英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

期待の星、ようやく輝く ~佐々木大地七段~

2023-04-29 19:52:27 | 将棋
 佐々木大地七段
 棋士で佐々木姓と言えば、佐々木勇気八段の名を挙げる人が多いだろう。(佐々木慎七段も強い。B級2組、竜王戦2組。430勝326敗 .569)
 2010年10月1日に16歳で四段になった俊英で、藤井六冠のデビュー後無敗の連勝を「29」でストップさせたことでも有名。
 順位戦昇級もほぼ順調で、昨年度A級昇級を決めている。。スイスのジュネーヴ生まれ生まれというのも格好いい(連盟のデータベースの出身地は埼玉県三郷市となっている)
 勇気八段とは6年半遅れて、2016年4月1日四段になった佐々木大地七段だが、それでも20歳なので早い方だ。佐々木勇気八段が早いのである(三段リーグ入りは藤井六冠が破るまでの最年少記録、三段リーグ発足後の四段昇段も三番目の早さ)。

 佐々木大七段の印象は、《この佐々木も相当強いぞ》だった。
 実際、2016年度 25勝10敗 .714、2017年度 36勝20敗 .643、2018年度 46勝13敗 .780、2019年度 45勝22敗 .672、2020年度 37勝15敗 .712、2021年度 34勝14敗 .708、2022年度 32勝14敗 .632、20年度 6勝1敗 .857……通算 261勝109敗 .705。370局指して勝率7割以上というのは、無茶苦茶好成績だ。(2018年度は最多勝利賞、2019年度は最多対局賞)
 なのに、竜王戦はまだ4組、順位戦に至ってはC級2組から上がれないままである。前期も8勝2敗で次点……敗れたのが豊川七段(成績は2勝8敗)と富岡八段(2勝8敗)。(「ちょっとぉぉ~」と声を上げたくなる)
 上記の年度ごとの成績は、将棋連盟のホームページで調べたのだが、これだけの高勝率なのに、昇段が遅いので、たくさんスクロールしないと確認できない。2016年度、2017年度が163番目、その後、153番目→154番目→154番目→136番目→109番目→109番目(2023年度)。←数え間違いしているかもしれない。
 この連盟のデータの順番は段位順(同段位の時は棋士番号順)。実際の強さや成績を反映していないので、不便である。例えば、菅井八段の今期の順番は60番。豊島九段も2020年度は2番目だったが、無冠になった2021年度は34番目に転落。羽生九段も2018年度は7番目まで下がった(この年度はタイトル保持者が6人)。その後、タイトル保持者が淘汰され(藤井君が次々に…)3名になり、4番目まで回復したが、谷川九段が十七世名人を就位したので、現在は5番目となっている。

 佐々木大七段と言えば、王位戦挑戦者リーグ。
第59期(2017年度末~2018年度初め) 1勝4敗 陥落
第60期(2018年度末~2019年度初め) 3勝2敗 陥落
第61期(2019年度末~2020年度初め) 3勝2敗 陥落
第62期(2020年度末~2021年度初め) 3勝2敗 2位残留
第63期(2021年度末~2022年度初め) 3勝2敗 2位残留
第64期(2022年度末~2023年度初め) 現在4勝0敗
 リーグ最終局を負けても4勝1敗。他のメンバーで1敗以下なのは渡辺名人(2勝1敗)のみで、渡辺名人が残り2局ともに勝たないと同星決戦とはならない。佐々木大七段が挑戦者決定戦に進出するのが濃厚な状況。(最終局敗れて、渡辺名人が連勝し、同星決戦で敗れた場合のみ決定戦進出ならず。確率は1/16で6%強。
 5期連続3勝2敗以上。陥落しても予選を勝ち抜き復活。ちょっとやそっとの地力ではない。

 2019年度の棋王戦でも、挑戦者決定戦まで進出したが、本田奎五段に敗れ、挑戦を逃している。

 将棋は正攻法。多少、危険(失敗)を感じても、踏み込んでいく。
 投げ方がきれい(潔い)。


 そんな佐々木大七段が、勝ちまくっている。4月28日に高野智史六段に敗れ、15連勝で終わったが、上記の王位戦、そして、棋聖戦本戦トーナメントでも大橋七段、糸谷八段、渡辺名人、永瀬王座を破り、挑戦権獲得!
 渡辺名人には王位リーグに続いて連勝(通算3勝0敗)、永瀬王座には通算2勝2敗、豊島九段には1勝4敗(2017-2020年にかけて4連敗していたが、昨年初勝利)、羽生九段には1勝3敗。
 藤井六冠とは最近対戦がなく、2017~2021年に2勝2敗。

 藤井六冠はこれまで、豊島九段、渡辺名人、永瀬王座、羽生九段、木村九段、広瀬八段、出口六段を降してきた。現在、名人戦で渡辺名人(2勝0敗)、叡王戦で菅井八段(1勝1敗)と対戦中だが、佐々木大七段が最も勝つ確率が高い気がする。と言っても、佐々木大七段が有利と言う訳ではない。でも、《もしかしたら》という気がしている
 菅井八段も、王位戦で羽生王位をボコボコにした強さを発揮すれば、面白そうだ。
コメント
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