書名 「サンカの真実 三角寛の虚構」
著者 筒井功 出版社 文藝春秋(文春新書) 出版年 2006
服部英雄の「河原のモノ、、秀吉」を読んだとき、この本のことを知り、興味をもち読むことになった。一気に読んだ。サンカ研究の第一人者である三角寛の虚言癖を暴き、彼が発表したサンカ研究がほとんどすべて虚構のものであったということを暴露した本なのだが、こう比較してはいけないかもしれないが、佐野眞一の剽窃を暴いた宝島の本のような不快な読後感はなかった。自らもサンカを研究する筒井本人が、サンカ研究を前に進めるためにもどうしても障害となっている三角の嘘を暴かなくてはならないという使命感をもって書いたということはよくわかる。
ふたつ驚いたことがある。
まず三角のやったことのひどさ。よくもこうしゃあしゃあと話しをつくることができるのだろうかということ。筒井はそれを裏付けるために事実をつきつけるだけでなく、三角の虚言癖まで暴くことになる。サンカたちに写真をとらせていたということが、彼の嘘を明らかにするきっかけとなるのだが、それだけでなくサンカ文字とかサンカ言葉とかよくもそこまで創作できたものである。この嘘ぶりにはほんとうに驚く。
もうひとつはサンカのフィールドワークをするのにまだ(この書が書かれた時点で)間に合うと言われていることである。すっかり滅びいまはないとされているサンカたちの後裔たちから聞き書きをとるなかで、まだサンカの生態、歴史を知るための史料が集めれるとしていることである。
さまざまな人たちから取り上げられているサンカの問題、自分もクグツとの関係で興味は持っているのだが、基礎史料がないということと、三角の嘘のために学問として位置づけることができない。それをなんとかしたいということで、とにかく三角の嘘を暴かなければということになった。
ほんとうに罪作りな人である。そういえば長谷川濬もかつて彼の人世座で働いていたことがあった。
著者 筒井功 出版社 文藝春秋(文春新書) 出版年 2006
服部英雄の「河原のモノ、、秀吉」を読んだとき、この本のことを知り、興味をもち読むことになった。一気に読んだ。サンカ研究の第一人者である三角寛の虚言癖を暴き、彼が発表したサンカ研究がほとんどすべて虚構のものであったということを暴露した本なのだが、こう比較してはいけないかもしれないが、佐野眞一の剽窃を暴いた宝島の本のような不快な読後感はなかった。自らもサンカを研究する筒井本人が、サンカ研究を前に進めるためにもどうしても障害となっている三角の嘘を暴かなくてはならないという使命感をもって書いたということはよくわかる。
ふたつ驚いたことがある。
まず三角のやったことのひどさ。よくもこうしゃあしゃあと話しをつくることができるのだろうかということ。筒井はそれを裏付けるために事実をつきつけるだけでなく、三角の虚言癖まで暴くことになる。サンカたちに写真をとらせていたということが、彼の嘘を明らかにするきっかけとなるのだが、それだけでなくサンカ文字とかサンカ言葉とかよくもそこまで創作できたものである。この嘘ぶりにはほんとうに驚く。
もうひとつはサンカのフィールドワークをするのにまだ(この書が書かれた時点で)間に合うと言われていることである。すっかり滅びいまはないとされているサンカたちの後裔たちから聞き書きをとるなかで、まだサンカの生態、歴史を知るための史料が集めれるとしていることである。
さまざまな人たちから取り上げられているサンカの問題、自分もクグツとの関係で興味は持っているのだが、基礎史料がないということと、三角の嘘のために学問として位置づけることができない。それをなんとかしたいということで、とにかく三角の嘘を暴かなければということになった。
ほんとうに罪作りな人である。そういえば長谷川濬もかつて彼の人世座で働いていたことがあった。