五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

おとなの国

2017年02月25日 | 第2章 五感と体感

写真:ルーブル美術館

おとなの国2017年2月25日

経済発展を最も重視している内に何かを見落としてきたように感じ、いつしかピケティの本に埃がかぶりつつある中、みかん園に御縁が繋がり、そこで最低限の農作業の基礎を月に一度教えてもらうようになったのは、私にとって大きな事であるように思っています。
「お金さえあれば手に入る時代」に、何となく不安感を感じます。
確かにお金は大事です。
お金は勿論大事ですが、お金に人が支配されることは、道筋が違うような気がします。
とんでもないお金持ちとその日食べる事にままならない人々との格差は昔からありました。フランス革命以降、色々な社会の形が登場し、領主が領地を守りその下で暮らす人々を養っていく形が消えていき、そして、植民地から独立した国々がそれぞれの自由を求めて自立していこうと頑張れば頑張るほど、もっともっと大きな格差が出来上がってきたようにも思うのです。

自由や解放の幸福感が、お金にすり替わればすり替わるほど、幸福の条件ばかりが際立ち、本来人間が持つ幸福感の感情が表面的なものになっていくと、自己を偏愛する人々の割合が増えていくようにも感じてます。

先日まで見ていたポルトガルを電車で旅するテレビ番組に、旅人が「おとなな国だな~」と、しみじみ呟きました。私もまったく同じ言葉を頭に巡らしました。
世界の先頭を切って大航海時代を作り、各国との交易によって多くの事を学んだ国でもあるポルトガル人々の「おとならしさ」とは、今の私の言葉で表現するなら、社会を潜在的に知った上での幸福感を中心に生きている、と、記しておきます。
織田信長の時代には、異国の人々が商いにやってきて、諸々の珍しきものが日本にもたらされました。江戸時代にそれを閉ざし、日本独特の文化が構築され、フランス革命の頃から再構築され始めたヨーロッパやアメリカ大陸、オーストラリアへの移住による民族大移動を知らずに大政奉還の渦に巻き込まれていきます。
ポルトガルの大航海時代から400年。大政奉還からまだ150年しか経っていません。100年、200年では、まだまだ社会構造の中で幸福感の大切さを体得して知るにはまだまだ途上なのかもしれません。
未成熟、という言葉も当てはまりそうです。
取捨選択する上での判断基準が、上澄みばかりを掬うようでは、沈殿したものを掬う事はできません。やはり、答えがなかなか出なくても、人の本質を真面目に思索するという行為が、「おとな」と成してゆくのかもしれません。

遺伝子レベルで「怖い・怖くない」等の原初的感情が人に植え付けられていくには、2千年、3千年の時間がかかる、と教わりました。

2千年後の地球を天から見渡すのは、少々切ないような気がしますが、今から気を入れて皆の頭で思索すると、良き方向に行くかもしれない、と、呑気に思索する週末の朝です。
人の寿命は、一人の人が成熟するには、ぜんぜん時間が足りないようにも思います。次世代に「念」を渡し学習した事を少しでも繋げていけるといいなのなぁ~と、思ったり。。。
それがもしかしたらAIの役割になっちゃったりするのかもしれませんね。

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