五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

きれいな背筋

2008年02月08日 | 第9章 愛
今日は、年に二度の検診日。

血液検査をするために、椅子に座って待っていました。

氏名と生年月日の確認をしてから、針を刺すのが最近の常識です。
そんなわけで、聴き耳を立てて待っている人には年齢はバレバレ。
というわけで、私の前に座って確認応答しているおばあちゃんお二人は大正生まれということが分かり、病院にいらしているとはいえ、若々しいのに驚きました。

久しぶりに「大正」という言葉を聞きました。
義母が生きていたら今年で89歳。
背筋の真っ直ぐな人でした。
いつも髪をきれいに染めてセットして、きれいな江戸言葉を喋っていました。
一気に痴呆が進み、寝たきりになりましたが、品の良さの中にある抑圧した一本義な個性が、彼女のプライドを守りきっていたように見えました。
見栄は張るけれど、張った分だけ美しい、というのも悪くないと思います。
(美容整形に明け暮れる、というのは好きではありませんが)

一人のおばあちゃんが私の席の横が空いていたので、採血が終わり、そこに荷物を置きカーディガンを着ようと手を掛けられたので、そっとカーディガンの袖を後ろから回してあげました。
「ありがとうございます」
そうおっしゃって、出て行かれました。

おばあちゃんの声色は予想通り、きりっとしていました。

美しい姿勢は、年齢を若く見せます。
そのうえ、カッコいい。

同じ歳を重ねるなら、いつも意識して背筋を伸ばせるよう過ごしたいものだ、と自戒を込めて、目標設定しました。

背筋を気にするくらいの見栄、可愛いものだと思いますが、心身ともに健康に生きるためには、大切な意識化だと思います。

行きたくない病院も、人との出会いでずいぶん違うものですね。

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