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映画『リンカーン』- 南北戦争は現代のTPP交渉に思わぬ示唆を与えている

2013-05-06 | こんな映画を観ました
GW連休ですので映画のエントリーです。
今年は『リンカーン』が一押しではないかと。
但しアメリカ政治の基礎知識がないと退屈すると思う。

観ながら気付いたことだが南北戦争は現代のTPP交渉に
幾つかの重要なヒントを与えている。

1)美しい理念が語られていても、裏では政治工作や策謀が渦巻いている
2)注目された東部のゲティスバーグではなく、西部戦線で勝敗が決定した
3)南北戦争に勝利した北部は、保護貿易を支持していた

映画で分かるのは 1)であるが、南北戦争の知識があるとかなり考えさせられる。

『リンカーン』スティーブン・スピルバーグ監督


映画『リンカーン』の紹介
http://movie.walkerplus.com/mv51565/

 → アメリカ政治がある程度分からないと厳しいかも。
   南北戦争について殆ど知識がないのならば
   事前にせめて『コールドマウンテン』を観ていると何とかなる。

▽ いかにこの「内戦」が悲惨だったか、その一端が分かる

『コールドマウンテン』コレクターズ・エディション


南北戦争の教訓をTPPに当てはめるとこのようになる。

1)「自由貿易」のお題目の裏で政治工作や策謀が渦巻いている
2)注目される農業や金融、医療ではなく、決定的に重要な分野が別にある
3)自由貿易推進は必ずしも経済成長に貢献しない

最後の点を経済学の理論を妄信している人々は否定するだろうが、史実である。
保護貿易時代のアメリカの方が、自由貿易推進のイギリスより成長率が高かったのだ。

▽ こちらを参照のこと

『TPP 知財戦争の始まり』(渡辺惣樹,草思社)



GWの間は他に注目している映画はないが、強いて言えばこちらか。


映画『セデック・バレ 第一部 太陽旗』の紹介
http://movie.walkerplus.com/mv50313/

 → 日本の統治下にあった戦前の台湾で、原住民が民族の誇りを賭けて
   圧倒的な軍事力を持つ大日本帝国に対し抵抗する霧社事件を描いている。

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映画『ハート・ロッカー』- 現在のアメリカの苦渋と重苦しい試練をありありと描いた「映し絵」

2010-05-04 | こんな映画を観ました
連休ですので映画のエントリーです。
でも今年のGW映画は不作かな。。

SFを見ない人間にとっては第九地区は射程圏外。
19歳のアリスには社会的メッセージが皆無だし。

ハート・ロッカーを楽しみにとっておけば良かった。

どうしてアカデミー賞に輝いたのか、
実際に観ると実によく理解できます。

スーパーパワーとしての権威が失墜しかけ、
戦争で掲げた大義は全くの嘘っぱちで
イラクでもアフガンでも泥沼にはまって厭戦気分が横溢。
おまけに国内では仕事や住宅を失った人々がうろついている。

これまで自分が偉そうに人権だのチベットだのと説教してきた相手である
中国のカネによって巨額の政府債務をファイナンスしなければならない。

「この不愉快な現実に包囲された自分自身を認めざるを得ないが
 何があろうと自分の責務を果たすタフなアメリカ人は常にいる」

日本では単なるプロ意識の高い監督のドキュメントだろうが
アメリカではそうではない。
自分たちの社会の苦くてタフな映し絵そのものなのだ。





『ハート・ロッカー』


映画『ハート・ロッカー』の紹介
http://movie.walkerplus.com/mv45927/

 → まだ上映が続いています。
   必見の作品ですが一緒に行く相手を選ぶ。


『アバター』がオスカーを逃したのは監督が「男だったから」(goo映画)
http://movie.goo.ne.jp/contents/news/NFCN0023799/index.html

”『アバター』に出演したシガーニー・ウィーヴァーが、今年のアカデミー賞で『アバ
 ター』が主要な賞を逃したのはジェームズ・キャメロン監督が「男だから」と語って
 いる。
 今年のアカデミー賞では、キャメロン監督の『アバター』と、元妻キャスリン・ビグ
 ロー監督の映画『ハート・ロッカー』の全面対決となり、結果は、作品賞、監督賞に
 『ハート・ロッカー』が選ばれる形となったが、シガーニーはオスカーの投票者たち
 の選択に不満があるよう。キャメロン監督とともにブラジルで植樹のイベントに参加
 したシガーニーは、ブラジルのニュースサイト「フォルハ・オンライン」のインタビ
 ューで、最優秀監督賞は「これまで女性が受賞したことがない」という事実が影響し
 た、とコメント
。「ジムにはオッパイがないものね。それが理由だったんだと思うわ。
 彼が選ばれるべきだった」と語っている。さらに、最優秀作品賞についても「最近で
 は、誰も見ないような小さな映画にオスカーを与えるのがトレンドなのよ」と厳しい
 言葉。実際、『アバター』は興行収入の上では『ハート・ロッカー』の150倍も稼い
 でいるだけに、賞=大作映画の公式が成り立たない現実に、はがゆい思いをしている
 ようだ。”

 → このような説も出ていますね。
   アバターの内包する論理がそもそも
   今のアメリカ社会にとってファンタジック過ぎたのでは?

▽ 興行だけでなくDVDもアバターの完勝でしょうね。





『アバター』(20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン)




映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』の紹介
http://movie.walkerplus.com/mo7325/

 → これが意外に良いのではと期待していますが
   残念ながらまだ一般上映されていません。


もうすぐDVDで観られる作品をあと二つ。


映画『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』の紹介
http://movie.walkerplus.com/mv45232/

 → これはアメリカ移民を描いた秀作です。
   個人的にはアバターやハート・ロッカーにも
   全く劣っていないと思う。





『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』(20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン)



あとこれは韓流ドラマ。
韓流「冬の時代」と言われて久しいが、
地道に実力をつけてきているのが分かる。





『華麗なる遺産 DVD-BOX I<完全版>』(ポニーキャニオン)


日本の作品よりストーリーがシンプルでパワーがあるので
(=分かり易い)輸出に向くと思う。
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映画『アヴァター』- これは反米・反軍ではない。自己批判と自己変革への意志だ。

2010-02-11 | こんな映画を観ました
連休ですので映画のエントリーです。

タイタニックの監督と聞いた時は観る気なしだったのですが
米国内で保守派の反発があるとの記事を見て気が変わりました。

アメリカの底力を感じましたね。
ベトナム戦争後の、蹉跌をも直視して
自己を批判し変革しようとしていた時期と同じ匂いがする。

でもラストは相変わらずのハリウッド流で、
シナリオ構想時に日本人が加わった方が良かっただろう。


「アバターは反米・反軍映画」保守派いら立ち(読売新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/world/20100130-567-OYT1T00839.html?fr=rk

”【ロサンゼルス=飯田達人】世界興行収入の記録を更新中の米映画「アバター」(ジ
 ェームズ・キャメロン監督)について、米国の保守層などから「反米、反軍の映画だ」
 といった批判が相次いでいる。
 3D(立体)技術を駆使した娯楽大作が思わぬ論争を巻き起こした底流には、アフガ
 ニスタンやイラクでの長引く戦争に対する米国民の 厭戦 (えんせん)気分と、それに
 対する保守派のいら立ちがある。
  ◆教会からも
 映画の舞台は22世紀の星パンドラ。希少鉱物を狙う人間たちは、美しい自然と共生
 する先住民ナヴィと戦う。元米海兵隊員ら軍服の人間は、圧倒的な軍事力で自然破壊
 をいとわない悪役として登場、「先制攻撃が必要だ」「衝撃と 畏怖 (いふ)を与える」
 などと、ブッシュ前政権の戦略そのままのセリフを口にする。
 保守派の論客ジョン・ポドホレッツ氏は自身のサイトで「観客は米兵の敗北に声援を
 送るようになる。強烈な反米的内容だ」と非難。現役海兵隊員のブライアン・サラス
 大佐は隊員向け新聞に「軍の未熟さや凶暴さが異常に強調され、誤解を与える。ひど
 い仕打ちだ」と記した。
 保守派らの反発には、長期化する戦争から民意が離れている現状への焦りが読み取れ
 る。CBSテレビなどの昨年末の世論調査では、アフガニスタンでの戦況が「良くな
 い」と感じる人は60%に達した。

 自然の中に神が宿るという、キリスト教などの一神教とは相いれない信仰をナヴィが
 持っている点にも批判が出ている。
 保守派コラムニスト、ロス・ドーサット氏はニューヨーク・タイムズ紙で、「映画は、
 神と世界が同一という汎神論的な考えに共鳴するキャメロン監督の長い弁明」と指摘。
 カトリック教会の一部からも汎神論の思想が広まることへの懸念の声が出ている。
  ◆監督は反論
 近年のハリウッドの大ヒット作は、ヒーローが活躍する単純な作品が多かった。これ
 に対し、アバターが戦争、宗教、環境など米国の国論を二分するようなテーマを含ん
 でいるのは事実だ。

 映画の脚本も担当したキャメロン監督は、ロサンゼルス・タイムズ紙のインタビュー
 で、「この映画は我々が戦っている戦争を反映している。兵士は不当に戦場に送られ
 ている。この映画で目覚めてほしい」と語り、ふたつの戦争に反対するメッセージを
 込めたことは認めた。一方で、米軍批判との指摘には、「心外だ。私の弟は海兵隊員
 だが、彼らを心から尊敬している」とテレビ番組で反論した。
 同紙の映画評論家、ケネス・トゥーラン氏は、「かえって映画の宣伝になり、キャメ
 ロン監督の思うつぼではないか」と皮肉っている。”

 → アメリカがテーゼに衝突させるジンテーゼを生み出し、
   自らを変革させようとしている現状を象徴している。

   …最盛期は過ぎたものの、アメリカは復活するだろう。





『アバター』ジェームズ・ホーナー,レオナ・ルイス


映画『アヴァター』の紹介
http://movie.walkerplus.com/mv45651/

 → 個人的には余りにも宮崎駿の影響が強いのに驚いた。
   ナウシカやもののけ姫だけでなく、
   ラピュタの影がはっきりと見える。


▽ あの『ジュピター』が英語で歌われていて吃驚!





『インビクタス/負けざる者たち』オリジナル・サウンドトラック


映画『インヴィクタス 負けざる者たち』の紹介
http://movie.walkerplus.com/mv45651/

 → 悪くない映画だが、南アフリカの現実を軽く描き過ぎでは?
   (マンデラが大統領になって以降も治安は改善していない)

   アパルトヘイト後の「赦し」の壮絶さは
   下の『イン・マイ・カントリー』の方が的確に表現している。

   次回作はチベットやウイグルをモチーフに
   独裁政府と闘う人々の姿を描いて欲しいものだ。


▽ 心優しい人はショックを受けますので注意。





『イン・マイ・カントリー』(タキコーポレーション)



映画『ブルー・ゴールド 狙われた水の真実』の紹介
http://movie.walkerplus.com/mv45713/

 → これは社会派の映画。関心の強い方向けですね。
   やや誇張がある。

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映画『グラン・トリノ』- 世界経済の主役をアジアに譲る、アメリカの退潮を象徴する作品

2009-05-04 | こんな映画を観ました
連休ですので映画のエントリーです。
ここ暫く、いい作品が多いと思います。

混んでる時期にわざわざ遠出しなくとも、
来週には観光地はがら空きになります。
この時期、映画もいいですよ。


映画『フロスト×ニクソン』の紹介
http://www.walkerplus.com/movie/title/mo6676.html

 → 間違いなく今年最高の作品だと思います。
   原作が劇か戯曲らしく脚色が入っていますが気になりません。
   やはりアメリカには闘争的で優秀な人材が集まるものですね。

   このレベルの弁舌と駆け引きができる人間が揃っていたら
   日本の劣勢は確実です。侮れない。。   


映画『グラン・トリノ』の紹介
http://www.walkerplus.com/movie/title/mo6703.html

 → アメリカ映画の底力を見ました。
   イーストウッドは流石に違う。

   ただ自らを犠牲にする姿は
   世界経済の中心から退こうとしている
   米経済の姿と奇妙に重なります。
   アメリカでも「アジアの時代」が認識されているのでしょう。

   尚、この作品は人情ものではなく
   銃社会のドラマですので、誤解なきよう。
   (結構物騒な作品ですので)
   朝鮮戦争がいかにアメリカにとって厳しい戦争だったか
   知らない人も多いでしょう。


映画『スラムドッグ$ミリオネア』の紹介
http://www.walkerplus.com/movie/title/mo6704.html

 → これもアジアの時代を象徴する作品でしょう。
   いい作品ですが好みは分かれるかな。
   インド経済のグローバル化が如実に表れています。

   インド映画は無意味に踊るとは聞いていましたが
   案の定……というところ。
   個人的には最後の子役の踊りが良かったです。 

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映画『ディファイアンス』- 命を賭して勇敢に抵抗した者の終着地は、アメリカ合衆国

2009-03-20 | こんな映画を観ました
連休ですので、久々に映画のエントリーを。

興行的には成功ではないのでしょうが、
ディファイアンスが良い作品だったと感じました。
(個人的にはチェンジリングよりも評価しています)

これはウクライナで大勢のユダヤ人を率いて
その人命を救った兄弟の話です。

ビエルスキ兄弟は結局、故国を離れ渡米します。
指導力があり高い意欲を持つ人々が集まるのはアメリカ。
この構造は60年前でも今でも全く変わりません。

是非とも見習うべき美点だと思うのですが。。


映画『ディファイアンス』の紹介
http://www.walkerplus.com/movie/title/mo6663.html

 → 唯一、ナチスの戦車小隊が全滅する場面が
   いかにも御都合主義というところでした。

   私にとって最も印象的だったのは、
   薬を入手し人々を救うために、決死の覚悟で
   ゲシュタポのいる警察を襲撃するシーンです。
   (この場面は映像加工しないで欲しかった。。)
   

映画『チェンジリング』の紹介
http://www.walkerplus.com/movie/title/mo6628.html

 → 秀作であるのは間違いありません。
   ただ元の事件とかなり違うようですね。


他には、アカデミー賞効果爆発の
『おくりびと』も良いと思います。

ディテールもバランスも景観も完璧で、
数年にひとつ位しか出ない作品でした。





『おくりびと』(アミューズソフトエンタテインメント)



私は明日時間があればワルキューレを観に行きます。
世界史に興味のある向きは、次に挙げる名著で
しっかり予習しておくといいですよ。

    ▽     ▽





『権力のネメシス―国防軍とヒトラー』(J.ウィーラー=ベネット,みすず書房)


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