みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊東洋経済』11月30日号 - 原価の数倍もするサプリを買うのは「メディアと宣伝に弱い高齢層」

2013-11-29 | 『週刊 東洋経済』より
週刊東洋経済のサプリ特集は非常に面白かった。
リテラシーがあれば健全から程遠い不透明な業界体質も読み取れる。

先週、「サプリ会社の原価率は相当低いに違いない」と書いたが、
完璧に予想通りの内容だった。宣伝の出し方を見れば大体分かるというものだ。

P45のコラムでは業界の不都合な事実を窺わせる数字が出ており、
「原価率が3割を切ると通販専業は赤字に」
「テレビ通販だと販売単価の5~6割がテレビ局の取り分」
「原価が1割台ということも珍しくない」

という病弊としか言いようのないおかしな業界事情が分かる。

そもそもサプリを買っていること自体に経済合理性がなく、
テレビ局など宣伝・販売する経営体にばかりメリットがあるという惨状である。

テレビ局が健康情報番組を濫発し、メディアに関連商品の宣伝が多い理由は明白だ。
「一般大衆が踊らされやすく、それだけ業界が儲かるから」に他ならない。

そもそも価格の安いサプリを求めて健康増進を期待するのは、
宝籤を買って大金持ちになろうとするようなものである。
公営ギャンブルと同じで胴元ばかり潤わせる愚民ぶりと言えよう。

個人的には
「大量の宣伝を行う企業の製品は質が低い」と確信していたが、
案の定である。食の分野では「常識」であろうが、サプリ業界もよく似ている。

『週刊東洋経済』2013年 11/30号


P100では世界需要を読む「神通力」を失ったコマツの苦渋が分かる。
しかしコモディティ価格の停滞と中国経済の減速を見れば
コマツの失速は想定の範囲内ではなかろうか。
(コマツ・日立建機と竹内との格差は更に拡大するだろう)

収穫だったのはP102の佐藤優氏のコラム。お蔭で長年の謎が解けた。
「こいつ本を読まないで書評を書いているのか」と疑問に思うケースが何度もあったが、
実際に出版社の資料通りに宣伝文を書評に書く恥ずべき連中がいるらしい。
成程、だから低能なベストセラーに見え透いた提灯持ちの書評が出るのか。
本質的にはただの「買収」に過ぎない。

▽ 著者推奨のこちらを読んでみようと思う

『語られざる中国の結末』(宮家邦彦,PHP研究所)


ただ宮家氏は中国の近未来のメインシナリオとして
米中軍事衝突の発生を想定しているそうだが、同意し難い。

中国は伝統的に大規模な対外戦争で王朝が衰退する経験を繰り返してきた。
キューバ危機と同じように、土壇場で衝突を回避する可能性が高いと考える。
何しろ相手は世界最強の米軍であり、中越戦争の時のように面子だけ立てて撤退など不可能だ。
中国の最新鋭の軍用機や船が無惨に沈んだら確実に共産党最高幹部クラスの首が飛ぶ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊ダイヤモンド』はトヨタ特集。
企業文化のせいでもあろうが、今の時期は面白みのないテーマでは。
デザインをちょっと変えても企業文化は容易に変わらないものである。

『週刊ダイヤモンド』2013年 11/30号


矢張り一人負け状態の日産特集の方が良かったと思う。
自動車業界は意外に大変動が少なく、
「トヨタvs日産」や「欧州車vs日本車」の図式の方が面白くなる。
特にドイツ勢は中国市場だけでなく日本市場でも無視できなくなっている。
(個人的にはフランス車の方が好きなのだが)

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊エコノミスト』の「介護離職」特集は先進的だがまだ熟成不足の気味がある。
日本経済全体にとっての巨額損失という観点が必要だと思う。

厚生労働省の調査から17万人の介護離職者でGDPマイナス0.18%と
試算されているが、少子高齢化の進展で更なる打撃が容易に予想される。
現物給付で援護し労働投入を増やす契機にする一石二鳥が正しい対応だ。

介護離職せず済んだ幸運な労働者の退職金控除を大幅削減すれば
容易に現物給付のための財源を確保できる。
つべこべ言う利己的な輩は無視して英断を行うべきであろう。

『エコノミスト』2013年 12/3号


何しろ生涯賃金で億円単位の格差が生まれるのである。
国民負担の引き上げによってリスク分担しないと虐待事件が激増することになろう。
育児よりも一部の世帯に負担が集中する傾向があり、社会全体でリスクを分担する必要がある。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は何と言ってもエコノミストに注目。来年は間違いなくアベノミクスの「終わりの始まり」の年になる。

▽ 恩恵は投資家や企業経営・管理層にばかり及び、社会的弱者は間違いなく苦しくなる

『エコノミスト』2013年 12/10号


▽ 東洋経済は定番特集、いつまで宴が続くのか不安一杯?のゼネコン特集

『週刊東洋経済』2013年 12/7号


▽ ダイヤモンドも定番、流通特集だが個人的にはタイガーなど北欧系に興味あり

『週刊ダイヤモンド』2013年 12/7号

サブ特集の「地域住民の異議申し立て」に期待している。
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原発は海亀やクジラを大量殺戮していた! - 懲りない経産省は原発広報を再開、不都合な事実を直視せよ

2013-11-28 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
誰がどう見ても福島原発の過酷事故において重大な責任がある経産省が、
原発広報を再開するそうだ。恥知らずにも程がある。
A級戦犯が公職に復帰するに等しい非常識である。

原子力ドグマに汚染された自民党が選挙に勝ったため、
どさくさ紛れに火事場泥棒を働いたと言えるだろう。

経産省はこれまでの原子力推進において重要な役割を果たしたにも関わらず、
何一つとして責任を取っていない。同胞を悲惨な死に追いやったにも関わらず、
のうのうと生き延びた太平洋戦争時の大本営参謀と全く同じである。

そればかりか旧ソ連のノーメンクラトゥーラと同じように国民を見下して、
ほとぼりが覚めた頃にカネで丸め込もうとしている連中までいる始末だ。

▽ 現役官僚がはっきりと証言している

『原発ホワイトアウト』(若杉冽,講談社)


我が国の中枢には脳内がカルト的教義で汚染されている輩が多数おり、
かつて終戦間際に昭和天皇に弓を引いたクーデター軍人と同類で、
こそこそと裏で動いて国民を欺こうとする独善の固まりなのである。

国民は断じて彼らの情報操作に騙されてはならない。

「今の自民党は束になっても小泉元首相に及ばないこと遥か遠い。
 政治的には利益誘導の「抵抗勢力」である電力族をパージせず
 経済成長を妨げる「お荷物」を切り捨てる非情さを示せないでいる」

「今の日本の現状では、過酷事故や廃炉といった巨額のツケは国民に回すことによって
 エネルギー多消費型の大企業が安い電力コストを享受できるというのが「真実」である」

「安倍首相の発言はとんでもない間違いだらけで、
 日本は偏西風にも日照量にも森林資源にも恵まれた「資源大国」である。
 「利権勢力と癒着政治家が資源活用を妨害する小国」と修正すべきだ」

「「ドイツのように他国から電力融通できない」としょうもない言い訳をしているが
 電力融通を妨害しているのは既存の電力大手各社である」

「我が国の原子力は、過酷事故の「実績」から考えて到底コストに見合わない。
 福島第一レベルの過酷事故が僅か50年程度で起きたのである。
 洗脳された連中が「1000年に1度の事故」などほざくのは架空の数字を捏造するためだ」

「燃料費増加の主因は高価な石油火力であり、
 原子力に依存して収益を独占しようとした電力大手の経営判断が元凶である」

「ガス火力を最新鋭の設備に更新すれば1兆円以上は簡単に節減できる。
 川重やホンダ等のコージェネシステムを活用すれば更に経済的であり、勉強不足にも程がある」

偶然に助けられただけのアベノミクスの寿命は短い。
今は散々傍若無人の踊りを踊っても終わりは見えている。
自らの責任を全く自覚しない厚顔無恥の報いで、世論の断罪を受けるがいい。

 ↓ 参考

超えられない「小泉」、エネルギー問題を理解しない安倍首相-「日本は資源小国」「ドイツは電力融通可能」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1e728177db26a44706a2500cd9458bfa‎

「気温40度を期待」「昔のように金で世論操作できない」- 原子力利権勢力の本音、公益より再稼働を願う
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e47039874adf99ed08ab2ec713967d9d

▽ 日本の原子力は、国策によって支えられないと維持できない「未熟な技術」である

『新版 原子力の社会史 その日本的展開』(吉岡斉,朝日新聞社)


経産省、原子力広報を強化へ エネルギー基本計画で復活(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112601002342.html
”経済産業省は26日、年末にもまとめるエネルギー基本計画で、原子力政策に関する広報活動の強化を明記する方針を固めた。東京電力福島第1原発事故後、控えていたが、新たな計画策定を機に再開する。「安全神話」を生み出したこれまでの原発広報の在り方を反省し、科学的な情報の提供を重視する考えだ。
 ただ事故後、政府や電力会社発の情報は信頼性が揺らいでおり、内容の質が問われる。再生可能エネルギーの導入拡大などで可能な限り原発依存度を引き下げていくとしている安倍政権の方針との整合性が問題になる可能性もある。”

経済産業省に「科学的な情報提供」などできる訳がない。
「信頼性が揺らいでおり」ではなく正しくは「全く信頼されていない」だ。

もし本当に科学的な情報公開ができると言うなら
まず原子力関連業界への天下りを全面禁止するがいい。
どうしても関係者との面会や情報交換が必要なら全て録音して公開するがいい。
経産省が信頼されているかどうか世論調査してみればすぐ分かる。なぜ調べないのか。

はっきり言っておくが経産省に原子力関連の「情報提供」を行う資格は全くない。
例えば環境省に任せて緊張感を保たなければあっと言う間に腐敗と癒着が病原菌のように広がる。

▽ カネをバラ撒いて世論を黙らせてきた政官財の醜態は以下の通り

『原発のコスト――エネルギー転換への視点』(大島堅一,岩波書店)


福島第1原発級の事故あれば…琵琶湖の20%で飲料基準越え 滋賀県が放射性物質試算(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/131118/wlf13111813470014-n1.htm
”福島第1原発の事故と同程度の事故が、福井県にある原発で起きた場合の放射性物質の拡散予測を独自に行っている滋賀県は、18日、事故直後から琵琶湖の面積の最大約20%で、水深5メートルまでの水が国の定めた飲料水摂取基準を超え、しかも放射性セシウムでは最長約15日間続く-との試算結果を公表した。
 県は「試算は湖水そのものが対象で、飲み水への影響を考える場合、浄水場での処理などを検討する必要がある」としている。
〔中略〕
 県琵琶湖環境科学研究センターが、同県に近い大飯(おおい)原発(福井県おおい町)と美浜原発(同県美浜町)での事故発生を想定。福島第1原発事故後に放射性セシウムなどが最大量排出された平成23年3月15日のデータや滋賀県の気象記録を使うなどして湖水に対する放射性物質の影響を調べた。
 試算の結果、ヨウ素(国の基準値は1リットル中300ベクレル)については、美浜原発で事故が起こった場合の影響が最も大きく、湖全体の面積の21.7%で基準値を超えた。またセシウム(同200ベクレル)は大飯原発で事故が起こった想定が最大で、湖面の18%で基準値を超える。基準値を超える期間はセシウムが最長で約15日間、ヨウ素は最長約10日間だった。
 嘉田由紀子知事は「重い結果だが、予測は不安をあおるためではない。自治体や水道事業者と情報を共有し、正しい備えをしたい」と話している。”

経産省が「科学的な情報提供」を行うのであれば、
このような試算も行って公表しなければならない。

しかもこの試算には観光や農産物・海産物の「風評被害」は何ひとつ含まれていない。
もし若狭湾で福島第一クラスの過酷事故が起きた場合、
観光・農業・漁業において総額どれほどの被害が生じるか想像するだに恐ろしい。
言う迄もなくあの経産省が原発再稼働に不都合なこうした恐怖の試算などする筈がないのである。


原発停止で周辺の海洋環境が劇的に改善(SPA)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131126-00543714-sspa-soci
”現在、日本で稼働している原発は1基もない。
 そのため、稼働中に海に放出され続けてきた原発から出る温排水が止まったことで、原発周辺の海域の環境が回復してきているという声が各地から挙がっている。

◆鹿児島川内原発の場合……

 鹿児島県にある川内原発の近くで海岸の清掃ボランティアやウミガメ監視員を務める中野行男さんは、10年ほど前から月に20日以上、川内原発の南海岸を歩き続けてきた。
「これまで、季節によっては毎日のようにサメやエイ、ダツなどの大型魚類や、クジラ、イルカなどの海生哺乳類、ウミガメなどの死体が海岸に漂着していました。原発ができる前は、こんなことは全然ありませんでした」(中野さん)
 サメの死体が1日で4体もうち上げられたこともあったそうだ。
「それが、川内原発が停止した’11年9月以降、これらの死体漂着は一切なくなったのです」
 また、この近辺ではウミガメの異常行動がよく確認されていた。
「例えば、通常のウミガメは満潮の夜に産卵のため岸に上がりますが、昼間や干潮時に産卵に来るケースがしばしば報告されていました。ところが、現在では産卵は順調に行われています
 週刊SPA!11/26発売号「原発止めたら[海の環境がもりもり改善!?]リポート」では、他にも、原発が止まったことによって取水口に取り込まれる魚が減ったり、海水温が下がったために外来種が減り、漁業にも好影響が出ていることを報じている。また、福井県の若狭湾周辺の原発、北海道の泊原発周辺地域での(よい意味での)激変をリポートしている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>”

素晴らしい報道だ。これは手放しで賞賛したい。
西日本の原発は、海の動物達の「虐殺者」であった可能性が高くなってきた。

洗脳された連中は風力発電のバードストライクを問題視するが
航空機のバードストライクの方が数は多い。
この原発による「虐殺」も似たようなものである。
事実が明らかになると不都合な連中がカネで黙らせたのだ。

経産省にはこうした「不都合な事実」の調査などできないだろうから、
(寧ろ妨害しようとするだろう)絶対に彼らに任せてはならない。
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「仕事は人並み・プライベート重視」だったバブル世代、なぜか批判されない理由 - 単に数が多いから

2013-11-27 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
個人的にはかつての資産バブルは極めて不愉快な時代として記憶に残っている。
唾棄すべき程度の低い人間が増長して札束を振り回して周囲を睥睨し、
蛆虫にも似た成金どもが大手を振って闊歩していた。

そして日本のバブルはバフェットもソロスも生み出さなかった。
資産バブルを急激に崩壊させたのが失策であったのは明白であるが、
「平成の鬼平」を望み、そしてバブルを崩壊させた国民感情は無視できない。
それだけバブル成金どもが日本人の憎しみを買っていたからである。
これはよく言われるような妬みだけでは到底説明できない。
日本のバブル経済の騒擾は大多数の国民に恩恵を上回る不快感を与えたのである。

労働市場においても資産バブルは見逃せない影響を与えた。
当時の新卒採用は「狂騒」と呼ぶのに相応しく、
今から考えると信じられないような慣行があった。

それを知っている者にとっては今の若年労働者への批判など笑止千万である。
バブル世代の「行状」の方が遥かに異常だった。
そして彼らが実社会に出てから日本経済は成長率低下・停滞に陥っている。

客観的かつ公平に労働者としての評価を行うなら、
バブル世代が槍玉に上げられるのは不可避である。

それになのにバブル世代が左程批判されない理由は明白だ。
彼らの数が多いからという単純な話である。
よく知られるようにメディアは多数派の奴隷であり、
多数派の欲望に奉仕することで生き長らえることができる。
そうしたメディアが少数派である若者や、搾取される未来世代のことなど
真面目に擁護する筈がない。利己的で責任転嫁する多数派に媚びるに決まっている。

▽ 利己的で欺瞞に満ちた「シルバー・デモクラシー」と構造は全く同じ

『人口負荷社会』(小峰隆夫,日本経済新聞出版社)


2015年頃迄は労働市場も活況で採用側が大変であろうが、
その後には確実に暗転が控えている。
またぞろ腐った連中が企業の手先となって「若者バッシング」を始めるだろう。

「あれほど内定拘束の厳しかったバブル期に、厳しい若者バッシングがあっただろうか?
 バブル期の方が遥かに若者が優秀であったのなら、何故その後に成長率が低下したのか」

「そもそも世代によって極端に質が上下する筈はなく、
 もし若年層の質が本当に下がったとすれば
 間違いなく彼らを育てた上の世代の責任ではないのか」

「少し前の景況悪化期に民間企業が採用を絞っていた時には、
 これから働く若者をバッシングする言説が氾濫していた」

「定年の近い高齢層(特に公務員)が賃金水準や厚待遇に固執し
 中小企業に行きたがらないのと若者の行動様式は同じであろう。
 また、若い大卒層が大企業を目指すのは日本の特殊かつ差別的な待遇のせいで、
 企業規模によって生涯賃金が左右されているのだから当然である」

「若者バッシングは所詮、採用を絞らなければならない時期の企業側の論理に過ぎず、
 業績悪化した企業の自己正当化・責任転嫁である」

「収益が悪化しても役員報酬が減額されないふざけた企業経営を見れば、
 彼らを信用できないのは明白である」

「特に雇用分野で既得権を握っており優位にある連中の話は
 殆ど自己利益を図る薄汚いポジショントークである。
 頭から爪先まで打算だらけの彼らを、絶対に信用してはならない」

企業が採用ターゲットを拡大せざるを得ない今の新卒市場の状況は、
当ウェブログの指摘が正しかったことを裏打ちするものと言えよう。

 ↓ 参考

若者バッシングが減った「大人の事情」- 内定辞退続出に慌てふためく企業、採用絞り込みによる自業自得
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a98e28c2240d87e88fae719ea3b117f3

小学校レベルの算数ができない大人の方が、分数のできない学生より深刻 - 教授と職員の雇用が問題の根源
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/36d01d0a1821489cb81687115c191e4e

▽ 失業率と社会保険料負担は一貫して上昇しており、「次世代へのツケ回し」は明白

『世代間格差:人口減少社会を問いなおす』(加藤久和,筑摩書房)


バブル入社組 5年間で2万人の「半沢直樹」が生まれていた(SAPIO)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131123-00000005-pseven-bus_all
”1988年から1992年に社会人になった世代、俗にいう「バブル入社」世代は約850万人いる。ドラマ『半沢直樹』では八面六臂の活躍をしたが、現実のバブル入社組の多くは悲哀を味わっている。
 バブル入社組の有効求人倍率は毎年3倍に迫る勢いで、ピークの1991年には2.86倍に達した(リクルートワークス研究所調べ)。1人で3社の内定を得るのは当たり前だったことになる。ちなみに一回り年下の就職氷河期どん底世代は0.99倍だった(2000年)。
 バブル期の就職活動で今もよく語られるのが、空前の売り手市場で内定者を拘束するための接待伝説の数々。会社説明会に訪れた学生に交通費や宿泊費として3万~5万円を配っていた企業もある。45歳の大手旅行代理店勤務の男性が語る。
「地方の学生の中には1泊2日で会社説明会を7~8社回り、40万円を〝荒稼ぎ〟した人もいます。大企業では内定者を拘束するためにハワイなど海外に連れて行って遊ばせてくれました。中小企業でも国内の温泉でコンパニオン付きの宴会を催し、1人当たり20万円かけることも珍しくなかった
 大量採用されたバブル組は当時11行あった都市銀行だけで毎年約4000人に達する。
〔中略〕
 主要電機29社では1990~1992年まで毎年3万人近く採用された。ところが1993年になると1万5000人台まで半減し、翌1994年には8752人とさらに半減。いくつかの有名企業で1991年→2000年の採用数の変化を見てみると、鹿島建設は430人→83人、大成建設は545人→147人、サントリーは322人→170人へと激減している。武田薬品工業にいたっては335人→39人と、実に10分の 1近くになった(『サンデー毎日』就職クロスランキングより)。”

90年代以降に生まれた世代はこうした実態を知らないから、
自分が批判されると本気で悩んでしまう。
はっきり言って、バブル世代には今の若者を批判する資格などない。
有効求人倍率が何よりも雄弁に事実を語っている。


バブル組の9割 1日1回以上スマホでネットにアクセスする(SAPIO)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131124-00000004-pseven-bus_all
”1988年から1992年に社会人になった世代、俗にいう「バブル入社」世代は約850万人いる。
〔中略〕
 日本生産性本部などが行なった新入社員意識調査の結果を経年変化で見ると、「人並み以上に働かなくていい」「仕事より生活が中心」「残業よりデートを優先」と答えた人の割合が1989~1992年のバブル組でピークを迎えた。仕事よりプライベートを重視する価値観への地殻変動がはじめて起こった世代とも言える。
 そんな彼らは今、どんな私生活を送っているのか。
 彼らの趣味がバブル終焉から約20年でどう変化したかをトヨタマーケティングジャパンと三菱総合研究所が調査(2011年)した結果、意外なほど慎ましい姿が浮かび上がった。
 1987年に公開された映画『私をスキーに連れてって』が大ヒット、バブル期と重なって空前のスキーブームに沸いていた1980年代後半、彼らの趣味は 1位「お酒」(38.3%)に次いで2位「スキー・スキューバダイビング」(27.3%)、3位「クルマ・ドライブ」(27.0%)だった。
 しかし、今は1位「パソコン・インターネット」(63.7%)、2位「国内旅行(温泉など)」(30.5%)、3位「お酒」(28.5%)。40代半ばになれば落ち着くのは当然とも言えるが、派手な流行や娯楽を追いかける様子は見られない。その下は「ウォーキング」や「ペットの世話」、「ガーデニング」などが続き、自宅周辺で事足りる趣味が目立つ。
 それもそのはずで、前述のように派手な趣味に費やす金銭的余裕はない。限られた予算のやり繰りで、1か月の飲み代「7152円」、趣味の費用「1万1353円」を何とか捻出しているのが実情だ(前出の新生銀行調査)。
 ただし、流行には今も敏感。「スマホ利用実態調査」(アイレップ=2013年)では、1988~1990年に就職したバブル組の9割が「1日1回以上」スマホでネットにアクセスしている。これは今年の新社会人と並ぶ高い数値だ。
〔中略〕
 この他、「Facebook」の利用率や「モバゲー」や「グリー」などのオンラインゲーム課金率が40代で顕著に高いというデータもある。”

そのバブル世代の価値観は以上の通り。
今は「失われた20年」に懲りて慎ましくなっただろうが
所詮はバブルに踊って価値観が歪んでしまったという側面は否定できない。
高飛車で強欲な女性を大勢生み出して後輩女子から白眼視されるようになった起源もこの時代である。
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社会福祉法人の黒字総額は年5000億円超、利益率も上場企業を超える - 情報開示すればこの体たらく

2013-11-26 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
当ウェブログは日本版ノーメンクラトゥーラ(社会主義特権階級)として
公費を我田引水する原子力利権勢力を名指しした訳であるが、
残念ながら社会福祉法人も同類であったようだ。

日経報道によれば、我が国の社会福祉法人の利益率が
上場企業を超えていることが判明した。

公立保育所や特養のように行政から自動的に顧客を紹介される、
言わば特別扱いを受けている部門があるのだから当然の数値と言えよう。
健全な競争が促進されないため電力大手のように市場が「縄張り」化しているのだ。

となると、たちの悪いオーナー企業と同じで
経営陣の収益私物化と情実人事が間違いなくある筈だ。

従ってこの後の展開は容易に予想できる。
次の情報公開は、社会福祉法人の経営陣への報酬である。
理事長の銅像を建てるという「まるで北朝鮮」の法人すらあり、
事実を知ったら怒りに震える世論の集中砲火は確実だ。

続いて、社会福祉法人への天下りの実態暴露である。
厚労省や地方自治体からの天下りはよく知られた事実であり、
有権者の殆どはこの「限りなく癒着に近い」構造を知らない。

原子力利権勢力ほど派手な天下りはしていない(と思う)が、
何しろ絶対数が多いので問題は厄介である。
彼らの食い扶持を払っているのは日本国民なのだ。

勿論、社会福祉法人に恨みがある訳ではない。
優秀でマネジメントが模範的な法人も存在する。
しかし「そうでない法人」が野放しにされたままだ。

▽ 福祉分野での「補助金狙いの天下り受け入れ」は公然の事実である

『こうして組織は腐敗する 日本一やさしいガバナンス入門書』(中島隆信,中央公論新社)


社会正義を騙って公費の流れを正当化するのは腐敗そのものであり、
我が国の社会福祉を透明度の高い健全で公平な世界とし、
財政制約が年々強まる中で「自分の庭先だけ」の歪んだ意識を根治するため、
情報公開によって利権は滅びなければならない。

「日本版「赤い貴族」の存在は原子力ムラだけではないのだ」

「12.8兆円のどこまでが金融資産でどこまでが不動産なのか不明なので
 是非とも情報公開を断行して利権の実態を明らかにすべきだ」

と当ウェブログは書いてきた。まだまだ先は長い。

 ↓ 参考

1兆円の内部留保を溜め込んだ社会福祉法人、実態は世襲特権階級か - 高コスト体質に莫大な公費投入
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1508a756467e98c1e3feaec4b62d757d

12兆円の国内埋蔵金、社会福祉法人の巨額資産が発覚 -「これほどの内部留保で負担増は納得できない」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a3a3c6d42c04bad313fca4ddb614788f

▽「社会保障既得権」は巨額に及び、しかも情報公開が不充分

『社会保障の「不都合な真実」』(鈴木亘,日本経済新聞出版社)


▽ 日本では貧しい現役世代から取った税が高齢者三経費に回され、貧困率が上昇している

『日本の景気は賃金が決める』(吉本佳生,講談社)


社会福祉法人の利益率、上場企業超える6% 優遇見直し論も(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS26028_W3A121C1EE8000/
介護施設や保育所などを経営する非営利の社会福祉法人の利益が、収入に対して年平均6%程度と上場企業を上回っていることが、政府の規制改革会議の専門委員の調査でわかった。27日の同会議に報告する。社会福祉法人の黒字額の合計は年間5千億円を超える。非課税優遇などの見直し論にもつながりそうだ。
 規制改革会議の専門委員のキヤノングローバル戦略研究所の松山幸弘研究主幹が、施設を経営する社会福祉法人約1万7千を…〔以下略〕”

矢張りそうだったか。案の定である。
利害関係者である厚労省ではなく規制改革会議が実態を暴いたのも示唆的だ。

但し、これには黒いシナリオもあり、
財界関係者とその与力だらけの規制改革会議が出しゃばることで、
「民間企業参入を認めることがまず不可欠」と
薄汚い市場獲得競争に堕してしまう可能性が高まっている。

連中の本性から考えて「ひとつ利権去ってまた別の利権」になりかねない。


社会福祉法人、財務諸表の公開4割どまり(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2403O_U3A021C1EE8000/
”政府は24日、規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)を開き、社会福祉法人の経営の透明性を検証した。厚生労働省はホームページか広報誌で財務諸表を公開している法人は全体の4割にとどまると報告した。規制改革会議は「税金が入っていながら、あまりにお粗末」(岡議長)と批判し、全ての社会福祉法人に2013年度の財務諸表の公表を求めた。
 社会福祉法人は福祉施設や保育園、病院などを経営しており、行政から補助金や税制の優遇を受けている。”

公開がこれだけ少ないということは、
陰で悪用される可能性もまた高いということである。
賭けてもいいが、詳細に調べれば必ず奇妙で許しがたい例が発覚するだろう。

社会福祉法人とNPO、株式会社とで一概に優劣がある訳ではない。
しかしそれも情報公開し公平な条件で比較しなければ分からないのである。


特養の内部留保3億円超、1施設平均 「過大」指摘(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2103V_R20C13A5EE8000/
”社会福祉法人などが運営する特別養護老人ホーム(特養)の内部留保に注目が集まっている。厚生労働省が21日公表した委託調査によると2011年度末時点で平均約3億1千万円で、総額では2兆円規模。
〔中略〕
 厚労省が15年度に予定する介護保険制度改革の論点になりそうだ。
 社会保障審議会の専門委員会で調査結果を示した。12年9~12月に実施し、対象の特養6104施設のうち1662施設(27.2%)について内部留保を把握。繰越利益に相当する「次期繰越活動収支差額」と人件費や施設整備関連などの積立金を合計して算出した。
 内部留保は1施設平均で3億1373万円となり、ほぼ同じ算出基準を使った10年度末時点の3億782万円から横ばい。調査対象の特養全てが同額の内部留保を抱えると見ると、総額は1.9兆円超となる。平均の総資産額は9億7827万円。外部から「内部留保が過大」と指摘された後も実態が変わっていないことが明らかとなった。
 特養については、11年ごろから「内部留保を過大にため込んでいる」と批判する声が強まり出した。厚労省が11年末に示した内部留保のデータを分析する形で、12年7月には財務省が特養の財務状況について発表。内部留保が多額なほど、利用者負担を軽くする措置の実施率が低いほか、会計処理が不適切な施設もあるなどと指摘した。
 特養の内部留保を単に施設の維持運営に限らず「新たな福祉サービスの提供に充てて社会に還元すべきだ」(キヤノングローバル戦略研究所の松山幸弘研究主幹)との声は多い。介護は他の産業に比べ賃金が低水準にとどまり離職率が高い問題もあり、特養の内部留保を職員の処遇改善に使うべきだとの指摘もある。
 ただ特養の側からは「多くが土地や建物など固定資産に投入され現預金として積み立てていない」「建て替えに備えた資金が必要」などの異論や不満も多い。そこで厚労省は現預金を主とする「実在内部留保」を新たに定義した。この場合、1施設あたり平均額は1億5563万円となる。
 だが「多額をため込んでいる施設は少なくない。特養で純資産額が総資産額の約8割も占めるのは過剰」(松山氏)との批判はやまない。専門委員会でも「資金の使途を明らかにすべきだ」などとする指摘が相次いだ。
〔中略〕
 厚労省は全ての社会福祉法人の財務諸表についても公表する方針を決めている。特養の内部留保をめぐる議論は、「埋蔵金論争」として今後社福法人全体に広がる可能性がある。

少し前からこのようなきな臭い報道が出ていた。
本格的に公表したらメディア関係者にとって「宝の山」となろう。
「炎上」も何件か起きるのは避けられない。

厚労省は天下りのデータを何としても公表したくないだろうが、
こちらも時間の問題だろう。公益のためには情報公開しかない。
それが嫌なら有権者の負担する公費を1円たりとも受け取らなければ良い。

そもそも後ろ暗いことがなければ公表できる筈ではないのか。
逆に言えば、公表に抵抗するなら「不都合な真実」の存在は間違いない。
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特定秘密保護法『権利や報道に配慮』は大嘘、現役官僚が証言-核燃サイクル推進派「原発まるごと秘密」画策

2013-11-25 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
今まさに悪評だらけの特定秘密保護法案だが、
国連人権理事会に「深刻な脅威」として名指しされても
平然と法案を通そうとする自民党の独善ぶりは治療不可能である。

日の丸・君が代の件でも証明されたように
自民党は元々公正明大な論議から逃げて見解の異なる人々を説得する努力も怠り、
己の価値観やイデオロギーを強要する悪しき体質を持つ。
(説得する能力が極端に低いので他の選択肢がないのである)

第三者機関の設置を「検討」などと見え透いた言い訳で逃げる
みっともない首相に抗議して自民を離党する議員が何人も出ても当然の事態だが、
民主主義を全く理解していない傲慢な秘密主義の連中か、
「寄らば大樹の陰」で保身に走る恥ずべき「選良」ばかりであるようだ。

こうした事態を喜んでいるのは、メディアや世論の追及を恐れる
既得権勢力や、国民に隠れて策謀を巡らす連中ばかりである。

事実、因果応報で窮地に立たされた核燃料サイクル推進派の官僚が
原子力すべてを「特定秘密」に指定できるよう策動している。

▽ 我が国の原子力は、手厚い政府の保護と莫大な公費を受けても情報隠蔽・不祥事を続出させてきた

『新版 原子力の社会史 その日本的展開』(吉岡斉,朝日新聞社)


特定秘密保護法案は、日本の原子力と同様の末路を辿ることになろう。
つまり「アメリカを形だけ真似した劣化コピー」に堕落する、ということだ。

「原子力「業界」は実によくかつてのソビエト連邦と似ている。
 「組織を維持すること自体が自己目的化」しているからである。
 福島事故がなければこうした醜悪な実態を広く国民が知ることはなかったであろう。
 原子力は最初から強権的な「自己宣伝」の歴史であったのだから驚くべきことではない」

「毎日新聞が鋭い取材で腐敗した原子力利権勢力の本性を暴いている。
 こうした買収行為が彼らにとっては「常識」「当然の業務」だったのである」

と当ウェブログは主張してきた。
利権勢力や国民を洗脳したい連中は、特定秘密保護法案に万歳三唱している筈である。

 ↓ 参考

「原発再稼働すれば30億円出す」- 全く変わっていない原子力ムラの体質、傲慢・金権・天下り広報機関
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7a03b05ddb9b112915be0ee3f3ce3322

「こういう組織の存続を許すこと自体が問題」-杜撰なもんじゅ点検漏れ問題、日本原子力研究開発機構に鉄槌
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7a03b05ddb9b112915be0ee3f3ce3322

▽ 薄汚い原子力業界のカネの流れ、日本国内で買収された工作員どもが暗躍中

『原発の深い闇』(別冊宝島 ノンフィクション)


報道への深刻な脅威=秘密保護法案に懸念―国連報告者(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013112300013
”【ジュネーブ時事】国連人権理事会のフランク・ラ・ルー特別報告者(表現の自由担当)は22日、声明を発表し、日本の特定秘密保護法案は「秘密の範囲が非常に広範で根拠が不明確」と指摘、秘密情報を扱う報道関係者や内部告発者の人権に対する深刻な脅威だと懸念を表明した。
 ラ・ルー氏は「透明性は民主主義の根幹」と強調。秘密扱いにすべきかどうかは、秘密漏えいが国民全体の利益を損なう場合に限られるべきであり、「独立機関が判断すべきだ」と訴えた。”

極めて適正な見解だと思うのだが、
安倍内閣や自民党のレヴェルはここにすら至っていないのである。
その程度の政党に投票した連中は、軽挙妄動の報いを受けることになろう。


特集ワイド:特定秘密保護法は霞が関を劣化させる 覆面官僚作家が警告(毎日新聞)
http://mainichi.jp/shimen/news/20131119dde012010003000c.html‎
”「知る権利」を揺るがす特定秘密保護法案は今週、衆院を通過する見通しが強まっている。情報を独占する霞が関からはどう映るのか。9月に原発行政と電力業界の闇を描いた小説「原発ホワイトアウト」(講談社)を出版した現役キャリア官僚の覆面作家、若杉冽(れつ)さんに聞いた。【吉井理記】
〔中略〕
 「特定秘密保護法案に『知る権利や報道に配慮する』との条文がありますね。これで喜んでいるメディアがあるなら、相当おめでたいなあ」。記者を見据える。「だって、僕らがいろんな法案の説明で議員を説得する時にやる手と同じなんですよ。『配慮』『尊重』『勘案』は独特の官僚語。僕らは事前に『この規定は慎重派の公明党さん用』『この条文は反対野党のねじ伏せ用』と、空手形のような拘束力のない努力規定・条文をカードとして用意しておき、議員の反応を見ながら切っていく。例の条文も、その程度のもの。『配慮をするつもりはない』と言っているのとほとんど同義ですね
 法案は▽防衛▽外交▽テロ防止▽スパイ防止--の4分野について、「特に秘匿を要するもの」を大臣ら行政機関の長が「特定秘密」に指定し関連文書や情報を秘密にできるようにするものだ。特定秘密にタッチできる公務員は、情報を漏らす恐れがあるかどうかを調べる「適性評価」で決める。特定秘密を漏らせば最長で懲役10年、共謀したりそそのかしたりしても5年以下の刑罰が科される。
 秘密の範囲もあいまいだ。条文には「その他安全保障に関する重要なもの」など「その他」が次々に出てくる。役所にとって不都合な情報は適当な理由をつけてあれもこれも「特定秘密」にしてしまうのでは、と懸念されている。
 かねての疑問をぶつけた。現行の国家・地方公務員法にも「職務上知り得た秘密は漏らしてはならない」との「守秘義務」がある。こちらは1年以下の懲役、特定秘密保護法案は最長で10年だから文字通り桁違いの厳しさではあるが、逆に言えば、刑の重さ以外はそう変わらず、むしろ官僚にとってはメディアや国民に騒がれず事を進められる便利な法案なのでは?
 「とんでもない」。語気を強めた。「今の守秘義務は何が秘密か、事実上、個々の公務員の判断に委ねています。不必要に秘密を漏らせばアウトですが、仕事で必要なら他の官僚や議員とほぼ何でも相談できる。よく『役所は縦割り』と批判されますが、それを補う風通しの良さは担保され、結果的に国民への還元につながっていました」
 ところが特定秘密保護法が成立してしまえば、「これは特定秘密だ」と絶対的な指示が降ってくる。「問答無用、個々の公務員に判断の余地はない。そこが最大の違いです。良い仕事をするには組織の柔軟さが不可欠。実務に携わる身としては『まともな仕事ができなくなる』という不安だけが募ります」
 具体的には、霞が関で何が起こるというのか。
 「政策を立案する時、部署や省庁の垣根を越えて意見を聞いたり『今こういう状況だが、当時はどうだったのでしょうか』と前任者やOBにアドバイスを求めたりすることがよくあります。政策は、多角的なクロスチェックを経てこそ磨かれますから。この法案はそれを不可能にする」
 原発ムラに切り込んだ自身の小説に沿って語ってくれた。ある官僚が、原発に外部電源を送る送電鉄塔の安全基準を向上させる政策立案を担当したとする。「テロに利用される恐れのある特定秘密情報だから漏らすな」との厳命付きだ。鉄塔は山の中にもあるから、林野庁や環境省との情報交換が必須だ。現行基準が設けられた時の担当者に経緯を聞いたり、技術的な助言を得るために旧知の研究者や企業に接触したりもしたい。だが--。「お互いに公務員といってもキャリア、ノンキャリア、精通分野など千差万別。相手が特定秘密を扱う資格のある人物なのか、いちいち確認しなければならないし、外部の人たちとなると、なおさら相談しにくい。その結果、役所のごく狭い範囲の人間だけで作る独りよがりの政策になる。今の例でいえば『より安全な鉄塔』という本来の目的からも遠ざかります」
 政策や法律をつくるのは官僚だけではない。官僚の腰が引ければ、普段から官僚を交えて勉強会を開き、必要な知識を蓄えている国会議員の動きも鈍る。「議員との勉強会の中から、官僚だけでは考えつかない斬新な議員立法のアイデアが生まれることがあるのです。しかし、その機会は確実に減るでしょうね」。国会は政府の提出する法案を審議するだけの場所に成り下がりかねないというのだ。
 第1次安倍晋三政権時の2007年、安全保障や外交上の秘密などのうち、重要項目を「特別管理秘密」とすると定めたが、その数は41万2931件(昨年末)。政府は「絞りをかけるから(特定秘密の件数は)より少なくなる」(11日、衆院特別委での森雅子特定秘密保護法案担当相の答弁)と説明している。若杉さんはこれにも疑いを持つ。「実は昨年6月、『原子力の憲法』と言われる原子力基本法が改正され、『我が国の安全保障に資する』ことも目的にする、との文言が滑り込みました。それを根拠に原発情報を丸ごと特定秘密化することが可能になった。核燃料サイクル推進派の官僚の入れ知恵ですが、事程左様に秘密が『少なくなる』保証なんて何もないんです」
 隠された「不都合な真実」を明るみに出すのは、心ある公務員とメディアの共同作業のはずだ。その際、やはり厳罰化がボディーブローのように効いてくるのは避け難いとみる。「元からまともに取材に応じない官僚は『それは懲役10年もの』とか言って記者を蹴散らすだけでしょうが、このままでは話せることは話す誠実な官僚までが怖がって何も言わなくなる。僕だって正直、ビビりますよ。特定秘密は外国からもらった情報だけにすべきです」〔以下略〕”

様々な害悪が生じると予想されるのだが、まずは原子力分野である。
今迄も独善・情報操作・癒着・買収紛いの公金バラマキ・果てしない不祥事と
国民の不信を自ら招き寄せる体質が骨の髄まで浸透しているのだから
特定秘密保護法案に小躍りして「絶好の煙幕」として利用しようとするのは驚くにあたらない。
寧ろ彼らの習性と行動様式から見て当然の策動である。


内閣府特命担当大臣 森まさこ -「苦労人」の強さと弱さ(プレジデント)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131123-00011230-president-bus_all
”1964年、福島県生まれ。東北大学卒業後、95年に弁護士登録。ニューヨーク大学客員研究員、金融庁課長補佐を経て、2007年参議院選挙初当選。昨年12月より現職。
 父親が大きな負債を抱え、苦労して大学まで進んだ。借金返済に協力してくれた弁護士の姿に魅せられ同じ道へ。1995年に独立。消費者問題に強い人権派弁護士として活躍する。結婚し、2女の母親だ。家族の協力もあってアメリカに留学。帰国後は金融庁に入り、貸金業規制法の改正に奔走した。「弱者救済」がモットーだという。
 こんな活躍が自民党の目にとまり、福島県知事選に出馬。落選するも、2007年の参院選で初当選を果たす。東日本大震災以降は、被災地代表として支援を訴え、民主党政権を責め立てた。その迫力も買われて第2次安倍政権では当選1回ながら少子化対策・消費者担当大臣に抜擢。少子化支援の軸を育児から婚活へ大転換した。「子供を生むにはまず結婚。結婚した人への援助を厚く」という発想は興味深い。
 一方で、苦学して成功した反動か、他人に厳しい。また時として苦労は人から品性を奪うというが、政治家としてまだ駆け出しながら、「威張る、怒る、怒鳴る」の3拍子。かなり怖い。国会やテレビ出演で想定外の質問が出ると、スタッフの役人を「聞いていない。準備不足」と責めて人前でも大声で怒鳴り上げる。
〔中略〕
 そのくせ9月に特定秘密保護法案の担当大臣に就任してテレビ各局から番組出演の依頼が来ると、それを拒否する弱い一面も見せる。役人に聞くと「予期せぬ質問には答える力がない」。
〔中略〕
 「頭はいいが人望がない」とは政治家全体の傾向だが、このままでは女性登用をアピールしたい安倍総理の人身御供で終わってしまう。人間力アップのために、もう一苦労お願いしたい。”

辛辣だが興味深い記事だ。
ただ政治家は「頭はいい」のではなく「政策への理解は狭いが口はうまい」が正しい。

密約を暴いた西山事件を「不当取材」とする歪んだ認識を示した新人の担当大臣は、
このような人物であると報じられている。苦労人だろうが何だろうが
権力に取り込まれるとたたの歯車になるという好例である。

自ら進んで歯車になるだけなら兎も角、
それで無実の国民を木っ端微塵に粉砕する「手先」となるわけだから
現代史に黒々と忌まわしい刻印を残す以外に道はない。因果応報である。

……あと、「子供を生むにはまず結婚。結婚した人への援助を厚く」との主張は
事実上「離婚したシングルマザーなど知ったことか」という差別主義に直結することも分かっていないようだ。
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