核燃料サイクル開発は歴史に大きな汚点を残すことになろう。
湯水のように予算を無駄にしてきただけでなく、
特大の情報隠蔽が明らかになったからだ。
2002年にロシアから使用済み燃料の直接処分を提案されたが
原子力委員会と資源エネ庁幹部がそれを握りつぶしたと言う。
理由は何と「六ヶ所の再処理工場が稼働できなくなる」から。
公益も民意も完全無視してただ自らの組織の利益だけを
ひたすら追求する本性が図らずも明らかになった訳だ。
かつてインパール作戦で多くの日本人を悲惨な死に追いやり、
ニューギニアで無数の同胞を餓死させた陸軍上層部は、
きっとこのようなメンタリティに支配されていたのだろう。
▽ 内部から見た原子力ムラの無責任な体質
▽ 核燃料サイクルと高速増殖炉は完全な失敗技術で巨額予算を無駄にした。
きちんと調べずに、こういういい加減な文章を書く素人もいる。
「いまさら人に聞けない核燃料サイクル」
http://blogos.com/article/23959
↓
「…中間貯蔵施設が完成すると、日本の原子力政策の大きな弱点がなくなってしまい、核燃料サイクルがスムースに回ってしまうのです(高速増殖炉という50年先の技術は抜かして、ですが)…」
核燃:ロシアの再処理提案文書を隠蔽 「六ケ所」の妨げと(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/m20111124k0000m040128000c.html
”ロシアが02年、日本の原発の使用済み核燃料をロシアで一時的に貯蔵(中間貯蔵)
したり、燃料として再利用するために処理(再処理)するプロジェクトを提案する
外交文書を送っていたことが関係者の話で分かった。内閣府の原子力委員会や経済
産業省資源エネルギー庁の一部幹部に渡ったが、六ケ所村再処理工場(青森県)稼
働の妨げになるとして、核燃サイクル政策の是非を審議していた国の審議会の委員
にさえ伝えなかった。当時、漏水事故の続発で再処理工場の安全性を疑問視する声
が高まっており、不利な情報を握りつぶして政策を推し進める隠蔽体質が浮かんだ。
◇02年、国の審議会にも伝えず
東京電力福島第1原発事故を受けて設置した政府のエネルギー・環境会議は、核燃
サイクルを含むエネルギー政策を抜本的に見直す方針。情報隠しが判明したことで、
政策決定の妥当性に厳しい検証が求められそうだ。
文書は02年10月25日付でA4判2ページ。尾身幸次・元科学技術政策担当相
宛てで、ロシア語で書かれており、ルミャンツェフ原子力相(当時)の署名がある。
受領した在ロシア日本大使館が日本語訳を付け、内閣府原子力政策担当室(原子力
委員会の事務局役)幹部らに渡した。大使館はさらに04年初めまでにエネ庁の一
部幹部にもファクスで送ったという。
〔中略〕
03~04年、経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」
や原子力委の「新計画策定会議」が、使用済み核燃料をすべて国内で再処理する
「全量再処理路線」継続の是非を審議していた。約19兆円とされる高コストやト
ラブルの続発を受け、六ケ所村再処理工場に初めて放射性物質を流す「ウラン試験」
開始に異論を唱える委員もいたが、ロシアからの提案は知らされなかった。結局、
再処理継続が決まり、04年12月にウラン試験が行われた。
経産省やエネ庁の関係者によると、エネ庁幹部は当時、周辺に「極秘だが使用済み
核燃料をロシアに持って行く手がある。しかしそれでは六ケ所が動かなくなる」と
語っていた。海外搬出の選択肢が浮上すると、全量再処理路線の維持に疑問が高ま
る可能性があるため、隠蔽を図ったという。ある関係者は「ロシアの提案は正式に
検討せず放置した」、別の関係者も「原子力委とエネ庁の技術系幹部という一部の
『原子力ムラ』で握りつぶした」と証言した。
原子力委は委員長と4委員の計5人。他に文部科学省や経産省からの出向者らが事
務局役を務め、重要な原子力政策を決定する。【核燃サイクル取材班】”
→ 原子力ムラに関しては何が出ても驚かなくなってきたが、
この情報隠蔽には流石にぎょっとした。
有権者に事実を伝えず隠そうとした訳だから、
根本的に民主主義に敵対する行為と言わざるを得ない。
原発事故コスト、従来の発電費用の2割(読売新聞)
http://www.acs.yomiuri.co.jp/national/news/20111025-OYT1T00701.htm
”原子力発電所事故に伴う損害額などを試算する内閣府原子力委員会の小委員会(座
長=鈴木達治郎・原子力委員長代理)は25日、日本の原発が過酷事故を起こす確
率は最大で500年に1回で、1基あたりの標準的な損害額は3兆8878億円、
将来の損害に備えるために必要な費用は、従来の発電コストの約2割にあたる1キ
ロ・ワット時あたり1・1円とする試算を発表した。
政府機関が原発事故のコストを算出したのは初めて。また、使用済み核燃料を再処
理して使う「核燃料サイクル」の費用も7年ぶりに再検証し、再利用せずに地中に
埋めて捨てる場合に比べて約2倍になるという結果を示した。
二つの試算結果は、今後のエネルギー政策を検討するための基礎資料になる。この
結果は近く、発電方法別に発電コストを比較検討する政府のエネルギー・環境会議
に報告される。
〔中略〕
こうした事故が起きる確率として、国際原子力機関(IAEA)が新設炉に求める
安全目標値は、「10万年に1回」だった。
また、使用済み核燃料の処理に伴う費用は、すべてを再利用する「再処理」だと1
キロ・ワット時あたり1・98円、一部を再処理して残りを中間貯蔵する「現状」
だと同1・39円、すべて地中に埋める「直接処分」だと同1・00~1・02円
と試算された。”
→ あの読売新聞でさえも再処理費用が
「やるだけ無駄」であるのを明らかにしている。
ざっと見ただけでもコストの見積もりが
かなり甘いとの印象を受けるが、
それでも直接処理よりコストが高いということは、
核燃料推進派は国富に損害を与え巨額税収を無駄にした訳だ。
核燃料サイクル、原発と一体で推進を=不退転の決意示す―八木電事連会長(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011112500626
”電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は25日の記者会見で、使用済み核
燃料の再処理など一連の核燃料サイクル事業について「原子力発電と一体となって
推進するもの。不退転の決意で取り組みたい」と述べ、従来方針通りの事業継続に
強い意欲を示した。
政府の「政策仕分け」で抜本的な見直しを求められた高速増殖炉「もんじゅ」(福
井県敦賀市)についても、「サイクル(事業)の根幹。長期のエネルギー安定供給
に向けた大変重要な技術だ」とし、必要性を改めて訴えた。”
電気事業連合会(電力会社の業界団体)のコメントはこちら。
「不退転の決意」を分かり易く翻訳すると、
国民が何を言おうが無視してやりたいようにやるという意味である。
もちろん核燃料サイクルと運命を共にする日本原燃も
必死に核燃料サイクル開発継続を訴えているが
国益のためとは全く思えない。
湯水のように予算を無駄にしてきただけでなく、
特大の情報隠蔽が明らかになったからだ。
2002年にロシアから使用済み燃料の直接処分を提案されたが
原子力委員会と資源エネ庁幹部がそれを握りつぶしたと言う。
理由は何と「六ヶ所の再処理工場が稼働できなくなる」から。
公益も民意も完全無視してただ自らの組織の利益だけを
ひたすら追求する本性が図らずも明らかになった訳だ。
かつてインパール作戦で多くの日本人を悲惨な死に追いやり、
ニューギニアで無数の同胞を餓死させた陸軍上層部は、
きっとこのようなメンタリティに支配されていたのだろう。
▽ 内部から見た原子力ムラの無責任な体質
『まやかしの安全の国 ― 原子力村からの告発』(田辺文也,角川グループパブリッシング) | |
▽ 核燃料サイクルと高速増殖炉は完全な失敗技術で巨額予算を無駄にした。
『原子力の社会史―その日本的展開』(吉岡斉,朝日新聞社) | |
きちんと調べずに、こういういい加減な文章を書く素人もいる。
「いまさら人に聞けない核燃料サイクル」
http://blogos.com/article/23959
↓
「…中間貯蔵施設が完成すると、日本の原子力政策の大きな弱点がなくなってしまい、核燃料サイクルがスムースに回ってしまうのです(高速増殖炉という50年先の技術は抜かして、ですが)…」
核燃:ロシアの再処理提案文書を隠蔽 「六ケ所」の妨げと(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/m20111124k0000m040128000c.html
”ロシアが02年、日本の原発の使用済み核燃料をロシアで一時的に貯蔵(中間貯蔵)
したり、燃料として再利用するために処理(再処理)するプロジェクトを提案する
外交文書を送っていたことが関係者の話で分かった。内閣府の原子力委員会や経済
産業省資源エネルギー庁の一部幹部に渡ったが、六ケ所村再処理工場(青森県)稼
働の妨げになるとして、核燃サイクル政策の是非を審議していた国の審議会の委員
にさえ伝えなかった。当時、漏水事故の続発で再処理工場の安全性を疑問視する声
が高まっており、不利な情報を握りつぶして政策を推し進める隠蔽体質が浮かんだ。
◇02年、国の審議会にも伝えず
東京電力福島第1原発事故を受けて設置した政府のエネルギー・環境会議は、核燃
サイクルを含むエネルギー政策を抜本的に見直す方針。情報隠しが判明したことで、
政策決定の妥当性に厳しい検証が求められそうだ。
文書は02年10月25日付でA4判2ページ。尾身幸次・元科学技術政策担当相
宛てで、ロシア語で書かれており、ルミャンツェフ原子力相(当時)の署名がある。
受領した在ロシア日本大使館が日本語訳を付け、内閣府原子力政策担当室(原子力
委員会の事務局役)幹部らに渡した。大使館はさらに04年初めまでにエネ庁の一
部幹部にもファクスで送ったという。
〔中略〕
03~04年、経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」
や原子力委の「新計画策定会議」が、使用済み核燃料をすべて国内で再処理する
「全量再処理路線」継続の是非を審議していた。約19兆円とされる高コストやト
ラブルの続発を受け、六ケ所村再処理工場に初めて放射性物質を流す「ウラン試験」
開始に異論を唱える委員もいたが、ロシアからの提案は知らされなかった。結局、
再処理継続が決まり、04年12月にウラン試験が行われた。
経産省やエネ庁の関係者によると、エネ庁幹部は当時、周辺に「極秘だが使用済み
核燃料をロシアに持って行く手がある。しかしそれでは六ケ所が動かなくなる」と
語っていた。海外搬出の選択肢が浮上すると、全量再処理路線の維持に疑問が高ま
る可能性があるため、隠蔽を図ったという。ある関係者は「ロシアの提案は正式に
検討せず放置した」、別の関係者も「原子力委とエネ庁の技術系幹部という一部の
『原子力ムラ』で握りつぶした」と証言した。
原子力委は委員長と4委員の計5人。他に文部科学省や経産省からの出向者らが事
務局役を務め、重要な原子力政策を決定する。【核燃サイクル取材班】”
→ 原子力ムラに関しては何が出ても驚かなくなってきたが、
この情報隠蔽には流石にぎょっとした。
有権者に事実を伝えず隠そうとした訳だから、
根本的に民主主義に敵対する行為と言わざるを得ない。
原発事故コスト、従来の発電費用の2割(読売新聞)
http://www.acs.yomiuri.co.jp/national/news/20111025-OYT1T00701.htm
”原子力発電所事故に伴う損害額などを試算する内閣府原子力委員会の小委員会(座
長=鈴木達治郎・原子力委員長代理)は25日、日本の原発が過酷事故を起こす確
率は最大で500年に1回で、1基あたりの標準的な損害額は3兆8878億円、
将来の損害に備えるために必要な費用は、従来の発電コストの約2割にあたる1キ
ロ・ワット時あたり1・1円とする試算を発表した。
政府機関が原発事故のコストを算出したのは初めて。また、使用済み核燃料を再処
理して使う「核燃料サイクル」の費用も7年ぶりに再検証し、再利用せずに地中に
埋めて捨てる場合に比べて約2倍になるという結果を示した。
二つの試算結果は、今後のエネルギー政策を検討するための基礎資料になる。この
結果は近く、発電方法別に発電コストを比較検討する政府のエネルギー・環境会議
に報告される。
〔中略〕
こうした事故が起きる確率として、国際原子力機関(IAEA)が新設炉に求める
安全目標値は、「10万年に1回」だった。
また、使用済み核燃料の処理に伴う費用は、すべてを再利用する「再処理」だと1
キロ・ワット時あたり1・98円、一部を再処理して残りを中間貯蔵する「現状」
だと同1・39円、すべて地中に埋める「直接処分」だと同1・00~1・02円
と試算された。”
→ あの読売新聞でさえも再処理費用が
「やるだけ無駄」であるのを明らかにしている。
ざっと見ただけでもコストの見積もりが
かなり甘いとの印象を受けるが、
それでも直接処理よりコストが高いということは、
核燃料推進派は国富に損害を与え巨額税収を無駄にした訳だ。
核燃料サイクル、原発と一体で推進を=不退転の決意示す―八木電事連会長(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011112500626
”電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は25日の記者会見で、使用済み核
燃料の再処理など一連の核燃料サイクル事業について「原子力発電と一体となって
推進するもの。不退転の決意で取り組みたい」と述べ、従来方針通りの事業継続に
強い意欲を示した。
政府の「政策仕分け」で抜本的な見直しを求められた高速増殖炉「もんじゅ」(福
井県敦賀市)についても、「サイクル(事業)の根幹。長期のエネルギー安定供給
に向けた大変重要な技術だ」とし、必要性を改めて訴えた。”
電気事業連合会(電力会社の業界団体)のコメントはこちら。
「不退転の決意」を分かり易く翻訳すると、
国民が何を言おうが無視してやりたいようにやるという意味である。
もちろん核燃料サイクルと運命を共にする日本原燃も
必死に核燃料サイクル開発継続を訴えているが
国益のためとは全く思えない。