五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

表装のお話

2007年07月04日 | 第9章 愛
表装の作品展が終わり、一息ついた週も過ぎ、今日は久しぶりの表装教室でした。

表装教室といっても 皆さんがそれぞれの想いがある作品を掛け軸にするわけなので、表装の面白さだけではなく、その方の作品を拝見させていただくのが、私の楽しみでもあります。

ご自身の作品だけでなく、戦前の船旅のレストランメニューを額装したり、四国八十八ヶ所の御朱印、気に入ったカレンダーなどの印刷物や日本手ぬぐい、スカーフを表装したり、本当に様々です。

人の数だけ想いがあり、思い出があることを いつもシミジミと感じさせていただいています。

今日も、素敵な出合いがありました。
この春から表装教室に入られた方が、ご自身の書を掛け軸にするために、張りきって通っておられます。その方が書いた詩が、とても素敵なので、裏打されていた頃から由来が気になっていました。

空の青さと広さに魅せられた息子が、空に祈るのです。
空に祈ると叶うよ、と、おかあさんに向けたメッセージのような内容です。

息子さんが小学校3年生の時に書いた詩、ということでした。
気負いの無い、無垢な綴りは、自然と読む人に涙をこぼさせます。

年齢からすると、多分息子さんは、とっくに独立していらっしゃるはず。

「母」は、そういものなのですね。

何十年も前に息子さんが書いた詩を、今、お母さんが掛け軸にしようとしてるのです。
その姿が、とてもとても愛おしくなり、「母の姿」を改めて感謝しました。

「親の愛」はかけがえの無い、その人の「生きる軸」となっていきます。
「生きる軸」は、子の知らないところで、いつもいつも祈り続けているのです。

愛すること、愛されることの絶妙なバランスは、長年かけてつくられてゆくものなのだなぁ、と。

人気blogランキングへ

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 樂(がく)の音(ね) | トップ | ライフ・イズ・ビューティフル »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どんな想いなのでしょう (Unknown)
2007-07-04 18:06:52
そのお母さんは独立してお嫁さんを貰った息子を、しかも、一番可愛かった頃の息子の詩を掛け軸にしたのでしょうか?
あるいは結婚を記念してプレゼントでもするのでしょうか?

色々と勝手に想像していますが、愛の記念を掛け軸にする、いいですねえ。
返信する
Unknown (露芳)
2007-07-04 20:51:54
表装は、カウンセリングと繋がりが深いのです。
作品に対する想いは、お聞きしませんでしたが、母としての気持ちは、深く伝わってきました。

掛け軸は、一幅仕立てるのに掛かる手間は、やっているひとでないと多分分からないと思います。
だからこそ、皆さん、思い入れの深い作品を自分の手で大切に飾りたいと思われるようです。

作り手の想いを感じ取り、その人の流れるままの個性を一番大切にし、静かに添いながら、掛け軸作りのお手伝いをしています。こんなところにも6条件が役立っているのです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

第9章 愛」カテゴリの最新記事