五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

クリスマス

2007年12月24日 | 第2章 五感と体感
今年は、深い信頼を寄せた私にとって兄のような神父が突然帰天しました。

彼との出会いは、クリスマス・イヴのミサでした。
これだけ書けば、美しい出会いのように思うでしょうが、説教の際、なんだか怒ったようにしゃべる彼の語り口に違和感を感じたのが、最初の印象でした。

ところが、人は見かけで判断してはいけない、ということを数年後に知ることとなるのです。
インドの神学校を出た彼との会話の内容は、ほとんど、私のアイデンティティを成長させた「インド」でした。
若いころの私は、自分勝手で、夢だけは大きく、詩人になったような妄想を抱きながら生活していました。リュックを背負い旅をし、アジアという特別な空間に身を置くことで、何かを成しとげられたような錯覚を抱いていたように思います。
だから、仕事に集中し、子供を育て、現実の生活に生きがいを見出すようになったころから、「インド」という私の夢をあえて封印してきました。

その封印をあっけなく解いてしまったのが、H神父でした。

正義感が強く、そのくせ甘えん坊で、瞬間湯沸かし器と言われるほど、すぐにカッとし、10秒でも湧き出た感情を我慢すればよいのに、それが出来ないから、言ってしまった後で、可哀想なくらい反省する。。。そんな人間らしい在るがままの神父から洗礼を授けられたのは、私にとって最高の幸せでした。

体裁、たてまえ、なんのその。思いやりは人一倍。デリカシーが無いようでいて、実は繊細で寂しがり屋。
心の自然児は、思うがままに生きて死んでしまいました。

クリスマスは、キリストの生誕日。生誕。同時に生きることの辛さ、苦しさ、贖いから逃れることはできません。
生きていれば、いろいろなことがあるのです。

それが、生きる、ということなのでしょう。
そして、湧き上がる感情は、生き抜く術を身につけるための道しるべであるように思います。自己の感情が素直に湧き出ればれるほど、心は自由になっていきます。

そんなことを思いながら、クリスマスを過ごし、新しい年を迎えたいと思います。
Merry Xmas

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コメント (2)
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