある。
豪ドルとポンドに急落の可能性が出てきた。

ドル円は日銀緩和を先取り過ぎ、そろそろ頭打ちの可能性も。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
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  (当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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『週刊エコノミスト』10月30日号 -「父親が高所得の女性、低所得の男性は未婚率が高い」と山田昌弘教授

2012-10-26 | 『週刊エコノミスト』より
週刊エコノミストの特集は「土地と相続とカネ」。
何気に売れているようです。読者層が分かりますね。

メイン特集ではP38の税理士・弁護士による匿名座談会、
P87の「安易な法人設立は逆効果」がお薦め。
節税目的の法人化が増えたため税務調査のターゲットになるとか。
調査官によって基準が違うらしく厄介な話です。

投資関連ではP80で住宅金融支援機構の小林正宏氏が
アメリカの住宅価格推移を四種類の指標で綺麗に纏めている
力作の図表があるので必見です。
政策効果とは言え米不動産の底打ちは間違いないですね。

他にはP78の韓国教育事情も興味深い。
教育費の重荷に喘ぐエデュプアという造語が出現するだけでなく、
塾の教習時間や塾費徴収の違法行為を告発する学パラッチと称する
密告制度もあるらしく、どう見ても健全ではない。

『エコノミスト』2012年 10/30号


エントリーのサブタイトルはP44のインタビューより。
山田昌弘教授の主張はタブーに挑戦する堂々の正論であり、
それを認めない限り日本経済の沈滞が続くだろう。

未婚率上昇の第一の原因が経済的要因であること、
女性側は「三平」と言っても条件を少し下げただけで意識が変わっていないこと、
専業主婦を制度優遇している先進国のスペイン、ギリシャ、イタリア、日本は
みな財政赤字が大きく女性の労働力率が低いこと。

全て的確な指摘なのだが政府も官庁もメディアもそれを理解していない。
(ついでに言えばこれらの国は経済成長率も低い劣等生である)

ただ山田教授は経済政策の専門家ではないので処方箋は弱い。
所得税を引き上げて教育予算(バウチャー発行や奨学金)に所得移転し、
不平等を助長する配偶者控除と第3号被保険者は原則廃止、
高額年金と退職金に北欧並みの課税を行って
保育・介護分野の雇用創出に投入する高度なポリシーミックスが必要だろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊ダイヤモンド』はもうひと息かな。。
「勤務者に人気の病院」や「地域で最も感謝されている病院」、
「医療環境に恵まれた地域」とかもうひと工夫が必要な気がする。

『週刊ダイヤモンド』2012年 10/27号


日本の医療の場合、問題は終末期に湯水のように医療費を使い過ぎること、
人口動態が絶望的なのに政府も官庁も当事者も目先しか見ていないのが
最大のリスクなのであって、10年後、20年後に医療財政は悲惨になるだろう。
これも自業自得なのだから付ける薬が無い。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊東洋経済』は大学特集なのだが。。
当事者の主張を鵜呑みにし過ぎている部分が多い。
文科省から情報を得て分析せず書いているのでは?

「日本の大学進学率は低い」「高等教育への財政支出が少ない」というのは
税収制約が強まる中で必死に予算増を狙う教育関係者の常套句だ。

諸外国との違いは、日本社会そのものに要因があったり
(例えば高等教育の費用は家庭で負担すべきとの意識が非常に強い)
教員や職員の質、或いは大学経営の質の問題も非常に大きい。
(大学の授業は日本よりアメリカの大学の方が学生側の評価が概ね高い)
流行に弱く己の議論の検証すらしない「猫の目」中教審を信用してはならない。

『週刊東洋経済』2012年 10/27号


授業時間の少ないアメリカの大学と日本の大学の学習時間を単純比較するなど、
まともな高等教育を受けた人間の分析とは思えない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

来週はダイヤモンドが面白そう。

▽ 「モトが取れる」という発想は身も蓋もないが斬新だ。

『週刊ダイヤモンド』2012年 11/3号


はっきり言って過半数の大学はもうモトが取れないと思う。
税金で勉強できる国公立大学は比較的有利だが。。
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