書名 「義経の冒険」
著者 金沢英之 出版社 講談社(講談社選書メチエ) 出版年 2012
「御曹子島渡」という義経物語が御伽草子にある。この話は知らなかったが、とても気になったのは蝦夷に渡り、そこで鬼が持っていた兵法の書を鬼の娘の力を借り、とって帰ってくるというエピソード。北海道に残る義経伝説はずっと気になっていて、この本を読む気になったのは、このためなのだが、蝦夷についてはあまり触れられていなかった。では読む価値がなかったというとそうではない、とても刺激的な本を読んだと思っている。それはこの「御曹子島渡」という説話が生まれるための背景にある、さまざまな英雄神話、毘沙門天信仰、陰陽道、吉備真備伝説などがさまざまに重なり合いできたという、説話をつくりだした中世や古代の想像力の豊さに圧倒されたからである。これだけのさまざまな神話や伝説がさまざまな変奏曲をかなでながら、ひとつの説話をつくっていく、そのスケールの大きさにも感嘆させられた。
本を読む楽しさのひとつは、未知のことへの誘いということがあると思うのだが、その意味ではこの書は自分にとってさまざまな未知の世界を見せてくれた。
ただこれだけいろいろな説話・伝説がからみあがってできたこの義経説話、なぜ蝦夷にまで渡ったのか、歴史的なことより蝦夷に対する民衆の想像力のありかたみたいなもの、あるいはなぜ蝦夷に渡ることになったのかというところに、なにかなかったのか、それを続編でもいいので読んでみたいという気にもさせられた。
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著者 金沢英之 出版社 講談社(講談社選書メチエ) 出版年 2012
「御曹子島渡」という義経物語が御伽草子にある。この話は知らなかったが、とても気になったのは蝦夷に渡り、そこで鬼が持っていた兵法の書を鬼の娘の力を借り、とって帰ってくるというエピソード。北海道に残る義経伝説はずっと気になっていて、この本を読む気になったのは、このためなのだが、蝦夷についてはあまり触れられていなかった。では読む価値がなかったというとそうではない、とても刺激的な本を読んだと思っている。それはこの「御曹子島渡」という説話が生まれるための背景にある、さまざまな英雄神話、毘沙門天信仰、陰陽道、吉備真備伝説などがさまざまに重なり合いできたという、説話をつくりだした中世や古代の想像力の豊さに圧倒されたからである。これだけのさまざまな神話や伝説がさまざまな変奏曲をかなでながら、ひとつの説話をつくっていく、そのスケールの大きさにも感嘆させられた。
本を読む楽しさのひとつは、未知のことへの誘いということがあると思うのだが、その意味ではこの書は自分にとってさまざまな未知の世界を見せてくれた。
ただこれだけいろいろな説話・伝説がからみあがってできたこの義経説話、なぜ蝦夷にまで渡ったのか、歴史的なことより蝦夷に対する民衆の想像力のありかたみたいなもの、あるいはなぜ蝦夷に渡ることになったのかというところに、なにかなかったのか、それを続編でもいいので読んでみたいという気にもさせられた。
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