蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『おに屋@北信濃・鬼無里』さんでいただく「野菜天ざる」

2016-08-18 13:40:00 | 長野県(北信)

戸隠の「戸隠堂」さんでいただいた「そばがき」が少々腹には重かったようで、お昼時になっても蕎麦をいただこうという気分にならないことから、朝食と昼食の間隔を空けるために、水芭蕉の宝庫である山深い鬼無里まで移動してきました。

そして、手元にある信州そばのお店を紹介している雑誌とインターネットの口コミサイトの情報を基にお蕎麦屋さんを調べ、「観音そば」という古民家を改築したお蕎麦屋さんへ向かうことにしました。

ところが、「この辺りにあるはず」という地点に到着してもそれらしきお店は見当たりません。
広く複雑な場所でもなく、道路1本の両側にポツポツと民家が点在している場所なので、車で走っていても見落とすことはありません。

そんな状況の中、「もしかして・・・」と思い道路から奥まったところにある茅葺屋根の古民家へ向かってみると、そこがお蕎麦屋さんだったという面影は何ら残っていませんが、インターネット上に公開されている写真の建屋と同じ建屋であることから、今は廃墟(?)になっているこの古民家が目的のお蕎麦屋さんのようです。
ということで、残念ながら蕎麦をいただくことはできません。


と、閉店を残念に思っていましたが、時計を見ると13時半になろうという時間であることから、のんびりしている場合では無く、「14時まで」となっている『十割そば処・おに屋』さんへと急いで向かいます。

お店に到着し、顔を出した奥さんに「まだ、大丈夫ですか?」と確認すると「大丈夫です」とのこと。
その一言を聞いてから駐車場に車を停め、再び暖簾を潜ります。

「こちらが席になっています。」と案内された先は一般民家の大広間のような座敷で、「どちらでもどうぞ」と案内されたことから、窓際の明るい座卓を使わせていただくことにします。


座敷に座り、テーブルの上に置かれているメニューなどを眺めると、山と山菜採りの好きなご主人が営んでいるお蕎麦屋さんであることが伺える内容です。そして、注文を取りに来た、山が似合いそうな(?)ご主人に「野菜天ざる」をお願いします。


蕎麦を待っている間に改めて座敷を見渡すと、2つの座敷をつなげた広い部屋に座卓がゆったり5卓配置されていて、さらに古い家具が置かれているなど一般の民家といった感じです。


そんな、山里にある知人の家を訪れたような雰囲気に浸っていると、「野菜天ざる」が運ばれてきたので、まず蕎麦をいただいてみると、十割蕎麦らしい食べ応えのある蕎麦で、まずまずではないかと思います。

また、天婦羅は素材の良さが生かされていて、とても美味しいです。
きっと、季節が春ならば、ご主人自ら採った美味しい山菜の天婦羅がいただけるのではないかと、山菜の天婦羅は好物なだけに、訪れた季節が春では無いことがとても残念です。

さらに、鼻にツーンとくる山葵の辛さに新鮮さが感じられ、美味しいです。
そういえば、戸隠のお蕎麦屋さんでいただいた山葵も美味しい山葵でしたが、地元産の新鮮な山葵でも使用しているのでしょうか?。


さて、美味しい天婦羅と食べ応えのある蕎麦をいただき、ようやく蕎麦を食べることが出来るようになった腹具合を再び満腹にして、一路菅平高原へと向かいました。

ごちそうさまでした。


『戸隠堂@北信濃・戸隠』さんでいただく「ざるそば」

2016-08-18 10:00:00 | 長野県(北信)

毎年夏休みに訪れている長野県・菅平高原。

例年、横浜から真っ直ぐ菅平高原へと向かいますが、今年は1日余裕を持たせ「移動日」を作ることができたため、訪れたことの無い戸隠へまず向かい、蕎麦をいただいてから菅平高原へと向かうことにしました。

訪れたのは、帰省のピーク日を外した平日ということもあってか高速道路は空いており、驚くような早朝に出発した訳ではありませんが、朝9時半過ぎには戸隠に到着してしまいました。
そのため、数あるお蕎麦屋さんの中から、10時開店の『手打ち蕎麦・戸隠堂』(旧戸隠食堂)さんで遅い朝食を取り、ぶらぶらとゆっくり観光した後に、昼食を取ることにしました。

遅い朝食を取るために訪れた『手打ち蕎麦・戸隠堂』さんは、広い駐車場を備えた大きなお蕎麦屋さんで、開店まで少々時間が有ったので、敷地内をあれこれ見させていただくことにします。


まずは軒下に干されていた蕎麦を盛るカゴ達。
おそらく、お店の中にも十分な量があると思われるので、相当の枚数があるのではないかと思います。


続いて、新そばをしらせる「そば玉」。
カラマツの葉が黄金色に色づく晩秋の佳き日に、戸隠の大地で育った新そばは職人の手で蕎麦に打ち上げられ、戸隠の大神様に献納されると共に、蕎麦屋の軒先に「そば玉」が吊るされるとのことです。
ちなみにこの「そば玉」、自然の恵みを呼び鳴らすために「鼓」の形をしているとのことです。


最後に、お店の庭に無造作に置かれている石臼達。


これらの品々を眺めていると、花番さんが「お待たせしました!」と開店を教えに来てくれます。そして、早速店内に入ってみると、店内は座敷あり、テーブル席多数有りと広く、どこに座ろうか?と迷った結果、囲炉裏を囲むように席が配置されているテーブル席に着くことにしました。


席について早速メニューを開くと、美味しそうな戸隠の地酒が並んでいますが、車で訪れていることからお酒をいただくことはできず、「そばがき」をお願いします。

しかし、「今、そばがきを作る者が蕎麦を打っているので作れない。」とのこと。
まぁ、納得できる理由でもあるので「そばがき」はあきらめ、「ざるそば」をお願いします。


蕎麦をお願いし、メニューを眺めながらいただいたそば茶を飲んでいると、再び花番さんがやって来て、「そばがき、大丈夫です。」とのこと。ならば、せっかくなので両方いただこうと思い、お願いした「ざるそば」は声掛けにしてもらい、先に「そばがき」を出してもらうようお願いします。


そんなやり取りがあったからという訳では無いと思いますが、出来立ての「そばだんご」を1つサービスでいただいたので、熱々のうちにいただいてみると、素朴で控えめな甘さが美味しいです。


しばらくして運ばれてきた「そばがき」は、ネットリフワフワの柔らかい食感で、かなり辛い生醤油に付けていただきましたが、何も付けずにそのままいただいても十分に美味しい、いただくことができて良かった!と嬉しくなる「そばがき」でした。


「そばがき」を食べ終え、ホッと一息ついたところで「ざるそば」をお願いします。
戸隠そばの盛り方とされている「ぼっち盛り」で盛りつけられた蕎麦は、戸隠信濃町産の夏新そばを挽いて打った蕎麦で、少々無骨な食感ながらも喉越しの良い美味しい蕎麦でした。

ごちそうさまでした。



なお、蕎麦をいただいた後に戸隠神社などを見て回りましたが、それ程時間は潰れず、「そばがき」がズッシリと満腹感を与えてくれているため、蕎麦といえども短い間隔で食べることは難しそうです。そのため、車で移動し、場所を変えて昼食の蕎麦をいただくことにしました。

つづく。