デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

翔べイカロスの翼(クラウン)

2020-05-14 10:45:14 | 買った本・読んだ本
書名 「翔べイカロスの翼」
著者 草鹿宏 出版社 一光社 出版年 1978

いまはなきキグレサーカスに5年間在籍した実在のクラウンくりちゃんの評伝である。この原作をもとに同名の映画がさだまさし主演でつくられた。この時の主題歌「道化師のソネット」は名曲として知られている。何十年ぶりで読んだが、28年という短い命をサーカステントの中で綱渡りの最中に落下して落としたこの青年のひたむきな生きる姿勢に胸が痛くなってきた。この評伝がしっかりしたものになっているのは、くりちゃんが残した5冊のノート日記をご両親から借りることができたことだろう。彼のひたむきに生きようとする叫びのようなものが彼自身の言葉で発せられている。それにしてもこの青年はまるで自分の命が28年しかないということを知っていたかのように生き急いでいる。なぜこんなに生き急いだのだろうと思ってしまう。普通の人たちの何倍も努力して芸をマスターし、道化師として道を拓こうとする。外国に行くというサーカスの先にある夢に早く近づこうとするがために、熟成を要するクラウンの道をなんとかしてショートカットで通りすぎようとしたからなのだろうか。自分にもそんな時代があった、もちろん彼ほど真剣にではないにしても、なにか欲するものに早く近づきたい、そのためになにか生きることにあせってしまうということがあったような気がする。そのために人生を楽しむということを忘れてしまう、それが若さということであり、青春ということなのかもしれないが・・・
日活ロマンポルノの女優東てる美が好きで、彼女がフランス座で公演していたときピエロからという名札をつけた花飾りを10日間贈りつづけていたことを、それが同じ水戸で公演していたサーカスのクラウンだったことを知って、彼女が葬式に出席、涙を流したというエピソードには思わずぐっときてしまった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピエロの必笑術(クラウン)

2020-05-14 10:18:26 | 買った本・読んだ本
書名 「ピエロの必笑術」
著者 上原木呂 出版社 主婦と生活社 出版年 1983

不思議な本である、というか不思議な人である。新潟の酒醸造会社の三代目であり、シュールリアリスト、どうも猫グッズもつくっている人らしい。芸大で野口体操の野口三千三と出会ったのをきっかけに、変な道を歩むことになる。ちんどん屋で修業してから、ヨーロッパに渡り、なぜか道化師として生きる。このあたりの経歴は、いまの上原木呂HPでは出てこないが、とにかくサーカスの本場であるヨーロッパで道化師として立派に生きていたことは間違いない。この本はどちらかというHow to クラウニングなのだが、コラムのように挿入されるクラウンについての蘊蓄が、なかなか読みごたえがある。クラウンがサーカスの中心となっているヨーロッパで道化師として生きていたなかで身体に染みついたクラウン論がベースになっているからである。聞きかじりの知識ではなく、身体に一回取り込んであるクラウン論であるところに、読みごたえがでてくるのだろう。クラウン術を身につけて、自分のものにしてきたのにも関わらず、帰国してこの経験をフィードバックしなかった、できなかったのだとは思うのだが、ちょっと残念である。クラウンよりもっと楽しいことを見つけたんだろうな・・・人生を楽しむためのクラウン術をものにしたと言えるのかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3階整理への長い道の始まり

2020-05-14 09:45:19 | デラシネ日誌
南部市場までウォーキング。刺身と野菜・果物を購入。いまや現金を使うのはここだけなような気がする。そして週一の楽しみにも。
緊急事態宣言が39県で解除になるという。たまに宮城の人と話すとやはり現実認識に大きな落差がある。こっちはやはり安全第一ということになるが、宮城はそれよりも不便さ、そして商売どうするんだということが第一義になっている。しかたがないだろう。
書斎の整理がほぼ完了。いよいよ手つかず状態のいまや足の踏み場もないごみ箱のような状態になっている3階の整理に手をつける時が来たようだ。購入してあった段ボールをとりあえず上げようということでまずは視察。今年一年かけてやるぐらいのつもりで取り組まないといかんな、これは。
昼飯後見ようと思ったわけではなかったのだが、ついついビリー・ワイルダー監督の「夜の告白」という映画を見てしまう。作劇法がしっかりしているのだろうな、保険殺人というわりとよくある話しをあきさず見せていた。16時過ぎになんか疲れてしまい、ソファーに横になる。2階にいた妻の話だといびきが聞こえたという。悪夢の連続であった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カレンダー

2020年5月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

バックナンバー