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個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊ダイヤモンド』3月22日号 - 育児家事が本当の「年収の壁」、扶養や社会保険料は口実に過ぎない

2025-03-21 | 『週刊ダイヤモンド』より
週刊ダイヤモンドは得意の保険特集、
変額や外貨建てに頁が割かれるという中々筋の良くない内容だが。。
トランプの不規則発言からすぐ分かるように今年は円高必至、
迂闊に選ぶべきでない選択肢のように思えるのだが。。

それでも保険会社の評価ランキングで外資系が2社、
上位に入ってくるなどかなり興味深い記載もある。
(外資系Aや日系Sのように安定して評価悪い社もある。。)
DXだけでなくオンライン化も遅々として進まない保険業界、
また新たな変化があるか注視しなければと思い直した。


エントリーのサブタイトルはサブ特集105頁より。
話題の「年収の壁」は矢張り国民民主が騒ぐほどの効果がなく
女性パートタイマーの就労抑制の要因としては
①子育ての負担(57.2%)、②家事の負担(25.3%)
の順だとか。
所謂「年収の壁」はこのリクルート調査では上位に入っていないそうだ。。
当ウェブログは日本女性のジェンダーは特殊だと繰り返してきたが
案の定、の結果である。調査の詳細は明記されていないが
研究者もこうした女性就労の斯くされた本音に注目すべきだろう。
欧米のイデオロギーに毒されてバイアスに囚われていると
何故、日本のパート比率が異常に高いのか解明できないであろう。

『週刊ダイヤモンド』2025年3/22号 (保険大激変)


今週、最も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
米ロが組んでウクライナに降伏に近い停戦を強いると
大胆だが粗雑な分析が明記されてしまっておりやれやれだ。
大変残念なことだが氏が何を主張しても
今回のウクライナ侵攻でロシアが既に戦略的敗北を喫している現実は
1ミリも揺るがない。ソ連を崩壊させたアフガン侵攻より損失が大きく、
ウクライナ侵攻長期化による打撃でロシアは完全に衰退の道へと陥った。
戦時経済でも既にロシア経済は変調の兆しを来しており
アルコールの輸入が急増している。まさに亡国の兆しである。

停戦が成立したらウクライナには西側の投資が殺到するが
リスクの高いロシアには中国しか投資しないであろう。
おまけに出生率の低迷は確実であるから
ユーゴ内戦後のセルビアより深刻な経済低迷に見舞われる。
これで原油価格低迷が加わったらロシアは万事休すである。
年老いたプーチンは既に余命が乏しく、後継者争いで
ロシアは深刻な内紛に見舞われるであろう。
氏は歴史に学ばないのが特徴だが、はっきり言って
プーチンの死は遠くないしプーチンの死後に
スターリン批判ならぬプーチン批判はもはや不可避である。

氏は、今後世界が帝国主義に転じるように書いてしまったが
プーチンは既に70歳を超え、スターリンの亡くなった年齢に近い。
短命なロシア人としていつ死亡してもおかしくない訳で
(序でに言えばトランプも任期中にいつ寿命が来ても不思議ではない)
その程度の数字も確認しないでは、的確な見通しは得られないのでは。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済のアクセンチュア特集はかなり良い。
コンサル業界を目指す東大慶大早大の学生は必読だろう。
アクセンチュアの日本法人トップへのインタビューを初めて見たが
かなりの人物で頭が切れるとすぐ分かった。同時に、
これほどの人材が外資の日本法人のトップにとどり続ける
日本経済のダイナミクスの欠如も感じてしまった次第だ。。

事実、アクセンチュア日本法人が業績絶好調でも
日本企業の成長力の乏しさは依然として変わっていない。
コンサルという業界は日本経済には大して貢献しないと言うか、
高齢層への所得移転と女性の就労抑制という日本経済の宿痾は
コンサル業界が総力を挙げてもびくともしないのであろう。

『週刊東洋経済』2025年3/22号 (進撃のアクセンチュア)


佐藤優氏は東洋経済の連載でも奇妙な主張を行っている。
ソ連崩壊は「イデオロギーの空白」によるものだそうだ。
神学部ではこの程度の分析で通用したのだろうか?
エマニュエルトッドはよく知られているように
ソ連の乳幼児死亡率の上昇からソ連崩壊を予言し、的中させた。
(トッドはこうした数値に基づかないEU崩壊論などは外している)
客観的事実や数値を挙げられないのでは、社会科学的には論外とされよう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週もダイヤモンドに注目、「生産性が3割アップしても賃金が上がらない」はまさにその通りで腐敗したアベノミクスの末路である。

▽ 「大企業が冷遇するロスジェネ」も事実だが、問題は政治家だけでなく研究者もエコノミストも有効な対策を出せないことだ。。

『週刊ダイヤモンド』2025年3/29号 (階級社会の不幸)


▽ 東洋経済は倒産特集、「コンプラ違反倒産」「事業承継の闇」の二つが現代ならでは

『週刊東洋経済』2025年3/29号 (再来! 大倒産時代)


▽ エコノミストは生成AI特集、AIエージェントとディープシークが新情報か?

『週刊エコノミスト』2025年4月1日号

勿論ソフトバンクも取り上げられている。
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『ダイヤモンド』3月15日号-消費者態度指数はコロナ前より悪化、デフレ脱却を妄信しスタグフレーション

2025-03-14 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週のダイヤモンド特集は「名門エスカレーター校」。
死活的な少子化問題を放置して我が家の私学進学と教育費軽減だけを求める
B層有権者による「合成の誤謬」の末路が見える特集だった。。


エントリーのサブタイトルは21頁、元日銀の須田氏が
「消費者マインドの悪化も深刻 日銀は物価の認識を改めよ」
と題して現下の日本社会の消費者マインドがいかに悪いか指摘している。
勿論これは愚昧で暗愚なアベノミクスや異次元緩和を
経済政策と勘違いしたアベクロとそれを支持したB層のせいであり
異常な緩和策はせいぜい三年程度でやめておけば良かったものを
ズルズルと安倍政権を延命させた集団愚行の必然の帰結なのである。

『週刊ダイヤモンド』2025年3/15号 (名門エスカレーター校)


今週号で最も宜しくないのは佐藤優氏の書評。
研究者としての評価は芳しいと言えない古市氏の著書を挙げて
歴史的には民主主義より帝国主義や権威主義体制の方が長期で
安定していることがあるように書いているが、
歴史的に見れば帝国主義は必ず衰退し崩壊しているし
権威主義体制はソ連やシリアを見れば一目瞭然で突然崩壊する。
中国の権威主義体制も同様で、必ず崩壊し混乱期が周期的に訪れる。
氏はもっと歴史に学ぶべきではないのだろうか。
(そもそも古市氏の専門は歴史学でなく社会学であろうに)

氏はAERAではトランプにとってプーチンが光の子で
ゼレンスキーが闇の子などと根拠不明な主張を行っているが、
これこそまさに歴史に学んでいない議論である。
トランプ当選にプーチンが大喜びだったことから内情は明白で、
トランプはロシアに利用され騙され始めているに過ぎないのだ。
そのことは遠からず明らかになる。
停戦交渉をロシアが引き延ばして条件を引き上げ、
トランプやイーロンマスクの愚行でロシア有利に転じた戦場で
ウクライナに便乗攻勢をかけて大勢の人を死なせるであろう。
(ロシア革命からホロモドール、日ソ中立条約破棄へと至る歴史が教える通り)

▽ 氏は、昨年大きな話題となった以下の好著から史実を学んだ方が良いのでは

『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』


    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストは合併号、概ね先週に書いた通りであろう。

「「資格で楽しむセカンドライフ」は、前回の東洋経済より地に足が着いている」

としたように、東洋経済は背伸びした一部の意識高い系向けで
エコノミストが一般層向けの内容である。


他には、少子化の止まらない中国経済は着々と斜陽へ向かっており、
米国経済も(直近の米国市場が雄弁に語っているように)宜しくない。
矢張り2025年は非常に難しい年となっている。

市岡繁男氏は連載で「金利の壁に直面する米IT大手」と題して
所謂マグニフィセント7の株価が全て軟調であること、
これらがSP500の時価総額の約3分の1を占めることを指摘している。
米国株インデックスの信者はよくよく現実を見るべきだろう。。

『週刊エコノミスト』2025年3/18・25合併号【特集:資格で楽しむセカンドライフ】


興味深いのは83頁の「空飛ぶクルマ」。
eVTOL(電動の垂直離着陸機)の開発が進んでいて
日本企業も遅ればせながら頑張っていること、
日本勢ではテトラとホンダ(ハイブリッドだが)が
期待されること。こうした余り知られていない分野から突然、
イノベーションが起きることがあるから注視しておきたい。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の株式特集は、どうも食言気味である。
年頭の威勢のいい強気姿勢は一体どこへ?
誌面にきちんと反省の意を示した方が良いと思うのだが。。

「東洋経済は逆指標になっても「環境激変」と言い訳、
 但し生成AIバブルのバーストを予見する清原氏は正しいと思う」

と先週に書いた通り、清原氏へのインタビューは絶対読んでおいた方が良い。
その当否は兎も角として市場心理や今の市況に振り回されない冷静な見方は参考になる。

『週刊東洋経済』2025年3/15号 (株の道場 環境激変に勝ち抜く株)


佐藤優氏は、宗教の話の続きだった。
ゴルバチョフは共産主義が偶像崇拝と気付いていたとの主張だが、
毎度のことながら事実の確認と仮説の検証とが峻別されない
主観的な主張である。客観的・科学的な考察とは到底言えない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週もダイヤモンドに注目、得意の保険特集でしかも最新動向に変化が見られるようだ。

2020~2023年の手取り実質賃金増加率は0.5%という衝撃的な分析もある(矢張りスタグフレーションだ!)

『週刊ダイヤモンド』2025年3/22号 (保険大激変)


▽ ちょっとダイヤモンドっぽい特集の東洋経済、しかしアクセは採用増やし過ぎて人材の質に問題がとも聞いているが?

『週刊東洋経済』2025年3/22号 (進撃のアクセンチュア)

それにしてもポストコンサルがPEファンドというのは。。日本企業の高齢化と停滞を物語っているかのようだ。。
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『週刊ダイヤモンド』3月8合併号 - 賃上げしても消費性向低下、リフレ政策は根本的に間違っている

2025-03-06 | 『週刊ダイヤモンド』より
合併号のダイヤモンド特集は「上場廃止ラッシュ」。
市場改革やコーポレートガバナンスコードは不可避だが
日本経済を力強く成長させるものではないことは明らかである。
値上げして株主還元増の山崎製パンはまさに資本主義の暗部である」と書いたが、
寧ろ資本主義の病巣を大きくするものですらあることが示されていると言えよう。

主幹事証券会社別のIPO騰落率はなかなか良い視点、
そしてパート1よりパート2の「不動産リッチ企業」の方が
読者にとって有益でろうが。。(フジHDもこれに該当している)


エントリーのサブタイトルは23頁より、
日本総研の村瀬氏による「強まる家計の節約志向」である。
日本経済の実質消費は2023年に続き2024年もマイナスとか。
2024年には実質可処分所得が伸びたにも関わらず
逆に消費性向は悪化して節約志向が高まった、との主旨である。

何のことはない、経済がゼロ成長で高齢者バラ撒きを続けているから
至極当然の結果に成っている訳であり、氏は持続的な賃上げの実現と
高齢層の就業環境整備が対策になると主張しているが、甘過ぎる。
日本は今、労働市場を見れば分かる様に労働投入が足りないのであって、
就労抑制をもたらす「年収の壁」打破の方が遥かに効果が高い。
(一人当たり労働時間が減る一方である現実を直視すべきだ)
消費も日銀が利上げして円高になった方がはっきり改善するであろう。

『週刊ダイヤモンド2025年3/1・8合併特大号 (上場廃止ラッシュ)


今週号で最も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
トランプ・石破会談の件はAERAへの寄稿とほぼ同じだし
(編集部ははっきり使い回しを指摘した方が良かろう)
トランプの関税政策による経済への影響は「意見が分かれている」
などと意味不明なことが書いてあるのに驚かされる。
(既に各メディアで報じられている様に、専門家は圧倒的多数が批判的)
氏が経済に言及する際は竹中平三は経済学者などと突拍子も無いことを言い出す。
(どのようなキャリアを経たかだけでなく、専攻すら分かっていない訳だ!)
実際、米国では早くもやまない物価高でトランプへの不満が高まっているのだが。
賢明な読者は反面教師として学んだ方が良いであろう。

尚、氏はAERAではトランプとプーチンが「握って」
ぜレンスキー外しを行ったように書いているが、
読売新聞はトランプがロシアに利用されていると指摘している。
氏は以前から、情報源に好都合な情報を流す傾向が強い。
今回も、ロシアがトランプを無視してクルスクで攻勢に出ているから
明らかに読売新聞の見方の方が正しい。
ロシアが米大統領線に介入してトランプに有利な工作を行っていたことからも、
トランプ再選で世界で最も喜んだのがプーチンであることからも真相は明らかだ。

    ◇     ◇     ◇     ◇


エコノミストは航空産業特集、前回書いたように
「サバイバルと呼ぶような危機ではない」内容だが
後半に目立たないながら良記事がある。

人手不足が顕著なグラハンにおける無人化・DXが進んでいるようだ。
日本企業全般における課題であるが意外なところから対策が進んでいた訳だ。

他方、SAFの分析記事には肝心のコストへの言及がなく評価は下がる。
コストを考えれば砂糖黍しか採算が取れない筈である。
ユーグレナが全然うまくいっていないことは周知の事実であろうに。。

特集最後の方で触れているのは小型ロケット開発。
あれだけ注目されても開発はかばかしくないとのことで、
矢張りベンチャーはやってみないと分からないものだ。

寧ろ、「ハッキングされない電子署名」で躍進したGVEの方が
ナスダック上場で華々しい活躍ぶりを取り上げられている。
こちらも最初は暗号通貨関連技術から始まったようで、まさにVUCAであろう。

『週刊エコノミスト』2025年3月11日号 【航空産業サバイバル】


レポート「過去30年の失われた賃金は180兆円 24年度給与は月額9万円増だった」は全く評価できない。
日本企業は長らく売り上げが低迷しており、いまだその点では回復できていない。
執筆者は日本経済の平均成長率が下がる一方で「失われた30年」が続いている事実を直視すべきである。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済は特集「稼げるスキル大全」特集。
「いつも大袈裟な東洋経済特集、本当に「稼げるスキル」かどうかは要検証」
と書いたが概ね間違っていなかったという印象。

ラインナップの多くが中高年の読者層には無理があるのではないか。
しかも最新の花形資格ばかりという印象で市場性が充分に検証されていない。
編集部でこれらの資格を得てキャリアアップ或いは独立した例があるのか。
かなり浮ついた内容であるのは否めない。

『週刊東洋経済』2025/3/8号 (40代、50代のための稼げるスキル大全)


対照的に、82頁の寄稿「企業の昇進の慣行が男女賃金格差の原因に」
は大変素晴らしい内容だ。あの山口慎太郎氏が入っている研究だが
他の2名の研究者にも注目したいところだ。

ただ、研究の内容や結論は妥当であるものの、「年収の壁」や
日本女性特有のジェンダー意識について何も触れていないのは問題だ。
米国では出世したキャリア女性の出生率は明らかに低いと聞いている。
また、出生率が高く男女平等な北欧では女性の多くが公務現業である。
「短時間で成果を出す人材の生産性を評価」では大した効果は出ない。
出産後10年で女性の賃金が44%低下するのは「年収の壁」でほぼ説明できる
山口氏を含め、日本女性が育児家事に固執してアウトソースを嫌がる
かなり強固な文化的・心理的要因を分析すべきであると思うのだが。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンドに注目、名門校でも少子化で「定員割れ」「赤字だらけ」だそうだ。。

▽ 「ロシア経済は停戦で「反動不況」突入?」という分析は鋭く、完璧に正しい

『週刊ダイヤモンド』2025年3/15号 (名門エスカレーター校)


▽ 東洋経済は逆指標になっても「環境激変」と言い訳、但し生成AIバブルのバーストを予見する清原氏は正しいと思う

『週刊東洋経済』 2025年3/15号 (株の道場 環境激変に勝ち抜く株)


▽ エコノミスト「資格で楽しむセカンドライフ」は、前回の東洋経済より地に足が着いている

『週刊エコノミスト』2025年3/18・25合併号【特集:資格で楽しむセカンドライフ】

30歳未婚率が「10年で倍増」の中国も、「物価高でトランプ氏に不満」の米国も前途多難だ。。
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『ダイヤモンド』2月15日合併号 - 中国で消費指標が大減速、促進策で需要を先食いし日本と同じ道へ

2025-02-13 | 『週刊ダイヤモンド』より
ダイヤモンド合併号は力作内容だった。
メインの給料特集で明らかに企業の勢いの差が分かる。
(日産が大減速してトヨタ・ホンダが好調)

サブの洋上風力特集もかなり良い。
ただ洋上風力の苦境が暗愚な安倍の大失政によること、
つまり異常な緩和策による円安と風力開発の出遅れ&サボタージュが
この大損失の元凶であることは指摘して欲しいところ。


エントリーのサブタイトルは23頁より。
リーマンショックの際とは状況がまるで逆で、
現在の中国は明らかに消費が悪くジャパニフィケーションそのものだ。
かつての麻生政権と同じ様に弥縫策の消費促進策を繰り出したが
麻生政権下の日本と同様に需要の先食いに終わっている。

人口動態の老化による経済悪化は東アジア特有の現象であり
遠からず経済史の教科書で取り上げられることとなろう。

『週刊ダイヤモンド』 2025年2/8・15合併特大号 (ランキングで斬る! 年収&株価)


合併号でもっとも宜しくないのは佐藤優氏の連載。
大混乱に陥った韓国政治の分析であり内容的には他の識者と
大同小異なのだが、氏はこれから北朝鮮の立場が強まるように書いている。
はっきり言って北朝鮮程度の経済力では韓国の足元にも及ばないし
肝心の後盾になっているロシアがウクライナ停戦で衰退必至だから
氏の見通しが的確かどうかかなり疑わしい。
かつて北にまんまと一杯食わされたトランプが性懲りもなく
再び米朝会談という恩典を与えることは考えられない訳ではないが
その程度では指導者じきじきに国民に謝罪したと報じられる内政の失敗はリカバーできない。
そもそも正規軍で韓国に対抗できないからこそ国土が汚染しても核開発に必死になっているのだから。


氏はAERAでは、プーチンもトランプも共に帝国主義的思想だから話が通じる、
停戦協議が進むように書いているが、帝国主義外交に思想など殆ど関係ない筈で
単にプーチンはトランプの方が与しやすいと考えているだけに過ぎない。
ロシアが西側諸国の極右・ポピュリズム勢力にカネを与えたり
世論工作を行っているのはメディアでも報じられている公然の事実である。
氏は得意の思想面の分析で原稿を書きたいのだろうが
事実と歴史に基づいて分析しなければ的確な見通しになるまいに。
かつての日露戦争のヴィッテを見れば明らかなように、
帝国主義外交はウソと恫喝ばかりである。
プーチンがトランプ再選に喜んでいるのは
プーチンのロシアにとって有利だからに他ならない。
ウクライナ侵攻の長期化でプーチンは焦っており、
バイデンよりトランプの方が有利に交渉できると期待しているのだ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済のデータセンター特集はかなり良い。
昨年、大相場になったフジクラの解説も勿論ある。
但しバランス良く纏めてはあるものの
取りたてて評を加えたい記事がないのが不思議だ。
さくらインターの記事は読んだ方が良いと思うが。

『週刊東洋経済』 2025/2/15号 (データセンター 急拡大!)


話題の液冷データセンターの記事もあるが
矢張り平均気温の低い東北や北関東に分散させることも
積極的に考えるべきではないかと思われる。
(必要とする速度に応じてDCは遠隔地と近郊を使い分けるとの案も特集後半に出ている)

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済に注目、と言うよりダイヤモンドが例の件でトラブルなので他に選択肢がないと言うか。。

▽ 強いて挙げれば関税と電力か、テーマ③「人口減少・高齢化」では金融や教育・インフラを本来取り上げるべきでは?

『週刊東洋経済』 2025年2/22・3/1合併号 (もうけの仕組み2025 サプライチェーン大図鑑)


▽ エコノミストは破談が決まった日産特集、更に状況悪化してホンダかどこかに泣きつくことになるのだろう

『週刊エコノミスト』 2025年2/25・3/4合併号

「次世代車の本命」と言っても、今の段階では難しいとも思うのだが。
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『週刊ダイヤモンド』1月18日号 - トランプに投票してもう後悔、ポピュリストに騙された米国有権者

2025-01-17 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週はエコノミスト、ダイヤモンド共に合併号で
東洋経済のみの週だったが、ダイヤモンド合併号を取り上げる。
内容としてより重要と判断したからだ。

そのダイヤモンド合併号、重要な記事として二つある。
一つは池上氏の連載で、トランプ再選後の人事を見て
早くも後悔している米有権者が少なくないとの話である。
全く以てその通りで、感情的反発で投票したアラブ系、
目先のインフレに不満で更なるインフレ政策のトランプに投票した
愚かなヒスパニック系や白人層はまさに「自滅行為」である。
これから四年間、たっぷりと己の愚行を後悔することになろう。

尚、氏によれば言いたい放題のイーロンマスクがトランプと
これから喧嘩別れの観測が出ているとか。(さもありなん、だ)
マスクには「口は災いの元」という日本の俚諺を献呈したい。
イデオロギストの本性が既に露呈しているので手遅れかもしれないが。


もう一つは池上氏と玉木氏の「年収の壁」巻頭対談。
玉木氏は矢張りポピュリストの枠内から出られない器で、
最重要の「社会保険料の壁」は殆ど無視しているから
日本経済の成長や所得増ではなく有権者を小銭で釣って
議席を増やすことしか関心がないことがはっきりした。
政策リテラシーが低過ぎて話にもならない。

原発再稼働すれば(特定労組のボーナスだけは微増だが)
エネルギー関連投資が減りエネルギー自給率も悪化することすら
全く理解していないレヴェルと思われるので予想の範囲内ではあるのだが。
(更に言えば日本の脆弱な原発はロシアから狙われており、対中安全保障でも重大な弱点)

『週刊ダイヤモンド』2025年1/11・18合併特大号 (日本のゲーム)


尚、ダイヤモンド誌は今年4月からサブスクに移行するとのことで、
つとにオンライン・シフトを進め成果を挙げた経緯がもう既に
AERAで取り上げられているのだが、ダイヤモンド編集部でも
メディア特集を組む際にも取り上げて欲しいものだ。
個人的には日経BPも含めて比較検討して個別の記事主体で選ぶので
サブスクは正直、好ましくないと考えている。
特定のテーマや書き手を選んで購読できる仕組みを期待したい。
経済・計量分析ではエコノミスト、経営・特定分野特集ではダイヤモンド、
国際的・社会的問題の特集では東洋経済と得手不得手があるように思う。

    ◇     ◇     ◇     ◇

さて東洋経済は会計特集、国際基準に
合わせなければならないとのことであるが
自己資本比率が10%以上も下がる企業もあり
企業によっては大問題になるところもありそうだ。
(ランキング付きなので便利だ)

他方、ゲーム特集はダイヤモンド誌に劣る印象。
偶々タイミングが重なったのだろうが優劣がはっきりしてしまった。
ソニーの戦略やインディゲーム台頭、教育分野への応用等にも目配りした
ダイヤモンド誌に比べて最初から負けが決まっていたような感じだ。
東洋経済は(後追い企画でないのなら)また改めて取材を重ね
充実特集にして巻き返して欲しいものだ。


今週号で最も評価できるのは期待通り苅谷氏の巻頭コラムで、
日本は元々、教育関連の指標は世界有数なのだから
社会人のスキル(問題解決能力で世界一レベルとか)が高いのも当然で
経済や生産性の低迷に関しては、優れた人的資源を活用できない
政治側と企業経営層の責任が極めて重大であろう。
因みに氏は高いスキルが活かされない原因として労働市場と雇用構造を挙げているが
寧ろ歪んだ社会保障制度と固有のジェンダー要因による就労抑制の方が重要だろう。

『週刊東洋経済』 2025年1/18号 (新リース会計の衝撃)


佐藤優氏の連載は相変わらず思想面での分析、
人文系だとそれしか手札がないのだろうが
この路線だと泥沼の長期戦に引きずり込まれ戦時インフレと
人手不足に直面する大失敗に陥ったプーチンの戦略ミスが
なぜ生じたかという肝心の疑問には全く答えを出せまい。
(歴史的に見るとクリミアでの成功で油断した大国の慢心でしかないが)

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンドに注目、遂にこのテーマが来たかと思わせる「ホンダ・日産」特集(東芝より難しいとの見方も。。)。

▽ 重要な「製造業「米中依存」ランキング」は必見!

『週刊ダイヤモンド』 2025年1/25号 (ホンダ・日産の命運)


▽ 行政処分連発の保険業界だが、インサイダー連発の東証も他人事でないぞ。。

『週刊東洋経済』2025/1/25号 (保険 異常事態)


▽ エコノミストは恒例の税特集、今年は棚ぼたの暗号通貨とタワマンが当局に狙われるだろうな。。

『週刊エコノミスト』2025年1月28日号【特集 税務調査&相続税対策】

市岡繁男氏は遂に「逆イールド解消」の話になるようだ。
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