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個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊ダイヤモンド』10月19日合併号-トランプの集会はお決まり科白の繰り返し、途中で帰る者が続出

2024-10-20 | 『週刊ダイヤモンド』より
ダイヤモンドの生成AI特集はかなり良かった。
東洋経済より後発なだけに練ってきた好特集と思う。
戦略コンサルに取材して生成AIのポテンシャルを示したのは
ダイヤモンドらしい展開だし、用途別AIリストも有益だ。

ただグーグルやMSの活用法を見る限りは
(両社での活用法が必ずしも同じではないのが興味深い)
生成AIはまだ期待先行のフェーズのように思える。

直近のASMLショックに顕著に示されたように
生成AIは成長期待が高過ぎてどのような好決算でも
ネガティブな反応になってしまいそうな気配を感じる。

生成AIに仕事を奪われる職種のリストにしても
以前、AIの進歩で危うくなるとされていた職が
本当に消滅しつつあるとか言えばそうではないから
(意外にもハリウッドの映画関連職が真っ先に危機に瀕していると聞く)
人間の限られた知力で予想しても的中するかどうかは何とも言えない。

『週刊ダイヤモンド』2024年10/12・19合併特大号 (生成AI)


エントリーのサブタイトルは池上氏の連載より。
このコーナーは矢張り池上氏の方が質が高い。
米大統領選におけるトランプ側の集会で
トランプが何度も同じことを繰り返すせいで
途中から帰る人々が続出していると言う。
他方、ハリスにも弱点はあり予断を許さない状況というのが
氏の見解であり、タイムリーで妥当な見方であろう。


なお佐藤優氏は兵站についての新刊の書評で
内容とは無関係な方向に脱線して
日本政府の「兵站」も問題であるように論じているが
北朝鮮から弾薬や兵士を送って貰っているロシアの方が余程問題だ。
(プーチンの意固地による意想外の長期戦のせいで泥縄の対応になっている)
意表を衝いたコメントは出版社や編集者へのアピールなのだろうが
これまでの言動を見る限りさしたる根拠がある訳ではない。
出版社や編集者は安易に釣られることのないようにした方が良いのでは。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の投信特集は「浮かれた数ヵ月前から頭を冷やし慎重な内容」
「インドと高配当への着目は悪くない」
と以前、書いた通りの内容と思う。

ただ、ひふみが6141を挙げているのに吃驚!
確かに優良企業だが円安なのにも関わらず上値が非常に重い。
中国も欧州も市況が良くないのに加えて円高必至だから、
どうしてそのような判断になったのか謎である。


さて期待したサブ特集だが、パワーXのビジネスモデルは
採算性の問題が大きいという印象。(それを編集部は避けて書いているような)
蓄電池はEVを活用したV2Hが最も合理的な筈。パワーXは路線転換すべきではないか。

『週刊東洋経済』2024/10/19号 (投資信託 大解剖)


佐藤優氏の連載はイデオロギーの話になってきた。
ブレジネフを賢者のように持ち上げる内容だが
これはあくまでも主観的見地に過ぎない。
ロシアの産業構造はソ連の頃と大きく変わっておらず
西側のように1人当たりGDPを大きく押し上げることは出来なかった。
(その格差においてはロマノフ朝の頃から大きく変わっていない)
中国もそうだが、個人の自由を制約する権威主義国家では
豊かな経済を築き上げることはできないのである。
1人当たりGDPで大国ロシアが小国フィンランドに勝てず、
人口大国の中国が台湾に勝てないのは理の当然なのだ。
イデオロギーの問題などではない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はエコノミストに注目、私立大の定員割れが6割に達したのは少子高齢化なのに大学を粗製乱造した自民党政権の大失敗。

▽ メイン特集はセブン買収の件、低PBRだけでなく円安の悪影響が大きい

『週刊エコノミスト』 2024年10/29・11/5合併号【特集:セブンショック 次の標的は】


▽ ダイヤモンドは定番の物流特集、サブ特集で「もしトラもしハリ」シナリオもあるようだ

『週刊ダイヤモンド』2024年10/26号 (物流大戦)


▽ 都市部でも地方でも深刻な空き家問題、リノベも増えているようだがこれも少子高齢化の悪影響である

『週刊東洋経済』 2024年10/26号 (実家の終活)

ダイヤモンド誌みたいな空き家ランキングもある。
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『週刊ダイヤモンド』10月5日号 -「かなり難しい状況」と片山氏、著名投資家も認めた株式市況悪化

2024-10-03 | 『週刊ダイヤモンド』より
ダイヤモンドの株特集は予想よりも良かった。
円高を想定している前提であるのは正しいし、
(円高で下方修正される銘柄一覧のリストもある)
何よりも著名投資家の片山氏がスタンスを大きく変えて
現下の株式市況を「かなり難しい状況」としたのは完璧に正しい。
当ウェブログも(念頭からだが)昨年より難しいと明言していたので
全く以て片山氏と同意見である。円安によって東証が
上げ底になっているのを決して忘れてはならないのだ。


メイン特集以外では27頁の長井滋人氏のコラムが良い。
米国ではコロナ後の労働供給の半分以上が海外生まれの移民とか。
矢張りトランプが大統領になれたのは米国衰退の証左なのだろう。
勿論、単純労働移民ばかり受け入れている日本とは状況が異なるが
人口動態の重要性を改めて確認できる話ではある。

『週刊ダイヤモンド』2024年10/5号 (強い株)


今週のダイヤモンドで最も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
ロシアがカネで釣って雇っている傭兵の話には全く触れない、
典型的なロシア・サイドの情報を伝えているだけである。

氏が根拠を示さず「ウクライナの傭兵」と呼んでいたのが
どうやら西側で言う「義勇兵」らしいことは白状したものの
(これはどちらが真相か分からないから検証を続けるのが当然だ)
ロシアで大勢の兵士が犠牲になったこと、新兵募集に苦労していること、
本来なら民生に回せる筈の巨額予算が軍事費に消えていること、
戦場から帰還した元ロシア軍兵士が凄惨な殺傷事件を起こしていること、
氏は何一つ説明しておらずウクライナに不利な情報ばかり並べている。
特に最後の件はあのアフガン侵攻と酷似しておりロシアにとって不吉なのに
氏はロシア・バイアスが露骨に強いのを自覚していないのだろうか。

果てはウクライナのクルスク占領がかつての太平洋戦争時の
アリューシャン列島での日本軍と同じという理解不能な説まで開陳している。
陸路で、しかも火砲の援護で撤退できるクルスクと、
制海権も制空権も失い兵站のない海上の列島が同じ訳がない。
氏は安全保障や軍事は不得手なのだから、蛇足を描くようなことは
慎重にした方が良いのではないだろうか?
はっきり言っておくが、東部戦線から兵力を割くのをケチったロシアは
クルスクで苦戦し、大きな打撃を受けることになろう。

氏はAERAでは完全にイスラエル側の立場で、
イスラエルによる電子デバイスの爆破工作を
大変な成功であると伝えているのがいかにも「らしい」言説だ。
一般市民も巻き込んで殺傷している現実を完全に無視しており、
都合の悪い情報には一切触れないのが氏の基本姿勢なのだろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

マーケット関連ではエコノミストも良い。
ダイヤモンド同様に内需シフトとなっている。

また、ピクテの塚本氏は米利下げ後に金価格が上昇するとしており、
円建てによる落とし穴にも触れており有益だ。

アイビー総研の関氏のREIT分析は日銀よりも寧ろ
米10年債利回りとの相関が強いとする分析をしており
今週のダイヤモンド誌と併せて読むのをお薦めする。

『週刊エコノミスト』2024年10/8号


市岡繁男氏の連載も良い。
日銀の総資産と日本の大企業の経常益が正の相関であり
経営努力よりは異次元緩和によって儲かっているのが現実なのだ。
だからこそ大企業は人件費を抑制しているという、納得の説である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の製薬業界特集は意外に良い内容。
株価で一目瞭然だが、第一三共が飛躍して
武田が苦戦している有様が鮮明である。
グローバル化への対処を迫られる日本企業の中でも
矢張り優勝劣敗が明らかになってきているのであろう。

『週刊東洋経済』2024/10/5号 (製薬サバイバル)


佐藤優氏の連載は過去の回想が続いている。
氏は苦手な分野への言及を避けた方が
良い内容で書けるような気がしてならない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週の注目は東洋経済、東洋経済はタイムリーな米国特集、「ハリス旋風」は日本企業にも確実に影響大だな。。

▽ 脱炭素関連分野に関しても刻々と状況が変化している

『週刊東洋経済』2024年10/12号 (米国動乱)


▽ いかにも売れそうなダイヤモンド合併号、生成AIについて練りに練った好特集と見た

『週刊ダイヤモンド』2024年10/12・19合併特大号 (生成AI)


▽ エコノミストは遠大工なテーマだが、米経済が「逆イールド解消後に景気後退」としっかり要点は外さない

『週刊エコノミスト』2024年10/15・22合併号【特集:歴史に学ぶ世界経済】

ゴールドが25年間でテンバガーと化し(日経平均より優秀だ!)、日本は衰退して蓄電池で世界トップから転落という。。
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『週刊ダイヤモンド』9月14日号 -「高校に真面目に通っていれば合格」、国試で落第続出の私立歯科大…

2024-09-13 | 『週刊ダイヤモンド』より
ダイヤモンドの歯科特集はかなり良い。
少し前の薬剤師特集は関係者には耳の痛い話でも
なかなか力の入った力作だったが、今度の歯科特集も良い。

歯科医の評価が難しいという内情も伝えているし、
歯科特有の「矯正」の分野での厄介さも分かる。
(これは今週のエコノミスト誌でも良いコラムがあるので参考にされたい)

最も意外だったのは歯科医不足の兆候があることで、
歯科医余りを懸念した政府が国試を意図的に難化させて
若手の数を絞り込み歯科医の平均年齢が上がっていること、
医師と同じで女子学生の方が成績優秀で女医率が高まり労働投入が減ること、
(20代は女医率5割に迫るとか、日本独特のジェンダーがここでも悪影響を与えよう)
医師と同様に都市部に集中して地方に行かないなど諸事情が絡んでいるようだ。

他方、私立薬学・薬科大と同様に深刻なのは私立歯科大の惨状で、
既に入試倍率が2倍を下回っている大学・学部があり
「高校に毎日真面目に通っていれば合格できる」と言われているとか!

医師の世界でも偏差値的には宜しくない大学でも
手術の巧拙では殆ど無関係という話もあるので
国試に大苦戦であっても有能な歯科医になる者はいそうだが、
社会学の定説通りに「親の社会的地位を子に継承させる」
私立歯科大は典型的な階層固定化の手段になり下がっているようだ。。

それにしても歯科医も医師と同様、客観的評価が難しい。
何らかの指標が複数あっても良さそうなものだが..
グーグル口コミでは話にならない、何か良案はないのだろうか? 

『週刊ダイヤモンド』2024年9/14・21合併特大号 (後悔しない歯医者選び)


今週号も最も宜しくないのは矢張り佐藤優氏の連載。
賢明な読者はこれが典型的なロシア寄りの主張であることを
たちどころに見抜けることであろうよ。。
ゼレンスキーの必死の奇襲によるクルスク占領を「単純」な作戦と称する氏は、
キーウ攻略に大失敗したプーチンには何ひとつ言っていないのだ。
二枚舌と云うか、宜しくない意味で一貫していると云うか。

氏の主張を鵜呑みにする「単純」な読者には、
氏がかつて「北朝鮮はロシアに弾薬を送らない」と
まるっきり事実と違う説を何度も主張していた事実、
ロシア軍がミコライウを窺う(現在もその気配はない)と
ロシアの言い分を鵜呑みに伝えていた事実を教えておこう。
(そう言えば最近、トランプは生まれ変わったと力説していた(爆))

英国側の情報をデマ呼ばわりするのは勝手だが、
クルスク奪回のためにカリーニングラードから増援を呼んだとの
英側からの情報があるのはデマなのだろうか?

東部戦線からの増援をケチって予備兵力だけで
クルスクを容易に奪還出来るかどうか、
氏の言説の真贋がまたしても試されることとろう。
(なお兵家の古典では、長距離の援軍は不利とされている)

個人的には、クルスク占領による捕虜交換が実現した点で
既にゼレンスキーの目的の一つは達成出来たし、
ウクライナ側の士気を改善させる効果は既に得られたと見ている。

フォーリン・アフェアーズや小泉悠氏の指摘通りウクライナは劣勢だが
クルスクはウクライナ南部戦線のような備えが殆どないから
ロシア側が大損害を受けるのは間違いないと断言しておく。
氏の云うような「テロ行為として片付ける」程度では済まない。
プーチンがクルスクを犠牲にして東部で攻勢を維持するという
「単純」な方針を維持して大勢の兵士を犠牲にしているからだ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の特集は非常に宜しくない。
これで「逆指標」と読者に目されることが決まってしまったのではないか。
「日本株の先高期待はまだ強い」と強弁する編集部は、
「まだはもうなり」という格言を噛み締めて反省して欲しい。
ユルミズの中期楽観も鵜呑みにすべきではない。
しかも次週のエコノミストでは「円高で日本企業の業績見通し下振れ」との分析が出る。

『週刊東洋経済』2024年9/14号 (株の道場 乱高下でも勝てる株)


数少ない良記事としてはユーグレナの件かな。
バイオ燃料の採算性が大問題なのは分かりきった話で、
東南アジアからパーム椰子の残り滓を大量輸入する
愚劣なバイオマス発電と同じで根本的に仕組みがまずいのだ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストのネット銀行特集は中々面白い。
デジタル化に加えてリアル店舗の使い勝手を悪くした
メガバンクの最近の改悪でネット銀行が急成長。
言わばメガバンクが「敵に塩を送っている」ような体たらくで
ネット銀行の預金残高が急伸、特に楽天とauじぶんの成長度が凄い。
既に有力地銀に迫っており、これから成長格差は広がる一方だろう。
そのうちネット銀行は楽天グループの強大な武器になるかもしれないな。

『週刊エコノミスト』2024年9/17号【特集:ネット銀行&ポイント経済圏】


市岡繁男氏の分析は非常に重要。
FRBの最初の利下げの後は不況になることを明言しており、
日本株についても円の投機売りの巻き戻しが予想されると警告している。
勘の良い人ならピンときたろうが今の市況を完璧に言い当てていて
東洋経済の言い訳特集より遥かに有益である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週の注目はエコノミスト、ただ重要なのは「市場の乱高下」で慌てた「NISAの見直し」ではない。

▽ レポート「年金財政検証2024」では「多くの不公平と矛盾内在する制度」と言い切っている

『週刊エコノミスト』2024年9/24・10/1合併号【特集:NISAの見直し術】


▽ 毎年連呼し過ぎて「すごい」ように見えなくなった、東洋経済のベンチャー特集

『週刊東洋経済』2024/9/21・9/28合併号 (すごいベンチャー100 2024年最新版)

かつてもてはやされたメルカリは失速、期待のポケトークも「「鬼門」の米国市場 収益化への遠い道筋」だそうだ。。
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『週刊ダイヤモンド』8月10日号 - 日本では博士号取得者が減少、欧米と逆で日本企業の人材軽視の証左

2024-08-08 | 『週刊ダイヤモンド』より
週刊ダイヤモンド、得意のホテル特集である。
日本インバウンド観光に最も足りないハイエンド層集客の成否は
この特集では正直、全く分からないけれども(今後の課題として欲しい)
見所は複数あって今回も悪くない。ただ星野のOMOは分析して欲しかった。

ランキングでも分かるように観光分野で星野は国内勢の雄、
APAみたいな打算ずくのホテルばかり増殖するのはつまらないので
ジャンルは違うが熱烈なファンの多いドーミーともども
多様で魅力的なホテルを見せて欲しいものである。


エントリーのサブタイトルはコラム「数字は語る」より。
執筆者の榎並氏は鋭い考察が多いが、今回も良記事である。
主要国では博士号取得者が増えているのに日本は逆に減少、
経団連の最近の動きも理系偏重であり懸念する内容である。
博士号取得が増えない理由として学生側には就職での不利を考慮、
企業側には院卒の人材が「専門に拘り、視野が狭い」との見方があるという。

個人的には企業側が理系人材に拘る理由も分かりし
院卒人材側が専門性に拘るのも分からなくはないので
結局は財界が口だけでなく奨学金なり寄付講座なりしっかり資金を出し
院卒人材が大企業を飛び出して雄飛するのも日本のため許すべきであろう。

『週刊ダイヤモンド』2024年 8/10・17合併特大号 (最強のホテル)


ダイヤモンドの合併号は高金利通貨やゴールド市況も分析しており有益だ。
(ジムロジャーズがメキシコペソについて素直に調べ直そうとするのも面白い)
エヌヴィディア一本足打法の東洋経済よりもリスク分散しており賢明である。

池上氏の連載は今週も良い。
カマラハリスがトランプに対して急速に巻き返している理由として
中絶問題で若年層に支持を広げているとの指摘をいち早く行っている。

他方、AERAでは露骨なイスラエル寄りの佐藤優氏から
カマラはパレスチナ寄りの姿勢でシオニストから投票されないだろうと
いかにも大統領選の大局が見えていない批判があったが、これは池上氏の勝利だろう。
(事実、ロイター報道では支持率がカマラ優勢に転じたと伝えられている)
氏には、ロシアなりイスラエルなり情報を得るカウンターパートを庇い
その利害を代弁するという通弊があることを今回も証明しつつあるようだ。
トランプが危機に晒され変わったという氏の説もかなり怪しくなってきているし。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済は東証の歴史的暴落の直後に出してしまったエヌヴィディア特集。
ユルマズの言う様に既にバブルかも知れないのに間の悪い。。

特集は、半導体関連よりも寧ろデータセンターの方が有益と思う。
AIでそれだけ電力を食うのなら冷涼で風力開発の余地が大きい東北や北海道に
データセンターを設けた方が良い
のではないだろうか?
大都市近郊の特定地域に集中し過ぎて災害リスクを増幅している気がする。
データセンターへの反対運動が出てきているというのも特定地域へ集中の弊害だ。

『週刊東洋経済』2024年8/10・8/17合併号 (半導体 覇権)


慶大の太田教授が巻頭コラムで興味深いことを書いている。
日本の労働者はエンゲージメントも仕事への満足度も低いことで有名だが、
仕事での自律性より人間関係の円滑さを重視する傾向があると云う。。
解釈の仕方は色々有りそうだが、日本は労働分野でもガラパゴスなのかも。


佐藤優氏の連載は今週は珍しく有益である。
氏は外務省の上司からソ連社会に溶け込む才能があると評価されて
(矢張り氏が褒められたのは情勢分析の的確さではなかった訳だ。。)
情報収集に活かせる様々な工夫を行ったそうで、どれも参考になる。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はエコノミストを取り上げる予定、内容としては最も本格派である

▽ ただ矢張り東証とNYに強気で、「思い切り逆指標に。。」と懸念した通りに

『週刊エコノミスト』2024年8/13・20合併号【特集:世界&日本経済 下期総予測】

勿論、「中国経済低迷とゴールド2600~2700$」については妥当と判断。
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『週刊ダイヤモンド』8月3日号 - 円安スパイラルを識者が信じ喧伝するのが、円高大転換の誘因に

2024-08-01 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週のダイヤモンド誌は老後特集、
ランキング類がどこまで当てになるかは不明だが
「サービスと料金は比例関係」なのだけは確実だろう。

エントリーのサブタイトルは「数字は語る」より。
「円の購買力は歴史的低水準 円安スパイラルを招いた根本要因に対処せよ」
とみずほ総研のエコノミストが書いているが、
これこそが今週、円高に大きく振れた一大要因である。
市場参加者の多くが円安を見込んで巨額の投機ポジションを積み上げたため
想定外の事態になると急激に市場が崩れる、という訳だ。

エコミスト氏は研究開発費不足や人手不足、エネルギー自給率の低さが
円安スパイラルの要因と指摘しているのだが、
それではウクライナ侵攻以降の急激な円安を説明出来る訳がない。

田中泰輔氏のような慧眼の士は既に今年の円高を想定していた。
しかし多くのエコノミストやアナリストは目先しか見えておらず
円安の継続を妄信していた。だから円高の直撃を食らったのである。

ジムロジャーズや沢上氏は明確な警告を発していたのに
耳の遠い者には往々にして聞こえないのである。

『週刊ダイヤモンド』 2024年8/3号 (自分と親の「終の住み家」)


今週も最も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
イスラエルがヒズボラに核を使いかねないように書いているが、
明らかに劣勢な相手に核使用の可能性など皆無に等しく、
氏は今春にもモスクワでのテロ事件で第三次世界大戦の可能性などと
週刊誌相手に針小棒大なコメントをして見事に外れるという「実績」がある。

本人が戦場で目撃した訳でもないのにガザ地区の病院から
攻撃があったとイスラエルの主張を鵜呑みにする始末で、
だったらガザで、日本も支援してくれた著名NGOを
イスラエル軍が誤って攻撃した件はどうなのか。
冷静な情報分析では全くなく、カウンターパートで
情報機関と長い付き合いのあるイスラエルを庇っているとしか見えない。
ウクライナ侵攻で一貫してロシアを庇っているのとよく似た党派的言動である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の副業開業特集は、はっきり言って宜しくない。
いかにも耳学問的な内容で事例も乏しい。
東洋経済の記者が実際に稼げるか試して記事にすれば良かろうに。
今回の特集ははっきり言って評判悪いだろうと思う。


今週号の東洋経済で面白い記事は、研究者の寄稿による
フランスの「市民参加型予算」ぐらいではないか。

『週刊東洋経済』2024/8/3号 (40〜50代のための副業・開業のススメ)


佐藤優氏の連載は、今週もエストニアの続き。
これはこれで回想として悪くない。
氏による現在のロシアやイスラエルの分析より遥かにましだ。
また、氏は情報を人脈によって取ってくるものであることを自ら認めており、
情勢分析や先見性では屡々驚くほどの不手際を見せるのもやむを得ないのだろう。

例えば氏は直近のAERAでトランプが銃撃事件後に
信仰要因で改心したかのような主観的見解を繰り返しているが、
法学部出身者をこっぴどく批判していた氏の過去の言動に従えば、
氏のこれらの言動も神学部出身者の弊と解釈出来るのではないだろうか。
読者諸賢は、氏の言論がどこまで信用できるか、先見性はあるのか、
冷ややかに事実と付き合わせて判断されることをお勧めしたい。

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストの老後特集。
恒例になっても働くべきという正論だけではもたないせいか
地方移住を推しているのが新味と言えようか。

西日本の方が生活満足度が高いのは個人的には疑問だ。
地域によってかなり違う筈だし個々の価値観にもよるだろう。

『週刊エコノミスト』2024年8/6号【特集:足りる?足りない?老後資金】


市岡繁男氏は今週はマーケット関連ではなく
珍しく都道府県毎の人口動態を分析している。

数値を見ると、世界で最も少子高齢化が進んだ日本経済の現状は
日本における東京と秋田の格差拡大の状況とよく似ている。
日本経済の衰退はほぼ人口動態と高齢者に偏頗した社会保障制度で説明できよう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンド得意のホテル特集に注目、外資系による大攻勢の成否はいかに?

▽ 名物の各種ランキングは今回も力が入っているが、世界の富裕層集客はまだまだのような。。

『週刊ダイヤモンド』2024年 8/10・17合併特大号 (最強のホテル)


▽ 東洋経済はエヌビディア特集、煽動型のユルマズが「危ういAI半導体バブル」とするのは意外に鋭い

『週刊東洋経済』2024年8/10・8/17合併号 (半導体 覇権)


▽ エコノミストの世界・日本経済特集では、東証とNYが最高値の想定で思い切り逆指標に。。

『週刊エコノミスト』2024年8/13・20合併号【特集:世界&日本経済 下期総予測】

中国経済低迷とゴールド2600~2700$は的確と思うが。。
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