デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

この空の花-長岡花火物語

2012-10-16 17:23:00 | 観覧雑記帳
作品名 「この空の花-長岡花火物語」
監督 大林宣彦 出演 松雪泰子 高島政伸夫
観覧日 2012年10月11日

長岡の花火はいいらしいという話しを前日聞いていなかったらこの映画を見ることもなかったと思う。そういえばいまジャック&ベティで長岡の花火の映画をやっていたなと、ホームページを見たら、長岡の人たちがいち早く震災のあと福島の避難民を受け入れたというようなことが書いてあり、これはどうしても見なければいけないのではないかと思い始めた。
見てよかったとつくづく思う。
長岡の花火は、鎮魂の花火、それも戦争で何万発も焼夷弾を落とされててくなった市民たちへの鎮魂のためであったということが主潮となり、天草からかつて別れた恋人から手紙をもらい、長岡を訪れた松雪泰子と、戦争にはまだ間に合うという記事を連載した新潟日報の記者との交流を中心に、戦争で亡くなった人たちの記憶をたどっていく。さらには松雪泰子に手紙を出した高島政伸が教師をつとめる高校で、このときの話しを芝居にする、その過程も見せていく。戦争にまだ間に合うということは戦争の悲惨さを知っていることを語り伝えるということ、そしてそれを聞き、また伝えるそんなぎりぎりのところにいまいるということだ。
長岡にこんなにも焼夷弾が落とされたということも、原子爆弾のシミレーションのために同じ大きさの爆弾が落とされたことも、そしてこれだけ亡くなった人がいたことも知らなかった。そして山本五十六の故郷ということも・・・
花火はこうして亡くなった人たちへのレクイエムでもあり、それは戦争の悲惨さを伝えることにもなる。
震災があった年、長岡の鎮魂と再生への願いをこめたフェニックスという花火が、石巻でも打ち上げられたという。
戦争と原爆、何の罪もない人が一瞬のうちに滅ぼす、そして原発事故は故郷と人々を引き裂く。
いろいろな思いが込められた映画である。
残念ながらもうじき公開は終わってしまうようだが、なにかの機会にDVDになってからでも見てもらいたい。
ひとつびっくりしたことは、ヒロインのひとりを演じた女性が、ユニサイクルの世界チャンピョンになった実績をもっている女優さんであったこと。ユニサイクル、特にフィギュアは青森が発祥ということを聞いているが、彼女ももしかしたら青森の出身なのかもしれない。
それとよく見ると、いろんな人が出演しているのも面白かった。最後のシーンみんなで花火を見るところで、たぶんこまっちゃクレズマーのメンバーの方やあの火を吹くチェロの坂本さんもいたかと思う。
もちろん長岡の花火も見たいが、長岡という町にまずは行ってみたいと思った。たぶん今年行くだろう。戊辰戦争の時にも官軍にやられ、そして戦争での爆撃、そして中越地震。
フェニックスという言葉にはさまざまな思いが込められているのだろう。
http://konosoranohana.jp/

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