みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

嘘と欺瞞で支えられてきた核燃料サイクルの終わり - 骨の髄まで隠蔽体質、歴史に汚名が残るのは必至

2011-11-30 | いとすぎから見るこの社会-全般
核燃料サイクル開発は歴史に大きな汚点を残すことになろう。
湯水のように予算を無駄にしてきただけでなく、
特大の情報隠蔽が明らかになったからだ。

2002年にロシアから使用済み燃料の直接処分を提案されたが
原子力委員会と資源エネ庁幹部がそれを握りつぶしたと言う。
理由は何と「六ヶ所の再処理工場が稼働できなくなる」から。

公益も民意も完全無視してただ自らの組織の利益だけを
ひたすら追求する本性が図らずも明らかになった訳だ。

かつてインパール作戦で多くの日本人を悲惨な死に追いやり、
ニューギニアで無数の同胞を餓死させた陸軍上層部は、
きっとこのようなメンタリティに支配されていたのだろう。

▽ 内部から見た原子力ムラの無責任な体質

『まやかしの安全の国 ― 原子力村からの告発』(田辺文也,角川グループパブリッシング)


▽ 核燃料サイクルと高速増殖炉は完全な失敗技術で巨額予算を無駄にした。

『原子力の社会史―その日本的展開』(吉岡斉,朝日新聞社)



きちんと調べずに、こういういい加減な文章を書く素人もいる。


「いまさら人に聞けない核燃料サイクル」
http://blogos.com/article/23959

  ↓

「…中間貯蔵施設が完成すると、日本の原子力政策の大きな弱点がなくなってしまい、核燃料サイクルがスムースに回ってしまうのです(高速増殖炉という50年先の技術は抜かして、ですが)…」


核燃:ロシアの再処理提案文書を隠蔽 「六ケ所」の妨げと(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/m20111124k0000m040128000c.html

”ロシアが02年、日本の原発の使用済み核燃料をロシアで一時的に貯蔵(中間貯蔵)
 したり、燃料として再利用するために処理(再処理)するプロジェクトを提案する
 外交文書を送っていたことが関係者の話で分かった。内閣府の原子力委員会や経済
 産業省資源エネルギー庁の一部幹部に渡ったが、六ケ所村再処理工場(青森県)稼
 働の妨げになるとして、核燃サイクル政策の是非を審議していた国の審議会の委員
 にさえ伝えなかった。当時、漏水事故の続発で再処理工場の安全性を疑問視する声
 が高まっており、不利な情報を握りつぶして政策を推し進める隠蔽体質が浮かんだ。
  ◇02年、国の審議会にも伝えず
 東京電力福島第1原発事故を受けて設置した政府のエネルギー・環境会議は、核燃
 サイクルを含むエネルギー政策を抜本的に見直す方針。情報隠しが判明したことで、
 政策決定の妥当性に厳しい検証が求められそうだ。
 文書は02年10月25日付でA4判2ページ。尾身幸次・元科学技術政策担当相
 宛てで、ロシア語で書かれており、ルミャンツェフ原子力相(当時)の署名がある。
 受領した在ロシア日本大使館が日本語訳を付け、内閣府原子力政策担当室(原子力
 委員会の事務局役)幹部らに渡した。大使館はさらに04年初めまでにエネ庁の一
 部幹部にもファクスで送ったという。
 〔中略〕
 03~04年、経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」
 や原子力委の「新計画策定会議」が、使用済み核燃料をすべて国内で再処理する
 「全量再処理路線」継続の是非を審議していた。約19兆円とされる高コストやト
 ラブルの続発を受け、六ケ所村再処理工場に初めて放射性物質を流す「ウラン試験」
 開始に異論を唱える委員もいたが、ロシアからの提案は知らされなかった。結局、
 再処理継続が決まり、04年12月にウラン試験が行われた。
 経産省やエネ庁の関係者によると、エネ庁幹部は当時、周辺に「極秘だが使用済み
 核燃料をロシアに持って行く手がある。しかしそれでは六ケ所が動かなくなる」と
 語っていた
。海外搬出の選択肢が浮上すると、全量再処理路線の維持に疑問が高ま
 る可能性があるため、隠蔽を図ったという。ある関係者は「ロシアの提案は正式に
 検討せず放置した」、別の関係者も「原子力委とエネ庁の技術系幹部という一部の
 『原子力ムラ』で握りつぶした」
と証言した。
 原子力委は委員長と4委員の計5人。他に文部科学省や経産省からの出向者らが事
 務局役を務め、重要な原子力政策を決定する。【核燃サイクル取材班】”

 → 原子力ムラに関しては何が出ても驚かなくなってきたが、
   この情報隠蔽には流石にぎょっとした。

   有権者に事実を伝えず隠そうとした訳だから、
   根本的に民主主義に敵対する行為と言わざるを得ない。


原発事故コスト、従来の発電費用の2割(読売新聞)
http://www.acs.yomiuri.co.jp/national/news/20111025-OYT1T00701.htm

”原子力発電所事故に伴う損害額などを試算する内閣府原子力委員会の小委員会(座
 長=鈴木達治郎・原子力委員長代理)は25日、日本の原発が過酷事故を起こす確
 率は最大で500年に1回で、1基あたりの標準的な損害額は3兆8878億円、
 将来の損害に備えるために必要な費用は、従来の発電コストの約2割にあたる1キ
 ロ・ワット時あたり1・1円とする試算を発表した。
 政府機関が原発事故のコストを算出したのは初めて。また、使用済み核燃料を再処
 理して使う「核燃料サイクル」の費用も7年ぶりに再検証し、再利用せずに地中に
 埋めて捨てる場合に比べて約2倍になるという結果を示した。
 二つの試算結果は、今後のエネルギー政策を検討するための基礎資料になる。この
 結果は近く、発電方法別に発電コストを比較検討する政府のエネルギー・環境会議
 に報告される。
 〔中略〕
 こうした事故が起きる確率として、国際原子力機関(IAEA)が新設炉に求める
 安全目標値は、「10万年に1回」だった。
 また、使用済み核燃料の処理に伴う費用は、すべてを再利用する「再処理」だと1
 キロ・ワット時あたり1・98円、一部を再処理して残りを中間貯蔵する「現状」
 だと同1・39円、すべて地中に埋める「直接処分」だと同1・00~1・02円
 と試算された
。”

 → あの読売新聞でさえも再処理費用が
   「やるだけ無駄」であるのを明らかにしている。

   ざっと見ただけでもコストの見積もりが
   かなり甘いとの印象を受けるが、
   それでも直接処理よりコストが高いということは、
   核燃料推進派は国富に損害を与え巨額税収を無駄にした訳だ。


核燃料サイクル、原発と一体で推進を=不退転の決意示す―八木電事連会長(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011112500626

”電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は25日の記者会見で、使用済み核
 燃料の再処理など一連の核燃料サイクル事業について「原子力発電と一体となって
 推進するもの。不退転の決意で取り組みたい」と述べ、従来方針通りの事業継続に
 強い意欲を示した。
 政府の「政策仕分け」で抜本的な見直しを求められた高速増殖炉「もんじゅ」(福
 井県敦賀市)についても、「サイクル(事業)の根幹。長期のエネルギー安定供給
 に向けた大変重要な技術だ」とし、必要性を改めて訴えた。”

電気事業連合会(電力会社の業界団体)のコメントはこちら。
「不退転の決意」を分かり易く翻訳すると、
国民が何を言おうが無視してやりたいようにやるという意味である。

もちろん核燃料サイクルと運命を共にする日本原燃も
必死に核燃料サイクル開発継続を訴えているが
国益のためとは全く思えない。
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自民・民主支持層の半数近くが離反し、橋下新市長に投票 - 既成政党が総崩れの「大阪冬の陣」

2011-11-29 | いとすぎから見るこの社会-全般
ただ一つの市長選でこれだけの波紋を呼ぶ点で、
この選挙の持つ重大性が分かるというものだ。

結果としては、賛否はあれ現状打破の改革を唱えた橋下氏の圧勝。
それに対抗するビジョンを何ら提示しなかったのだから
対立候補が大敗するのは当然である。

週刊誌等のやけに必死なネガティブキャンペーンも
当ウェブログの指摘通り、橋下陣営に逆利用される始末。
(あれで却って支持者が増えた可能性が高い)

毎日新聞の調査によれば、自民党支持層と民主党支持層のほぼ半数が
党の方針にそっぽを向いて橋下氏に投票している。
これは、
既成政党が有権者の期待に応えていないことを意味する。

以下のエントリーの通り、橋下有利は容易に予想できるものだった。
郵政選挙の再現を見るようで、「コイズミ化」は着々と進んでいる。

橋下徹・前大阪府知事がコイズミ化している件 -「気色悪い政党相乗り」でますます漁父の利に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b228632c70b4ca49d8248c9c3c23e56a

実はもうひとつ面白い話がある。

今春の『週刊東洋経済』に掲載されていた
渡邉正裕氏のシミュレーション小説「老人は泣き 若者は笑う」は
橋下政権が日本経済を立て直すシナリオになっていた。

自民・みんなの連立政権の時に国債急落が始まり、
連立政権が崩壊して橋下新政権が誕生するというストーリーだ。

2013年という時期は外れるだろうと思うがその他はかなり的確である。

『週刊東洋経済』2011年 4/2号


その時も書いたが、池田信夫氏のこの小説よりも
格段に鋭い内容でありお薦めしたい。

「もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら」


▽ ストーリーの概要はこちらに纏めてある。どこかの出版社で本にして欲しい。

財政破綻しなければ日本は復活不可能? -「国債暴落はもっと早く来て欲しかった」と渡邉正裕氏(の小説)
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b03d34107c24a57be7725c82754004fd


尚、毎日新聞による丁寧な出口調査は以下の通り。
共産と社民、つまり労組側の完全な「敗者のゲーム」となっている。


大阪ダブル選:橋下氏、幅広く集票…本社・MBS出口調査(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/photo/news/20111128k0000m010150000c.html

”毎日新聞は27日、MBS(毎日放送)と合同でダブル選の投票を終えた有権者を
 対象に出口調査を実施した。大阪市長選では、橋下徹氏が既成政党の支持層や無党
 派層にも幅広く食い込んだ。一方、現職の平松邦夫氏は大阪府連レベルで支援を受
 けた民主、自民支持層をまとめきれなかった。年齢別でも若い世代で特に浸透せず、
 全世代で橋下氏に及ばなかった。投票の判断の基準では維新が掲げる「大阪都構想」
 が最も重視され、橋下氏の問題提起に多くの有権者が応えた形となった。
 府内の投票所60カ所で計3000人から回答を得て、このうち大阪市長選につい
 て分析した。
 性別では男女それぞれ6割が橋下氏を選んだ。年代別では20代、30代の7割が
 橋下氏を選び、40~60代でも6割が支持した。
平松氏は70代以上でほぼ互角
 の支持を得たにとどまった。
 支持政党別では、橋下氏が民主、自民支持層のいずれも5割近くに食い込み、無党
 派層も6割を取り込んだ。
大阪維新の会支持層のほぼ全て、みんなの9割近くを固
 めた。自主投票とした公明の支持層からも4割の支持を得た。平松氏は共産支持層
 の8割に浸透したが、民主、自民の支持層では5割にとどまった。社民支持層は9
 割近くを取り込んだ。
 支持政党は、維新が全既成政党を上回り、2割近くに達した。自民、民主、公明、
 共産と続き、無党派は4割だった。知事選で維新幹事長の松井一郎氏に投票したほ
 ぼ全てが橋下氏、前大阪府池田市長の倉田薫氏に投票した8割が平松氏を選んだ。
 政策別では、府と大阪、堺両市を解体して都と特別自治区に再編する「大阪都構想」
 に5割が賛成し、3割だった反対を上回った。賛成者のほぼ全てが橋下氏、反対者
 のほぼ全てが平松氏を選んでおり、投票行動に大きく関係した。
 また、首長が教育目標を設定するなど教育への政治介入を明確にした教育基本条例
 案には4割が賛成し、反対は2割だった。賛成者の8割が橋下氏、反対者の8割が
 平松氏に投票した。
 投票で重視した政策の順位は、▽都構想▽行財政改革▽経済・雇用▽福祉・医療▽
 教育問題--と続いた。
都構想、行財政改革を重視した人のそれぞれ8割、7割が
 橋下氏に投票。政策より人柄と回答した人の7割が平松氏を選んだ。
 一方、府民も都構想に5割が賛成して2割が反対し、教育基本条例案に4割が賛成
 して2割が反対しており、市民とほぼ同じ傾向を示した。”

橋下氏の政策提言が素晴らしい訳ではないが
他の陣営が何もしないに等しい状況なので棚ぼたの勝利である。

これから都構想実現に努力しても公務員のリストラをしても
税収が増える訳ではない。橋下新市長には大きな試練が待っている。
教育分野で無駄な時間を使って泥沼突入の可能性もある。

…鍵を握るのは経済・雇用対策だろう。

日本の官庁や自治体には税収を増やす能力が著しく低いという欠点があるが
現下の日本において確実に成長を期待できるのは、

1)省エネ・新エネの普及促進
2)外資・外国人滞在者の誘致
3)育児の産業化・効率化による雇用増

しかあり得ない。橋下新市長のお手並み拝見というところだ。
これらの経済梃入れ策に成功したら確実に国政が動くだろう。

そうした意味で東京都より大阪の改革の方が遥かに日本にとって重要である。
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12兆円の国内埋蔵金、社会福祉法人の巨額資産が発覚 -「これほどの内部留保で負担増は納得できない」

2011-11-28 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
相当に注目度の薄れた提言型政策仕分けであるが
どうも内容を精査せず右から左へ流しているメディアが多い。
実現可能性の低さは分かるが選別眼を持って欲しい。

メディアだけでなく日本の有権者の大多数もほぼ同水準なので
右に倣えでスルーしている向きが多いのは嘆かわしい。

実は社会保障分野でかなり重要な指摘が幾つかなされており、
(これまでタブーに近かった勤務医と開業医の報酬格差是正など)
特に
社会福祉法人の純資産総額が12.8兆円もあるとの話には驚愕。

一度、日本版ノーメンクラトゥーラ(社会主義特権階級)
として当ウェブログで取り上げた件なのだが、
その時の話では内部留保1兆円に過ぎなかった。
聞きしに勝る深刻な実態と言わざるを得ない。

日本版「赤い貴族」の存在は原子力ムラだけではないのだ。

1兆円の内部留保を溜め込んだ社会福祉法人、実態は世襲特権階級か - 高コスト体質に莫大な公費投入
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1508a756467e98c1e3feaec4b62d757d

12.8兆円のどこまでが金融資産でどこまでが不動産なのか不明なので
是非とも情報公開を断行して利権の実態を明らかにすべきだ。

今、飛ぶ鳥も落とす勢いで橋下市長が誕生した際であるし、
福祉分野でも「不都合な事実」が表に出るかもしれない。
(社会福祉法人の情報は自治体が持っているがいまだに非公開)

鋭い提言が多いと思っていたら、
矢張り仕分け人の中に鈴木亘教授が。

▽ 恐るべき巨大な「社会保障既得権」

『社会保障の「不都合な真実」』(鈴木亘,日本経済新聞出版社)






『日本経済「余命3年」』(竹中平蔵/池田信夫/土居丈朗/鈴木亘,PHP研究所)


最近知ったのだが、あのライフネットの岩瀬大輔副社長が
鈴木教授に大変な敬意を払っているようだ。


介護職処遇改善「事業者の内部留保活用を」-提言型政策仕分け(キャリアブレイン)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36042.html

”政府の行政刷新会議(議長=野田佳彦首相)は22日、「介護サービスの機能強化と
 効率化・重点化」をテーマに「提言型政策仕分け」を行った。今年度末で介護職員
 処遇改善交付金が終了することを踏まえた今後の処遇改善策については「介護報酬
 の中で対応すべき」と提言。介護事業者に多額の内部留保があるとの指摘もあるこ
 とから、「事業者の内部留保がある場合は、その活用を行うべき」と付け加えた。
 また厚生労働省に対しては、介護事業者が保有する内部留保の状況や、それが適切
 な水準かどうかについて調査を進め、2012年度の介護報酬改定前に行政刷新会議に
 報告することも求めた。処遇改善の実現に当たり介護報酬の加算を創設する際は、
 処遇改善につながる仕組みを整備することも提言した。
 この日の会議で財政当局側は介護職員処遇改善交付金に関して、▽介護職員の人件
 費は一時的な基金でなく、介護報酬で対応すべき▽介護報酬を加算する場合は、人
 件費に充てるよう条件を付けるべき―などと提案した。
 また、特別養護老人ホームなどを経営する全国の社会福祉法人の純資産を合計する
 と、12.8兆円に達する
とも指摘。これに対して評価者からは「内部留保をこんなに
 ため込んでいるのであれば、(被保険者の)負担増は納得できない」「(厚労省が
 内部留保について)集計せずに、このままの状態で介護報酬の改定にいこうとして
 いることに問題がある」などの意見が出された。”

厚労省がこの件を集計せず概況の公表もしない理由は明白だ。
何しろ天下りが多いことでも屈指の官庁であるから、
これだけの内部留保を蓄積できるカネの流れが
厚労省OBに多大な恩恵を及ぼしているとしか考えようがない。

従って、
自浄力は絶対に期待できない
原子力と同じく、追求されても利権構造を頑として認めないだろう。
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バークレイズ香港のリポート「中国の2012年成長率は予想を下回る8.4%に」- 中国PMIも大幅低下

2011-11-27 | 注目投資対象・株価の推移
           ↑ USD/JPY(infoseek)急反転した!

先週のドル円の反転を見て天佑だと思った。
為替介入前の75円後半が今年の最安値になる可能性が高い。
これは言う迄もなく東証を下支えする。

一方、少し前に「株価の動きから見て楽観視すべきでない」
と書いたように中国経済の減速も明確になってきた。
引き続き警戒を要するところ。

さて先週の予想通りユーロ圏でのリスク伝染が進んでいる。
当ウェブログの想定した以下のシナリオの
実現可能性が高まったと見てよかろう。
(ユーロ円が更に下落して危機感が高まる必要があるが)

「ユーロ圏への輸出依存度が高いロシアと中国。
 それにユーロ圏の守護神であるドイツ、
 自国の金融機関を守ろうとするアメリカ、
 円高ユーロ安を避けたい日本の5国が共同で
 ユーロ圏支援に踏み切るシナリオもあり得るだろう」

「結局ドイツも追い詰められてユーロを防衛せざるを得ないだろう」


さて概況は変更なし。予想より市況の落ち込みは深刻で急回復は望み薄。

「今年は本当に東証がアウトパフォームしてしまうかもしれない」

「香港も大きく下げており、アメリカ経済の影響度の大きさと
 デカップリングの難しさが改めて浮かび上がっている。
 暫くはDAXの方がましかもしれない」

「米経済の回復ペースが鈍化しているのは間違いありませんが
 当ウェブログで書いたように大勢は上です。それは揺らぎません。
 問題はどの地域、どの企業、どのセクターの回復が早いかです」

との見方も引き続き変わりませんが回復は遅れるでしょう。
ユーロの下落が止まるのを待つべきです。


今週もユーロに関し以下のような見通しを維持します。
予想通りユーロ圏の経済停滞と利下げのフェーズに入りつつあります。

ECBが本当に利下げしたらユーロ100円割れもあり得る。
 ユーロ圏の債務問題は2年3年で解決できるものではない。
 国家間と政府対世論の対立で無駄に時間が過ぎるだろう」

ゴールドに関しては「警戒すべき水準」との判断を維持します。
FRBの利上げ観測で完全に相場が終わるでしょう
バブルは崩壊する寸前に大きく上昇して人を幻惑することが多い。

「ゴールドは高値波乱です。素人は手出し無用

「ゴールドが1400ドル台で苦戦しています。
 ここから中長期のポジションはくれぐれも注意。
 寧ろ今年中に売り時が来ると考えた方が良い」


↓ EUR/JPY(infoseek)反発力が弱く、下抜けの危機


↓ AUD/JPY(infoseek)先週と違い、ユーロよりもやや強い



ユーロ圏は深刻な経済悪化ではないだろうが停滞は必至。
欧州向け輸出の悪化で中露は苦しくなり、
アメリカと日本が相対的に有利になろう。


焦点:ユーロ圏債務危機は東欧や中国にも波及、世界経済揺るがす(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24317820111124

”ギリシャに端を発した欧州債務危機は、非ユーロ圏である東欧の財政状況悪化や、
 中国経済の減速という形で世界経済に波及し始めている。
 23日に発表された指標は、成長の勢いを弱めることなく債務削減を進めることが
 いかに難しいかを浮き彫りにした。
 HSBCが23日発表した11月の中国購買担当者景気指数(PMI、季節調整済
 み)は48で、前月の51.0(確報値)から大幅低下。2009年3月以来、2
 年8か月ぶりの低水準を記録した。中国経済がハードランディングし、世界経済の
 リセッション(景気後退)入りに導くとの懸念が再燃した。

 11月のユーロ圏PMI速報値も総合指数が47.2となり、景況感の改善と悪化
 の節目となる50を3カ月連続で下回った。
 ある政府高官は、「世界経済は非常にゆっくりとしたペースでの成長局面にある。
 現在の状況が今後の15─20年を決定することになる」
との見方を示した。
 バークレイズ・キャピタル(香港)のアナリストは顧客向けリポートで「(中国の)
 2012年成長率は従来予想を下回る8.4%になる見通しだ。ユーロ圏景気見通
 しが悪化し(緩やかなリセッションの可能性が高まっている)ほか、中国の不動産
 市場の調整が続き、範囲も拡大していることが主要因だ」
と指摘した。
 〔中略〕
 債務危機への対応では、テクニカル面で実行可能な策は整っている。欧州首脳陣は、
 欧州金融安定化ファシリティー(EFSF)の拡充で既に合意しているほか、欧州
 中央銀行(ECB)は、財政問題を抱える国の国債を買い支えている。また、欧州
 委員会は危機の抜本対策としてユーロ圏共同債発行の構想や加盟国の財政規律強化
 案を提案した。
 欠けているのは、ユーロ圏の基盤強化に向けた、黒字国と赤字国との間での包括的
 な政治合意だろう。
財政状況が安定している国は重債務国を保証できるか。赤字国
 の議会はEUによる予算監督を受け入れるだろうか。さらに、ユーロ圏内の根本的
 な経済不均衡は是正されるか、という問題が残る。
 23日に実施されたドイツ10年国債入札は、ユーロ圏最大の経済規模を誇るドイ
 ツが最終的に他国の債務を負担することになるとの警戒感が高まり、金融機関から
 の応募は予定額に届かず札割れとなった。予定額60億ユーロのうち、ドイツ連銀
 が全体の39%を購入。金融機関による落札は36億4400万ユーロにとどまっ
 た。
 モニュメント証券のストラテジスト、マーク・オストワルド氏は、「極めてひどい
 結果となった。今年最悪の入札だ」
と指摘した。
 一方、ECBのコンスタンシオ副総裁は、独国債入札に関するアナリストの「ひど
 い」結果とのコメントについて「市場はよくオーバーシュート」する、とし「冷静
 を保つべき」との考えを示した。
 ただ、同副総裁は、加盟国の長期国債の買い手が突然なくなるという状況は、単一
 通貨ユーロ導入当初は想定されていなかったことだとし、必要なことは一段の財政
 統合と実行可能な支援の仕組みを構築すること、との考えを示した。
 副総裁は、詳細をつめ実行に移すには数年かかるかもしれないが、一段の改革が必
 要という点で当局者が合意していることを市場が確認すれば、混乱は収まる
と指摘。
 「最終的なゴールは、非常に明確で説明されており、しっかりと信頼できるもので
 ある必要がある」との考えを示した。”

 → 先週の報道ではこちらが抜群に素晴らしい。
   今週頭においておきたい材料が全部揃っている。

   欧州債務危機の波及状況はスペースの関係で省略したので
   是非元記事にもあたって熟読されたい。


ドル77円前半で強含む、円やユーロからドルへのシフト観測も浮上(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201111250095.html

”東京外為市場午後3時のドル/円は77円前半で推移している。ロンドン市場午後
 3時時点から小幅高。朝方から円売りのフローが目立ち、ドル/円は一時77.5
 5円まで上昇した。
 一方、ユーロ/ドルやポンド/ドルなどでもじわりとドル買いが進み、ユーロ/ド
 ルは前日に続いて約7週間ぶり安値を更新。海外市場でドイツ国債が売られたあと
 きょうは日本国債売りが進んだこともあり、市場では資金が円資産やユーロ資産か
 らドル資産に集中し始めたのではないかとの見方も浮上した。

 ドル/円には、早朝から邦銀を中心にじりじりとドル買いが先行し、ストップロス
 を巻き込んで一時は77.55円まで上昇した。「クロス円も含めて円売りが目立
 った。トレンドとして継続するフローかは不明だが、まとまった規模だ。このまま
 ドル/円の底上げが定着すれば、ドルのレンジがいったん切り上がる可能性が出て
 くる」
(国内銀行)との声が上がっている。
 ただ、ドル/円は23日の海外市場でも77.58円で上値を阻まれており、77
 円半ばの上値は重い。きょうも、77円半ばから上には実需の売りが出ていたとい
 う。一方で、きょうは米国市場が飛び石連休の谷間で、取引が薄い。「買いのフロ
 ーが続けば意外高もありうる」(国内金融機関)との声も聞かれた。
 一方、ユーロ/ドルは緩やかに下落。海外市場では、フィッチがポルトガルを投機
 的等級に格下げして不安定なユーロ圏の債券市場を動揺させた一方で、メルケル独
 首相がユーロ圏共同債に対する反対姿勢を示したことで欧州債務危機の打開が難し
 いとの市場の懸念が深まるなど、ユーロ売りの材料が続いた。
この流れを受けてユ
 ーロは一時1.3303ドルまで売られ、7週間ぶり安値を更新した。
 ただ、1.33ドル付近にはオプションが観測されており、その後はオプションを
 意識して1.3300ドル割れの手前でもみあった。
  <ドイツ国債に続き日本国債にも売り圧力>
 ドル/円の上昇については、ユーロ/ドルなどでもみられたドル買いの流れのなか
 に位置づける声も聞かれる。「ドル/円の上昇が目立ったがユーロ/ドルなど他の
 通貨ペアも朝方の動きはドル買いで、ドル全面高だった。このドル買いが何を意味
 するかが気にかかる」
(三菱東京UFJ銀行アナリスト、井野鉄兵氏)との声が上
 がっている。
 23日に実施されたドイツ10年物国債入札が大幅な札割れとなったあと、24日
 の欧州債券市場ではドイツ債が売り込まれた。続くきょうのアジア市場では日本国
 債が売られ、指標10年債利回りは約3週間ぶりに1%台に乗せた。井野氏は「欧
 州債務危機をめぐるリスク回避地合いのなかで、強かったはずのドイツや日本の国
 債まで売られ、ユーロや円が売られてドルに資金が回帰し始めている可能性がある」

 と懸念している。
 このためドル指数が上昇し、一時79.292まで上がって約7週間ぶりの高値を
 つけた。住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏は、ユーロ/ドル
 の下落の影響が大きいとしたうえで、「ユーロ圏や日本国債が売られ、運用資金の
 逃げ場がなくなりつつある。最終的にはドル資産に向かうことになりそうで、ドル
 指数を押し上げている。直近高値(10月4日の79.838)を抜けて80程度
 までの上昇はありそうだ」
とみている。”

 → こちらの週末の報道も素晴らしい。
   ドル全面高の背景が完璧に解説されている。
   私の見通しは瀬良氏の見解とほぼ同じ。


ユーロ、システム上の変革遂げつつある=クレディ・スイス(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201111220005.html

”クレディ・スイスは21日、ユーロがシステム上の変革を遂げつつあるとの認識を
 示した。
 クレディ・スイスの戦略チームはリサーチノートで、財政・政治統合に向けた信頼
 のおけるロードマップ(工程表)の欠如は、投資家のユーロ圏ソブリン債に対する
 信認を損ねているとし、域内の債券市場凍結を回避するためにも、大胆な行動が求
 められるとの認識を示した。
 ノートは「ユーロの運命は決定されつつある」としながらも、ユーロ崩壊の公算は
 依然小さいとした。
 そのうえで、市場の圧力が効果的に働き、フランスとドイツが想定されているより
 も早く、財政統合をめぐる合意に至る可能性もある
と指摘した。また、仏独の合意
 が実現した場合においてのみ欧州中央銀行(ECB)はシステミックな危機の回避
 に向け、財政難に陥った国の債券の買い入れ拡大を余儀なくされる
との見通しを示
 した。”

 → 当ウェブログは繰り返し「ユーロ崩壊はない」と書いてきたが
   詳細に説明するとこのCSのノートのようになる。

   ただ仏独の合意にはまだまだ遠い道のりで、
   11年前のユーロ危機の水準(100円割れ)にならないと
   本格合意には至らないと見ている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄。UAが急落、ここで反転できないと回復に時間を要する。

 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587
             542 → 608 / 494 → 577 / 540 → 577
             541 / 529

 三菱商事(東証一部 8058) 1,970 / 1,622

 エルピーダメモリ(東証一部 6665) 1,048 / 920

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215
                     1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526
                     1,341

 東京建物(東証一部 8804) 298

 マツダ(東証一部 7261)  232 / 178

 タカラレーベン(東証一部 8897) 458 → 472
                  544

 昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966
                  716 → 723 / 688

SMBC日興がエルピーダの投資判断を引き上げています。当然でしょう。


ユーロ存続で全力=債務危機対策で条約改正提案―仏独伊が一致(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011112500006

”【ジュネーブ時事】フランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相、イタリア
 のモンティ新首相は24日、仏東部ストラスブールで会談し、統一通貨ユーロの信
 認維持のため全力を挙げることで一致した。仏独は債務危機対策として、欧州連合
 (EU)によるユーロ圏各国の財政監視強化を視野に入れ、EU条約の一部改正を
 提案する意向だ。

 ユーロ圏の経済大国である独仏伊の首脳が会うのは、モンティ新政権の発足後初め
 て。3首脳は協議を深めるため、近くローマで再会談する。
 サルコジ大統領は会談後の記者会見で「3首脳はユーロ存続のためあらゆることを
 行う」
と明言。メルケル首相も「安定した統一通貨維持のため協調を強化すべきだ」
 と述べ、仏独が12月9日のEU首脳会議にEU条約修正案を提示すると表明した。”

 → 当ウェブログの予想通りに
   ユーロ圏内での財政統合へ向けて進みつつある。

   しかし勿論のこと牛歩の歩みなので
   漸く見えたゴールは遠くユーロは下がらざるを得ない。

『会社四季報』2011年4集 秋号


    ◇      ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

米ドルが週央に急騰したのでショート決済。
金曜の豪ドル小反転を見てショート決済、
NYが伸び悩んだのでユーロショートに転換。

 2011/11/25 102.89 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/07/11 80.40 USD/JPY Lev ×1.5

    現在 > 102.86 ユーロ/円(損益136%)← 今年の損益率
         77.73 米ドル/円
         75.40 豪ドル/円

 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2011/11/15 78.22 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/10/31 77.98 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/11/09 79.33 AUD/JPY Lev ×1.5
 2011/07/11 80.40 USD/JPY Lev ×1.5
 2011/11/04 107.39 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/08/05 82.27 AUD/JPY Lev ×1.5
 2011/10/21 76.15 USD/JPY Lev ×1.5
 2011/09/12 80.52 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/09/29 103.76 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/09/14 115.03 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/08/26 110.48 EUR/JPY Lev ×1.5
 2011/08/08 78.19 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/08/08 80.20 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/08/05 111.33 EUR/JPY Lev ×1.5
 2011/08/03 83.16 AUD/JPY Lev ×1.5
 2011/07/29 77.17 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/07/19 111.86 EUR/JPY Lev ×1.5
 2011/06/18 80.14 USD/JPY Lev ×1.5
 2011/07/07 116.59 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/07/01 116.53 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/05/26 114.70 EUR/JPY Lev ×1.5
 2011/05/06 80.14 USD/JPY Lev ×1.5
 2011/03/22 114.97 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/04/27 81.64 USD/JPY Lev ×1.5
 2011/05/06 117.35 EUR/JPY Lev ×1.5
 2011/04/19 118.08 EUR/JPY Lev ×1.5
 2011/04/15 119.82 EUR/JPY Lev ×1.5
 2011/03/31 117.55 EUR/JPY Lev ×1.5
 2011/05/03 87.43 AUD/JPY Lev ×3.0
 2011/03/31 85.75 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/03/25 81.42 USD/JPY Lev ×1.5
 2011/03/17 127.12 GBP/JPY Lev ×1.5
 2011/01/06 108.40 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/09/10 77.52 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/03/01 133.60 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/02/10 82.65 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/02/03 111.36 EUR/JPY Lev ×1.5
 2011/01/27 82.87 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2011/01/21 112.38 EUR/JPY Lev ×1.5
 2011/01/14 110.19 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/12/29 107.80 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/12/23 83.12 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/12/08 84.10 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/11/26 111.24 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/11/15 113.30 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/11/04 115.10 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/09/16 79.57 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)

 …以下省略…


「資源国通貨は底打ちしました。
 豪中銀は政策金利を引き上げ始めており、
 豪ドルは緩やかな上昇トレンドに入っています」

中長期的な見通しは変わりません。72円が当面の底になりそう。

「90円から72円のレンジ圏を想定」

豪ドルは判断の難しい局面。
中国経済減速懸念でも下がり難くなってきた。

「豪ドルは下落モメンタム低下、72円のラインに注目」

ユーロ円は先週と変わらず。
状況が悪過ぎ、基本的にはダウントレンド。

ドル円は明確な反転局面、安易なショートに注意。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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『週刊エコノミスト』11月29日号 - 所得格差がそのまま世代間継承される英米、デモ発生は必然

2011-11-25 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「国債ドミノ暴落」でした。
タイミング完璧ですが対処はお手上げです。

内容としてはメイン特集が意外に目新しさがなく
サブ特集の「反格差デモの社会学」が一押しです。

日本でデモが盛り上がらないのは若者が大人しいからではなく、
若年失業率が低いからという単純明瞭な事実が見えてきます。

ところでP84にみずほ総研の作成した貴重な資料があり、
先進国で最初にデモが起きた英国では
明確な所得格差の固定化(貧富の世代間継承)が見られます。

『エコノミスト』2011年 11/29号


これは社会保障の手厚い仏独ではそれほどでもないので、
税率が低いと所得格差が拡大するという単純な事実を示すものです。

…となると、日本で同様の調査を行えば、
確実に英米に近い傾向が出るのは間違いないということ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊ダイヤモンド』は特集「外食の逆襲」。
このような時勢でも伸びていく企業はあるものです。

『週刊ダイヤモンド』2011年 11/26号


巻末の方に力作の年金特集があります。

「その場しのぎの対策」「枝葉の議論ばかり」とのことですが
どうせ年金改革は総論賛成各論反対になるので纏まる訳がない。

神野直彦教授は「20年かけてスウェーデンのように手直し」と
主張されているが実態を直視しているのかどうか疑わしい。
厚労省の先延ばし戦略に利用されていないかどうか検証した方が良い。

この特集を見て、10年以内に年金制度が実質崩壊するのは
間違いないと確信した。

それが嫌ならすぐに退職金課税強化と預貯金課税を断行し、
高額年金に北欧並みの課税、公的年金の控除を原則全廃すべきだ。

その前に金利急騰が起きたら日本全体が沈没する。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊東洋経済』は一度取り上げた通り
巻頭の「清武の乱」への鋭い取材が良い。
結局は巨人という球団のガバナンスに問題があると言わざるを得ない。

『週刊東洋経済』2011年 11/26号


特集は「教養」だがいつもながら総花的で切れがないと思う。
掲載されている本も可もなく不可もない常識的なものだ。
スキルアップ特集も景況回復したらどうせまた復活するのだろう。

教養は所詮趣味の領域であるし、
見識や判断力に欠ける教養はただの雑学に過ぎない。

今の時代には危機管理能力や危機克服の事例の方が重要である。
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