大福 りす の 隠れ家

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みち  ~道~  第176回

2015年02月13日 15時07分24秒 | 小説
『みち』 目次



『みち』 第1回から第170回までの目次は以下の 『みち』リンクページ からお願いいたします。

  『みち』リンクページ






                                             



『みち』 ~道~  第176回



「まず最初、琴音さんはご自分から発せられる気を動物にかざして気の流れを良くしてあげる事を目標にしていきましょう」

「はい」

「それが出来ればまた違う段階に行きますが、今はまだ動物達に良い気が行くように琴音さん自身の気をいつも光るものにしておいて下さい」

「・・・光る。 ・・・はい、努力します」

「それとですね、琴音さんの第3、4、5・・・第6チャクラ・・・ちょっと気になりますな」

「え? 確か和尚にも更紗さんにも言われましたが 第3チャクラというのは初めて聞きました」

「第3チャクラは・・・肉体ですな。 消化不良や神経系・・・アレルギー・・・」 ここまで言うと琴音が

「あ、アレルギーがあります」

「そうですか。 それだけとは限りませんがちょっと内臓に気をつけておいて下さい」

「はい」

「それにしてもあまりにもバランスが悪すぎますな。 第6チャクラが開きすぎているのは先程のお話で分かりましたが・・・ちょっと調整を致しましょうか」

「あ・・・はい」 正道が椅子から立ったのを見て琴音も立ち上がろうとすると

「琴音さんはリラックスしたまま座っていてください」

「あ、はい」 椅子に座りなおすと

「すわり心地が悪くなってきたら動いてもかまいませんし、咳が出そうになったら咳でも何でもして宜しいですからな」

「はい」

「それでは始めますよ」

「お願いします」 琴音は目を瞑ったが正道の手の動きの気配は感じる。 正道の気配を感じながら30分ほど経つと

「はい、宜しいですよ」 という声が聞こえた。

琴音が目を開けると目の前には正道がいた。

「何か感じますか?」

「いえ、何も変わってないようですが・・・」

「こういう事も段々と分かってくるでしょう。 今調整したからと言ってそれがずっと続くわけではありませんからな。 普段の生活に左右される事ですから日頃の生活に注意しておくように。 
それから第6チャクラですが、ここは触らないでおきました。 通り掛かりの方が色んな事をされたり、何か私の知らない所での理由があるかもしれませんので」

「はい」

「特に何もなければまたいつでも調整すればいいことですからな」

「はい」

「チャクラやエネルギーのことの本は買っておりませんで、私が言葉で話していくつもりですが・・・えっと・・・ネット環境などはありますか?」

「はい、家にはありませんけど会社のお昼休みには会社のPCで何を見ても何も言われません」

「そうですか。 そうですな・・・あまりこのことに関して見すぎても宜しくないとは思うのですが、サラッとでしたらチャクラの色くらいは見ておいても差し支えありません」

「チャクラに色があるんですか?」

「はい。 そのエネルギーの色とでも言いましょうか、それは何処を見ても同じでしょうけど、あまり深く見すぎると書かれているすべての所が正しいとは言いがたいですし、書かれているところによってバラバラでしたら頭の中が混乱するでしょう」

「はい、わかりました」

「それでは今日はこれくらいにしてあとはもう少し犬に馴れてもらいましょうか」

「はい」 今までより一際大きな声で返事をし仔犬の方へ歩いて行き

「ワンちゃんおいで」 仔犬に声をかけた。

「ケージから出してあげてください」 正道が冷蔵庫から冷えたお茶を出しながら言った。

「はい」 まだ慣れない手で仔犬を抱き上げ

「ゴメンねまだ上手く抱っこできなくて」 仔犬に話しかけている。

「琴音さんお茶でも飲みませんか? 仔犬は下において自由にさせていると宜しいですよ」 正道が机にお茶を置いた。

「はい。 遊んでいるといいわよ」 そう言って仔犬を下に置きお茶の置かれたテーブルに向かうと仔犬が後を着いて来た。

「あらま、琴音さんのことが気に入ったのでしょうかな?」 琴音がパイプ椅子に座ると仔犬は琴音の足元に座り琴音の目をじっと見ている。

「なあに? どうしたの? 遊ばないの?」 

「琴音さんに抱っこをして欲しいみたいですな」 それを聞いた琴音が仔犬の前にかがみ手を出すと仔犬がその手に抱っこをせがんできた。

「抱っこなの?」 琴音が抱き上げ椅子に座って膝の上に座らせると仔犬はそのまま寝入るような素振りを見せた。

「眠たいの?」 その様子をずっと見ている正道。

「まだこんなに小さいんだもの眠たいわよね。 寝ていいわよ」 仔犬の頭を撫でている。

「最初と全然違いますな。 硬さがなくなりましたな」

「そうですか? こんなに触れるなんて生まれて初めてです」 嬉しそうにまだ仔犬の頭を撫でている。

「どうして抱っこをして欲しいって分かったんですか?」

「仔犬からイメージが伝わってきたんです」

「イメージ?」

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