みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊エコノミスト』10月7日号 - 草野豊己氏「米住宅価格の底打ちは2010年5月か」

2008-09-30 | 『週刊エコノミスト』より
今週の特集は「米国金融崩壊」でした。
『週刊エコノミスト』の内容案内

最新号の内容の確認は、こちらの毎日新聞のサイトの方が正確で早いです。
(定期購読は方式によりディスカウント率が複雑なので御注意下さい)
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/economist/

世界経済が未曾有の危機に突入したタイミングで、
実に素晴らしい特集でした。

舌先三寸しか芸のない自称専門家の高価な商材を買う位なら
今週のエコノミストを買う方が遥かに賢いです。

満を持して著書を発売されたばかりの草野豊己氏、
久々の巻頭特集へのご登場です。




『日本経済を襲うエキゾチック金融危機』(草野豊己,毎日新聞社)


▽ でも、ネームバリューには負けてしまう。。




『ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ』(ジョージ・ソロス,講談社)


草野氏の方が具体的に論じていらっしゃるので
投資家にとっては草野氏の著書の方が良いと思います。

ただ問題なのは草野氏は今春の金融危機の際に
ドルの見通しを思い切り外されたことです。
(確か90円を割り込む、という話だった)
氏は尊敬すべき金融の専門家ですが、
具体的な数値予想は不得手のようです。

その辺りの事情を理解した上で
今回の特集を読まれると良いでしょう。

しかし個人的には数値を明言された草野氏の勇気と
誠実さは賞賛に値すると考えております。
漠然と書いた(=範囲が広く、的中し易い)予想を
「当たった! 当たった!」と騒ぐ営業上手よりましです。

ただ投資家の観点から言わせて頂けば

「市場の総悲観は急反発の前兆」
でもありますので御注意下さい。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今回の特集で最も評価できるのは
何と言ってもP21の「金融再編の動き」と
ダウの推移と主要な出来事をまとめたP22の図表です。
ひと目で事態の流れが分かって実に素晴らしいです。

10月危機はまだ何とも言えませんので
今の時点では要警戒、ということで。
(マーケットを見ていれば前兆が見えるので待ちましょう)

筋金入りのプロである草野氏は、

「ケース・シラー住宅価格指数の先物によると、米住宅価格は今後
 更に3割下落して、底を打つのは2010年5月と予想している」


と重要なコメントをされています。
まだまだ前途多難。
投資家はショートを使いこなせるようにならないと。。

草野氏の論考の他にも、
第一生命の熊野英生エコノミストが
国内金融機関には千載一遇のチャンス
と記されている記事がP26にあり、こちらもお見逃しなく。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週号で感心したのは慶大の小林良彰教授の寄稿で、
P38「与野党が今こそ示すべき『日本の将来の羅針盤』」です。

小林教授は日本の巨額政府債務が政策の自由度を狭めるとし、

「消費税率を引き上げる一方で、行政サービスを抑制し
 ながら経済成長を目指すという至難の道を通ることに
 なる。当然ながら、国民の批判にさらされるこうした
 主張は、日本の政治家から聞こえてくる筈がない」
と今後の日本の政治の困難な行先を予想しておられます。

他にもP34からの「ネット通販の成長の限界」や
P45の「ばらまきにならない定率減税を実現する方法」、
P102の「社会起業家精神を発揮する人の育成」も面白く、
今週号はかなり内容充実でした。
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原油先物、再度100ドルを割り込む急落 - 金融危機の後は景況悪化

2008-09-29 | 注目対象…譲渡益税分は寄付に廻して下さい
原油先物が再度、1バーレル100ドルを割り込みました。
NYもロンドンもフランクフルトも急落、
世界経済の更なる悪化は必至です。

金融市場の数値は最も敏感な景況の先行指標であり、
これを無視することは絶対に不可です。

米政府の対策が余りにも非力であると
マーケットが無言で雄弁に語っているのです。

不良資産買い取り、75兆円を分割投入 米、法案で大筋合意(日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080928AT2M2801X28092008.html

”【ワシントン=大隅隆】米政府と議会は28日未明、金融安定化法案を巡る
 修正協議で大筋合意した。不良資産買い取りの原資となる公的資金7000億
 ドル(約75兆円)を議会が数回に分けて分割承認するほか、利用する金融
 機関経営者の報酬制限、公的資金運用監視のための第三者機関創設などを
 盛り込んだ。同日中に発表する方向で最終調整を急いでいる。
 信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を機に広がっ
 た米国の金融不安は、公的資金を大規模に投入して解決を目指す新たな段
 階に入る。
 不良資産を買い取る公的資金枠は最大7000億ドル。うち2500億ドルをまず
 支出し、財務長官の要請に基づき1000億ドルを追加する。残り3500億ドル
 は議会が支出を拒否できる。公的資金投入に対する議会のチェック機能を
 確保する。経営者の報酬制限は、金融機関健全化を公的資金で支援するこ
 とへの批判に対応した。”

 → 全文を引用致しました。
   「兵力の逐次投入」にならなければ良いのですが。

   これでも市場が上向かないということは、
   二重の打撃であり最悪の結果と言えるでしょう。

   米政府と金融当局に残された選択肢は
   いよいよ狭まってきています。
   FRBの緊急利下げくらいしか考えつきません。。


私は本日、昭和シェル以外の株式をすべて売却しました。
暫くショート中心とします。

BDIが急落、商船三井も最安値を更新したので
予定通りショートでの注目として追加します。

住友金属鉱山〔東証一部 5713〕 1,087円 ▼ 65(-5.64%) > ショート
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=5713.t&d=c&k=c3&a=v&p=m130,m260,s&t=5y&l=off&z=m&q=c&h=on

商船三井〔東証一部 9104〕 889円 ▼ 57(-6.03%) > ショート
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=9104.t&d=c&k=c3&a=v&p=m130,m260,s&t=5y&l=off&z=m&q=c&h=on

新日本製鐵〔東証一部 5401〕 413円 ▼ 16(-3.73%) > ショート
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=5401.t&d=c&k=c3&a=v&p=m130,m260,s&t=5y&l=off&z=m&q=c&h=on


前回と同じく、5年チャートです。
歴史的な局面となっています。

これらの3銘柄はかなり深い下落を見せているので、
海外発の材料を受けての急反発も考えられます。

撤退する際には迅速にする必要があります。

※ どうか投資家各位で判断されるようお願い致します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>以下、30日夜の追記

日経平均が午後に切り返したのを見て、
ショートの大部分を決済。
昭和シェルのロングに切り替えた。

(チャートが下に伸びきって、収縮が近いと思った)

ここ暫く、日経平均は予言的な動きをする。
NYも欧州も反発するのではないか、
その時いとすぎはそう思った。

豪ドルは83円台でロングに転換した。
幸運はまだこちらに顔を向けているが
これからどうなるか分からない。

今はボクシングの接近戦に近い。
打ち合いでは理屈よりもまず感性、
そして瞬時の反応である。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>以下、1日夜の追記

ノーガードの打ち合い続く。

バルティック指数は回復していない。
新日鐵が反発できなかったのを確認して
商船三井・新日鐵・住友鉱山のショートに入る。

商品市況は一時下げ止まった。
「唯一上昇する理由のある」金先物にだけ注意。

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日本の貿易統計、26年ぶりの赤字 - バルティック指数・CRB商品指数・WTIすべて下落基調

2008-09-28 | 注目投資対象・株価の推移
CRB商品指数が再び下げ基調となっております。
突然の反騰には注意が必要ですが、
中長期的には下落せざるを得ないでしょう。

景況が悪化しても商品価格が上昇する、
という異常事態は原理的に持続不可能です。
無理な価格形成は、いつかは雪崩をうって崩壊します。

直近1年の豪ドルの推移
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=audjpy=x&d=c&k=c3&h=on&z=m

 → 一時商品先物が急反発し、
   堅調な動きを見せていましたが
   週末の商品市況の軟化とともに
   豪ドルも後退気味です。

RTC成立に手間取っているうちに
事態が次々に悪化してゆくのが分かります。
特に資源関連は、基本的にショートでしょう。

NY原油は反落、106ドル台に…景気先行きを懸念(読売新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/business/20080927-567-OYT1T00310.html

”26日のニューヨーク原油先物市場で、指標となるテキサス産軽質油
 (WTI)の11月渡し価格は、前日比1.13ドル安の1バレル=
 106.89ドルと反落して取引を終えた。
 金融安定化策を巡る米政府と議会の協議について、株式市場では決着
 を期待する向きが多かったが、株の取引が終わった夕方以降は調整の
 難航ぶりが相次ぎ表面化した。米景気の先行きに対する懸念から、原
 油の需要が減るとの観測が広がった。”

 → 取りあえず100ドル前後まで後退しそうです。
   問題はそこで反発できるかどうか。
   RTCのひとつやふたつできたところで
   世界経済がすぐ上向きになる訳ではないのは自明です。

米バークシャー、ゴールドマンに50億ドル出資で合意(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-338976.html

”米金融大手ゴールドマン・サックス・グループは23日、著名投資家
 ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイから50
 億ドルの出資を受けると発表した。
 バークシャーは、配当利回り10%の永久優先株を50億ドル購入。
 さらに今後5年以内にゴールドマンの普通株を1株115ドルで購入
 できるワラント50億ドルを取得する。
 ゴールドマンによると、少なくとも25億ドルの普通株売り出しも計
 画している。
 バフェット氏は声明で「ゴールドマンは非常に優れた金融機関」とし、
 高いパフォーマンスを維持するための比類ないグローバルな業務体制、
 優れた経営陣、知識や財務面の基盤を確保している、と指摘した。
 ゴールドマン株は23日のニューヨーク株式市場で3.5%高の125
 .05ドルで引けた後、時間外でさらに8.5%急伸している。
 資産運用会社ホランドのマイケル・ホランド氏は「極めて知的で魅力
 のあるパートナー同士の合意だ
」と指摘。「バフェット氏はゴールド
 マン・サックスの経営トップについて、競合他社とはっきり異なると
 の見方を示しており、信任票を投じていると言える」と述べた。
 〔以下略〕”

 → バークシャーの登場には象徴的な意味があります。
   このような金融危機の際には最後まで生き残るのは
   巨額の自己資本のある強者であり、今回の危機は
   最終フェーズに差し掛かっているものと思われます。
   (注:但し景況悪化はまだ続きます)

日経平均が反落、貿易統計26年ぶり赤字で輸出関連株に売り(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-339210.html

”寄り付きの東京株式市場では、日経平均が反落。寄り付き直後に前日
 比で200円を超す大幅な下落となった。
 9時30分現在、1万1800円台での推移となっている。
 米金融安定化策に対する先行き不透明感から様子見姿勢が強まってい
 る。全面安の中、銀行などの金融や不動産の下げが目立つ。
 バルチック海運指数の続落を受けて、海運株は下落率が最大となって
 いる。
 財務省が寄り前に発表した8月の貿易統計では、1月を除くと82年
 11月以来26年ぶりの貿易赤字となった
。市場では、「自動車など
 輸出関連株の下げも大きく、下押し圧力となっているようだ」(国内
 証券)との声が出ている。
 一方、きょうは9月期末の権利付き最終売買日の翌日で「権利落ちの
 影響も下押し要因となっている」(国内投信)という。”

 → 今年初めに当ウェブログでは
   「2008年は日本が貧しくなり始めた年として記憶される」
   と書かせて頂きましたが、悲しいことに予想通りの展開。

   丸紅やマツダも油断禁物、
   判断の難しい場面です。
   一時的にショートとの両建にして
   ヘッジするのもひとつの方法です。

▽ 業績見通しが気になる方のために貼っておきます。
  でも、この時期の増額修正は鵜呑みにしてはいけません。




『日経会社情報 2008年 秋号』





『会社四季報 2008年 4集秋号』


    ◇      ◇     ◇     ◇

先週は失礼しました。
私は丸紅・昭和シェル・マツダのロングは水曜まで
すべて決済し、新日鐵のショートに転換しました。

今週の方針は新日鐵・住友金属鉱山のショート、
ダウと金先物、バルティック指数を注視のこと。

それぞれの直近安値は400円・1050円です。
その前後で一旦は決済とし、
そのゾーンを突破して下落したら再度ショートの予定。

商船三井は急反騰の可能性がありますが、
同様にショートを狙いたいところ。

  【丸紅(東証一部 8002)の株価推移】

 [7月16日]  [9月26日]
   751円 → 519円 ▼ 232(-30.9%)

  【昭和シェル石油(東証一部 5002)の株価推移】

 [7月14日]   [9月26日]
  1,175円 → 1,077円 ▼ 98(-8.3%)

  【マツダ(東証一部 7261)の株価推移】

 [8月10日]  [9月26日]
   589円 → 455円 ▼ 134(-22.7%)

打診買いしていた原弘産は下げがきついので
週初にすべて決済しました。やれやれ。

マツダ、8月世界生産は前年比+4.1%=国内生産は同+5%(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-339249.html

”マツダが25日発表した8月の世界生産実績は、前年比4.1%増の9万
 7242台だった。国内生産は同5%増の7万6176台、輸出は同0.8
 %増の6万2276台だった。”

 → マツダの生産実績はなかなか良かったのですが、
   マーケットはユーロ安の方に反応しています。
   中国とロシアの景況に悪化懸念があるのも気掛かり。

   ユーロは150円台でしばらく止まると思いますが
   どうでしょうか。ここを割り込むと
   決断が必要な局面となるでしょう。

    ◇      ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

ショートポジションを維持していますが、
週末に一部決済しました。
今週も再度ショートで入るかもしれません。

 2008/09/19 87.10 AUD/JPY Lev ×4 (ショート)
 2008/09/18 84.02 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)

    現在 > 88.05 豪ドル/円 (損益202%)

  ▼ ポジション解消済み
 2008/09/20 89.04 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/09/12 88.02 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/09/11 87.58 AUD/JPY Lev ×4 (ショート)
 2008/09/10 85.29 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/09/01 92.84 AUD/JPY Lev ×10 (ショート)
 2008/08/28 94.43 AUD/JPY Lev ×10
 2008/08/11 94.12 AUD/JPY Lev ×10 (ショート)
 2008/08/05 99.18 AUD/JPY Lev ×5.0 (ショート)
 2008/08/04 99.98 AUD/JPY Lev ×5.0 (ショート)
 2008/07/16 101.87 AUD/JPY Lev ×2.5 (ショート)
 2008/07/15 104.40 CAD/JPY Lev ×5.0 (ショート)

 …以下省略…


「資源国通貨の時代は終わりました。
 豪ドルは今後、主としてショートの対象となるでしょう」

中長期的な見通しは、変わりません。

「83円から88円の間でボックス圏になる」
という短期的な見通しも変わりません。

10月は豪中銀が金利維持との声が多く、
暫く小康状態を保つ可能性が出てきました。

CRB商品指数も下落傾向です。
85円台、できれば84円台まで下げたらロングを考えます。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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白河桃子、女性の「都合の良い願望」を批判 -「対等型の夫婦は葛藤が増える」と

2008-09-26 | いとすぎから見るこの社会-少子化問題
白河さんはとても賢い方だと思います。
女性向けの媒体では同世代の男性の欠点を示し、
幅広い層に向けられた媒体では女性の欠点を指摘する。

好意的に捉えれば、数年前に御自身が振りまいた
バイアスが行き過ぎたので修正しているのかもしれません。

私などは随分前から「非婚化の原因は男女双方にある」
「男女ともに相手への要求水準が高過ぎる」と書いていましたが、
結局妥当な結論としてはそこに落ち着くようです。

白河桃子の「“キャリモテ”の時代」女性が結婚できない3つの理由(日本経済新聞)
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/nbonline.cfm?i=2008092500847cs&p=1

”「結婚したいのにできない」という女性の話を聞いていると、彼女たち
 が必ず口にする3つの言葉がある。
  1)「引っ張っていってくれる男性がいい」
  2)「(結婚して)子供ができたら、しばらくは子育てに専念したい」
  3)「(相手と)自然に出会いたい」
 「当たり前のことを言っているだけでは?」と思う人も多いかもしれな
 い。特に40代以上の男性たちは…。
 1)についてだが、“男らしく”リードしてくれる男性を好む女性は多
 い。2)に関しては、就職氷河期世代にとっては「一生続けたい」と思
 うほどやりがいのある仕事に出合えなかったため、仕事に対する執着心
 が薄い。またはあまりに激務なため、出産年齢を考えると30歳ぐらいで
 そろそろひと休みしたい、という声も多いのだ。
 そして3)について。婚活(結婚活動)をしたくない一番の理由として、
 「自然な出会いが一番」と思う心情があるのだ。結婚とは、好きな人と
 出会って自然に結ばれるものだから、作為的なものが入るのは美しくな
 いと思うし、プライドが傷つく。ガツガツと出会いを求める女性とは思
 われたくない。
  ■「結婚できない理由」それ自体が婚期を遅くしている!?
 こういう女性たちの本音を聞くと、その気持ちは痛いほど分かる…。だ
 が、女性が結婚できない理由は、実は彼女たちが口にする、この3つの
 「結婚できない理由」それ自体にあるのではないか。
 〔中略〕
 ある結婚相談所のカウンセラーが嘆いていたが、「頼りない」の一言で
 女性に交際を断られてしまう男性が、一番多いそうだ。しかし本当に女
 性はみんな「自分を引っ張っていってくれる男性」がいいのだろうか?
 引っ張っていってくれるとしても、その方向がミスリードだったら、今
 の女性たちはテコでも動きゃしない。「引っ張ってほしい」というのも
 実は、「私の気持ちを汲み取ってほしい」、つまり「自分たちの好む方
 向に引っ張ってほしい」という、都合のいい願望に過ぎない
と思う。”

宮沢賢治に『注文の多い料理店』という作品がありますが、
色々な女性の話を聞いていると、『注文の多い結婚条件』
という言葉がつい浮かんできます。

「いい人」「普通の人」の具体的な条件を言わせると、
いやはや出るわ出るわ、1ダースくらい平気で挙がってきます。
同じ職場の具体的な男性を挙げて感想をお伺いすると
凄いです。悉くなで切りを食らってしまいます。
「それはない」「問題外」「勘弁して欲しい」etc

ご意向に添うのもなかなか大変なんですよ。
「ここまで結婚を待ったのだから、せめて年収1000万位の相手…」
などと意味不明なことを言われると、非常に困ります。




『「婚活」時代』(山田昌弘/白河桃子,ディスカヴァー・トゥエンティワン)

さて、記事の続きをどうぞ。

”女性誌では「私を変えない結婚」というキーワードが大いに受けるのだ
 が、結局「私を変えない結婚」がしたければ、自分が男性をリードする
 ぐらいがいいのだ。そして今は、そういった「リードしてくれる女性」
 を待っている男性も大勢いるのではないか?
 今、ライフプランは女性が決める時代になっているのだと思う。結婚し
 ているカップルを見ても、女性主導型の夫婦の方がうまくいっている。
 対等な「話し合い型夫婦」は、実はなかなか難しい。話し合えば合うほ
 ど葛藤が増える
。”

夏目漱石の作品などを読むと、
日本では既に明治時代から女性主導のケースがあり
男性主導は意外に少ないのではないかと思います。

「対等話し合い型夫婦」の難しさは
東大の永井暁子准教授の主張からも推測できます。

  ↓     ↓ 

「女性は家庭に」には反対だが「男性が家族を養うべき」?!
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/485906ec45b3c94af84259258cc2d3bc

今は過渡期なのでしょうが、
「自分の思う通りにしたい」という願望の実現は
責任を伴う面倒なものでもあります。
少なからぬ人がその事実を直視していないものと思われます。
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たばこ規制で9兆円の医療費を節減! - 強烈な費用対効果の大きさ、国内世論への影響必至

2008-09-25 | いとすぎから見るこの社会-全般
喫煙愛好者の皆様の驚愕(困惑?)の悲鳴が聞こえてきそうです。

煙草の規制による医療費削減効果がこれほど大きければ、
日本でも実施せざるを得ません。

「喫煙で早く死ぬのだから、吸うのは本人の勝手だ」
というロジックがこれまで使われていましたが、
今後はそうはいかなくなるでしょう。

喫煙者の医療保険の負担額を上げるか
喫煙そのものを規制するか、どちらかだと思われます。

たばこ規制:米・加州、15年間で医療費9兆円減 費用の50倍の効果(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/health/news/20080912ddm013100158000c.html

”たばこ規制を実施した米カリフォルニア州で医療費が15年
 間に860億ドル(約9兆円)削減できたことが、カリフォ
 ルニア大の試算で分かった。この間に州が投じた規制のため
 の費用は18億ドル(約1900億円)で、約50倍の投資
 効果があったことになる
。研究チームは「規制は即効性があ
 り、効果も大きい」と分析する。
 州の規制は1989年に始まった。他の州に先駆けて、施設
 内の分煙などに取り組んだ。また、喫煙者だけでなく、副流
 煙で周囲の人にも健康被害が及ぶなどの影響をメディアを通
 して訴えた。
 研究チームはカリフォルニア州と、00年まで総合的なたば
 こ規制を実施しなかった他の38州の医療費などを比較。
 疾患や肺がんなどの患者が減り、04年の医療費は89年に
 比べ7.3%減の860億ドル節約できたと分析した
。一方
 で、この間のたばこ販売量は36億箱分減り、たばこ企業に
 とっては92億ドル(約9700億円)の収益減になったと
 している。
 世界保健機関(WHO)は、世界で大人の約1割がたばこを
 原因とする病気で死亡していると推定し、「たばこ規制は最
 も死を防ぐことができる手段」と訴えている。
 日本で禁煙運動を進める市民団体「たばこ問題情報センター」
 (東京)は「規制の有効性を改めて示した。カリフォルニア
 州は、たばこ問題に専従で取り組む担当者を置き、その姿勢
 が全米に広がった。最近でこそ、神奈川県で禁煙条例制定の
 動きがあるが、日本とは意気込みが違う」と話す。”

これはあくまでもひとつの調査・研究の結果であり、
学会の定説として確立したものではありませんが、
興味深い報道です。

日本では高齢化に伴う医療費負担の増加が問題化しています。
たばこ規制一つで医療費を削減できるのであれば、
日本でも実施を求める声が強まるに違いありません。

喫煙は無論、個人の自由ですが
医療費にこれだけの差が出るとなれば座視できません。
たばこ規制反対派も論拠となる調査結果が求められます。

日本国内での、喫煙者と非喫煙者とを比較した
信頼度の高い調査の実施を待ちたいところです。
(加州と異なる結論が出るかもしれません)

喫煙者は現在、社会的マイノリティになりつつあり、
多数派形成は不可能に近いでしょう。

私の耳には、国内たばこ規制の足音が聞こえてきます。

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