英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

女流棋士考 その11「女流棋士の濫造?⑦ 成績不振による過去の引退女流棋士の補足」

2023-04-01 17:42:42 | 将棋
その1「女流棋士独断ランキング」
その2「トーナメントにおける抽選の偏り① 清麗戦予選トーナメント」
その3「トーナメントにおける抽選の偏り② 女流名人戦予選トーナメント」
その4「トーナメントにおける抽選の偏り③ その他の棋戦」
その5「女流棋士の濫造?➀ 女流棋士になる条件(女流棋士でいられる条件)」
その6「女流棋士の濫造?② 女流棋士の降級点の検証(勝率、勝数)」
その7「女流棋士の濫造?③ 女流棋士の降級点の検証…年度終了時の勝率(勝数)」
その8「女流棋士の濫造?④ 女流棋士の降級点の検証…降級点の人数の妥当性」
その9「女流棋士の濫造?⑤ 降級点消去条件の検証」
その10「女流棋士の濫造?➅ 成績不振による過去の引退女流棋士」

 前記事で、成績不振だった引退女流棋士5名について述べたが、日本女子プロ将棋協会(LPSA)所属の棋士と、初期から中期にかけての連盟所属の女流棋士について詳しく調べなかった。
 今回は前記事の補足。


 調べてみると、私独断のボーダーラインのひとつ《5年間の勝率が.350以下》に引っかかる棋士がかなりいた。今回は“5年間”ではなく、“通算”なので《.365以下》としたいところだが、.365というのも適当なので《勝率が.350以下》を基準とさせていただく。

多田佳子女流四段 LPSA棋士番号2 生年月日 1942年2月7日(81歳)
1974年10月31日 女流二段 1989年3月15日 女流三段 2004年10月1日 引退 2005年4月1日 女流四段
通算成績   141勝289敗 .328

森安多恵子女流四段 棋士番号3 生年月日 1948年5月5日 2020年8月2日 死去
1976年9月23日 女流1級 1976年11月26日 女流二段 1989年5月22日 女流三段 2012年3月31日 引退 2012年4月1日女流四段
通算成績   164勝306敗 .349

宇治正子女流三段 棋士番号(4) 生年月日 1948年1月31日(75歳) 2015年12月31日 退会
1978年5月27日 女流2級 1980年2月26日 女流1級 1989年3月15日 女流初段 2000年4月1日 女流二段 2004年12月31日 引退 2006年4月1日 女流三段 
通算成績   134勝270敗 .332

村山幸子女流二段 棋士番号6 生年月日 1940年3月10日(83歳)  2002年4月10日 退会
1974年10月31日 女流初段 1989年 引退、女流二段 
通算成績    54勝120敗 .310
 
鹿野圭生女流二段 LPSA棋士番号8 生年月日 1961年11月1日(61歳)
1987年3月1日 女流3級 1989年4月 女流1級 1992年12月 女流初段 2011年4月26日 女流二段 2017年3月31日 引退
通算成績   125勝242敗 .341

大庭美夏女流初段 LPSA棋士番号15 生年月日 1969年8月1日(53歳)
1998年4月1日 女流2級 2006年12月1日 引退 2007年4月 女流1級 2016年4月1日 LPSA初段
通算成績    14勝49敗 .222

藤田麻衣子女流1級 LPSA棋士番号(14) 生年月日 1973年8月3日(49歳) 2010年3月31日 退会
1997年10月1日 女流2級  2004年4月 女流1級 2010年3月31日 引退
通算成績    34勝69敗 .330


 大庭さんを例に挙げて申し訳ないが、引退前5年間の成績
2002年度成績  0勝 5敗 .000  2003年度成績  2勝 7敗 .222
2004年度成績  1勝 5敗 .167  2005年度成績  1勝 6敗 .143
2006年度成績  2勝 4敗 .333  引退前5年間   6勝27敗 .182
 上げた勝ち星が、早水女流初段・当時(通算成績.517)、山下女流五段(.392)、伊藤明日香女流1級(.182)、神田女流初段( .268)に2勝……

 因みに、伊藤明日香女流初段の引退前5年間
2004年度成績  4勝 6敗 .400  2005年度成績  2勝 6敗 .250
2006年度成績  0勝 6敗 .000  2007年度成績  0勝 5敗 .000
2008年度成績  1勝 4敗 .200  引退前5年間  7勝27敗 .206

 勝率.200ということは、5局指して4局敗れる……つまり、8割の相手に勝ち星を供給する。勝率.300なら10局指して7つの勝ち星を供給する。
 以前も書いたが、棋力の低い棋士は棋戦の初期(予選)から参加するので、棋力が低い棋士同士が対局することが多くなる。そういう状況で、勝率2割や3割というのは相当……

 新女流棋士は、2017年度2人、2018年度6人、2019年度1人(加藤桃子奨励会初段を除く)、2020年度4人、2021年度4人(西山朋佳奨励会三段を除く)、2022年度7人。
 2018年度から女流3級が廃止され、研修会からの編入もC1からB2へと厳しくなった。しかし、2019年度は例外として、逆に増加傾向。2020年から発生した新型コロナウイルスの影響は分からないが、藤井現六冠がプロデビューから29連勝(2016年12月 - 2017年6月)し、藤井人気が急騰し、それに引っ張られ将棋界の注目度もアップしたのが原因かもしれない。
 それはともかく、急増した女流棋士……《女流棋士の濫造にはなっていないか?》と危惧が生じた(次記事に続く)

 それにしても、女流棋士は退会率が高いなあ。
コメント
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