デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

義経の冒険

2013-06-09 18:14:02 | 買った本・読んだ本
書名 「義経の冒険」
著者 金沢英之  出版社 講談社(講談社選書メチエ) 出版年 2012

「御曹子島渡」という義経物語が御伽草子にある。この話は知らなかったが、とても気になったのは蝦夷に渡り、そこで鬼が持っていた兵法の書を鬼の娘の力を借り、とって帰ってくるというエピソード。北海道に残る義経伝説はずっと気になっていて、この本を読む気になったのは、このためなのだが、蝦夷についてはあまり触れられていなかった。では読む価値がなかったというとそうではない、とても刺激的な本を読んだと思っている。それはこの「御曹子島渡」という説話が生まれるための背景にある、さまざまな英雄神話、毘沙門天信仰、陰陽道、吉備真備伝説などがさまざまに重なり合いできたという、説話をつくりだした中世や古代の想像力の豊さに圧倒されたからである。これだけのさまざまな神話や伝説がさまざまな変奏曲をかなでながら、ひとつの説話をつくっていく、そのスケールの大きさにも感嘆させられた。
本を読む楽しさのひとつは、未知のことへの誘いということがあると思うのだが、その意味ではこの書は自分にとってさまざまな未知の世界を見せてくれた。
ただこれだけいろいろな説話・伝説がからみあがってできたこの義経説話、なぜ蝦夷にまで渡ったのか、歴史的なことより蝦夷に対する民衆の想像力のありかたみたいなもの、あるいはなぜ蝦夷に渡ることになったのかというところに、なにかなかったのか、それを続編でもいいので読んでみたいという気にもさせられた。
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悪魔の発明

2013-06-09 18:00:52 | 買った本・読んだ本
書名 「悪魔の発明」
著者 ジュール・ヴェルヌ 翻訳 鈴木豊 出版社 東京創元社 出版年 1970

ヴェルヌの晩年の作品らしい。よくいわれるように晩年の作品には科学者へのペシミックな視点が多く見られるが、この作品もいまでいうミサイルを発明した科学者が、海賊が提供した金にいいなりになる。ただ設定として、フランス人の科学者が、自分の発明を高く売るためにフランスをそでにして、アメリカで保護されている、それも気が狂ったという状態というのがみそになっている。こういう設定はアフリカを舞台にした「サハラ砂漠の秘密」にも見られた。科学小説を書き続けたヴェルヌが、科学者を狂人にするというところに晩年彼をとらえたペシニズムの深さがあるのかもしれない。
ヴェルヌ小説の面白さのひとつは、秘密基地にあると思っている。彼が砂漠の真ん中やら、ネモ船長が基地とした島や、火山の要塞とか、子どもの頃遊んだ隠れ家の発想の延長にあるのではと思うのだが、今回はバミューダ諸島にある島を隠れ家にしている。
この作品をもってとりあえずまとめ買いしていたヴェルヌものはひとまず終わりになった。まだいくつか読んでない作品はあると思うのだが、とえあえず卒業というところかな。どの作品も楽しかったな。

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アジサイ日誌5

2013-06-09 10:55:37 | お休み日記
土日は家に閉じ籠もり、先日戻ってきた原稿の直しに専念。ただ陸上の日本選手権はテレビ観覧。女子400メートルの高校生に驚き。桐生効果ということなのかな。
日曜日朝、久しぶりに野鳥公園まで走る。ものの見事に鳥がまったくいない、わずかに燕が飛ぶのが見えただけ。旅立った鳥たちはいつ戻ってくるのだろう。
このところ亡くなった方のお別れの会の通知が何通かくるのだが、岩佐寿弥さんが亡くなったという知らせ。思わずえっと叫んでしまった。ネットで見ると、「オロ」の上映会のあと階段から落ちてしまったという。なんたることだろう。「オロ」が最期になったということか・・・
「太陽を抱いた月」をいつものようにDVDで見ていたのだが、19回目の終わりがあまりにも気になる終わり方だったので、結局最終回も見てしまう。
なんとか原稿の直しを終えて24時すぎに就寝。今週は原稿をあとどうしても3つは仕上げないといけない。とにかく作家活動もこれを終えて、しばし休みということになるのだから、がんばらないと・・・


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