今週の特集は「米国金融崩壊」でした。
『週刊エコノミスト』の内容案内
最新号の内容の確認は、こちらの毎日新聞のサイトの方が正確で早いです。
(定期購読は方式によりディスカウント率が複雑なので御注意下さい)
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/economist/
世界経済が未曾有の危機に突入したタイミングで、
実に素晴らしい特集でした。
舌先三寸しか芸のない自称専門家の高価な商材を買う位なら
今週のエコノミストを買う方が遥かに賢いです。
満を持して著書を発売されたばかりの草野豊己氏、
久々の巻頭特集へのご登場です。
▽ でも、ネームバリューには負けてしまう。。
草野氏の方が具体的に論じていらっしゃるので
投資家にとっては草野氏の著書の方が良いと思います。
ただ問題なのは草野氏は今春の金融危機の際に
ドルの見通しを思い切り外されたことです。
(確か90円を割り込む、という話だった)
氏は尊敬すべき金融の専門家ですが、
具体的な数値予想は不得手のようです。
その辺りの事情を理解した上で
今回の特集を読まれると良いでしょう。
しかし個人的には数値を明言された草野氏の勇気と
誠実さは賞賛に値すると考えております。
漠然と書いた(=範囲が広く、的中し易い)予想を
「当たった! 当たった!」と騒ぐ営業上手よりましです。
ただ投資家の観点から言わせて頂けば
「市場の総悲観は急反発の前兆」
でもありますので御注意下さい。
◇ ◇ ◇ ◇
今回の特集で最も評価できるのは
何と言ってもP21の「金融再編の動き」と
ダウの推移と主要な出来事をまとめたP22の図表です。
ひと目で事態の流れが分かって実に素晴らしいです。
10月危機はまだ何とも言えませんので
今の時点では要警戒、ということで。
(マーケットを見ていれば前兆が見えるので待ちましょう)
筋金入りのプロである草野氏は、
「ケース・シラー住宅価格指数の先物によると、米住宅価格は今後
更に3割下落して、底を打つのは2010年5月と予想している」
と重要なコメントをされています。
まだまだ前途多難。
投資家はショートを使いこなせるようにならないと。。
草野氏の論考の他にも、
第一生命の熊野英生エコノミストが
「国内金融機関には千載一遇のチャンス」
と記されている記事がP26にあり、こちらもお見逃しなく。
◇ ◇ ◇ ◇
今週号で感心したのは慶大の小林良彰教授の寄稿で、
P38「与野党が今こそ示すべき『日本の将来の羅針盤』」です。
小林教授は日本の巨額政府債務が政策の自由度を狭めるとし、
「消費税率を引き上げる一方で、行政サービスを抑制し
ながら経済成長を目指すという至難の道を通ることに
なる。当然ながら、国民の批判にさらされるこうした
主張は、日本の政治家から聞こえてくる筈がない」 と今後の日本の政治の困難な行先を予想しておられます。
他にもP34からの「ネット通販の成長の限界」や
P45の「ばらまきにならない定率減税を実現する方法」、
P102の「社会起業家精神を発揮する人の育成」も面白く、
今週号はかなり内容充実でした。
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最新号の内容の確認は、こちらの毎日新聞のサイトの方が正確で早いです。
(定期購読は方式によりディスカウント率が複雑なので御注意下さい)
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/economist/
世界経済が未曾有の危機に突入したタイミングで、
実に素晴らしい特集でした。
舌先三寸しか芸のない自称専門家の高価な商材を買う位なら
今週のエコノミストを買う方が遥かに賢いです。
満を持して著書を発売されたばかりの草野豊己氏、
久々の巻頭特集へのご登場です。
![]() | 『日本経済を襲うエキゾチック金融危機』(草野豊己,毎日新聞社) |
▽ でも、ネームバリューには負けてしまう。。
![]() | 『ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ』(ジョージ・ソロス,講談社) |
草野氏の方が具体的に論じていらっしゃるので
投資家にとっては草野氏の著書の方が良いと思います。
ただ問題なのは草野氏は今春の金融危機の際に
ドルの見通しを思い切り外されたことです。
(確か90円を割り込む、という話だった)
氏は尊敬すべき金融の専門家ですが、
具体的な数値予想は不得手のようです。
その辺りの事情を理解した上で
今回の特集を読まれると良いでしょう。
しかし個人的には数値を明言された草野氏の勇気と
誠実さは賞賛に値すると考えております。
漠然と書いた(=範囲が広く、的中し易い)予想を
「当たった! 当たった!」と騒ぐ営業上手よりましです。
ただ投資家の観点から言わせて頂けば
「市場の総悲観は急反発の前兆」
でもありますので御注意下さい。
◇ ◇ ◇ ◇
今回の特集で最も評価できるのは
何と言ってもP21の「金融再編の動き」と
ダウの推移と主要な出来事をまとめたP22の図表です。
ひと目で事態の流れが分かって実に素晴らしいです。
10月危機はまだ何とも言えませんので
今の時点では要警戒、ということで。
(マーケットを見ていれば前兆が見えるので待ちましょう)
筋金入りのプロである草野氏は、
「ケース・シラー住宅価格指数の先物によると、米住宅価格は今後
更に3割下落して、底を打つのは2010年5月と予想している」
と重要なコメントをされています。
まだまだ前途多難。
投資家はショートを使いこなせるようにならないと。。
草野氏の論考の他にも、
第一生命の熊野英生エコノミストが
「国内金融機関には千載一遇のチャンス」
と記されている記事がP26にあり、こちらもお見逃しなく。
◇ ◇ ◇ ◇
今週号で感心したのは慶大の小林良彰教授の寄稿で、
P38「与野党が今こそ示すべき『日本の将来の羅針盤』」です。
小林教授は日本の巨額政府債務が政策の自由度を狭めるとし、
「消費税率を引き上げる一方で、行政サービスを抑制し
ながら経済成長を目指すという至難の道を通ることに
なる。当然ながら、国民の批判にさらされるこうした
主張は、日本の政治家から聞こえてくる筈がない」 と今後の日本の政治の困難な行先を予想しておられます。
他にもP34からの「ネット通販の成長の限界」や
P45の「ばらまきにならない定率減税を実現する方法」、
P102の「社会起業家精神を発揮する人の育成」も面白く、
今週号はかなり内容充実でした。