みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

シティが救済されても、米経済はV字回復不可能 - Big3のCEOはエコノミーで帰る位の根性を示せ

2008-11-24 | 注目投資対象・株価の推移
どうなることかと思ったのですが、
24日昼過ぎに第一報が入り、
米財務省がシティ救済を決定しました。

賢明かつ適切な判断だと思います。
と言うより、他に選択肢がないのでしょう。

オバマ政権は米経済という余りにも重い荷を背負って
よろめく船出となるに違いありません。





『リーマン恐慌』(岩崎日出俊,廣済堂出版)

△ おお! 岩崎日出俊 氏の新刊が出ています!

直近1年の豪ドルの推移
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=audjpy=x&d=c&k=c3&h=on&z=m

 → 予想通り60円台を割り込み、
   一時は57円台まで急落しました。
   週末はNYの急反発を受けて60円台を回復。

▽ infoseek にドル円20年チャートあり。
http://finance.www.infoseek.co.jp/MnForex/fxchart/?fx=F1001

シティ救済は間違いなく良いニュースです。
一度ダウは上に戻り、日欧中印もこれに追随するでしょう。
ただ景況悪化は継続します。(ビッグ3も片付いていませんし)

伸び切ったところでショートに入る市況ではないでしょうか。

米財務長官:ガイトナーNY連銀総裁起用へ 市場信任厚く(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/money/news/20081122k0000e030041000c.html

”【ワシントン斉藤信宏】オバマ次期米大統領は21日、ニューヨーク連邦
 準備銀行(NY連銀)のティモシー・ガイトナー総裁(47)を次期政権
 の財務長官に起用する方針を固めた。経済担当の大統領補佐官にはローレ
 ンス・サマーズ元財務長官(53)を充てる。複数の米メディアが一斉に
 報じた。ガイトナー氏は、3月の証券大手ベア・スターンズ救済劇で金融
 業界との調整役を務めるなど、一連の金融危機対応で中心的な役割を演じ
 てきた。オバマ氏は、自分と同年齢で金融業界や市場からの信認の厚いガ
 イトナー氏を起用することで、「100年に1度」と言われる金融危機の
 収束に向けた決意を示す。
 「経営破綻が経済全体に与える大打撃に比べればささやかなものだ」--。
 ベア社救済後の4月の議会公聴会で、米連邦準備制度理事会(FRB)に
 よる特別融資に批判的な議員に、ガイトナー氏は毅然とした態度で応じた。
 学者肌のバーナンキFRB議長とは雰囲気が異なり、質問した議員が逆に
 勢いに押される場面すらあった。
 証券大手リーマン・ブラザーズの破綻を決定づけたNY連銀での協議にも、
 ガイトナー氏の姿があった。ポールソン財務長官と二人三脚で、金融機関
 への公的資本注入までの一連の危機封じ込め策を主導した。
 ガイトナー氏は88年に米財務省に入り、99~01年までクリントン政
 権下で国際金融担当の財務次官を務めた。01年からは国際通貨基金(I
 MF)の政策企画審査局長として、アジア経済危機後の市場安定化策の具
 体化などに携わり、03年11月からNY連銀総裁を務めている。
 日本とのつながりも深い。80年代には在日米大使館で勤務した経験もあ
 り、日本語と中国語が堪能。日本の政治・経済事情にも詳しく、財務次官
 補時代の98年、銀行の不良債権処理による金融システム安定化の必要性
 を強調。現在の米金融危機では、日本の不良債権問題を参考に対処したと
 言われている。父親の仕事の関係で海外生活が長く、タイ・バンコクのイ
 ンターナショナルスクールを卒業。大学ではアジア研究に打ち込んだ。日
 本とタイのほか、中国や東アフリカで生活した経験もあり、国際色豊かな
 オバマ氏とも似た経歴を持つ。
 議会でも「頭脳明晰(めいせき)で判断が早く、話の内容も非常に分かり
 やすい」(民主党幹部)と評価が高く、米メディアは「オバマ氏は賢明な
 人選をした」と好意的に取り上げた。”

 → 人事だけでダウが急騰した、とされる局面は珍しいです。
   本当にガイトナー氏が材料だったかどうか
   証明することは限りなく不可能に近いですが、
   毎日新聞の丁寧な記事を見る限り
   相当な逸材であるのは間違いありません。

   アメリカは様々な欠点を持つ国ですが、
   人材の層の厚みと質の高さは羨ましい限り。

   (注:景況悪化は人事に関わらず確実に続きます)

東京外為市場・正午=ドル96円半ば、米自動車メーカー救済法案の行方に注目(reuters)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200811190056.html

”米下院のペロシ議長(民主党)は18日、記者団に対し、国内自動車メーカ
 ーは政府の支援がなければ今後2カ月を乗り切れないと「強く主張している」
 と述べ、自動車業界救済法案の可決を要請した。
 米民主党は、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、クライ
 スラーのビッグスリーに対して総額250億ドルの融資を可能にする救済策
 を上院に提出した。法案によると、財源は金融安定化法の不良資産救済プロ
 グラム(TARP)、融資の期間は10年で、長期にわたる企業存続を確実
 にするために資金を用いることができる。
 しかし、ポールソン財務長官は18、TARPについて「経済上の難局すべ
 てに対する万能薬ではない」としたうえで、米自動車メーカーの破綻は望ま
 しくないが、破たん回避に金融安定化法を使うべきではないとの考えを示し
 た。
 市場では、「長官のスタンスは正論ではあるが、次期オバマ政権まで約2カ
 月間の空白ができてしまう。(長官は)空気が読めていない
」(外為専門会
 社)との声が聞かれるほか、「TARPではなくチャプター・イレブンの可
 能性もあるのではないか
」(外銀)との憶測も流れている。
 他方、ベアー連邦預金保険公社(FDIC)総裁は18日、住宅差し押さえ
 抑制に向けて、TARPからの資金援助が必要とあらためて言及した。バー
 ナンキ米連邦準備制度(FRB)理事長は、FDICの計画に一定の理解を
 示す一方、政府にとって相当なコストになるとも述べた。
 「思っていたとおり、7000億ドルのTARPでは資金が足りない。次期
 政権の対応を見守りたい」(外為アナリスト)との声も聞かれる。”

 → 19日の段階で、これだけ質の高い分析が出ていました。
   投資家としては chapter 11 は勘弁して欲しいのですが、
   (不透明性が格段に高まるため)
   その不吉な可能性に備えておく必要はあります。

   シティが救われても、政府の抱えるコストは
   加速度的に増大するでしょう。
   オバマ政権は前途多難です。

米ビッグスリーCEOが議会で業界支援を訴え、議員から厳しい声も(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-349895.html?C=S

”公聴会ではワゴナーCEOのほか、フォード・モーターズのムラーリCEO、
 クライスラーのナルデリCEO、全米自動車労組(UAW)のゲトルフィン
 ガー委員長らが証言した。
 各社のCEOは公式に初めて政府に求める具体的な支援額に言及した。GM
 は100億~120億ドル、フォードは80億ドル程度、クライスラーは7
 0億ドル程度が必要という。
 ムラーリCEOは「国内自動車業界は過去に過ちを犯した。過去30年で最
 悪の経済状況により状況は悪化している」と述べた。
 議会からの反応は芳しいものではない。共和党のシェルビー上院議員(アラ
 バマ州)は、自動車メーカーは「破綻したモデル」として、破産法申請すべ
 きだと述べた。同じく共和党のグラム議員(サウスカロライナ州)は「業界
 の基本的な問題は、グローバル経済下で生き残るための見込みがないビジネ
 スモデルを編み出したことだ」と述べた。
 〔中略〕
 UAWのゲトルフィンガー委員長は、自動車メーカー1社が破綻すれば「も
 う1社も破たんし、おそらく3社すべてが破綻するだろう」と述べた。
 同じく公聴会で証言したメリーランド大学のピーター・モリチ教授(経済学)
 は「3メーカーの資金は急速に枯渇しており、破産法11条の適用申請に直
 面している。破産による更生を経て、新たな労使協約、債務削減、経営陣を
 強化して再生するほうがよい」との見解を示した。
 自動車メーカーは米国の雇用の10人に1人は自動車関連で、救済すること
 は妥当だとしている。3社は国内で25万人を雇用、部品メーカー、販売会
 社、運送業者、レンタカー業界を含めると400万人以上が関連業界で職を
 得ている。”

 → 米経済のかつての象徴、今は「お荷物」のビッグ3です。
   豪華3点セットで250億ドル!
   これではシティ救済もう1回分強に相当します。

   アメリカ国債は大丈夫なのか??

   ビッグ3の経営陣に冷たい目が向けられている
   ことを伝える、以下のような報道もあります。

ビッグ3首脳 議会でやり玉「自家用機は売って帰れ」(asahi.com)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/m20081121002.html?C=S

”経営危機に陥り、公的資金による救済を米議会の公聴会で訴えたビッグス
 リー(米自動車3大メーカー)のトップ3人が、会社の自家用ジェット機
 でワシントンに駆け付けていたことが19日分かり、議会でやり玉に挙が
 った。金融安定化法の公的資金枠を活用して250億ドル(約2兆400
 0億円)を緊急融資する民主党提出の法案は週内採決のメドが立っていな
 い。ビッグスリーのトップらへの世論の反発が強まれば、救済の行方は一
 段と不透明になる。
 ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長、フォード・モーターのム
 ラーリ最高経営責任者(CEO)、クライスラーのナルデリ会長の3人は
 18日、会社所有の自家用機でワシントン入りし、上院公聴会で政府の支
 援を訴えた。
 しかし、19日の下院金融サービス委員会の公聴会で、アカマン下院議員
 (民主)が自家用機使用を「釈然としない」と批判、旅客機のファースト
 クラスにするよう持ちかけた。シャーマン下院議員(同)は「自家用機は
 今売って、商業便で帰ろうという人は挙手を」と迫った。これらの指摘に
 3トップは無言・無反応のままだった

 ABCテレビによると、ワゴナー会長の自家用機はGM所有で3600万
 ドル。ワシントンとデトロイトの往復費用は約2万ドルだが、民間航空便
 のファーストクラスなら約840ドルで済む。ムラーリCEOは週末、デ
 トロイトからシアトルの自宅に自家用機で帰っているという。”

 → 正直、この3名は馬鹿かと思いました。
   自家用機のひとつやふたつで法案が通るのなら、
   そんなもの売り飛ばせば良いのです。

   「エコノミークラスで国民に謝罪しながら帰ります」

   位の台詞は言って当然です。
   何のためにCEOの椅子に座っているのか、
   本当に自覚しているのでしょうか。

    ◇      ◇     ◇     ◇

注目銘柄です。乱高下継続中。

ショートを決済するのもひとつの考えですが、
いつまた急落市況に戻るか分かりませんので、
それだけ御注意下さい。

  【住友金属鉱山(東証一部 5713)の株価推移】 > ショート

 [9月29日] [11月21日]
 1,152円 → 701円 ▽ 451(+39.1%)

  【住友化学(東証一部 4005)の株価推移】 > ショート

 [10月11日] [11月21日]
   375円 → 283 円 ▽ 92(+24.5%)

  【新日本製鐵(東証一部 5401)の株価推移】 > ショート

 [9月29日] [11月7日]
   429円 → 270 円 ▽ 159(+37.1%)

  【日立建機(東証一部 6305)の株価推移】 > ショート

 [10月3日]  [11月21日]
  1,973円 → 991円 ▽ 982(+49.8%)

  【昭和シェル石油(東証一部 5002)の株価推移】

 [7月14日]  [11月21日]
  1,175円 → 731円 ▼ 444(-37.8%)

  【富士重工(東証一部 7270)の株価推移】

 [11月4日]  [11月21日]
   355円 → 289円 ▼ 66(-18.6%)

「鉄鋼・機械など重厚長大のシクリカル銘柄は
 そう簡単に回復することはできないでしょう」

見方は変わりません。

米財務省がシティへの1.9兆円の出資発表、優先株取得へ(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-350624.html

”米財務省は23日遅く、米金融大手シティグループ支援策の一環として、
 同社に200億ドル(約1兆9000万円)を出資し、優先株を取得する
 方針を明らかにした。
 シティグループの支援策をめぐる週末の協議後、明らかにした。
 発表によると、同省と米連邦預金保険公社(FDIC)は、シティのバラ
 ンスシート上のローンおよび証券約3060億ドル相当を保証する方針。
 同省はまた、米連邦準備理事会(FRB)が、この資産プールの追加リス
 クについて、ノンリコースローンの提供を通じて保証する用意があるとし
 ている。”

 → 発表時間から見て(日本と東海岸は約半日違う)、
   緊迫感に満ちた協議が為されたと推測します。

   25日の東証は急反発するでしょうが、
   忘れてはなりません。これは単なる止血処置です。
   大手術の後の患者がいきなり立ち上がって
   歩き出すことはあり得ないのです。


    ◇      ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

両建てを継続中です。
危険な時には無駄に動いてはいけません。

想定通り豪ドルが50円後半で急反発しましたが、
ピッチが速くてロングで入れませんでした。
……今週は試しに少しロングを増やす予定です。

 2008/11/11 65.78 AUD/JPY Lev ×5 (ショート)
 2008/11/07 66.58 AUD/JPY Lev ×5

    現在 > 60.61 豪ドル/円 (損益78%)


  ▼ ポジション解消済み
 2008/11/06 65.33 AUD/JPY Lev ×4
 2008/10/29 61.08 AUD/JPY Lev ×5
 2008/10/24 58.49 AUD/JPY Lev ×5 (ショート)
 2008/10/17 70.33 AUD/JPY Lev ×6 (ショート)
 2008/10/10 63.58 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/10/06 77.21 AUD/JPY Lev ×10 (ショート)
 2008/09/30 83.32 AUD/JPY Lev ×4
 2008/10/01 83.65 AUD/JPY Lev ×3
 2008/10/02 82.58 AUD/JPY Lev ×3
 2008/09/19 87.10 AUD/JPY Lev ×4 (ショート)
 2008/09/18 84.02 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/09/20 89.04 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/09/12 88.02 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/09/11 87.58 AUD/JPY Lev ×4 (ショート)
 2008/09/10 85.29 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/09/01 92.84 AUD/JPY Lev ×10 (ショート)
 2008/08/28 94.43 AUD/JPY Lev ×10
 2008/08/11 94.12 AUD/JPY Lev ×10 (ショート)
 2008/08/05 99.18 AUD/JPY Lev ×5.0 (ショート)
 2008/08/04 99.98 AUD/JPY Lev ×5.0 (ショート)
 2008/07/16 101.87 AUD/JPY Lev ×2.5 (ショート)
 2008/07/15 104.40 CAD/JPY Lev ×5.0 (ショート)

 …以下省略…


「資源国通貨の時代は終わりました。
 豪ドルは今後、主としてショートの対象となるでしょう」

中長期的な見通しは変わりません。

「下方圧力がやや緩和、
 57~67円/豪ドルのボックス圏か」

短期的な見通しは以上のように変更します。
65円を超えてきたらショートの好機と考えます。

ビッグ3救済策が当面予想される撹乱要因。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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