みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

株価上昇の主因は資金回帰、アベノミクスではない-「失われた20年」を招いた自民党に民主批判の資格なし

2013-04-30 | 株式・為替マーケット全般
新政権が始まると馬鹿げた賞賛が始まるのは恒例行事である。
民主党が政権与党になった時は妙な期待感が横溢したが
全く内容のない安倍政権支持、アベノミクス賞賛も同類である。

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」と言うが
現代日本は経験にすら学ばない連中が大部分であるようだ。
数年後の深刻な経済危機に陥ってからも自己の愚かさを悟るかどうか疑問である。
(その時に真実を悟っても手遅れではあるが)

きっと太平洋戦争の時と同じく、時代の衆愚を煽った己の責任を忘却して
「騙された! あいつが悪いんだ!」と叫び出すに相違ない。
国民性は一朝一夕に変わるものではないのだから。


さてマーケットは黒田バズーカで劇的に転換するかと思われたが大勢は変わらず。
当ウェブログが年頭に書いた通りの展開となりそうだ。

「ドル円は本格反転上昇のフェーズではありません。
 調子に乗りすぎず、市場心理を見抜いてポジションを変えましょう。
 皆が強気過ぎるのは天の警鐘です。一本調子の上昇はありません。
 必ず中だるみの時期があり、それを見抜けるかどうかでパフォーマンスが変わります」

「矢張り2013年は「悪い円安が始まる年」となり、
 金融緩和万能論つまりリフレ教の「終わりの始まり」となりそうだ」

「今年になってリフレという新しいカルト宗教が流行っている。
 通貨切り下げで経済成長できるものならば、とっくの昔に日本は経済成長を取り戻しただろう。
 量的緩和を実施していた時期にどうして日本の成長率が低迷していたのか、愚者達は説明できない」

と当ウェブログは書いた。

今年は年頭から金融緩和で日本経済が救われるかのような与太話を喚く
視野狭窄のオポチュニスト達が跳梁跋扈していたが、
早くもリフレ教・カルト勢力の足元が崩れ始めた音が遠くから聞こえてくる。

↓ 参考

「日銀が金利をコントロールできなくなる可能性」- ヘイマン・キャピタル・マネジメントのカイル・バス氏
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/41f577523ada3d2828f2ce94763115df

2013年の日本市場は円安で活況が見込めるが、一本調子にはならない ― 国民生活には「悪い円安」の影が迫る
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7751065f7622e5d7592d06e77421a567

▽「企業収益が伸びても賃金は上がらない」というのが21世紀の日本経済の現実

『日本の景気は賃金が決める』(吉本佳生,講談社)


ユニクロを”投資家目線”で分析してみた(東洋経済オンライン/ムーギー・キム)
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130327-00013408-toyo-nb
”今はフランス時間朝5時。シャンパーニュ地方へシャンパン造りの視察にいってきた帰りで疲れて昼間から寝てしまったところ、起きたら朝4時だったので、東洋経済の親愛なる皆様に早朝一番、コラムを1本お届けしたい。
 ふと寝ぼけ眼で「東洋経済オンライン」のアクセスランキングを見てみると、いまだにユニクロネタばかりである。風間直樹記者が書かれたユニクロ疲弊特集に加え、増益ランキングでもユニクロネタ、そしてそれに便乗したグローバルエリートは見た! のユニクロネタが二本。先週、「ユニクロ論争、これにて一件落着」と書いておきながら、便乗してさらにもう一発投下することにした。
〔中略〕
■ 株価上昇とアベノミクスはファンダメンタルには無関係

 さて、ユニクロの株価は3万円に迫り、PBR(株価純資産倍率)は8倍近辺と恐ろしい水準である。株高はユニクロに限らず、最近は株価上昇とアベノミクスの政策検証が盛んに行われている。
 ここで最近の株価上昇とアベノミクスとは、ファンダメンタルには全然関係ないことを読者の皆様にお伝えしておこう。そもそも円高と日本株売りの背景には、米国サブプライム危機とヨーロッパのユーロ危機の中で資金の逃避先として円が買われことに加え、グローバル経済の停滞に伴う株から債券への資金シフトの中で、日本株が円高と需給の観点から売られ続けてきたことがある。ユーロ危機とサブプライム危機が一服した今、円からドルとユーロに資金が流れ、債券から株に戻ってくるのは当たり前のことである
 この大きなストーリーに気づかず、こまごまとした“政策効果”を語るのは的外れも甚だしい。しかしながら安倍さんはラッキーで、このタイミングにうまく乗って金融緩和や大規模財政拡大論が批判とともに騒がれたので、どうせ起こる運命にあった資金シフトのモメンタムに拍車がかかった。
 なお日本の株価が上がっていると的外れにも威張っている自民党関係者がいるが、リーマンショック以降、危機の震源地であったアメリカでは、すでに株価指数が2倍になっていることを忘れてはならない。8000円から1万2000円に戻って喜んでいる場合ではない。日本株は世界株が売られるときはわれ先に売られ、世界株が戻るときはいちばん戻り幅が小さいのだ。
 かつ“民主党政権は駄目だったと認めよ!”とたけだけしく迫っている自民党議員は、その何倍ものスケールで責任が重いことを忘れるなと申し上げたい。失われた20年の中、いったい何年自分たちが政権を担当したと思っているのだろう

■ 証券会社は当てにならない

 さて、株価の上昇局面になるとまた、数ヵ月前に大損をしたのも忘れて、おめでたい投資家が元気を取り戻し、証券会社に電話を始める。ただし証券会社、とくに個人を相手にしているリテールの証券会社があなたにまっとうな投資アイデアをくれるなどと期待してはならない
 一部の上客との長期的関係を重視して優先的にいいアイデアをくれるセールスもたまにいるが、総じて(1)証券会社自体がどの株が上がるかわかっていない (2)あなたを他の客に比べて優先する理由がない(3)証券会社は客がトレードすれば儲かり、得しようが損しようが関係ない……ので、やはり自分自身が賢い投資家になることで、自分の資産を守るしかないのだ。〔以下略〕”

現下の市場活況を最も鋭く分析している論としては、
このムーギー・キム氏を筆頭に挙げたい。
業界関係者が決して言えない「不都合な真実」を洗いざらいぶちまけている。

イデオロギー的にアベノミクスの太鼓持ちとならざるを得ない保守メディアは論外だが
大規模金融緩和によって大儲けできる金融業も公共の電波やエージェントを使って情報操作を行っている。
本質的に彼らが帯びざるを得ない国民との利益相反は、いずれ明らかになろう。

「空気」に便乗する衆愚論者がいかに大声で騒いでも真実は決して覆い隠されない。
見える者には見えるのである。それはいつの時代も変わらない。

▽ 日本でもアメリカでも量的緩和策は物価・GDPに影響せず、資産価格にばかり働きかけた

『金融緩和で日本は破綻する』(野口悠紀雄,ダイヤモンド社)


3メガ銀利益2兆円超、株高で投信好調…3月期(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130419-OYT1T01730.htm
三菱UFJ、みずほ、三井住友の大手金融3グループの2013年3月期決算の税引き後利益が合計で2兆円を超え、7年ぶりの高水準となる見通しとなった。
 安倍首相の経済政策「アベノミクス」による株高で、保有株式の損失処理額が減ったほか、投資信託の販売が急増しているためだ。
 投資信託の販売額は、12年度下期(12年10月~13年3月)だけで、合計約2兆8000億円となり、上期の約1.8倍となった。〔以下略〕”

金融業が洗脳されたようにアベノミクスを囃すのは当然である。
(言う迄もなく証券会社も銀行以上に劇的な増益となっている)
しかしそれは単に業界の利益つまりカネのためであり、
日本経済の真の問題を理解して行っているものでは全くない。

彼らは今の「稼ぎ時」に目一杯稼ぐことしか考えていない。
それが100年以上前から全く変わらない、金融業のDNAである。
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日銀に失望する市場、節目のドル100円を突破できず -「日本の物価指数は、市場の過度な楽観性を示唆」

2013-04-29 | 注目投資対象・株価の推移
              ↑ USD/JPY(ZAI)G20通過でも結局100円に到達できず反落

先週、海外ファンド勢の中でも目端のきくFMが
日本海海戦さながらの「敵前回頭」を開始したと判断した。

週央からクロス円が崩れていたが金曜の期待外れな米GDPが決定的だった。
ダウは大崩れしなかったがドル円クロス円は力なく崩れた。
年初から外国人投資家が形成してきたモメンタムは失われている。

これから市況が悪化してもまだアベノミクスだの黒田バズーカだの
空虚な期待に縋る愚かな投資が増え出したらもう完全に赤信号だ。

アベノミクスにせよ黒田バズーカにしても外国人投資家の巨額資金の波がなければ
所詮は空砲に等しい。夢想家はよくよく東証の売買動向を見るがいい。

「G20を通過してドル円100円超えの楽観論が出ているが決して油断してはならない。
 東証はNYから強烈な影響を受ける。ダウが急落したら無事で済む筈がない」

「東証には独歩高になるような幸運な局面はあっても実力はない」

「東証の上昇トレンドを生み出した海外勢はひとまずの幕引きを図っている。
 それに対し、我が国の金融産業は降って湧いた利益に目が眩み、
 投資初心者を煽って高値づかみさせても手数料を得ようとしているのだ」

と当ウェブログは先週に書いた。G20を円安容認と見て
「ドル100円台」と騒いだ連中の先見性のなさは証明された。

今、為替市場での攻防は微妙なバランスの上にある。
円ショート勢は攻めあぐねて補給線が延び切っており、
短期的には撤退を迫られかねない状況にある。


当ウェブログの以下の見解は変更しないが短期的には反動による円高を警戒したい。

「目先の円安に幻惑され、日本の将来に不吉な影がかかっている」

「当ウェブログが予測していた「悪い円安」が、異様な速度で到来することになる。
 安倍・黒田コンビが市場を軽視したために、財政危機もほぼ確実に接近する。
 「剣によって立つ者は剣によって滅びる」との箴言と同じく、
 金融政策によって立つ者は金融政策によって滅びるのであろう」

「恐らく海外からの資金が週明けから大規模流入して
 グローバル・マクロ・ファンドのような働きをする」

「黒田総裁の「次元の違う」量的・質的緩和は、事実上のマネタイズである」

「黒田バブルに便乗して億単位の稼ぎを得る者が続出するだろうが、
 今から警告しておく。決して調子に乗って騒いではならない。
 ツケを回された国民の強い怒りは決してそのような輩を許さないであろう」

「ドル高で輸出逓減をもたらす円の独歩安を、アメリカが黙認したままでいる筈がない。
 いずれは来るべきことである。容易に予想できることだ。
 直近の急激な円安トレンドは強く抑制されるだろう」

「米金利にはここ数年、四月にピークを付けるというアノマリーがある。
 「ドルが100円台に乗せるのは時間の問題」との見方は甘いと思う」


一方、以下の当ウェブログの見解はほぼ的中と言えるだろう。
ユーロ大反転はほぼ確定した。
先週はドル建ての金先物が急落した。

ここで言うゴールドはドル建ての想定であり円建てでは高値だが、
金利も配当も付かないゴールドを持つ理由は全くないので修正する必要は感じない。

「ゴールドは「完全に終わった」と断言して良い」

「香港や上海市場を見ても分かるように、
 今の中国では内需主導で高成長を持続するのは不可能である」

「円安は明確に日本経済にとってポジティブである」

「ユーロ大幅下落は遠ざかったか、もしくは消えたと考える」

「ユーロ圏は深刻な経済悪化ではないだろうが停滞は必至」

昨年の予想通りドル円、ユーロ円が反転した。
今年は慌てさえしなければ豊穣の年となるはずだったが、
危険な「悪い円安」の時代が早くも始まりそうだ。


↓ EUR/JPY(ZAI)歪なダブルトップを形成、目先は反落に注意


↓ GBP/JPY(ZAI)ユーロよりは強いが高値を超えられない可能性が出てきた


「一見して楽観視できるような局面のようだが、それは甘い見方だろう」と
一週間前に当ウェブログが予見した通りの展開になっている。
数段階に分けてスペックが東証ロング・円ショートのポジションを解消しつつあるるのだ。


ドル98円後半、生保の外債投資慎重姿勢受け投機筋が円売り手仕舞い(reuters)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE93M02420130423
”東京外為市場正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の98円後半。大手生保が外債投資に慎重な姿勢を示していることや、中国の製造業PMIが前月比で低下したことをきっかけに、前週末から円売りポジションを膨らませていた投機筋がいっせいに手仕舞いに動いた。
 ドルは朝方99.38円付近まで上昇したが、正午までには99円を下回って一時98.72円を付けた。「G20で日本の政策にお墨付きをもらうという期待等から、先週末100円の手前まで買い上がった海外勢が(円売りポジションを)投げている」(投資家)。生保が外債投資を拡大するとの思惑から、円売りポジションを投げずに保有していた海外短期筋にも「生保が今は外モノ(外債など)を増やさない、というメッセージが伝わり、円売りポジションをいったん解消せざるを得なくなった」(同)という。
 一方、輸出勢は、100円を超えた水準でドル売り予約を進めているとされ、昨日から100円超の水準でのオファーの厚さが意識されている
 HSBCが23日発表した4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)速報値は50.5となり、3月の確報値51.6から低下した。 ただ、前月比での景況判断の分かれ目となる50は上回った。
 豪ドルは中国PMIを受けて一時1.0222米ドル付近まで軟化。
〔中略〕
 中国工業情報省は23日、中国企業の経営環境は依然厳しく、引き続き生産過剰という問題に直面しており、投資意欲はない、とする声明を発表した。さらに、中国経済は内外の不安定・不確実要因に直面していると指摘した。
  <生保の運用計画>
 海外短期筋は、生保などの機関投資家が新年度入り後に外債投資を膨らませると期待していたが、実際の運用計画では慎重な姿勢が示された
 日本生命保険は22日、2013年度の一般勘定資産について、黒田日銀による異次元緩和で国債利回りが低いまま推移すれば、超長期国債への投資を抑制し、為替ヘッジ付きの外債などでの運用を検討することを明らかにした。より円安メリットが享受できるオープン外債への投資については「今の(為替)水準ではコーシャスに構えたい」とし、同社が掲げる「円金利資産7割・それ以外で3割」とする運用姿勢そのものは崩さず、引き続き安定収益の確保を狙う考えを示した。
〔中略〕
 同社の今年度為替予想レンジは、ドル/円が93円から103円、ユーロ/円が117円から137円。
 全体として(為替ヘッジをしないオープンも含めて)外債を増やすのか、との質問に対しては「低金利が継続した場合は、ヘッジ外債ないし、オープン外債が増加することになるだろうが、足元ですぐにそうするというわけではない」とした。”

スペック撤退の兆候は火曜の段階から既に見えていた。
ドル円が100円の大台を突破できなかっただけでなく、
中国PMIの悪化で豪ドルが軟調、それがドル円・クロス円まで波及した。


ドル/円1週間ぶり安値、日銀会合の結果公表後に円買い戻し(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE93P04V20130426
”午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の98円半ば。日銀金融政策決定会合の結果が伝わると、海外勢中心に円の買い戻しが進んだ。ドル/円は98.22円まで下げて1週間ぶりの安値をつけた。
 きょう開催された日銀の金融政策決定会合では、金融政策の現状維持が全員一致で決定された。「予想通りの結果」(邦銀)との声が聞かれたが、午後1時35分に結果が伝わるとマーケットは円買いで反応した。ドル/円はいったん98.60円台で下げ渋ったが、再び下落圧力が加わり、98.50円付近の厚めのストップロスを巻き込んで98.22円まで下げ幅を拡大。19日以来の安値をつけた。
 大手信託銀行の関係者によれば、日銀の会合結果が出るのを前に海外勢を中心に円売りポジションを造成していた向きがおり、結果公表を受けて「特段何もないとわかってポジション調整が進んだ」(同関係者)という。個人投資家の投げも観測された。
 この関係者は「国内勢は休みに入るので、あまりポジションを作りたくない。流動性が落ちているので、どうしても値が飛びやすい」と指摘。黒田東彦日銀総裁の会見の内容次第では上下に値動きが荒くなりそうだとみていた。〔以下略〕”

金曜昼の市況。この段階で短期筋はもう100円超えはないと見切り始めたのだろう。
大した悪材料が出ていないのに砂山のように崩れるのは、
海外ファンド勢が大挙して撤退しているからである。それ以外の何ものでもない。


ドル/円が約1週間ぶり安値、日銀据え置き決定などで=NY市場(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR201304270010.html
”26日のニューヨーク外為市場では、ドルが対円でおよそ1週間ぶり安値をつけた。日銀が金融政策を据え置いたことに加え、第1・四半期の米国内総生産(GDP)伸び率が市場予想を下回ったことが背景。
 ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルの外為ストラテジスト、チャールズ・セント・アーノルド氏は「ドル/円は引き続き日本の動向に反応している。日銀からのサプライズがなかったことに加え、日銀の審議委員2人が2%の物価目標達成は難しいとの考えを示したことで、円に上昇圧力がかかった」と指摘。「そこにきて弱い米GDPデータで米経済が勢いを欠いていることが示され、ショートカバーが出た」と述べた。
 また予想を下回るGDPを受け、米連邦準備理事会(FRB)が来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加刺激策を検討する可能性があるとの見方が浮上し、米国債利回りが低下。
〔中略〕
 午後終盤の取引で、ドル/円は1%安の98.26円。一時は4月17日以来の安値となる97.54円まで売られた。
 円は日銀の金融緩和強化で4月11日には4年ぶり安値となる99.94円まで下落したが、節目の100円は突破できていないことから、アナリストらからは反転しやすい状況にあるとの指摘が上がっている
 ラボバンクの首席外為ストラテジスト、ジェーン・フォリー氏は「100円突破を阻まれていることで、円の短期的な見通しについて楽観的過ぎた可能性があるとの見方が出ている」とし、「日本のインフレデータは、金融刺激がインフレ押し上げに十分なほど経済活動を活発化させると市場が過度に楽観的になっていた可能性を示唆している」と述べた。
 総務省が発表した3月の全国消費者物価指数は、円安が進んでいるにもかかわらず、5カ月連続のマイナスとなった。
〔中略〕
 来週はFOMCや欧州中央銀行(ECB)理事会、米雇用統計など、一連のイベントや経済指標の発表を控えている。
 ユーロはECBの利下げ観測を背景に、目先圧力がかかる見通しだ。

金曜にクロス円が力なく崩れ落ちた背景を伝えているロイター報道。
期待を裏切った日銀と米GDP、FRB追加緩和観測のトリプルパンチだ。

セル・イン・メイを決定づけた日と言えるだろう。
ダウはワンパンチ(ネガティブな米GDP)だけなので左程下落しないかもしれないが、
期待感オンリーで上昇してきた東証とクロス円はひとたまりもない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄。UAの4,000円台はどうやら年後半になりそうだ。ひとまず撤退だろう。

 ↓ 東京建物(Rakuten.sec) 分かり易い反落局面に入っている


 ↓ 日産自動車(Rakuten.sec) 自動車セクターの中では弱さが目立つ


 トーセイ(東証二部 8923) 25,170 → 59,300 / 83,600 → 102,100 / 127,000

 東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277 → 413 / 541 → 615 / 857 → 923

 ケネディクス(東証一部 4321) 68,700 → 72,100

 竹内製作所(JASDAQ 6432) 636 → 1593 / 743 → 1,672 / 1,678 → 2,200

 マツダ(東証一部 7261)  232 → 306 / 178 → 275 / 87 → 217 / 130 / 298 → 314

 富士重工(東証一部 7270) 467 → 670 / 573 → 1,283

 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587
             542 → 608 / 494 → 577 / 540 → 577
             541 → 602 / 529 → 602 / 489 → 706 / 518 → 706

 サンフロンティア不動産(東証一部 8934) 61,600 → 114,600

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215
                     1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526
                     1,341 → 1,752
                     1,906 → 3,160
                     3,410 → 3,650

 昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966
                  716 → 723 / 688

東京建物、日産、マツダといったところはショートだろう。


米経済覆う不透明感=消費、雇用に財政重し―金融緩和維持の公算(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013042700208
”【ワシントン時事】米経済を不透明感が覆っている。26日に発表された2013年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は2.5%増と前期から拡大したものの、3月に発動された強制歳出削減などが重しとなっており、今後は成長が鈍化するとの見方が市場では有力だ
 大統領経済諮問委員会(CEA)のクルーガー委員長はこの日、15四半期連続でプラス成長を維持したとし、「米経済は正しい方向に向かっている」と強調した。実際、今回も住宅部門の堅調な回復が確認されたほか、GDPの約7割を占める個人消費は3.2%増と大幅に拡大した。
 ただ、個人消費の伸びは冬の寒さによる光熱費の増加などが要因とみられ、今後は期待薄。今月発表された3月の小売売上高も自動車や食品、デパートなどが軒並みマイナスとなり、消費の手控えが鮮明となった。また、3月の雇用統計は就業者数の伸びが前月から大幅鈍化し、失業率は7%台後半に高止まりしている。
 成長の重しとなっているのは、昨年末に失効した社会保障税の減税措置と強制歳出削減の発動だ。米調査会社バンクレートの3月の調べでは、約4割が「支出や貯蓄を減らした」と回答。強制削減は13年の実質GDPを0.6ポイント押し下げるとされ、与野党による赤字削減交渉の行方など財政をめぐる先行き不透明感とともに、雇用や経済活動にマイナスの影響を与えている。
 こうした中、連邦準備制度理事会(FRB)は30日と5月1日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。〔以下略〕”

米GDPへの市場の反応は明白にネガティブだった。
その背景を時事通信がロイターと違った視点で詳細に伝えている。
末尾には今週予定されているFOMCにも言及されており、熟読されたい。

『日経会社情報』2013-II 春号


    ◇     ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

ふらふらとした上がり方だったが、週後半に山場があった。
ユーロが崩れ始めたのでショート転換。
(先程、米指標が良かったので既に決済してポンドロングに転換している)

追記:火曜昼のアンワインドでショートに再び転換、暫く円高を警戒すべきだろう。

 2013/04/26 129.02 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)

    現在 > 127.72 ユーロ/円(損益124%)← 今年の損益率
         151.75 ポンド/円
         98.03  米ドル/円

 ◎ 2012年の損益率(手数料等除外)> 142%
 ◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2013/04/16 150.10 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/04/12 129.73 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/04 145.91 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/21 144.80 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/15 144.46 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/07 142.28 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/01 120.89 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/02/13 124.85 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/02/08 125.97 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/01/24 120.99 EUR/JPY Lev ×1.5
 2012/12/26 136.78 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/12/21 136.36 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/12/12 132.76 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/29 131.44 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/11/09 126.37 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/11/02 83.12 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/25 128.91 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/10/18 127.47 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/08/29 81.23 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/09/12 125.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/27 81.86 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/08/15 123.83 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/20 95.50 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/07/13 123.21 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/07/06 97.98 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/29 125.19 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/06/21 100.82 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/14 123.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/06/07 99.03 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/06/01 120.02 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/05/23 100.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/05/14 102.44 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/05/11 128.50 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/04/27 106.60 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/04/19 130.30 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/04/13 128.88 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/04/06 84.02 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/03/30 132.57 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2012/03/22 85.75 AUD/JPY Lev ×1.5
 2012/03/13 128.51 GBP/JPY Lev ×1.5
 2012/03/13 83.48 CAD/JPY Lev ×1.5

 …以下省略…

「資源国通貨は底打ちしました。
 豪中銀は政策金利を引き上げ始めており、
 豪ドルは緩やかな上昇トレンドに入っています」

引き続き海外経済、特にアメリカの景気減速に要注意。
グローバルファンド勢が手仕舞い局面を探っている局面との判断に変更はない。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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GWの注目新刊 -『体を壊す10大食品添加物』『世界は貧困を食いものに…』『地名は災害を警告する』等

2013-04-29 | こんな本を読んでいます
連休恒例の新刊紹介です。
経済関連以外で意外に面白いものも。

相変わらずアベノミクスとTPP関連は火事場泥棒的な駄本ばかりですが
最近は市況変調もありやや潮目が変わってきた感触もあります。

『体を壊す10大食品添加物』(渡辺雄二,幻冬舎)


 → やや発癌性を過大に見積もっている印象はありますが
   消費者の大多数は自らが何を食べているか分かっていないので
   食品産業・外食・コンビニの裏側を見抜くために好適な一冊。

『物語 シンガポールの歴史』(岩崎育夫,中央公論新社)


 → シンガポールは偉人リー・クワンユー関連本は複数あったものの
   意外に社会全体を客観的視点から捉えた本が少なく、
   こちらは一歩踏み込んだ研究や今後の予測に必須の本でしょう。

   個人的には日本総研あたりにシンガポールの政策研究書を出して欲しいところ。
   この国が自民党より間違いなく政策リテラシーが高いのは間違いない。

『世界は貧困を食いものにしている』(ヒュー・シンクレア,朝日新聞出版)


 → これは今年前半で最優秀のリポートかもしれない。
   マイクロファイナンスはいつの間に世界の希望から病巣へと転落しつつあるのだろうか。
   朝日新聞出版の翻訳本は最近かなり冴えている。

『地名は災害を警告する ~由来を知り わが身を守る』(遠藤宏之,技術評論社)


 → どこかの雑誌で一度は「災害危険地域」を特集して欲しい。
   特に都市圏の新興住宅地は人が住むのには欠点があったり、
   過去に災害のあった場所を開発した場所が少なくない。
   類書もあるのでくれぐれも注意されたい。

『金融緩和の罠』(藻谷浩介ほか,集英社)


 → 金融緩和のマイナス面にフォーカスした本も増えてきた。
   当ウェブログのお薦めは矢張り河野龍太郎氏の見解、
   金融緩和で劇的に日本経済が回復するというホラ話を信じる方が馬鹿馬鹿しい。

『経済学者の栄光と敗北 ケインズからクルーグマンまで14人の物語』(東谷暁,朝日新聞出版)


 → この著者は、持論を語らせると民営化を教条的に批判したり
   「原発叩きシンドローム」とか「やはり日本は製造業」など
   実体経済を思い切り無視した話を始めるのではあるが
   エコノミストを突き放して捉える際には悪くない。
   これはあくまで「物語」ながら経済理論の初心者に適しているかと。

『ショートパスタ・ブック』(渡辺麻紀,河出書房新社)


 → こちらは連休向けの本。
   ショートパスタは素人でも扱いやすく、応用が利く便利な素材。
   この一冊で知人や家族を驚かせることができるでしょう。
   写真がかなり綺麗で眺めていても楽しい。

『ごちそうマリネ ---お酒にもごはんにも。おもてなしにもお持たせにも。』(渡辺麻紀,河出書房新社)


 → 飲むのが好きな人はこちらを。上と同じ著者です。
   酢を使ったものは保存性も高まるのでGWの行楽にも良い。

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『週刊エコノミスト』5月7日合併号 - REIT市場のイールドギャップ低下、既に買われ過ぎの局面に

2013-04-26 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』は特集「投資大全」でしたがやや中途半端。
初心者には難しいし、上級者には物足りないのではないか。
中期的なマクロの市況観やポートフォリオのケーススタディが欲しい。

特集冒頭はもうひとつだがP82のREIT市場分析は良い。
急激な勢いでイールドギャップが縮小しており、既に過熱感が出ていることが分かる。
この記事では1%台になったら注意としているがやや甘い見方だろう。
2%近くにまで低下したらもう既に危険水域、図表を見れば明白だ。

確かに特集後半にある通り「2005年の上げ相場を経験した投資家が儲けている」のだから、
2004~07年の市況を振り返って何が起きたかを分析した方が有益であろう。
(セクター内での東京建物のアウトパフォームはそれで予想できた筈)

P42では景気循環論の第一人者であるMUFJモルスタの嶋中雄二氏が
「リフレ・ジュグラー」の回復サイクルに入ったとしているが、
07年ですらあの程度なのだから今回の景気回復も大して期待できないと思う。
嶋中氏の楽観論は、明らかに日本の醜悪な財政と破壊的な人口動態を軽視している。

『エコノミスト』2013年 5/7号


尚、当ウェブログが先週に注目したBNPパリバ証券の丸山俊氏は、
ヘッジファンド勢が日経平均の先高を見込んだポジションであるため
強気の見方を示しているが、それは違うと思う。
短期的には停滞もしくは調整を見ていると判断した方が正しかろう。

▽ 今週号には市況分析が乏しいので、先週号と併せて読んだ方が良いと思う

『エコノミスト』2013年 4/23号


    ◇     ◇     ◇     ◇

来週のエコノミスト特集に期待したい。

▽ 旬の不動産と相続、売れ筋のダブル特集

『エコノミスト』2013年 5/14号

相続特集も必要なのだが、老化した日本経済を象徴するようで悲しくなる。
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廃プラスチックの燃料化、処理能力が従来の四倍に - 廃油からのバイオ軽油開発も進行中

2013-04-25 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
当ウェブログが昨年に予測したようにドルとユーロが対円で大底を付け、
更に乱暴な金融緩和策が始まったため円安進行に伴う原油高が
否応なしに意識され警戒される時代が到来した。

それは省エネと再生可能エネ分野における投資増大、
日本経済のエネルギー効率向上に資するため悪い話ではない。

但し燃料に関しては日本は輸入に頼らざるを得ないため、
この部分が日本経済のアキレス腱となるであろう。

いかに車が省燃費になっても燃料が必要なことに変わりはない。
EVはまだ技術的には未熟で普及拡大の段階には至っていない。

その点で、長野での廃プラスチック燃料化や京都のバイオ軽油開発は歓迎できる。
鉄道網が発達している大都市は兎も角、地方は燃料高の直撃を受ける。

ただ残念ながらこれらの価値ある試みもリサイクルの範疇であり
絶対量が不足するという欠点がある。

世界に目を向ければ、ボリュームの面でもエネルギー効率の面でも
ブラジルの砂糖黍バイオエタノール政策の圧倒的な成功が参考になろう。

▽ ブラジルではエネルギー効率が突出して高い砂糖黍を利用して燃料を生産している

『バイオエネルギー大国 ブラジルの挑戦』(小泉達治,日本経済新聞出版社)


ブラジルでは砂糖黍の高度利用で低コストのバイオ燃料を利用できる。
日本は気候条件が違うので、南西諸島や東南アジアでの可能性を探ることになるだろう。
(当ウェブログで取り上げたように、アサヒビールが素晴らしい技術を開発している)

多収米によるエタノール生産も研究が進められているが、コスト的に難しいだろう。
食肉生産用の飼料に振り向けた方が合理的ではないかと思われる。

 ↓ 日本企業のバイオ関連の技術開発は目立たないながらも着実に進んでいる

ダイハツ、バイオエタノール水対応車(DFV)開発に成功!-E10(エタノール1割混合車)も提供開始
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7fb6047ceecbd0811624841111df4343

竹中工務店、高層ビル・商業施設向けのバイオガスシステムを開発 - 食品残渣からメタン発酵
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/c43578a35e508cc0316323cfa7eec4c2

▽ 円安反転で、再び恒常的な原油高の時代が近づく





『原油100ドル時代の成長戦略』(柴田明夫,朝日新聞出版)


廃プラ油化、処理能力4倍 エム・シー・シー・綿谷製作所(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO52451870V00C13A3L31000/
”エンジニアリング会社のエム・シー・シー(長野市、吉村乕社長)と産業機械の綿谷製作所(長野県上田市、綿谷憲一社長)は廃プラスチックから燃料油を作る新型の油化装置を開発した。処理能力を従来の4倍に引き上げ、1時間に最大で約200リットルの油を回収できる。燃料価格の上昇を背景に、廃プラスチックを活用して燃料費を減らしたい工場が増えると判断。年間に5台の販売を見込む。〔以下略〕”

地方では環境関連で面白い企業が意外にある。地味ながら素晴らしい技術だ。
プラスチックは原油輸入の副産物の有効利用であるが
不要になった廃プラスチックを燃料として再利用できれば更なる有効利用となる。
処理能力の高さは、エネルギー効率も高いということを意味する。


「バイオ軽油」精製に成功 京都市、世界で初(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20130129000168
”京都市の門川大作市長は29日の記者会見で、動植物性の廃油から軽油と同等の品質の燃料「バイオ軽油」を精製することに世界で初めて成功し、市バスなどの燃料に使うための実用化プロジェクトを立ち上げると発表した。2018年度から実用化を目指し、新年度は燃料製造プラントを建設する。
 市は1997年から、家庭の植物油の廃油を市内約1650カ所で回収し、年間約130万リットルのバイオディーゼル燃料(BDF)を精製、ディーゼル車のごみ収集車と市バスに使っている。
 しかし、軽油との性状の違いから頻繁にオイル交換をしたり、部品の改造も必要で、排ガスの窒素酸化物が軽油より10%多いという課題もあった。
 このため、環境省の補助を受け本年度から、尼崎市のプラントメーカーなどと高品質の燃料精製の基礎研究に着手。昨年11月、植物油の廃油に高温の熱を加えるなど特殊な技術で「分解油」をつくり、さらに水素を加え軽油とほぼ同品質のバイオ軽油精製に成功した。ラードや牛脂、魚油など動物油の廃油にも応用できることが分かった。
 市は新年度から伏見区下鳥羽の市有地に実験プラント建設に着工し、1日に500リットルの廃油を精製し、車両走行実験もする。
〔中略〕
 1リットル当たりの精製費は、BDFの145円に対し、バイオ軽油は130円~200円になるという。

こちらはネット上でも話題になった京都のバイオ軽油。
何と言ってもBDFよりも価格が安いというのが注目点だ。

廃油の特性として絶対的にボリュームが足りないものの
ただ廃棄するよりは燃料化する方が望ましい。

バイオフューエルは低温に弱いという特性を持つが
平均気温の高い近畿以西では問題が少なかろう。
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